『 第11回 台湾撮影旅行記 』

2016年3月4日〜3月25日

 ・・・・・ 蘭嶼に,コウトウキシタアゲハを訪ねて ・・・・・

杉 坂 美 典....................................
● プロローグ
 台湾を訪問するのは,これで11回目(のべ滞在日数209日)である。今回は,3週間の行程で,最初の6日間は,台東市の沖にある離島・蘭嶼,以前は,紅頭嶼(こうとうしょ)と呼ばれていた島へ渡り,台湾では,この島しかいないコウトウキシタアゲハを撮影することが,最大の目的である。

          ※ 知本の海岸線の沖に見える島が蘭嶼 約60km離れている
そして,帰路の約2週間は,台湾の本土へ渡り,知本渓谷,宝来,埔里の奥の山岳地帯,烏来の福山村へ寄り,帰国する計画である。

● 3月4日(金)  晴れ時々曇り
 セントレアから桃園国際空港に予定通りに着くことができた。しかも、どういう訳か、入国審査所が空いていて、すぐに入国することができた。空港の外へ出たのは、午後12時40分であった。そこで、なるべく早く台北へ行き、台北市立動物園内にある林道でカメヤマウラナミジャノメを探すため、タクシーを使うことにした。桃園から台北駅の近くのホテルまで、50分間かかり、料金は1100元であった。急いでホテルに荷物を預け、タクシーで動物園へ向かった。午後2時20分には、動物園に着くことができた。林道には、ヤエヤマイチモンジ、ルリタテハ、ウラキマダラヒカゲ、コジャノメなどがいたが、カメヤマウラナミジャノメやシジミチョウ類は、全く見られなかった。
 明日は、松山空港から台東へ行き、さらに飛行機で蘭嶼へ行き、午後はバイクを借りて、各所で撮影をする予定である。台風11号のため、飛行機が飛ばない可能性があり、心配したが、予定通り飛ぶことが分かり、安心した。台北から空港までは、バスで行くことにしたが、切符を買うところで直達便の指定をしなかったため、空港に近づいてからは、各駅に止まるバスで、かなり時間がかかってしまった。しかし、バス代は90元で、本当に台湾の公共交通機関は安い。

● 3月5日(土) 台北:晴れ時々曇り 台東:小雨時々曇り 一時日が差す
 台北から台東へは、松山空港から予定通りに飛ぶことができた。50分間のフライトであった。しかし、台東から蘭嶼に飛ぶ飛行機が、蘭嶼が雨天強風のため、欠航となってしまった。そこで、キャンセル待ちをしても、飛べる可能性は少ないとのことで、思い切って明日の早朝の便に変え、台東に泊まり、今日の午後は、知本渓谷の後山へ登ってみることにした。台東の民宿からタクシーで知本温泉へ行き、タクシー代は、420元であった。そして、11時40分には、知本温泉の裏にある楽山に登り始まることができた。
 天気は、晴れ時々曇りで、たくさんのウスキシロチョウが飛んでいた。さらに登ったところで、中型のジャノメチョウを見つけた。望遠で撮影してみると、何とタッパンウラナミジャノメであった! きれいな雌であった。次に現れたのは、アカネシロチョウでその美しさには目を奪われた。2時間ほど登ると草原が現れた。タイワンモンシロチョウやホリシャアカセセリ、タイワンアオバセセリなどがたくさん飛んでいた。そして、遠くに褐色の蝶が見えた。私の新記録種であるタテハモドキであった。運よく、近くに寄ってきてくれたので、たくさん撮影することができた。そのころから、曇り空になった。雨が降るまであまり時間はないと感じ、足を速めた。すると林道の脇に小道があるのを見つけた。地図には載ってない道である。そこで入ってみると、コウラナミジャノメが数頭、飛んでいた。ところが、ついに雨が降り出し、撮影どころではなくなってしまった。カメラ3台を大型のビニル袋に入れてリュックにしまい、雨具を着て、さらに傘をさして急いで下山した。バス停の近くまで来たとき、台東のバスが来ており、運よくすぐに乗ることができた。台東まで50元であった。そして、台東からは、タクシーで民宿へ帰り、代金は120元であった。台湾の公共交通機関は、本当に安い。今日は、大変な一日だった。明日、飛行日か飛ぶことを願う。

● 3月6日(日) 曇り時々晴れ
 台東から蘭嶼への飛行機は小さいため、風の影響を受けやすく、今日は何とか風が弱くなって本当に良かった。

           ※ 蘭嶼と台東を結ぶ小型の飛行機
 小型の19人乗りの飛行機で、25分簡のフライトであった。ちなみに、機内への荷物は10sまでが無料で、それ以降は、1sが10元かかり、私は、8kgオーバーで、日本円で約300円を払った。安いものである。
 蘭嶼の空港へは、宿の人が迎えに来てくれており、宿に着くと、さっそくバイクを借りて島の探索に出かけた。免許証は日本の免許と事前にJAFに頼んで作ってもらったに日本語の翻訳書があればOKなので、手続きは楽であった。1日500元で、4日で2000元であった。
 この蘭嶼には、ツツガムシ病があり、最近、知り合いの日本人がやられて、大変であったことを知っているので、草むらには入らないことや木の枝をくぐらないことなど注意をしていきたい。時に靴や足元、腕には、虫よけスプレーを念入りに散布した。
 最初に島の南西部をゆっくりと探索した。最初に現れたのは、何と、コウトウキシタアゲハの♀であった。しかし、そのまま飛び去ってしまった。でもコウトウキシタアゲハが発生していることが分かり、期待が膨らんだ。しばらく行くと、小さな草花が花をつけているポイントがあった。バイクを降りて、撮影を開始すると、さっそく、アリサンクロセセリ紅頭亜種が数頭、現れ、さらに、ニセウラナミシジミ、ベレニケアマミウラナミシジミ、カラスアゲハ紅頭亜種、オオゴマダラ紅頭亜種が姿を現した。この島の南西部は、ジャングルになっており、ポイントが多かった。しかし、その後、島を一周したが、その他は、崖が続く場所が多く、ほとんど何もいなかった。

           ※ 蘭嶼の東北部の海岸   野生のヤギがたくさん生息していた
 宿の主人の話だと、40年ほど前は、コウトウキシタアゲハは、たくさんいたが、今ではほとんど見られなくなったと話してくれ、私は1♂1♀を見て、1♂の写真を撮ったことを話すと、大変ラッキーで、見れないで帰る人が多いことを教えてくれた。キシタアゲハは、3月には台湾南部の墾丁で発生しているが、4月になると全く見られなくなることから、この蘭嶼のコウトウキシタアゲハも同じ時期に発生するのではないかと予想を立て、3月上旬を狙ったのもよかったと思われる。明日は、天候が心配であるが、南西部のポイントと南部の縦貫道を探索する予定である。

● 3月7日(月) 晴れ時々曇り
 今日は、蘭嶼の南西部を探索し、その後、南部を横断する山道を通って、北側の海岸に出て、その後、南部を回り込んで、南西部まで戻ってくる計画でスタートした。7時30分に宿を出たが、早すぎたのか、何も飛んでいなかった。そして、部落を出て20分ほどバイクで進んだ所に、ハイビスカスの花が道沿いにたくさん咲いている場所へ着いた。すると、何と、コウトウキシタアゲハの♀が、吸蜜に来ているではないか! 数十枚の写真を撮ることができた。そこに、さらに♂が現れ、求愛行動を始めた。♀は、交尾拒否行動をし、完全に静止し、♂はその周りを飛びまわている。最高の場面である。約500枚の写真を撮影することができた。さらに別の♂が現れ、♂の吸蜜写真も撮影することができた。

※ コウトウキシタアゲハ や カラスアゲハ がやってくる絶好のポイント
..

          
 その後、山に登ったが、ホリイコシジミがいたくらいで、大した撮影はできなかった。しかし、向こう側へ降りる道の途中で、カラスアゲハが紫色の花に吸蜜に来ており、きれいな写真を撮ることができた。
 島の最南部に近い場所では、オオシロモンセセリが2頭、草むらの花に飛来しており、その近くの草むらで、アリサンクロセセリも撮影することができた。
 バイクのガソリンがだいぶ減ってきたので、島の西北部にあるたった一つのガソリンスタンドへ出かけた。すると、小さな草原に小型のチョウが飛んでいるのを見つけた。バイクを止めて確認すると、ウラナミシジミであった。さらに、その草むらの奥には、コウシュンルリシジミがいて、きれいな写真を撮影することができた。
 午後2時になり、宿へ帰るには、まだ早いので、再び、南西部のハイビスカスがある場所へ出かけた。しかし、チョウは、全くいなかった。コウトウキシタアゲハが縄張り行動をするのは、午前中だけなのか? さらに、南部の大きな草むらに行ってみると、ユウレイセセリがいた。コウトウシロシタセセリもいたが、撮影はできなかった。
 時間も午後4時になったので、宿へ戻ることにし、途中にあるジャングルに入る林道へ行ってみると、カラスアゲハがハイビスカスに吸蜜に来ており、翅が緑色に輝く写真を撮影することができた。
 蘭嶼の撮影ポイントは、南東部がメインで、縦貫道を山越えして南東部から南西部へ回り込み、その後西部を散策するコースが最適であることが分かった。
 今日は、最終的には、コウトウキシタアゲハ 8♂♂、4♀♀を確認することができた。♂の破損状態からして、3月上旬がこの時期の最盛期であることが分かった。
 昨日と今日で、バイクで走った距離は、約100km。しかも、地上で這うように飛ぶシジミも見つけられるし、カメラは2台、担いでいるので、バイクに乗ったまま、すぐに撮影ができる。ポイントに着いたら、すぐに足でも探索できる。蘭嶼では、バイクは必須のアイテムであることを実感した。

● 3月8日(火) 晴れ時々曇り
 蘭嶼の南東部の撮影ポイントで、今日もコウトウキシタアゲハやカラスアゲハの写真をたくさん撮ることができた。特に、コウトウキシタアゲハは、8♂♂2♀♀を確認することができた。そこで、さらに、北部の山に入る道を探索することにした。

※ 蘭嶼の北東部の山から見た海岸線

              
 急な斜面をバイクで登っていくと、山頂は軍事基地になっていて、行き止まりになっていた。途中の道では、ニセウラナミシジミやオオシロモンセセリを撮影することができた。そして、この島にしかいないキシタシロチョウもいたが、飛ぶのが非常に速く、しかも止まらないので、撮影は極めて難しいことが分かった。
 明日は、この北部の山を中心に、キシタシロチョウが撮れるようがんばってみる予定である。

● 3月9日(水)  曇り時々晴れ、夕方から雨
 蘭嶼の特産種であるキシタシロチョウを昨日、北部の山の中腹で見つけたので、今日は、まず、南西部のコウトウキシタアゲハやカラスアゲハのポイントへ行ってから、北部の山に入ることにした。まず、南西部のポイントには、7時調度に着くことができた。少し時間が早いと思っていたのであるが、何と、コウトウキシタアゲハ2♂♂が、ハイビスカスの花に吸蜜に来ていた。そこで1時間ほど、そこで撮影し、さらに南のジャングルへ続く小道に出かけた。バイクを入口に置き、徒歩で奥へ進むと、カラスアゲハがハイビスカスの花に吸蜜に来ていた。ニセウラナミシジミも撮影することができた。
 9時になったので、北部の山に出かけることにした。バイクで、30分ほどで着くことができた。しかし、昨日と違い、今日は風が強く、山頂はチョウが飛べる状況ではなかった。そこで、中腹にあった風があまり当たらない場所で、しかも、数種類の花が咲いている場所で、じっくりと待つことにした。
 1時間ほどしたとき、本当に、キシタシロチョウが吸蜜に訪れた。しかも、20分間もモデルになってくれた。その後、さらに2頭の個体を確認したが、あっという間に飛び去って行った。キシタシロチョウは、平地にはおらず、山地に住み、飛翔力は、カワカミシロチョウ並みであることが分かった。
 その後、再度、南西部のポイントへ行ってみると、何と、シロオビマダラを撮影することができた。このチョウは,迷蝶で,私の知る限りでは,台湾での記録は報告されていない。沖縄で迷蝶として記録されている。
 今日は、コウトウキシタアゲハ 4♂♂1♀ を記録し、私的新記録種は2種であった。 本当に幸運な1日であった。
 蘭嶼をバイクで走って撮影した4日間で、走った距離は、ちょうど200kmであった。これだけたくさんの種類を撮影できたのは、バイクのおかげである。蘭嶼のまとめとして、滞在期間は、正味4日間あれば、十分である。ツツガムシ病の心配はあるが、草むらに入らないようにすれば、大丈夫で、病原のリケッチアがツツガムシ(0.2mmの大きさなので見えない)から体内に移るには、約6時間が必要だそうで、撮影から帰ったら、十分に石鹸で体を洗うことや衣服に着かないように、虫よけスプレーを頻繁に使用することをお勧めする。島内部の移動は、バイクが必需品で、自転車では暑くて厳しい。徒歩では、無理である。ガソリンは安く、4日間で200km走って、130元、日本円で500円であった。バイクのレンタル代は、今回は新品で、1日、500元だった。快適であった。 宿は自分で取ることができなかったので、日本の旅行業者を通して、台湾の業者を通じて取ったので、非常に高かった。朝飯、昼飯なし、水や湯は、1階まで降りないとない。これで、1泊、16000円は、高い! けれど、宿の人たちは、とても親切で、台湾の旅行社が儲けたのであろう。宿の近くに朝飯屋があり、サンドイッチがうまかった。そこで、昼飯分も買ってすました。夕食が問題で、近くの飯屋はやっているのかわかない状態で、仕方なしに、バイクで15分走って離れた村まで行って、そこでおいしいスパゲッティ屋を見つけたので、運が良かった。2日間、通ったが、後の2日間は、変なものを食べるより、私の大好きな台湾のインスタントラーメンとパンとビールで済ませた。昨年、台湾の胡椒は、まずかったので、日本から持参した。島には、7‐11が1つあり、中型と小型のスーパーも2つ見つけたので、飲み物には不自由しなかった。撮影は、南西部の一体と、北部の山しかなく、一周周ってもよいポイントは見つからなかった。ジャングルの奥や南部の山への登山もできるが、ツツガムシのことを考えると、やめた方がよいと思う。毎日、ここをバイクで走り回っているだけで、ここにいるチョウのほぼ全種を撮影することができた。ただ、タイワンヒメシジミだけは、見つからなかった。海岸部の平地ががかなり開発され、畑や水田になっているので、ひょっとしていないのではないかとも思われた。
 コウトウキシタアゲハは、台湾南部の墾丁のキシタアゲハと同じ時期に発生しており、3月上旬では、コウトウキシタアゲハの方が、個体数は多いように思えた。ただし、どちらの種も保護されており、法律的に採集が禁止されている。人をあまり怖がらないので、近寄って撮影することができた。キシタシロチョウは、今回は北部の山の中腹で、のべ4回しか見られなかったし、シロチョウ全体の数からしても、1000分の1以下の発生数であった。モンシロチョウ、ワタナベシロチョウ、ウスキシロチョウ、タイワンキチョウなどは、村は連れの草原やジャングル周辺には多かった。カラスアゲハ(台湾本土とは別亜種)は、ジャングルの周辺や山の中腹でよく見られたが、なかなか止まらないので、撮影は難しかった。アリサンクロセセリ(台湾本土とは別亜種)やヒメイチモンジセセリ、タイワンキマダラセセリは、ジャングルや道路沿いの草むらで見られた。オオシロモンセセリは少なかったが、限られた場所で発生していた。タイワンアオバセセリは、夕方になるとたくさん見られるようになる。ウスイロキマダラセセリは、草原の横のジャングルで2頭、確認できただけであった。シロオビアゲハ、ナガサキアゲハ(有尾型)は、北部の山で見られ、コモンタイマイは、南西部の道沿いの花畑で見られた。ヤマトシジミは、全島で見られ、ウラナミシジミ類は、、ジャングル内やその周辺にいた。タイワンウラナミジャノメは、北部の山の中腹にいた。オオゴマダラ(台湾本土とは別亜種)は、島の各所で見られ、個体数も多い。スジグロカバマダラは、時々、草原に見られ、シロオビマダラがいたことには驚かされた。タテハモドキは、北部の草原に時々見られ、ツマグロヒョウモンは、南部の草原にいたが、あまり多くはなかった。リュウキュウムラサキは、南西部のジャングル内や北部の山の林道で、占有行動をしていた。
 この蘭嶼の問題点は、飛行機が飛べるかどうかで、足と目を食らうことも覚悟で行程を組まないといけないことが分かった。
 明日は、飛行機が飛ぶか、心配である。

● 3月10日(木)  蘭嶼:曇り時々雨  台東:曇り
 蘭嶼は、風が強く、深夜は風の音で目が覚めるほどであった。朝になってみると、風はかなり弱まっていたが、飛行機が飛べるか、心配であった。しかし、台東からの飛行機が見えたときは、安心した。ところが、いざ、離陸となると、やはり期待が激しく揺れ、落ちるのではないかと不安になった。
 機内ではつかまるところがないので、椅子の前の部分を両手で持って、体を支えていた。台東が近づいてくると、風が収まったのか、飛行機が安定するようになり、無事、着陸することができた。
 台東から知本温泉まで、タクシーを使った。中国語で運転手といろいろ話をした。知本温泉のホテルに到着したら、410元を400元にまけてくれた。さっそく撮影の支度をして、バスで、終点の森林遊楽區まで行った。そこで下調べをしておいた山の道に入ったのだが、しばらく進むと、道がなくなっていた。仕方なしに、これまで通りの知本渓谷の奥へ進む道に向かった。2時間ほど歩くと、やはり崖崩れの場所はそのままで、さらに雨が崖を削って、ひどい状態になっていた。明日、他にポイントが見つからなければ、明後日は、ここを通過する予定である。
 明日は、小雨の予報なので、下調べを各所でしてみたいと思う。

● 3月11日(金)  小雨
 今日は、終日、小雨で撮影はできなかった。明日の撮影コースのチェックと13日の宝来への移動を効率的に行うための下調べをした。

● 3月12日(土)  曇り
 昨日は、終日雨だったので、今日は、曇りが続きそうなので、楽山へ登ってみることにした。
 7時30分にホテルを出発し、山道をに登り始めたが、曇っているため、気温が低く、何も飛んでいない状態が、1時間以上続いた。
 最初に現れたのは、タイワンモンシロチョウであった。その後、モンシロチョウも姿を現した。さらに1時間30分、登ると、山頂近くの尾根に出ることができた。そこは、絶景であった。台湾の東部の海や台東市が眼下に広がり、遠くには、蘭嶼を眺めることができた。

   ※ 楽山の尾根から見た台東市  この山の裏側に知本渓谷があり,そこから登ってきた道のりは,ずっと登りだったのできつかった 
 気温も上げってきたので、その尾根を探索することにした。しばらく進むと、キク科の植物の花畑に出た。そこには、アカネシロチョウが2♂♂4♀♀が吸蜜に来ており、ウラフチベニシジミも数頭、見られた。ヒメジャノメやコヒトツジャノメもいた。2時間ほど探索し、下山することにした。気温が上がっているため、下山道では、たくさんのチョウを撮影することができた。中腹あたりで、小さなシジミチョウが縦間で羽ばたいているのを見つけた。急いで近寄ってみると、何と、この3年間、探していたリュウキュウウラボシシジミだった。数枚の写真を撮ることができた。他には、クロボシセセリや珍しいクロキマダラセセリも撮影することができた。今日一日で歩いた歩数は、23000歩で、
きつい山道であったので厳しかったが、久しぶりに感動する一日であった。
 明日は、宝来に出発する前に、2時間30分ほど時間があるので、リュウキュウウラボシシジミがいた場所を探索してみようと思う。なお、知本駅から屏東駅まで切符を買うために、夕方、知本駅に行ったのであるが、予定していた列車は、満席で、仕方なく、1本、早い列車になった。昨年も、列車が取れなくて、待ち時間がたくさん出てしまったので、今回は、前日に予約に行ったのであるが、駄目であった。列車の本数が少ないので、仕方がないことであるが、予定は決まっていれば、早めに切符を買っておくことが必要であった。

● 3月13日(日) 知本:小雨  宝来:曇り
 知本温泉のホテルを10時にチェックアウトして、知本駅を10時33分の列車に乗り、屏東に12時37分に着くことができた。そこからは、タクシー使い、宝来の宿に着くことができた。時間は、1時間半かかり、料金は、2000元であった。
 宿に着いてからは、近くを探索したが、オオシロモンセセリがいたが、他には、大したものはいなかった。
 明日は、天候が悪い予報なので、様子見である。
 宝来を基地として、西部の山には徒歩、バスを使って、六亀の奥地や老濃国小の西部の谷へ行くには、宝来を朝6時30分に出るバスを使うことが良いことが分かった。宝来に帰ってくるバスは、宝来着が、12時30分と16時30分があるので、状況によって対応できることが分かった。

● 3月14日(月)  小雨
 今日の10時ころまでは、小雨が降り続いていたが、止み間ができたので、宝来の西部にある山に下見の探索に出かけた。
 山に入ってみると、果樹園が所々にあるが、自然が残っている場所がたくさんあった。峠まで、約1時間の行程であった。そして、峠を下ってしばらく行くと、渓流を小さな橋が渡っている場所であった。晴れていれば、よいポイントになりそうであった、そこから先は、村の中に入ってしまい、よいポイントはなかった。先程の渓流にかかる橋のポイントで戻った方がよいことが分かった。

● 3月15日(火)  雨
 今日も、雨で、止み間に再度、西の山に入ったが、かなり激しい雨に降られ、やむなく下山することになった。
 明日は天気が良ければ、南西部の山に入りたいと思う。

● 3月16日(水)  午前中:くもり  午後:曇り時々晴れ
 今日は、久しぶりに予報が良く、バスを利用して、宝来の南西部の谷に出かけた。
 バスは、宝来を6時30分に出るものしかないので、6時45分には、濃国小のバス停についてしまった。そこで、バス停近くにある7‐11で、朝飯と昼飯を買い、近くの橋のたもとで朝ごはんにした。朝飯後、ゆっくり歩きながら探索したが、時間がはいのと、曇っていて気温が上がらないため、何も飛んでいない状態であった。
 1時間ほど過ぎて、8時になり、ようやく上智橋のポイントに着いた。昨年は、ホソチヨウがいた場所であるが、気温が低いためか、コウラナミジャノメがいただけであった。そこで、次の谷を探索することにした。しばらく進むと、内英橋のポイントに着いた。渓流に沿って右側の道を登っていくと、コミスジがたくさん発生していて、コヒトツメジャノメ、キレバヒトツメジャノメ、タイワンウラなにジャノメ、コウラナミジャノメなどを撮影することができた。しかし、この渓流の最奥地は崖になっていて、沢に降りることはできなかった。
 そこで、最終目的地の渓谷に沿って道が続いているポイントに向かった。すると、曇っている中、高い木の周辺を飛び周っている大型のシロチョウを見つけた。止まらないので、連射で撮ってみると、新記録種のベニモンシロチョウであった。しかし、鮮明な写真は撮れなかった。
 渓流沿いの道に入ってみると、よいポイントが連続しており、沢に降りる場所が数か所あった。天気も晴れてきたので、たくさんの蝶が姿を現した。特に、クロコノマチョウ、コミスジが多く、コシロウラナミシジミも各所で見られた。しかし、ベニモンシロチョウを探したが、見つからなかった。出発してから5時間がたっていたので、戻ることにした。帰りは、気温が上がっていたので、たくさんのマダラチョウ類が姿を現し、ウスキシロチョウは、どの場所でも見られる状態であった。
 今日は、8時間の行程であったが、次回、宝来に来たときは、最盛期になるカバシタアゲハを見つけたいと思う。

● 3月17日(木)  曇り時々晴れ
 今日は、天気が良かったので、チェックアウトの11時00分まで、宝来の西の山に出かけた。
 マダラチョウ類が多く、コウラナミジャノメ、タイワンキミスジ、ベニモンシロチョウを撮影することができた。その後、宿に戻り、11時30分のバスで、六亀へ向かい、さらにバスを乗り継いで、新幹線の左営駅まで行った。
それからは、台中を経て、バスで、埔里に向かった。埔里に着いたのは、午後5時であった。ホテルに着いたら、いつものコインランドリーで洗濯をし、夕食に出かけた。
 明日からは、東北部の山に行くつもりであるが、天気予報が悪く、不安である。

● 3月18日(金)  曇り、後、曇り時々晴れ
 今日は、朝のうちは曇っていたが、7時25分のバスで、本部溪に出かけた。朝のうちは、気温が引くいため、何もいない状態であった。仕方なく、川沿い道の3ヶ所に、バナナとパイナップルのトラップをかけ、山道に入った。しかし、10時を過ぎるまでは、コウラナミジャノメが姿を現しただけであった。そして、昨年の6月にワモンチヨウがいたポイントまで着いたが、やはり気温が低いために、何も飛んでいない。仕方なしに、下山することにした。11時30分を過ぎると、ようやく、気温が上がり始め、コヒトツメジャノメやルリモンアゲハ、モンキアゲハなどが姿を現した。川沿いの道まで降りてきたとき、小型のキチョウガ飛んでいた。近寄ってみると、新記録種のツマグロキチョウの夏型であった。ほとんど止まらないので、撮影には苦労したが、たくさんの写真を撮ることができた。その後は、数種類は、撮影できたが、目新しいものはなかった。トラップには、何も来ていなかった。
 明日も同じような天気になりそうなので、遅めに出かけて、眉渓と南山溪に行くつもりである。

● 3月19日(土)  雨
 朝は曇っていたので、10時20分のバスで、眉渓に出かけたが、豪雨となり、仕方なしに、再び、埔里まで帰ってきた。
 明日は、天気が良ければ、仁愛橋で降りて、奥の山に入ってみようと思う。

● 3月20日(日)  雨
 今日は、終日、雨で撮影はできなかった。台湾の3月は、雨季で、撮影は厳しい日が多い。
 明日は、埔里からバスで、台北へ直行する。

● 3月21日(月)  曇り
 今日は、台北へ移動する日である。朝食を6時からなので、5時30分に、ホテルから歩いて5分間の場所にある洗濯屋を見に行くと、早朝からやっていた。そこで、朝食後、直ぐに洗濯に行き、洗っている間に、台北への切符を買いに行くことにした。ホテルからバスの切符売り場までは、片道、歩いて15分なので、ちょうどよい。バスの切符を買ってみると、385元と安く、しかも座席指定であった。ということは、満杯になると乗れないということで、買えてよかった。切符売り場から洗濯屋に戻ると、ちょうど、洗濯が終わっていた。そこで、洗濯物を乾燥機にに入れた。先回、30分間の乾燥では、少し乾いてない場所もあったので、今回は、40分間の乾燥とした。
洗濯物を回収し、バックに詰め、9時20分にチャックアウトした。
 高速バスは、台北まで約3時間弱の長旅であった。バスの中には、トイレもあった。
 台北に着くと、ホテルまで歩き、荷物をホテルのフロントに預け、お腹が減っていなかったので、台北市立動物園へ電車を使っていった。天候は曇っていたが、ウラキマダラヒカゲ、コジャノメ、キレバヒトツメジャノメ、コウラナミジャノメ、lクロセセリ,イチモンジセセリがいた。晩飯は、カレーライスが食べたかったので、ココ一番屋に行った。久しぶりのカレーで、とてもおいしかった。
 明日は、天気予報が良くないが、明後日は、少し良さそうなので、福山村へ行きたいと考えている。

● 3月22日(火)  曇り
 今日は、曇っていたが、烏来の奥地の福山部落へ出かけた。朝7時40分の電車で新店まで行き、そこからは、烏来行きのバスを使った。烏来からは、タクシーを使って、30分であった。片道600元は、普通である。10時調度には、福山に着くことができた。
 最奥地まで歩いたが、道は、なくなっており、そこでは、沢に降りることはできなかった。ところが、帰り道で、とても良い場所を見つけることができた。4月16日には、晴れておれば、最高の撮影場所になるはずである。しかも、その対岸にも歩いて行けることが分かった。道はかなり険しいが、登ってみるとよいポイントがいくつかあった。
 烏来からの帰りは、台北までバスを使ってみた。烏来を15時45分のバスで、17時05分には、台北に着いた。かかった時間は、1時間20分で、電車を使うよりは少し早いことが分かった。しかし、トイレの心配と、座れるかどうかを考えると、どちらがよいとは言えない。
 明日は、陽明山へ行くつもりである。

● 3月23日(水)  雨
 今日は、終日、雨で、撮影に出かけることができなかった。

● 3月24日(木)  雨
 今日は、終日、雨で、撮影に出かけることができなかった。
 明日は、帰国である。

● 3月25日 曇り
 予定通りのバスで,台北から桃園国際空港まで行くことができた。バスは,10分〜20分間隔で出ているので,座っていけるのがありがたい。飛行機は,30分遅れで離陸したが,ジェット気流が強く,予定通りの時間にセントレアに着くことができた。

● エピローグ
 今回の旅行は,蘭嶼だけは天候に恵まれたが,後は本当に雨の毎日であった。台湾の人に聞いたら,こんなに天候が悪いのは記憶にないとのことで,異常気象なのかもしれない。確かに,これまで3月には,4回,訪れているが,こんなにひどいのは初めてであった。しかし,目的のコウトウキシタアゲハに,あんなにたくさん出会えたことを考えると,最高の旅行であった。
 次回は,4月16日からである。モクセイアゲハ,カバシタアゲハに会いたいものである。
 




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