台湾の蝶 <シジミチョウ科- ヒメシジミ亜科1


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アシナガシジミ亜科・ウラギンシジミ亜科,ここをクリックすると見ることができます

ベニシジミ亜科・ミドリシジミ亜科1は,ここをクリックすると見ることができます

ミドリシジミ亜科2は,ここをクリックすると見ることができます

・マエルリシジミ 巒大鋸灰蝶 (台湾産)   Orthomiella rantaizana Wileman,1910


写真数: 3枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長20〜25mm。小型のシジミチョウ類である。渓流の中州でチラチラと低く飛ぶ様子を確認できたが,トラップには来なかった。
【雌  雄】 ♂は,後翅表面の前縁部に青藍色が現れ,♀は,裏面に茶褐色の斑紋が発達しないので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 2月〜5月中旬に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(200m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾北部の新北市烏来区福山村で見ることができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島北部,中国の南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,広東省,福建省,浙江省に分布し,台湾と同じ亜種である。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2017.3.28,新北市烏来区福山村,1♂

・ヒメウラナミシジミ 波灰蝶 (台湾産)   Prosotas nora formosana (Fruhstorfer, 1916)   台湾亜種


写真数: 92枚


出現頻度
★★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長20〜24mm。小型のウラナミシジミ類である。日本産と同じ亜種である。南部の社頂自然公園では,数十頭の個体が風裏に集まって飛翔している様子が見られた。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表に青白色斑が現れ,翅形が丸みを帯び,裏面が黄褐色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2800m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市林で見られる。
 各地で普通に見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ亜種が分布している。
【近似種】  他のウラナミシジミ類に似ているが,本種は,小型のウラナミシジミで,後翅裏面に3列のジグザグの斑紋があり,斑紋と斑紋の間隔が広いことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2013.4.3,墾丁国家公園,10exs.
2014.3.4,墾丁国家公園,8exs.
2014.3.5,墾丁国家公園,6exs.
2014.3.6,墾丁国家公園,4exs.
2014.3.7,墾丁国家公園,7exs.
2014.5.28,社頂自然公園,多数exs.
2014.5.29,墾丁国家公園,多数exs.
2014.5.31,社頂自然公園,多数exs.
2014.6.2,台東市知本渓,8exs.
2014.6.11,南投縣本部渓,3exs.
2015.6.16,台東市知本渓,多数exs.
2015.6.17,台東市知本渓,多数exs.
2015.6.21,高雄市茂林,多数exs.
2015.6.22,高雄市宝来,多数exs.
2015.6.25,阿里山沼平,5exs.
2015.7.4,梨山晉元橋,多数exs.
2015.7.6,梨山晉元橋,多数exs.
2015.7.13,新北市水南洞,1ex.
2016.3.13,高雄市宝来,1♂
2016.3.16,高雄市宝来直瀬溪,4exs.
2016.3.30,社頂自然公園,多数exs.,多田和夫
2016.4.28,高雄市寿山,多数exs.
2016.4.30,高雄市直瀬溪,多数exs.
2016.5.1,高雄市桃源,多数exs.
2016.6.7,高雄市高中林道,多数exs.
2016.6.10,南投縣本部渓,多数exs.
2017.7.11,拉拉山上巴陵,多数exs.
2017.7.30,台南市東山區,多数exs.
2017.8.23,台北市剣南山,1♂
2017.9.4,南投縣本部渓,1♂
2018.4.25,南投縣本部渓,2♂♂1♀
2018.6.26,花蓮市碧緑神木,1♀
2018.7.2,桃園市上巴陵,1♂
2018.7.4,桃園市上巴陵,1♂
2018.10.21,南投縣本部渓,1♀,大橋豊嗣
2018.11.5,南投縣本部渓,5♂♂1♀
2018.11.6,南投縣本部渓,1♂
2018.11.8,台北市剣南蝶園,1♀
2019.2.16,社頂自然公園,1♀,荻野秀一
2019.4.22,南投縣本部溪,2♀♀,安中弘行
2019.5.1,南投縣本部溪,1♂2♀♀,高月陽生
2019.5.3,南投縣本部溪,1♂,高月陽生
2019.7.15,台東縣知本,1♂
2019.7.20,台北市北投,1♀
2019.7.24,高雄市寿山,1♂
2022.6.17,新竹市,1♂,岡本英一
2023.5.28,新北市烏来区,1♂,三河和夫
2023.6.2,南投県本部渓,1♀,三河和夫
2023.6.21,南部横貫公路,1♀,林 本初
2023.6.29,台東縣池上郷,1♀
2023.6.30,南横公路,1♀
2023.7.1,台東縣池上郷,1♂1♀
2023.7.2,花蓮市景美,1♂
2023.10.8,南投縣本部渓,1♂,岡本英一
2023.7.4,宜蘭県頭城鎮,2♂♂
2023.7.5,宜蘭県思源,1♀
2023.10.15,台中市八仙山,1♀,岡本英一
2024.1.4,台南市北区,1♂,林 本初

・ウスグロヒメウラナミシジミ 密紋波灰蝶 (台湾産)   Prosotas dubiosa asbolodes Hsu & Yen,2006    台湾亜種


写真数: 38枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長20〜25mm。小型のウラナミシジミ類である。近似種のヒメウラナミシジミは,明るい草原や水たまりなどで見られるが,本種は,やや暗い場所を好み,日陰になっている場所に生えているセンダングサに集まっていた。台南市山上区での観察では,生活場所は,センダングサの生えている横にある森林で,センダングサで吸蜜したり,森林へ戻ったりを繰り返していることが分かった。高雄市左営區では,公園の植林された樹木の木陰で静止している個体を見つけることができた。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯び,裏面が黄褐色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の南部の低・中標高(〜1000m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市林で見られる。
 南部の墾丁国家公園高雄市茂林高雄市直瀬溪,台南市山上区,高雄市左営區で撮影することができた。特に,台南市山上区では,複数の個体がセンダングサに飛来していた。台南市佳里區でもかなりの数の個体が撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南部に分布し,台湾産は分布の北限に当たる。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ亜種が分布している。
【近似種】  ヒメウラナミシジミに似ているが,本種は,翅頂が尖り,尾状突起がないこと,後翅裏面の波状紋の幅がどれも同じなので,ヒメウラナミシジミのように3つの列を判別できないことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2013.4.4,墾丁国家公園,1♀2014.3.5,墾丁国家公園,1♂2015.6.21,高雄市茂林,1♂
2016.6.6,高雄市直瀬溪,1♂1♀2017.8.25,台南市山上区,2♂♂1♀2017.8.28,台南市山上区,2♂♂1♀
2018.11.2,高雄市左営區,1♀
2019.1.26,台南市佳里區,2♂♂1♀,林 本初
2019.1.27,台南市佳里區,4♂♂2♀♀,林 本初

・アマミウラナミシジミ 大娜波灰蝶 (台湾産)   Nacaduba kurava therasia Fruhstorfer,1916   台湾亜種


写真数: 111枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,別亜種septentrionalis である。開長28〜33mm。樹上を速く飛び,吸蜜の際に花に降りてくるが,なかなか止まらない習性がある。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表に青白色斑が現れ,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2150m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部,離島など,各所で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本の九州南部以南に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。
【近似種】  ホリシャウラナミシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の白線がほぼ等間隔で並ぶこと,裏面の地色はより薄い灰褐色になること,♂の表面の色はより薄い青色になることなどで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.3.3,墾丁国家公園,2♂♂
2014.3.4,墾丁国家公園,1♂1♀
2014.3.6,墾丁国家公園,1♂
2014.5.28,社頂自然公園,1♀
2014.5.29,墾丁国家公園,1♂2♀♀
2014.6.9,南投縣本部渓,1♂
2015.6.28,南投縣本部渓,2♂♂1♀
2015.7.1,南投縣奥萬大,1♀
2015.7.2,南投縣南山渓,1♂
2015.7.5,梨山思源,2♂♂
2015.7.9,拉拉山下巴陵,1♂
2015.7.12,陽明山二子坪,2♂♂3♀♀
2015.7.13,陽明山横峯古道,1♀
2015.7.14,新平市汐平路仁愛橋,1♂
2016.3.6,台東縣蘭嶼,1♂1♀
2016.3.9,台東縣蘭嶼,1♂
2016.3.12,台東市知本溪楽山,2♂♂
2016.4.30,高雄市直瀬溪,1♀
2016.5.7,南投縣本部渓,2♂♂
2016.5.17,太平山鳩之澤,2♂♂
2016.5.18,太平山鳩之澤,1♂
2016.5.20,羅東新城溪,1♀
2016.5.25,羅東清水溪,1♂
2016.5.26,太平山鳩之澤,1♀
2016.6.10,南投縣本部渓,1♀
2016.6.14,南投縣本部渓,1♂
2016.6.15,苗栗縣三義,1♂1♀
2016.6.17,苗栗縣三義,1♀
2016.6.27,陽明山横峯古道,2♂♂
2017.3.28,新北市烏来区福山村,1♂
2017.3.30,新北市熊空,1♂
2017.7.11,拉拉山上巴陵,2♂♂2♀♀
2017.7.13,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.23,南投縣本部渓,1♂
2017.7.30,台南市東山區,1♂
2017.8.27,台南市龍崎區,1♂1♀
2017.8.29,高雄市桃源區籐枝,1♂
2017.8.31,台南市東山區,1♂
2017.9.4,南投縣本部渓,1♂
2018.3.10,社頂自然公園,1♀,大橋豊嗣
2018.4.25,南投縣本部渓,1♂
2018.6.26,花蓮市碧緑神木,1♂1♀
2018.6.27,花蓮市碧緑神木,1♀
2018.6.30,南投縣仁愛郷ナールー湾,1♀
2018.6.30,南投縣仁愛郷本部渓,1♀
2018.7.5,桃園市下巴陵,1♂
2018.11.5,南投縣本部渓,2♂♂1♀
2018.11.8,台北市剣南蝶園,1♂
2019.5.1,南投縣本部溪,1♂,高月陽生
2019.7.11,花蓮市碧緑,1♀
2019.7.19,陽明山大屯自然公園,1♀
2019.7.20,台北市北投,1♂
2023.6.2,南投県本部渓,1♂,三河和夫
2023.7.5,宜蘭県思源,1♂2♀♀
2023.7.7,南投県ナールー湾,1♂2023.7.10,新北市桶後林道,3♂♂

・ホリシャウラナミシジミ 南方娜波灰蝶 (ミナミウラナミシジミ) (台湾産)   Nacaduba beroe asakusa Fruhstorfer, 1916   台湾亜種


写真数: 18枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長22〜26mm。樹上を速く飛び,吸蜜の際に花に降りてくるが,なかなか止まらない習性がある。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表に青色斑が現れ,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の南部の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林で見られる。近年は,台湾の北部でも記録が出始めた。
 台湾の南部の台東市の知本渓社頂自然公園南投縣本部渓で見られた。屏東縣春日郷大漢山でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南部に分布し,台湾産は分布の北限に当たる。
 中国では,海南省に,別亜種 N.beroe gythion が分布している。
【近似種】  アマミウラナミシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の後縁部にある黒条の間隔が広くなること,裏面の地色はより濃い灰褐色になること,♂の表面の色はより濃い青色になることなどで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.3.8,台東市知本溪,1♂
2015.6.20,高雄市宝来,1♂
2015.12.28,屏東縣春日郷大漢山,1♀,林 本初
2016.3.10,台東市知本溪,1♀
2016.3.30,社頂自然公園,1♂1♀,多田和夫
2016.5.1,高雄市桃源,1♂
2016.5.7,南投縣本部渓,1♂
2016.6.10,南投縣本部溪,1♂
2019.2.16,社頂自然公園,1♂,荻野秀一
2019.4.22,南投縣本部溪,1♂,安中弘行
2023.6.15,北部横貫公路,1♂,林 本初
2024.1.4,台南市北区,1♀,林 本初

・ベレニケウラナミシジミ 南方娜波灰蝶 (台湾産)    Nacaduba berenice leei Hsu, 1990


写真数: 14枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長22〜25mm。台東市の沖にある離島・蘭嶼のみで発生している。樹上を速く飛び,吸蜜の際に花に降りてくるが,なかなか止まらない習性がある。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表に青白色斑が現れ,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  蘭嶼の低標高(〜500m)の海岸林の周辺で見られる。
 台湾の台東市の沖にある離島・蘭嶼のみで発生している。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部に分布し,台湾産は分布の北限に当たる。
 中国には分布していない。
【近似種】  アマミウラナミシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の後角部に近い斑紋の幅が狭くなること,後翅裏面の後角付近の斑紋がY字型になること,雌の後翅表面の亜外縁には白斑が発達すること,後翅裏面の亜外縁の黒褐色斑は,より黒化し,色にムラが出ないことなどで区別することができる。
 
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2016.3.6,台東縣蘭嶼,1♀
2019.6.19,台東縣蘭嶼,3♂♂,林本初 

・クロウラナミシジミ 暗色娜波灰蝶 (台湾産)    Nacaduba pactolus hainani Bethune-Baker,1914


写真数: 34枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長26〜31mm。中型のウラナミシジミ類である。個体数が少ない。食草がタイワンモダマで,森林に生えるツル性の植物のため,森林の減少による本種の減少が心配されている。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表に濃い青紫色斑が現れ,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。い。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾中部の山岳地帯と南部の低標高(〜1000m)の常緑広葉樹林の周辺で見られる。
 高雄市美濃区の発生地は,極めて局部的で,その発生地の中でも,数十メートルの場所で,早朝に吸水に地上に降りてきている個体しか見られず,撮影は極めて難しい蝶であることを実感した。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部に分布し,台湾産は分布の北限に当たる。
 中国では,海南省に分布している。
【近似種】  アマミウラナミシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の中室から基部にかけて斑紋がないことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2015.7.5,高雄市美濃区,2♂♂1♀,林 本初
2017.8.25,高雄市美濃区,3♂♂

・ニセウラナミシジミ 曲波灰蝶 (台湾産)    Catopyrops ancyra almora (Druce, 1873)


写真数: 21枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長18〜22mm。小型のウラナミシジミ類である。人の気配に敏感で,止まっている時間は短い。夕方,樹林の上を飛び回っているが,時々,草むらに咲くキク科の花に吸蜜に訪れていた。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表に青白色斑が現れ,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  蘭嶼の低標高(〜500m)の海岸林の周辺で見られる。
 台湾の台東市の沖にある離島・蘭嶼のみで発生している。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部に分布し,台湾産は分布の北限に当たる。
 中国には分布していない。
【近似種】  他のウラナミシジミ類に似ているが,本種は,前翅裏面中室付近に斑紋が2つあること,裏面の斑紋が丸くなることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2016.3.6,台東縣蘭嶼,1♂2016.3.7,台東縣蘭嶼,1♂2016.3.8,台東縣蘭嶼,2♀♀
2016.3.9,台東縣蘭嶼,3♂♂1♀
2019.6.20,台東縣蘭嶼,2♂♂1♀,林 本初


・ルリウラナミシジミ 雅波灰蝶 (台湾産)   Jamides bochus formosanus Fruhstorfer,1909   台湾亜種


写真数: 76枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長26〜32mm。やや暗い場所を好み,単独で生活していることが多い。蘭嶼に生息する個体は,亜種にはなっていないが,翅表の青色鱗が発達する。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表の基部側にやや薄い青藍色が現れ,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部,離島などに広く分布している。特に,梨山では,多数の個体が発生していた。台東縣蘭嶼では少なく,南西部のジャングルの中で見ることができただけであった。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省,江西省,浙江省に分布している。
【近似種】  他のウラナミシジミ類に似ているが,本種は,♂の表面は瑠璃色に輝くことや裏面の波状紋が基部に近づくにつれて,色が薄くなっていくことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2009.2.25,屏東県石門埔,1♂,荻野秀一
2014.3.3,墾丁国家公園,2♀
2014.5.28,社頂自然公園,1♂2♀♀
2014.6.10,南投縣本部渓,1♂
2014.6.11,南投縣本部渓,1♀
2015.6.20,高雄市宝来,5exs.
2015.6.27,阿里山沼平,1♀
2015.6.28,南投縣本部渓,1♀
2015.6.29,南投縣廬山温泉,1♀
2015.7.1,南投縣奥萬大,4♂♂
2015.7.3,梨山和平,多数exs.
2015.7.4,梨山晉元橋,多数exs.
2016.3.7,台東縣蘭嶼,1♂
2016.3.9,台東縣蘭嶼,1♂
2016.4.29,高雄市玉山,多数exs.
2016.5.18,太平山鳩之澤,1♀
2016.6.15,苗栗縣三義,1♂2♀♀
2016.6.21,拉拉山上巴陵,1♀
2017.7.12,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.13,拉拉山上巴陵,1♀
2017.7.20,南投縣国民賓館,1♀
2017.8.29,高雄市桃源區籐枝,1♀
2017.12.30,屏東縣霧台郷,飯田晋一郎
2018.1.1,屏東縣台南市,1♂,飯田晋一郎
2018.6.30,南投縣仁愛郷本部渓,1♂
2018.7.2,桃園市上巴陵,1♂1♀
2018.11.2,高雄市左営區,多数exs.
2018.11.3,屏東縣社頂自然公園,2♂♂1♀
2018.11.6,南投縣本部渓,1♀
2019.7.15,台東縣知本,1♀
2019.7.16,花蓮市新白楊,1♂
2019.7.22,屏東縣霧台郷,1♀
2019.11.8,台南市,1♀,林 本初
2023.7.4,宜蘭県頭城鎮,3♀♀
2023.7.5,宜蘭県思源,2♂♂
2023.7.6,南投県本部渓,1♂
2023.7.7,南投県翠峰,1♂
2023.7.7,南投県ナールー湾,1♀
2023.7.8,南投県南山渓,2♂♂2♀♀
2023.7.10,新北市桶後林道,2♂♂
2023.11.4,屏東縣涼山,1♂
2023.12.29,台南市左鎮區,1♀,林 本初

・シロウラナミシジミ 淡青雅波灰蝶 (台湾産)   Jamides alecto dromicus (Fruhstorfer, 1910)    台湾亜種


写真数: 93枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長35〜42mm。自然が残っているよう場所では,かなりの個体数を確認することができた。
【雌  雄】 ♀は,翅表の外縁部に黒帯が発達し,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部,離島などに広く分布している。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド南部,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省に,別亜種 J.alecto alocina が分布している。
【近似種】  他のウラナミシジミ類に似ているが,本種は,ウラナミシジミ類の中では最も大型で,後翅裏面の白線がほぼ等間隔で並び,白褐色の地色は濃淡があまりないことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2013.4.8,南投縣南山渓,3♂♂
2014.6.2,台東市知本渓,6♂♂2♀♀
2014.6.3,台東市知本渓,6♂♂1♀
2014.6.4,台東市知本渓,7♂♂3♀♀
2014.6.6,南投縣南山渓,4♂♂
2014.6.9,南投縣本部渓,4♂♂
2014.6.10,南投縣本部渓,4♂♂2♀♀
2014.6.11,南投縣本部渓,3♀♀
2015.6.16,台東市知本渓,4♂♂2♀♀
2015.6.21,高雄市茂林,4♂♂1♀
2015.6.28,南投縣本部渓,3♂♂
2015.7.8,拉拉山巴陵,4♂♂
2015.7.9,拉拉山下巴陵,3exs.
2015.7.11,台北動物園探索谷,2♂♂2♀♀
2016.4.16,台北動物園探索谷,1♂
2016.4.17,新北市烏来区福山村,1♂
2016.5.7,南投縣本部渓,1♂
2016.5.21,南投縣本部渓,1♂,多田和夫
2016.6.6,高雄市直瀬溪,3♂♂2♀♀
2016.6.7,高雄市高中林道,多数exs.
2016.6.8,高雄市宝来,多数exs.
2016.6.10,南投縣本部渓,1♂
2016.6.19,拉拉山上巴陵,2♂♂
2017.7.10,拉拉山上巴陵,多数exs.
2016.8.14,台北市,1♂,足立幸子
2017.7.11,拉拉山上巴陵,多数exs.
2017.7.12,拉拉山上巴陵,多数exs.
2017.7.13,拉拉山上巴陵,多数exs.
2017.7.14,拉拉山上巴陵,多数exs.
2017.7.18,谷関松鶴,多数exs.
2017.7.22,南投縣南山渓,2♂♂1♀
2017.7.24,南投縣恵孫林場,1♀
2017.10.10,台北動物園探索谷,1♂,清水俊英
2018.5.1,台北市動物園,1♀,高崎 明
2018.6.30,南投縣仁愛郷ナールー湾,2♀♀
2018.7.1,南投縣仁愛郷ナールー湾,1♀
2018.7.2,桃園市上巴陵,1♂
2018.7.5,桃園市上巴陵,1♂
2018.7.12,新北市瑞芳區南雅,1♂
2018.10.19,南投縣南山渓,1♀,大橋豊嗣
2018.11.8,台北市剣南蝶園,1♂
2018.11.8,台北市立動物園探索谷,3♂♂1♀
2019.4.3,新北市烏来福山村,1♂,大橋豊嗣
2019.7.13,台東縣下馬林道,1♀
2019.7.14,台東縣池上郷,1♂
2019.7.19,台北市剣南山,1♂
2019.7.20,台北市北投,1♀
2019.7.23,高雄市半屏山,1♂
2023.5.29,新北市福山村,1♂,三河和夫
2023.6.22,新北市烏来,1♀,岡本英一
2023.7.2,花蓮市景美,2♂♂
2023.7.4,宜蘭県頭城鎮,2♂♂
2023.7.5,宜蘭県思源,1♀2023.7.7,南投県ナールー湾,1♀

・コシロウラナミシジミ 白雅波灰蝶 (台湾産)   Jamides celeno celeno (Cramer),1775


写真数: 50枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長28〜32mm。発生地では,かなりのまとまった数が発生している。シロウラナミシジミのように活発に飛び回ることは少なく,地面を這うように草の花の蜜を吸いに来たり,地表で吸水したりしていた。
【雌  雄】 ♀は,翅表の外縁部に黒帯が発達し,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の北部を除く低・中標高(〜1000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 知本渓本部溪高雄市直瀬溪高雄市桃源高雄市高中林道,谷関松鶴で撮影することができた。発生地は局所的であるが,そこではかなりの数の個体を確認することができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド南部,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省に,台湾と同じ亜種が分布している。
【近似種】  シロウラナミシジミに斑紋は似ているが,本種は,後翅裏面の白状が前種のように等間隔にはならず,裏面の中室の外側の褐色帯があるので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2015.6.17,台東市知本渓,1♀2015.6.28,南投縣本部溪,多数exs.2016.3.16,高雄市直瀬溪,多数exs.
2016.4.30,高雄市直瀬溪,多数exs.2016.5.1,高雄市桃源,4♂♂1♀2016.6.6,高雄市直瀬溪,多数exs.
2016.6.7,高雄市高中林道,多数exs.2017.7.18,谷関松鶴,1♀2017.8.17,南投縣本部溪,多数exs.
2017.9.4,南投縣本部溪,多数exs.
2018.10.21,南投縣本部渓,1♂,大橋豊嗣
2018.10.29,南投縣本部渓,1♂,安中弘行
2018.11.5,南投縣本部渓,多数exs.2019.7.22,屏東縣霧台郷,1♂

・ウスアオオナガウラナミシジミ 青珈波灰蝶 (台湾産)   Catochrysops panormus exiguus (Distant,1886)


写真数: 44枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長28〜33mm。ランタナやセンダングサの花が咲く明るい場所の近くにある樹林の葉上で見られた。
【雌  雄】 ♀は,翅表の外縁部に黒帯が発達し,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。春や夏は数が少ないが,秋には多数の個体が発生する。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の南部の社頂自然公園拉拉山上巴陵,高雄市左営區で撮影することができた。屏東縣霧台郷,屏東縣台南市,南投縣本部渓でも撮影された。ちなみに,社頂自然公園は,法律で,昆虫採集は禁止されている。高雄市左営區では,公園の樹木の花に多数の個体が飛来していた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部に分布している。日本の八重山諸島でも記録された。
 中国には分布していない。
【近似種】  ムラサキオナガウラナミシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の前縁部に小黒点が現れないか,現れても色が薄くて大きく,帯状の斑紋の翅頂側に近づいて出現することで区別することができる。オジロシジミに似るが,本種の橙色斑は,1つであることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.5.28,社頂自然公園,1♂
2014.5.31,社頂自然公園,1♀
2017.7.11,拉拉山上巴陵,1♂
2017.12.29,社頂自然公園,1♀,高崎 明
2017.12.30,屏東縣霧台郷,1♂,高崎 明
2018.1.1,屏東縣台南市,1♂,飯田晋一郎
2018.1.1,屏東縣台南市,1♂,高崎 明
2018.11.2,高雄市左営區,多数exs.
2018.10.29,南投縣本部渓,1♂,安中弘行
2018.11.4,高雄市左営區,多数exs.
2022.10.24,台南市新化區,1♂,林 本初
2022.11.7,台南市龍崎區,1♂,林 本初
2022.11.21,台南市龍崎區,1♂1♀,林 本初

・ムラサキオナガウラナミシジミ 紫珈波灰蝶 (台湾産)   Catochrysops strabo luzonensis Tite,1959


写真数: 17枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点

※ 黄の地域は,推定の偶産地
【特  徴】
 開長24〜27mm。早く飛ぶが,すぐに止まり,各種の花を訪れる。
【雌  雄】 ♀は,翅表の外縁部に黒帯が発達し,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生しているが,夏から秋に多く見られる。
【生息地】  台湾の南東部にある蘭嶼だけに生息し,低標高(〜300m)の海岸林で見られる。
 台湾本島では,2015年以前では記録が出ていないが,2016年の秋には,台湾本島の南部の数ヶ所で偶産的に発生し,かなり数多くの記録が出た。2017年以降は,記録が出なかったが,2022年9月に再度,発見された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,インドシナ半島(ラオスタイ),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部に分布している。日本の八重山諸島でも記録がある。
 中国には分布していない。
【近似種】  ウスアオオナガウラナミシジミに似ているが,本種の♂は前翅翅表の色がより濃い紫色になること,前翅裏面の前縁部に小黒点が帯状の斑紋の中央付近に出現することで区別することができる。オジロシジミに似るが,本種の橙色斑は1つで,前翅裏面の前縁部に小黒点がないことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2016.11.2,台南市新化區,4♂♂,林 本初2016.11.24,屏東四重溪,1♂,石綿深志2016.11.24,屏東六亀区,1♂,石綿深志
2019.6.20,台東縣蘭嶼,3♂♂,林 本初
2022.9.9,台南市安南區,1♀,林 本初


・オジロシジミ 奇波灰蝶 (台湾産)   Euchrysops cnejus cnejus (Fabricius, 1798)


写真数: 58枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長25〜30mm。河原や荒れ地に生息する。非常に速く飛び,攻撃性が強く,追飛行動を盛んに行う。ウラナミシジミに習性は似ている。
【雌  雄】 ♀は,翅表の外縁部に黒帯が発達し,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の南部の高雄市周辺の低標高(〜800m)の海岸林,草原,荒地などで見られる。台湾胡蝶大図鑑では,南部に広く分布しているように図示されているが,分布の標高をプロットしてみると,分布域はかなり狭く,発生地も局部的で,なかなか見つからない原因が分かった。
 高雄市六亀区の直瀬溪の中州,支流の横の荒れ地で見られた。発生数は,少なくなかった。台南市新化區でも撮影できた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,雲南省,四川省,広西區,湖南省,江蘇省,浙江省,広東省,海南省,福建省に,台湾と同じ亜種が分布している。
【近似種】  タイワンツバメシジミ,ツバメシジミ,ウスアオオナガウラナミシジミ,ムラサキオナガシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の橙色斑が2つあることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2016.4.30,高雄市直瀬溪,7♂♂4♀♀2016.6.6,高雄市直瀬溪,6♂♂3♀♀2017.8.28,台南市新化區,1♀
2019.2.15,墾丁海水浴場,1♀,荻野秀一



・ウラナミシジミ 豆波灰蝶 (台湾産)   Lampides boeticus (Linnaeus, 1767)


写真数: 51枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長28〜32mm。非常に速く飛ぶが,すぐに止まる習性がある。♂は,占有行動をし,縄張りに入ってきた♂を追飛する行動がしばしば見られた。
【雌  雄】 ♂は,表面の青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,後翅後角部の黒斑の周りに白環があるので,雌雄を区別することができるが,裏面しか見えない場合は,雌雄の区別ができない。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,海岸林,草原,荒地で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部,離島などに広く分布している。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の西部・南西部・南部,日本の東北地方以南に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2009.2.25,屏東県石門埔,1ex.,荻野秀一
2013.4.4,墾丁国家公園,1ex.
2013.4.6,墾丁国家公園,1ex.
2013.4.7,南投縣南山渓,1ex.
2014.6.3,台東市知本渓,1ex.
2014.6.7,南投縣南山渓,1ex.
2015.7.12,陽明山二子坪,1ex.
2015.7.14,新平市汐平路仁愛橋,1ex.
2016.3.7,台東縣蘭嶼,3♂♂1♀
2016.3.8,台東縣蘭嶼,1♀
2016.3.16,高雄市直瀬溪,1♀
2016.4.30,高雄市直瀬溪,1♀
2016.5.1,高雄市桃源,1♀
2016.5.2,高雄市桃源,1ex.
2016.6.8,高雄市宝来,1ex.
2016.6.18,苗栗縣三義,2exs.
2017.7.16,谷関八仙山,3♂♂
2017.7.20,南投縣国民賓館,2exs.
2017.7.24,南投縣恵孫林場,1ex.
2018.4.24,南投縣南山渓,1ex.
2018.4.26,台北市立動物園探索谷,1♂
2018.11.1,高雄市左営區,多数exs.
2018.11.2,高雄市左営區,多数exs.
2018.11.6,南投縣ナールー湾,1♂
2019.2.15,墾丁海水浴場,1♂,荻野秀一
2019.4.6,南投縣南山溪,1ex.,大橋豊嗣
2019.5.2,南投縣南山溪,1ex.,高月陽生
2019.7.11,花蓮市碧緑,1♀2019.7.21,高雄市左営區,1♂2023.7.7,南投県ナールー湾,1♂
2023.11.4,高雄市左営,1♀


・カクモンシジミ 細灰蝶 (台湾産)   Leptotes plinius (Fabricius, 1793)


写真数: 39枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長24〜28mm。海岸沿いの荒れた草むらによく見られた。地上近くをヒラヒラと飛ぶ習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅表に白斑が現れるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,海岸林,草原,荒地などで見られる。
 台湾の南部の墾丁小湾でかなりの数の個体が発生していた。高雄市寿山高雄市高中林道高雄市宝来南投縣本部渓でも見られた。屏東縣霧台郷,屏東縣恒春でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,四川省,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2013.4.4,墾丁小湾,4♂♂3♀♀
2013.4.5,墾丁小湾,8♂♂5♀♀
2014.3.3,墾丁小湾,2♂♂2♀♀
2016.4.28,高雄市寿山,1♂2♀♀
2016.6.7,高雄市高中林道,2♀♀
2016.6.8,高雄市宝来,1♂2♀♀
2016.6.9,高雄市宝来,1♀
2017.10.2,台湾南部,1♂,林 本初
2017.12.30,屏東縣霧台郷,1♀1ex.,飯田晋一郎
2017.12.30,屏東縣霧台郷,1♀1ex,高崎 明
2017.12.31,屏東縣恒春,2exs.,飯田晋一郎
2018.10.30,南投縣本部渓,1♂,安中弘行
2018.11.4,高雄市左営區,2♀♀
2018.11.5,南投縣本部渓,1♀
2020.4.30,台北市内湖区,1♀,池田千亜紀
2022.9.9,台南市安南區,1♂,林 本初
2022.11.9,台南市龍崎區,1♂,林 本初
2023.10.28,新竹市東区,1♂1♀,岡本英一



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