日本の蝶 <タテハチョウ科- イチモンジチョウ亜科


<写真の下に,データ付きの拡大写真もあり> 


テングチョウ亜科・マダラチョウ亜科 は,ここをクリックすると見ることができます

ドクチョウ亜科・カバタテハ亜科 は,ここをクリックすると見ることができます。(容量の関係で,別ページにしてあります)

・オオイチモンジ    Limenitis populi jezoensis Matsumura, 1919


写真数: 52枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  林道や河原などで見られ,獣糞や樹液に集まるだけでなく,各種の花にも集まる習性がある。
 発生する個体数は,年によって変動が大きい。
 黒化型が発生することがあり,上高地で最初に見つかり,その後,北海道の層雲峡では,かなりの確率で発生していたが現在では激減している。

黒化型
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
群馬県全域(県),長野県全域(県),山梨県全域(県)
【雌  雄】 ♀は,白色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ドロノキ・ヤマナラシ(ヤナギ科)
【生  態】 年1回,発生し,6月下旬〜8月中旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道と中部山岳に見られる。
 北海道では,層雲峡には多産していたが,東部の山岳地帯では時々見られる程度であった。
 中部山岳の上高地周辺に生息するが稀である。
 栃木県,埼玉県では,絶滅した。群馬県,静岡県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧II類(VU)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,中央アジア,中国,モンゴル,ウスリー,アムール,朝鮮半島に分布している。
 中国では,河南省,山西省,陳西省,青海省,甘粛省,新疆ウィグル自治區,四川省,西蔵區に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
1998.7.23,北海道阿寒郡オンネトー,1♂1♀
2011.7.11,北海道層雲峡,1♂,安中弘行
2013.7.16,北海道層雲峡,4♂♂
2013.7.17,北海道層雲峡,5♂♂
2013.7.22,北海道オンネトー,1♂
2013.7.23,北海道摩周湖,1♂
2013.7.23,北海道阿寒湖,1♂
2014.7.21,長野県上高地,1♂,関戸裕靖
2015.7.12,長野県松本市,1♀,関戸裕靖
2016.7.18,長野県松本市,1♂,関戸裕靖
2017.7.20,長野県松本市,1♂1♀,安中弘行
2018.7.12,北海道遠軽町,4♂♂,安中弘行
2019.7.21,長野県松本市,1♀,関戸裕靖
2019.7.29,長野県松本市,1♀,関戸裕靖
2021.7.19,長野県松本市,1♀,荻野秀一
2021.7.20,長野県松本市,1♀,荻野秀一
2021.7.23,長野県上高地,1♂
2022.7.25,長野県松本市,1♀,大橋豊嗣
2022.7.25,長野県上高地,1♀


・イチモンジチョウ    Limenitis camilla japonica Menetries, 1857


写真数: 67枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 林道や河原などで見られ,各種の花にも集まるが,獣糞にも集まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,前翅の白色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 スイカズラ・キンギンボク・ベニバナヒョウタンボク・ツキヌキソウ・タニウツギ・ニシキウツギ・ヤブウツギ・ハコネウツギ(スイカズラ科)
【生  態】  暖地では年3〜4回,4月下旬〜9月下旬に見られる。
 寒冷地では年1回,発生し,5月中旬〜9月上旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道から九州まで広く分布している。
 愛知県では,東北部の山地に広く分布するが,最近は少なくなってきている。
 長野県でも各地に見られるが,あまり多くない。
 広島県では,帝釈峡で見られた。
【分  布】  種としては,日本以外では,中央アジア,中国,モンゴル,ウスリー,アムール,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省に分布している。
【近似種】  アサマイチモンジに似ているが,アサマイチモンジは,前翅中室に明瞭な白斑が現れ,前翅3室の白斑は表裏とも明瞭に現れるが,本種では欠落するか小型になり,後翅裏面の中室付近の黒条が平行になるので,区別することができる。

イチモンジチョウ
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1974.6.29,愛知県岡崎市須渕町,3♂♂1♀
1981.5.31,愛知県岡崎市須渕町,1♂
1981.5.31,愛知県岡崎市茅原沢町,1♂
1981.6.3,愛知県岡崎市池金町,4♂♂1♀
1981.6.7,愛知県岡崎市蓬生町,1♂2♀♀
1981.6.7,愛知県岡崎市蓬生町,1♂1♀
1998.7.23,北海道阿寒湖,1♂
2002.8.19,広島県帝釈峡,1♀
2011.8.16,長野県長和町,1♀
2013.7.17,北海道層雲峡,2♂♂
2013.7.19,北海道層雲峡,1♂
2016.5.22,高知県香美市,1♂,高月陽生
2018.8.13,長野県下伊那郡売木,1♂
2019.5.19,高知県香美市,1♂,高月陽生
2019.7.25,北海道層雲峡,1♂,大橋豊嗣
2020.6.15,愛知県新城市作手,1♂
2020.6.29,愛知県豊田市大野瀬町,1♂
2020.7.2,長野県松本市,3♂♂
2020.7.19,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.7.29,長野県東御市,1♂
2020.8.12,長野県売木村,1♂
2021.5.30,愛知県豊田市,1♂
2021.6.26,長野県松本市,1♂
2021.7.17,高知県香美市,1♀,高月陽生
2021.9.25,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.4.30,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.5.4,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.5.14,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.5.23,長野県飯田市,1♂
2022.6.12,岡山県真庭市,1♀,高月陽生
2022.6.12,長野県平谷村,1♂
2022.6.26,岩手県宮古市,1♀,三河和夫
2022.7.9,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.7.2,長野県原村,1♂
2023.4.30,高知県香美市,1♂,高月陽生
2023.5.20,高知県香美市,1♀,高月陽生
2023.5.27,東京都東村山市,1♀,小林清二
2023.5.18,長野県飯田市,1♂
2023.5.21,長野県飯田市,1♂
2023.6.15,長野県松本市,1♂2023.7.25,愛知県豊田市旭八幡町,1♂2023.9.3,岐阜県高山市,1♂

・アサマイチモンジ    Limenitis glorifica Fruhstorfer, 1909     日本特産種


写真数: 59枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  林道や河原などで見られ,各種の花にも集まるが,獣糞にも集まる習性がある。
 春型と夏型があり,春型は,翅表の白帯が良く発達し,前翅中室にある白斑も良く発達する。

♂ 春型

♀ 春型

♂ 夏型

♀ 夏型
【雌  雄】 ♀は,白色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 スイカズラ・タニウツギ(スイカズラ科)
【生  態】  暖地では年3〜4回,5月中旬〜10月中旬に見られる。
 寒冷地では年1回,発生し,6月中旬〜9月中旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  本州にのみ生息する。
 愛知県では,東北部の山地に広く分布する。
 東京都では,絶滅した。
【分  布】 日本の特産種である。
【近似種】  イチモンジチョウに似るが,後翅裏面の中室付近の黒条がV字型になるので,区別することができる。

アサマイチモンジ
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1971.8.6,愛知県岡崎市衣文町,1♀,河野勝行
1979.5.24,愛知県岡崎市須渕町,3♂♂2♀♀
1980.6.15,愛知県岡崎市茅原沢町,1♀
1980.8.9,愛知県岡崎市池金町,1♀
1980.8.27,愛知県岡崎市茅原沢町,1♂
1980.9.7,愛知県岡崎市本宿町,1♂,松井直人
1988.6.7,愛知県岡崎市上衣文町,1♂,松井直人
2003.6.5,愛知県岡崎市岩中町,1♂,柵木宗孝
2009.6.7,愛知県岡崎市東河原町,1♂
2010.8.1,愛知県岡崎市八ッ木町,1♂,杉浦仁美
2015.5.26,愛知県岡崎市小呂町,1♂
2017.6.10,愛知県新城市作手清岳向山湿原,1♂
2017.7.8,愛知県名古屋市猪高緑地,2♂♂
2018.5.21,愛知県岡崎市大幡町,1♂
2018.8.7,長野県松本市奈川,1♂
2018.8.13,長野県下伊那郡売木,1♀
2018.8.17,長野県下伊那郡売木村,1♀
2018.8.28,愛知県北設楽郡設楽町,2♀♀
2018.9.18,愛知県新城市作手,1♀
2019.9.15,岐阜県恵那市恵那峡,1♂
2020.6.7,愛知県新城市作手,1♂1♀
2020.6.12,岡山県総社市,1♂,高月陽生
2020.6.15,愛知県新城市作手,1♂
2021.5.23,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀
2021.5.28,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♂1♀
2021.5.28,愛知県新城市作手,1♂
2021.6.3,愛知県豊田市四ツ松町,♀
2021.7.19,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂
2021.8.30,愛知県岡崎市八ツ木町,1オ,島田博次
2021.10.2,愛知県春日井市,1♂,荒川尚彦
2022.6.12,岡山県総社市,1♂,高月陽生
2022.6.12,長野県平谷村,1♂
2022.6.19,愛知県新城市作手,1♀,高村葉子
2022.7.17,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂,高村葉子
2023.5.21,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂,高村葉子
2023.6.10,岡山県吉備中央町,1♂,高月陽生
2023.6.13,愛知県新城市作手,1♂
2023.8.27,長野県阿智村,1♂,杉浦 昌
2023.9.17,愛知県刈谷市,1♂,小鹿 亨
2023.9.17,長野県阿智村,1♂,杉浦 昌

・シロミスジ    Athyma perius perius (Linnaeus, 1758)   名義タイプ亜種


写真数: 7枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。山林の周辺に生息し,飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,若干,翅形が丸くなるが,生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 ヒラミカンコノキ(コミカンソウ科)
【生  態】 春から秋にかけて記録が出ている。
【生息地】 沖縄本島から八重山諸島にかけて記録がある。与那国島では,定着してきている。
【分  布】  種としては,日本以外では,インドシナ半島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,湖北省,広西區,湖南省,広東省,浙江省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
南西諸島



































記録
2014.3.30,沖縄県与那国島,1ex.,安中弘行
2014.3.31,沖縄県与那国島,1ex.,安中弘行

・ヤエヤマイチモンジ    Athyma selenophora ishiana Fruhstorfer, [1899]


写真数: 19枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 山林の周辺に生息し,飛び方は速いが,すぐに止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,全く模様が違い,ミスジチョウ類のような斑紋になるので,雌雄を区別することができる。。
【食  草】 ヤエヤマコンロンカ・アカミズキ(アカネ科)
【生  態】 年数回発生し,周年,見ることができる。越冬態はない。
【生息地】 八重山諸島に生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 台湾産は,別亜種 A. selenophora laela である。
 中国では,雲南省,四川省,湖北省,広西區,湖南省,広東省,海南省,江西省,浙江省,福建省に,別亜種 A.selenophora leucophryne が分布している。
【近似種】 タイワンイチモンジに似ているが,本種は,♂の胴体は黒色で白帯がなく,雌は,前翅中室の白斑が3つに分離することで区別することができる。♀は,ヒラヤマミスジに似ているが,本種は首のあたりに白点が現れることで区別することができる。 
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
2013.5.17,沖縄県石垣島,1♀,安中弘行
2013.5.19,沖縄県石垣島,1♂1♀,足立幸子
2015.11.8,沖縄県石垣島,1♂,安中弘行
2016.5.6,沖縄県西表島,1♂,高崎 明
2016.5.7,沖縄県石垣島,1♀,高崎 明
2017.4.20,沖縄県石垣島,1♀,安中弘行
2017.7.5,沖縄県石垣島,1♀,安中弘行
2017.7.6,沖縄県石垣島,1♂,安中弘行
2017.7.8,沖縄県石垣島,1♀,高崎 明
2017.11.30,沖縄県石垣島,1♂,安中弘行
2021.11.30,沖縄県西表島,1♀,三河和夫
2021.12.4,沖縄県石垣島,1♂,三河和夫
2023.7.2,沖縄県石垣島,1♂,高村葉子
2023.7.4,沖縄県石垣島,1♂1♀,高村葉子
2024.3.29,沖縄県石垣島,1♀,杉浦 昌

・ララサンミスジ    Athyma fortuna kodahirai (Sonan, 1938)


写真数: 1枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶である。日本では,2例の記録がある。
【雌  雄】 ♀は,若干,翅形が丸くなるが,生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 9月,10月に記録された。
【生息地】 宮崎県宮崎市,石垣島バンナ岳で記録された。
【分  布】  種としては,中国の中部・東部,台湾に分布している。
 中国では,陳西省,河南省,江西省,湖北省,四川省,広西區,浙江省,福建省に分布している。広西區に分布しているものは,別亜種 A.fortuna guangxiensis で,それ以外は,名義タイプ亜種 A.fortuna fortuna である。
【近似種】 ニトベミスジに似ているが,本種は,前翅亜外縁部の白斑の1つがニトベミスジと比べると横長にならないこと,前翅表面翅頂部の白斑が2つになることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
(参考)2016.5.6,台湾北部貫公路,1ex.,林 本初

・トラフタテハ  フィリピン亜種   Parthenos sylla philippensis Fruhstorfer, 1898


写真数: 1枚
(参考:フィリピン産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶である。日本では,1例の記録がある。
【雌  雄】 ♀は,白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 7月に記録された。
【生息地】 沖縄本島那覇市で記録された。
【分  布】  種としては,インド,アッサム,ミャンマー,インドシナ半島(ラオスタイ),中国,フィリピン,セレベス,スマトラ,ジャワ,ハルマヘラ,ニューギニア,ソロモンに分布している。
 中国では,雲南省,広西區,海南省,広東省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
南西諸島



































記録
(参考) 2018.3.11,フィリピン ボホール島,1ex.,三河和夫

・コミスジ  北海道亜種    Neptis sappho yessonensis Fruhstorfer, 1913


写真数: 6枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,すぐに止まる習性がある。
 日本には,次の2亜種がある。
   北海道亜種 N.sappho yessonensis Fruhstorfer, 1913
   本州以南亜種 N.sappho intermedia W. B. Pryer, 1877
 北海道の亜種は,本州以南亜種に比べて,白班がよく発達する。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 エゾヤマハギ・ナンテンハギ(マメ科),ハルニレ(ニレ科)
【生  態】 この亜種は,年2回,発生し,5月〜9月に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,北海道全域に分布する。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾には,別亜種formosana が生息している。
 中国では,全域に分布し,雲南省の南部に分布しているものは,別亜種 N.sappho astola で,それ以外は,別亜種 N.sappho intermedia である。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
1998.7.23,北海道阿寒郡オンネトー,1♀
2019.7.24,北海道音更町,1♀,大橋豊嗣

・コミスジ  本州以南亜種    Neptis sappho intermedia W. B. Pryer, 1877


写真数: 117枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,すぐに止まる習性がある。
 青森県に生息する個体には,白斑の発達したものが出現する。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 クズ・フジ・ナンテンハギ・ヤブマメ・キハギ・ノササゲ・ヤマフジ(マメ科),クロツバラ(クロウメモドキ科),ハルニレ・ケヤキ・エノキ(ニレ科),アオギリ(アオギリ科)
【生  態】  この亜種は,暖地では,年3〜4回,発生し,4月中旬〜11月上旬に見られる。
 寒冷地では,年2〜3回,発生し,5月〜8月に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  この亜種は,東北地方から屋久島・種子島まで分布するが,トカラ列島以南の南西諸島には分布しない。
 愛知県では,丘陵地から山地まで広く分布するが,平地では稀である。
 長野県では,各所で普通に見られる。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾には,別亜種formosana が生息している。
 中国では,全域に分布し,雲南省の南部に分布しているものは,別亜種 N.sappho astola で,それ以外は,別亜種 N.sappho intermedia である。
【近似種】 リュウキュウミスジに似ているが,分布域が異なること,本種の裏面の地色は茶褐色で,リュウキュウミスジは,明褐色になるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1967.7.23,愛知県岡崎市岡崎公園,1♂
1976.7.4,愛知県岡崎市大幡町,1♂
1979.5.20,愛知県岡崎市駒立町,1♂
1979.5.20,愛知県岡崎市渡通津町,4♂♂1♀
1979.5.24,愛知県岡崎市須渕町,2♂♂2♀♀
1979.6.10,愛知県岡崎市池金町,1♀
1979.6.17,愛知県岡崎市池金町,1♀
1979.8.20,愛知県岡崎市蔵次町,1♀
1979.9.5,愛知県岡崎市奥山田町,1♀
1981.6.7,愛知県岡崎市蓬生町,1♂
1989.7.16,愛知県岡崎市本宿町,1♂,松井直人
2000.10.3,愛知県岡崎市井田町,1♀
2001.8.5,長野県諏訪市,1♀
2005.8.22,神奈川県川崎市,1♀,中川紀世
2010.8.1,愛知県岡崎市八ッ木町,1♀,杉浦仁美
2010.9.5,愛知県岡崎市池金町,1♂
2012.5.5,愛知県岡崎市池金町,1♀
2012.5.31,愛知県岡崎市滝町,1♂,吉田 健
2012.6.10,愛知県岡崎市池金町,1♀
2015.7.21,愛知県岡崎市池金町,1♂
2015.10.15,愛知県岡崎市小呂町,1♀
2017.6.5,愛知県豊橋市岩崎町葦毛湿原,1♀
2017.6.10,愛知県岡崎市石原町,1♂1♀
2017.9.19,愛知県岡崎市小呂町,1♂
2018.6.5,愛知県岡崎市石原町,1♂
2018.6.22,愛知県新城市作手,1♀
2018.8.1,愛知県岡崎市桑谷町,2♂♂
2018.8.6,長野県木曽郡上松町,1♀
2018.8.17,長野県下伊那郡売木村,2♀♀
2019.5.2,愛知県岡崎市東河原町,1♂
2019.5.16,長野県飯田市下栗,3♂♂
2019.5.19,静岡県浜松市水窪町,3♂♂
2019.5.22,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♀
2019.6.6,愛知県岡崎市池金町,1♀
2019.6.9,青森県七戸市,1♂,足立幸子
2019.7.30,愛知県田原市蔵王山,1♂
2019.9.3,愛知県田原市蔵王山,1♀
2020.5.12,愛知県岡崎市石原町,2♀♀
2020.5.29,愛知県豊田市香嵐渓,1♀
2020.6.7,愛知県新城市作手,1♀
2020.7.19,愛知県岡崎市小呂町,1♂
2020.7.29,長野県松本市,1♀
2020.9.22,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.9.14,愛知県西尾市矢作川堤,1♀
2020.9.16,愛知県田原市渥美の森,1♀
2021.5.3,愛知県常滑市,1♂3♀♀
2021.5.14,愛知県岡崎市渡通津町,1♂1♀
2021.5.30,愛知県岡崎市暗がり渓谷,1♂
2021.6.3,愛知県豊田市四ツ松町,1♂
2021.6.20,愛知県豊田市,1♀
2021.7.13,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀
2021.9.13,愛知県豊田市平瀬,1♀
2021.9.18,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.4.30,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂,高村葉子
2022.4.30,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.5.4,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.5.2,岐阜県本巣市,3♂♂
2022.5.4,愛知県豊田市,1♂
2022.5.7,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀
2022.5.18,愛知県西尾市吉良町,1♀
2022.5.19,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.6.3,千葉県船橋市,1♂1♀,山本和彦
2022.7.20,東京都小平市,1♂,小林清二
2022.7.9,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.7.27,愛知県岡崎市蔵次町,1♀
2022.8.2,岐阜県高山市,1♂
2022.8.6,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.9.6,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.9.11,東京都小金井市,1♂,小林清二
2022.10.20,愛知県岡崎市小呂,1♀
2023.4.14,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.4.16,愛知県春日井市,1♂,荒川尚彦
2023.4.21,愛知県豊田市,1♀
2023.4.27,東京都東村山市,1♀,小林清二
2023.4.30,高知県香美市,1♀,高月陽生
2023.5.4,愛知県豊田市,1♂
2023.5.5,千葉県南房総市,1♀,山本和彦
2023.5.12,岩手県久慈市,2♂♂,三河和夫
2023.5.28,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀,高村葉子
2023.6.7,長野県原村,1♀
2023.7.15,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.7.17,東京都小平市,1♀,小林清二
2023.7.23,長野県塩尻市,1♂,杉浦 昌
2023.8.20,東京都小平市,1♀,小林清二
2023.8.25,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂1♀,島田博次
2023.9.3,岐阜県高山市,1♀
2023.9.7,東京都小平市,1♀,小林清二
2023.9.11,東京都小金井市,1♀,小林清二
2023.9.18,愛知県岡崎市茅原沢町,1♀,高村葉子
2023.10.2,東京都東村山市,1♀,小林清二
2023.10.12,愛知県岡崎市北山,1♀
2023.10.19,東京都東村山市,1♀,小林清二
2024.4.13,高知県香美市,1♂,高月陽生
2024.4.1,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂


・リュウキュウミスジ  日本亜種  Neptis hylas luculenta Fruhstorfer, 1907


写真数: 17枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】 山林の周辺に生息し,センダングサなどの花によく集まる。滑空するように飛ぶ習性がある。
【雌  雄】 ♀は,♂より大型で,翅形は丸みを帯びる。♂の後翅表面の前縁には,銀白色の性標があるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ミソナオシ・カショウモダマ・トキワヤブハギ・リュウキュウヌスビトハギ・シバハギ・タイワンクズ・ダイズ(マメ科),クワノハエノキ(ニレ科)
【生  態】 年数回,発生し,周年,見ることができる。越冬態はない。
【生息地】  奄美大島から八重山諸島まで分布している。
 沖縄本島では,各地に普通に見られた。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,インドシナ半島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 台湾にも同じ亜種が生息している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 N.hylas hainana で,雲南省の南部に分布しているものは,別亜種 N.hylas kamarupaで,それ以外は,名義タイプ亜種 N.hylas hylas である。
【近似種】 コミスジに似ているが,本種は,裏面の色が明るい褐色になり,後翅裏面の白帯の縁が濃い褐色になること,後翅裏面の中央の白帯の幅は同じ幅であること,後翅裏面の亜外縁の白線は,外縁側に位置することで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
南西諸島



































記録
1974.3.29,沖縄県名護市,1♀
1974.4.2,沖縄県名護市,1♂
2006.11.2,沖縄県石垣島,1♂,安中弘行
2012.11.21,沖縄県石垣島,1♀,安中弘行
2013.4.15,沖縄県名護市名護岳,1♂
2013.4.18,沖縄県西表島上原,3♂♂
2013.4.19,沖縄県西表島上原,1♂1♀
2013.4.22,奄美大島名瀬,1♀
2015.11.6,沖縄県石垣島,1♂,安中弘行
2022.4.8,鹿児島県奄美大島,1♀,高村葉子
2022.10.12,沖縄県大宜味村,1♀,三河和夫
2023.7.2,沖縄県石垣島,2♀♀,高村葉子
2023.7.24,沖縄県西表島,1♀,高月陽生

・ミスジチョウ    Neptis philyra philyra Menetries, 1858


写真数: 49枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,滑空するように樹上の高いところを飛び,陽だまりなどの地表にも降りてきて,すぐに止まる習性がある。
 中部山岳地帯や寒冷地に生息する個体は,小型で,裏面の地色は暗色になる。暖地に生息する個体の裏面の地色は黄褐色で明るくなる。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 イロハモミジ・オオモミジ・ヤマモミジ・コハウチワカエデ(ムクロジ科)
【生  態】  年1回,発生し,暖地では,5月中旬〜7月に見られる。
 寒冷地では,6月中旬〜8月上旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道から九州まで広く分するが,産地は局所的である。
 北海道では,大雪山の北側の層雲峡で見られた。
 東京都では,絶滅した。福岡県,長崎県では,絶滅危惧T類に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国,ロシア南部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾には,別亜種splendens が生息している。
 中国では,北京,吉林省,遼寧省,黒竜江省,山東省,河北省,山西省,河南省,湖北省,西蔵區,四川省,雲南省,広西區,福建省,広東省などに,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
2009.6.7,本宮山くらがり渓谷,2♂♂
2011.6.4,本宮山くらがり渓谷,4♂♂
2013.7.19,北海道層雲峡,1♂
2018.6.4,愛知県豊田市香嵐渓,1♀
2019.6.6,愛知県岡崎市石原町,2♂♂1♀
2019.6.22,高知県香美市,1♀,高月陽生
2019.7.2,長野県阿智村,1♀
2020.6.7,愛知県岡崎市石原町,1♂
2020.6.14,高知県香美市,1♂,高月陽生
2021.5.30,愛知県岡崎市暗がり渓谷,2♂♂1♀
2021.7.2,長野県松本市沢渡,1♂
2022.5.19,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.5.30,愛知県岡崎市石原町,1♂
2022.6.2,愛知県岡崎市石原町,1♀,高村葉子
2022.6.11,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.6.21,北海道富良野市,1♂,大橋豊嗣
2022.6.27,岩手県宮古市,1♂,三河和夫
2022.6.28,長野県大桑村,2♂♂1♀
2022.7.7,長野県木曽郡,1♀
2022.7.20,長野県上高地,1♀,松井慶夫
2022.7.25,長野県上高地,1♀
2023.6.11,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2023.7.14,岩手県久慈市,1♀,三河和夫


・オオミスジ    Neptis alwina (Bremer et Grey, 1852)


写真数: 38枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,滑空するように飛ぶ習性がある。
 愛知県や岐阜県の低山地に生息する個体は,大型になる傾向がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ウメ・スモモ・アンズ・エドヒガン・ニワザクラ・シジミバナ(バラ科)
【生  態】  年1回,発生し,暖地では,6月中旬〜8月に見られる。
 寒冷地では,6月下旬〜8月下旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道の南部から中部地方まで分布するが,産地は局所的である。
 愛知県では,東北部の山地に広く分布するが,最近は少なくなった。
 長野県でも各地に見られるが,あまり多くない。
 東京都では,絶滅した。群馬県,神奈川県では,絶滅危惧T類に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,モンゴル,中国,ウスリー,朝鮮半島に分布している。
 中国では,北京,河北省,吉林省,遼寧省,黒竜江省,山東省,河北省,山西省,河南省,陳西省,四川省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1983.7.12,愛知県岡崎市田口町,1♀,三浦重光
1998.7.21,愛知県岡崎市石原町,1♀
1998.8.9,愛知県岡崎市石原町,1♀
2001.7.21,山梨県増富鉱泉,1♀
2010.8.18,長野県松本市白骨温泉,1♂
2018.8.7,長野県松本市乗鞍高原,5♂♂1♀
2019.7.2,長野県下伊那阿智村,1♀
2019.8.6,長野県下伊那郡阿智村,1♀
2020.7.22,長野県阿智村,1♀
2021.7.21,岐阜県高山市,3♂♂2♀♀
2022.6.28,長野県開田高原,3♂♂
2022.6.28,長野県木曽町,3♂♂
2022.7.7,長野県木曽郡,2♂♂
2023.6.26,岩手県一戸町,1♀,三河和夫
2023.8.22,長野県原村,2♀♀

・フタスジチョウ  北海道亜種    Neptis rivularis bergmanni Bryk, 1942


写真数: 9枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,すぐに止まる習性がある。
 日本には,次の4亜種がある。  
..北海道亜種 N.rivularis bergmanni Bryk, 1942※ 白斑は,非常に良く発達する
..東北地方北部亜種 N.rivularis shirozui M. Okano, 1954※ 白斑は,かなり良く発達する
..奥只見地方亜種 N.rivularis tadamiensis Higuma, 1961※ 白斑は,やや発達する
..中部山岳地帯亜種 N.rivularis insularum Fruhstorfer, 1907※ 白斑は,あまり発達しない
 北海道亜種は,白斑が良く発達する。
【雌  雄】 ♀は,翅形が若干丸くなり,地色は♂よりも薄く,白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ホザキシモツケ・シモツケ・マルバシモツケ・ユキヤナギ・コデマリ・エゾノシジミバナ(バラ科),
【生  態】 この亜種は,年1回,発生し,6月下旬〜8月上旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,北海道の各地に分布するが,産地は局所的である。 
【分  布】  種としては,日本以外では,中央アジア,モンゴル,中国,ウスリー,朝鮮半島,サハリンに分布している。
 中国では,河南省,陳西省,四川省など各地に分布している。
【近似種】 ホシミスジに似るが,ホシミスジは,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2011.7.11,北海道層雲峡,1ex.,安中弘行
2013.7.17,北海道層雲峡,2exs.2013.7.21,北海道足寄町,1ex.
2013.7.25,北海道千歳市,1ex.,安中弘行
2013.7.30,北海道千歳市,2exs.,安中弘行
2015.6.26,北海道千歳市,1ex.,安中弘行
2015.6.29,北海道層雲峡,1ex.,安中弘行


・フタスジチョウ  東北地方北部亜種    Neptis rivularis shirozui M. Okano, 1954


写真数: 1枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,すぐに止まる習性がある。 
【雌  雄】 ♀は,翅形が若干丸くなり,地色は♂よりも薄く,白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ホザキシモツケ・シモツケ・マルバシモツケ・ユキヤナギ・コデマリ・エゾノシジミバナ(バラ科)
【生  態】 この亜種は,年1回,発生し,6月下旬〜8月上旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,青森県,岩手県に分布するが,産地は局所的である。 
【分  布】  種としては,日本以外では,中央アジア,モンゴル,中国,ウスリー,朝鮮半島,サハリンに分布している。
 中国では,河南省,陳西省,四川省など各地に分布している。
【近似種】 ホシミスジに似るが,ホシミスジは,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2019.6.29,岩手県岩泉町,1ex.,安中弘行

・フタスジチョウ  奥只見地方亜種    Neptis rivularis tadamiensis Higuma, 1961


写真数: 21枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,すぐに止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が若干丸くなり,地色は♂よりも薄く,白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ホザキシモツケ・シモツケ・マルバシモツケ・ユキヤナギ・コデマリ・エゾノシジミバナ(バラ科),
【生  態】 この亜種は,年1回,発生し,6月中旬〜8月中旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,奥只見地方に分布し,産地は局所的である。 
【分  布】  種としては,日本以外では,中央アジア,モンゴル,中国,ウスリー,朝鮮半島,サハリンに分布している。
 中国では,河南省,陳西省,四川省など各地に分布している。
【近似種】 ホシミスジに似るが,ホシミスジは,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2015.6.18,栃木県魚沼市,1♂,荻野秀一
2015.6.20,栃木県魚沼市,3♂♂1♀,荻野秀一
2020.8.11,栃木県日光市,1♂2♀♀,大橋豊嗣
2022.6.29,栃木県日光市,2♂♂,大橋豊嗣



・フタスジチョウ  中部山岳地帯亜種    Neptis rivularis insularum Fruhstorfer, 1907


写真数: 32枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,すぐに止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が若干丸くなり,地色は♂よりも薄く,白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ホザキシモツケ・シモツケ・マルバシモツケ・ユキヤナギ・コデマリ・エゾノシジミバナ(バラ科),
【生  態】 この亜種は,年1回,発生し,6月中旬〜8月下旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  この亜種は,中部地方に分布するが,産地は局所的である。
 長野県では,各地に見られる。発生地では,個体数は少なくない。
 群馬県では,絶滅危惧T類に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,中央アジア,モンゴル,中国,ウスリー,朝鮮半島,サハリンに分布している。
 中国では,河南省,陳西省,四川省など各地に分布している。
【近似種】 ホシミスジに似るが,ホシミスジは,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2001.7.21,山梨県増富鉱泉,3exs.
2019.7.2,長野県北安曇郡,1♂1♀,関戸裕靖
2019.8.25,長野県飯田市しらびそ高原,3exs.
2021.7.21,岐阜県高山市,3♂♂2022.6.28,長野県開田高原,2♂♂2♀♀2022.8.2,岐阜県北部,1.

・ホシミスジ  北上山地亜種    Neptis pryeri kitakamiensis Fukuda, Minotani et Iwano, 2000


写真数: 6枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,各種の花を訪れる。
 日本には,次の5亜種がある。
   北上山地亜種 N.pryeri kitakamiensis Fukuda, Minotani et Iwano, 2000
   紀伊半島亜種 N.pryeri kiiensis Fukuda, Minotani et Shinkawa, 2010
   東北・中部地方亜種 N.pryeri iwasei Fujioka, 1998
   隠岐島亜種 N.pryeri yodoei Fujioka, 1998
   近畿地方以西亜種 N.pryeri hamadai Fujioka, Minotani et Fukuda, 1999
【雌  雄】 ♀は,やや大型になり,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 シモツケ・ホザキシモツケ・イワシモツケ・イワガサ・コデマリ(バラ科),
【生  態】 この亜種は,年1〜2回,発生し,6月中旬〜8月上旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,東北地方の東部に分布するが,産地は局所的である。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国,朝鮮半島,台湾に分布している。
 中国では,吉林省,遼寧省,山東省,河北省,山西省,河南省,湖北省,西蔵區,四川省,広西區,福建省,広東省などに分布している。四川省,陳西省に分布しているものは,別亜種 N.pryeri oberthueri で,それ以外は,名義タイプ亜種 N.pryeri pryeri である。
【近似種】 フタスジチョウに似るが,本種は,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
東北





























記録
2022.6.29,青森県八戸市,1♂,三河和夫
2022.6.30,青森県八戸市,1♂,三河和夫
2022.7.2,岩手県普代村,1♀,三河和夫
2023.7.14,岩手県久慈市,2♀♀,三河和夫

・ホシミスジ  紀伊半島亜種    Neptis pryeri kiiensis Fukuda, Minotani et Shinkawa, 2010


写真数: 1枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,各種の花を訪れる。 
【雌  雄】 ♀は,やや大型になり,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 シモツケ・ホザキシモツケ・イワシモツケ・イワガサ・コデマリ(バラ科)
【生  態】 この亜種は,年1〜2回,発生し,6月中旬〜8月上旬に見られるが,発生数は少ない。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,紀伊半島の中部に分布する。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国,朝鮮半島,台湾に分布している。
 中国では,吉林省,遼寧省,山東省,河北省,山西省,河南省,湖北省,西蔵區,四川省,広西區,福建省,広東省などに分布している。四川省,陳西省に分布しているものは,別亜種 N.pryeri oberthueri で,それ以外は,名義タイプ亜種 N.pryeri pryeri である。
【近似種】 フタスジチョウに似るが,本種は,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
東北





























記録


・ホシミスジ  東北・中部地方亜種    Neptis pryeri iwasei Fujioka, 1998


写真数: 83枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,各種の花を訪れる。
【雌  雄】 ♀は,やや大型になり,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 シモツケ・ホザキシモツケ・イワシモツケ・イワガサ・コデマリ(バラ科)
【生  態】  この亜種は,暖地では,年5回,発生し,5月下旬〜11月下旬,寒冷地では,年1〜2回,発生し,6月中旬〜8月下旬に見られる。幼虫で越冬する。
 東京では,第1化5/20,第2化6/19,第3化7/24,第4化9/11,第5化11/24 に記録されている。
【生息地】  この亜種は,東北地方から中部地方まで広く分布するが,産地は局所的である。
 長野県では,各地に見られる。発生地では,個体数は少なくない。
 愛知県では,東北部の山地に見られるが少ない。近年,愛知県では分布を平野部に広げており,名古屋市内や刈谷市でも記録された。
 神奈川県では,絶滅危惧T類に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国,朝鮮半島,台湾に分布している。
 中国では,吉林省,遼寧省,山東省,河北省,山西省,河南省,湖北省,西蔵區,四川省,広西區,福建省,広東省などに分布している。四川省,陳西省に分布しているものは,別亜種 N.pryeri oberthueri で,それ以外は,名義タイプ亜種 N.pryeri pryeri である。
【近似種】 フタスジチョウに似るが,本種は,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
2001.7.21,山梨県増富鉱泉,2♂♂
2014.6.22,石川県白山市,1♂,関戸裕靖
2014.6.29,長野県北安曇郡,1♂,関戸裕靖
2017.6.23,愛知県豊田市昭和の森,1♂
2018.6.4,愛知県豊田市香嵐渓,4♂♂
2018.6.13,愛知県豊田市昭和の森,1♂1♀
2018.7.24,長野県下伊那郡売木村,
2018.8.6,長野県開田高原西野,
2018.8.7,長野県松本市白骨温泉,1♂
2019.6.12,愛知県豊田市香嵐渓,3♂♂
2019.7.28,愛知県豊田市旭八幡町,1♀
2020.5.29,愛知県豊田市香嵐渓,1♂
2020.7.2,長野県松本市,1♂
2020.7.18,山梨県北杜市,1♂,関野祥子
2020.7.30,長野県松本市,1♂
2021.6.8,愛知県豊田市御船町,1♂
2021.7.21,岐阜県高山市,1♂2♀♀
2021.8.4,山梨県山梨市,1♀,大橋豊嗣
2021.10.2,東京都小平市,1♀,小林清二
2021.10.18,東京都小平市,1♂,小林清二
2022.5.20(第1化),東京都小平市,1♂,小林清二
2022.5.22,愛知県春日井市,1♂,荒川尚彦
2022.5.22,東京都小平市,1♂,小林清二
2022.5.29,東京都小平市,1♂,小林清二
2022.6.19(第2化),東京都小平市,1♂,小林清二
2022.6.28,長野県開田高原,1♂
2022.7.2,長野県原村,1♂
2022.7.7,東京都小平市,1♂,小林清二
2022.7.8,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.7.24(第3化),東京都小金井市,1♂,小林清二
2022.8.8,長野県原村,1♂
2022.9.11(第4化),東京都小平市,1♀,小林清二
2022.11.24(第5化),東京都小平市,1♂,小林清二
2022.11.27(第5化),東京都小平市,1♂,小林清二
2023.5.22,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.5.24,東京都小金井市,1♂,小林清二
2023.8.13,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.8.22,長野県原村,1♂
2023.9.17,愛知県刈谷市,1♂,小鹿 亨
2023.9.27,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.10.14,東京都小平市,1♂,小林清二

・ホシミスジ  隠岐島亜種    Neptis pryeri yodoei Fujioka, 1998


写真数: 1枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,各種の花を訪れる。
 この亜種は,表面の大型の白斑が大変良く発達し,亜外縁の小白斑は小さくなるか,消失する傾向がある。
【雌  雄】 ♀は,やや大型になり,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 シモツケ・ホザキシモツケ・イワシモツケ・イワガサ・コデマリ(バラ科)
【生  態】 この亜種は,年2回,発生し,5月下旬〜7月下旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,隠岐の島に分布する。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国,朝鮮半島,台湾に分布している。
 中国では,吉林省,遼寧省,山東省,河北省,山西省,河南省,湖北省,西蔵區,四川省,広西區,福建省,広東省などに分布している。四川省,陳西省に分布しているものは,別亜種 N.pryeri oberthueri で,それ以外は,名義タイプ亜種 N.pryeri pryeri である。
【近似種】 フタスジチョウに似るが,本種は,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
東北





























記録


・ホシミスジ  近畿地方以西亜種    Neptis pryeri hamadai Fujioka, Minotani et Fukuda, 1999


写真数: 21枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,滑空するように飛び,各種の花を訪れる。
 この亜種は,表面の白斑が良く発達する。
【雌  雄】 ♀は,やや大型になり,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 シモツケ・ホザキシモツケ・イワシモツケ・イワガサ・コデマリ(バラ科)
【生  態】 この亜種は,年3〜4回,発生し,5月〜10月に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,近畿地方から九州にかけて分布する。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国,朝鮮半島,台湾に分布している。
 中国では,吉林省,遼寧省,山東省,河北省,山西省,河南省,湖北省,西蔵區,四川省,広西區,福建省,広東省などに分布している。四川省,陳西省に分布しているものは,別亜種 N.pryeri oberthueri で,それ以外は,名義タイプ亜種 N.pryeri pryeri である。
【近似種】 フタスジチョウに似るが,本種は,後翅裏面の基部に小黒斑が点在するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































記録
2015.5.24,兵庫県神戸市,1♂1♀,安中弘行
2015.6.5,岡山県高梁市,1♂,安中弘行
2019.5.31,兵庫県神戸市,1♂,安中弘行
2020.5.20,高知県高知市,1♂,高月陽生
2020.6.3,兵庫県神戸市,1♀,安中弘行
2020.9.20,高知県高知市,1♂,高月陽生
2022.7.24,高知県香美市,1♂,高月陽生
2023.5.20,高知県香美市,1♂,高月陽生
2023.8.26,高知県香美市,1♂,高月陽生

・イシガケチョウ   Cyrestis thyodamas mabella Fruhstorfer, 1898


写真数: 83枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,センダングサなどの花によく集まる。滑空するように飛ぶ習性がある。人の気配に敏感で,近寄ると直ぐに飛び立つ習性がある。
 翅の地色には,白色型と黄色型の2つの型がある。白色型の方が個体数は多い。

白色型

黄色型
 八重山諸島に生息する個体は,大型になり,斑紋が明瞭で,後翅の亜外縁にある赤褐色斑も良く発達する傾向があり,別亜種 ssp.ishigakiana とされたことがあったが,現在では,日本国内は同一亜種となっている。
【雌  雄】 夏型と秋型があり,夏型の♀は,前翅の翅頂付近の黒色斑の発達が弱い。♂は,白色型のみで,♀は,白色型と黄色型の両方がある。秋型の白色型は,♂♀の差がなく,生態写真では区別することは難しい。
【食  草】 イヌビワ・ホソバイヌビワ・ガジュマル・イチジク(クワ科),
【生  態】  年数回,三重県では,4月〜12月に見られ,成虫で越冬する。冬の暖かい日には,確認されたこともある。三重県志摩市で越冬した個体が3月30日に産卵する様子を撮影できた。
 八重山諸島では,周年,見ることができ,越冬態はない。
【生息地】  静岡県より西に分布し,伊豆諸島でも記録が出て,八重山諸島まで分布している。分布を東進させている。
 愛知県では,2020年10月に知多半島で発生が確認され,三河湾沿岸の西尾市でも確認できた。2021年は,7月〜10月にかけて,知多半島や三河湾沿岸の三ヶ根山,蔵王山,岡崎市の本宮山などの数か所で確認された。。
 愛知県西尾市で,2022年5月14日に3齢幼虫が記録され,6月には,成虫も確認できた。
 静岡県藤枝市では,2022年10月29日に1頭が記録された。
 奄美大島では,荒れ地に咲くセンダングサの群落に多数の個体が集まっていた。
 沖縄県では,各地に普通に見られた。
 台湾には,別亜種formosana が生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(ラオスタイ),中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,四川省,陝西省,河南省,浙江省,湖北省,江西省,福建省,広東省,広西區,香港,雲南省に,別亜種 C.thyodamas chinensis が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
南西諸島



































本 土




































記録
1974.4.1,沖縄県名護市名護岳,2exs.
2010.12.28,奄美大島名瀬,1♀
2013.4.15,沖縄県名護市名護岳,4exs.
2013.4.22,奄美大島名瀬,8exs.
2013.5.20,沖縄県石垣市,3exs.,安中弘行
2019.5.30,三重県志摩市,1ex.
2019.6.16,岡山県倉敷市,2exs.,高月陽生
2019.7.7,高知県香美市,多数exs.,高月陽生
2019.9.24,高知県高知市,1ex.,高月陽生
2019.10.21,高知県高知市,1♀,高月陽生
2020.7.5,高知県香美市,1♀1ex.,高月陽生
2020.8.30,高知県香美市,1ex.,高月陽生
2020.9.5,高知県黒潮町,2exs.,高月陽生
2020.10.13,愛知県知多半島,3exs.,原 廣司
2020.10.20,愛知県西尾市東幡豆町,1ex.
2020.11.3,高知県香南市,1♀,高月陽生
2021.3.30,三重県志摩市,1♀
2021.7.11,愛知県岡崎市石原町1ex.,三浦 彰
2021.9.11,高知県高知市,1ex.,高月陽生
2021.10.15,愛知県田原市蔵王山,1ex.,
2021.12.1,沖縄県西表島,1ex.,三河和夫
2022.4.3,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.4.9,鹿児島県奄美大島,1♂,高村葉子
2022.5.14,愛知県西尾市,1ex.(3齢幼虫),小鹿 亨
2022.5.14,高知県香美市,4♂♂,高月陽生
2022.5.19,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.6.25,愛知県西尾市,1ex.(終齢幼虫),小鹿 亨
2022.7.9,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.9.27,愛知県岡崎市鳥川町,1ex.,牛田雅之
2022.10.10,沖縄県名護市,1ex.,三河和夫
2022.10.29,静岡県藤枝市,1ex.,足立幸子
2023.3.19,高知県香美市,1♀,高月陽生
2023.4.1,愛知県新城市,1♀,足立幸子
2023.4.4,愛知県岡崎市,1♀
2023.4.18,沖縄県読谷村,2exs.,高村葉子
2023.5.14,高知県香美市,2exs.,高月陽生
2023.5.20,高知県香美市,1ex.,高月陽生
2023.7.2,沖縄県石垣島,1♀,高村葉子
2023.7.24,沖縄県西表島,1♀,高月陽生
2023.10.12,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂,島田博次

・スミナガシ  日本本土亜種   Dichorragia nesimachus nesiotes Fruhstorfer, 1903


写真数: 29枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  春型と夏型があり,春型は小型になる。食草は,アワブキで,その周辺にはよく見られ,獣糞や樹液に集まる。
 愛知県では,夏型の♂は,午後3時頃から,占有行動をはじめることが分かった。同じ場所で,少し早い14時30分から占有行動をするアカボシゴマダラよりは強く,追い回していた。
 日本には,次の3亜種がある。
   日本本土亜種 D.nesimachus nesiotes Fruhstorfer, 1903
   奄美・沖縄亜種 D.nesimachus okinawaensis Shimagami, 1986  
   八重山亜種 D.nesimachus ishigakiana Shirozu, 1952  
  日本本土亜種には,朝鮮半島に生息する個体もこの亜種に含まれる。
  奄美・沖縄亜種は,翅形・大きさは,日本本土亜種に近いが,表面の地色は,黒味が強く,暗い藍色で,日本本土亜種と八重山亜種の中間的な色調であるが,生息する島による地理的変異が見られる。
  八重山亜種は,大型で,翅形は,丸みを帯び,幅広い。表面の地色は,黒味が強く,暗い藍色で,台湾亜種に酷似している。 
【雌  雄】 ♀は,大型になり,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 アワブキ・ヤマビワ・ミヤマハハソ・ナンバンアワブキ(アワブキ科)
【生  態】 この亜種は,本州では,年2回,発生し,4月下旬〜9月に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  この亜種は,青森県から屋久島まで分布する。
 千葉県では,絶滅危惧T類に指定されている。 
【分  布】  種としては,日本以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ,中国の南西部・南部・東部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾には,別亜種formosanus が生息している。
 中国では,西蔵區,四川省,陝西省,河南省,浙江省,湖北省,江西省,福建省,広東省,広西區,香港,雲南省に,別亜種 D.nesimachus nessea が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
2011.6.4,愛知県岡崎市本宮山,1♂
2012.8.12,群馬県多野郡上野村,1ex., 飯田 哲司
2014.5.10,三重県志摩市,1♂,関戸裕靖
2016.5.21,高知県香美市,1♂,高月陽生
2018.8.17,長野県下伊那郡阿南町,1♂
2019.5.16,三重県伊勢市,1♂,関戸裕靖
2019.6.10,高知県香美市,1♂,高月陽生
2019.9.15,高知県香美市,1♀,高月陽生
2020.5.20,高知県高知市,1♂,高月陽生
2020.6.17,島根県吾妻山,1♂,澤野 真
2020.8.12,愛知県北設楽郡,1♂,足立幸子
2020.8.16,長野県飯田市,1♂
2020.8.16,愛知県北設楽郡,2♂♂
2020.9.12,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.4.28,高知県高知市,2♂♂,高月陽生

・スミナガシ  奄美・沖縄亜種   Dichorragia nesimachus okinawaensis Shimagami, 1986


写真数: 7枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 春型と夏型があり,春型は小型になる。食草は,アワブキで,その周辺にはよく見られ,獣糞や樹液に集まる。 
【雌  雄】 ♀は,大型になり,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ホザキシモツケ・シモツケ・マルバシモツケ・ユキヤナギ・コデマリ・エゾノシジミバナ(バラ科)
【生  態】 年数回,発生し,2月下旬〜12月に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】 この亜種は,トカラ列島から沖縄本島に分布する。
【分  布】  種としては,日本以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ,中国の南西部・南部・東部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾には,別亜種formosanus が生息している。
 中国では,西蔵區,四川省,陝西省,河南省,浙江省,湖北省,江西省,福建省,広東省,広西區,香港,雲南省に,別亜種 D.nesimachus nessea が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
奄美・沖縄



































記録
2022.4.10,鹿児島県奄美大島,1♂,高村葉子
2022.3.5,沖縄県今帰仁村,1♂,荻野秀一

・スミナガシ  八重山亜種   Dichorragia nesimachus ishigakiana Shirozu, 1952


写真数: 16枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 春型と夏型があり,春型は小型になる。食草は,アワブキで,その周辺にはよく見られ,獣糞や樹液に集まる。 
【雌  雄】 ♀は,大型になり,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ホザキシモツケ・シモツケ・マルバシモツケ・ユキヤナギ・コデマリ・エゾノシジミバナ(バラ科)
【生  態】 この亜種は,年数回,発生し,2月下旬〜12月に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】 この亜種は,八重山諸島に分布する。
【分  布】  種としては,日本以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ,中国の南西部・南部・東部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾には,別亜種formosanus が生息している。
 中国では,西蔵區,四川省,陝西省,河南省,浙江省,湖北省,江西省,福建省,広東省,広西區,香港,雲南省に,別亜種 D.nesimachus nessea が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
2013.5.19,沖縄県石垣島,1♂,足立幸子
2016.5.6,沖縄県西表島,1♂,高崎 明
2017.7.7,沖縄県石垣島,1♀,高崎 明
2020.2.22,沖縄県石垣島,1♂,荻野秀一
2020.2.25,沖縄県石垣島,2♂♂,荻野秀一
2020.2.26,沖縄県石垣島,1♂,荻野秀一
2020.2.28,沖縄県石垣島,1♂,荻野秀一


タテハチョウ亜科 は,ここをクリックすると見ることができます

コムラサキ亜科・フタオチョウ亜科・クビワチョウ亜科 は,ここをクリックすると見ることができます

ジャノメチョウ亜科1 は,ここをクリックすると見ることができます

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