アゲハチョウ (アゲハチョウ科)

 アゲハチョウは,チョウの中でも最もよく知られているチョウの一つで,大きさは,翅の端から端までが
8cm程の大型のチョウです。3月の下旬から10月にかけて見られます。
 春に見られる個体は,やや小さく,黄白色の斑紋がよく発達します。夏に見られる個体は,大型になり,
黒色の斑紋が発達します。特に雌は,大型で,黄白色の斑紋の黄色が強くなる傾向にあります。
たくさんの種類の花に集まります。花だけでなく,川沿いの湧き水の周りに集まったり,動物が尿をした地
面に集まったりもします。
 平野部から山地まで広く分布しますが,平野部の人家の周辺に数多く見られます。これは,人家の周辺で
栽培されているミカン類やカラタチを食樹としているからです。
 幼虫は,小さいときには,濃い褐色と灰色の斑紋をしており,鳥の糞にそっくりです。鳥などの外敵から
自分を守っています。大きくなると,食べているミカン類の葉の色と同じきれいな緑色の体になります。
 蛹には,緑色の蛹と褐色の蛹があります。これは,幼虫が蛹になるとき,周りが明るいと緑の蛹になり,
暗いと褐色の蛹になるからです。
 秋に蛹になったものは,10月になって成虫になるものと,そのまま冬を越して,春になって成虫になる
ものに分かれます。冬が来る前に蛹にされなかった幼虫は死んでしまいます。
よく似た蝶には,キアゲハがいます。前の翅の付け根にある斑紋が,キアゲハでは,全体が黒褐色をしてい
ますが,アゲハチョウでは,黒と黄色のまだら模様になっているので,見分けることができます。



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