ジャノメチョウ (タテハチョウ科)

 ジャノメチョウとは,蛇の目,つまりヘビの目に似た丸い斑紋がある蝶という意味で付けられています。ジャノメ
チョウ科の蝶たちは,すべてこの眼状紋を持っています。この仲間は,模様が地味なものが多いので,蛾と思ってい
る人も多いようですが,綺麗なタテハチョウ科に近い仲間なのです。
 ジャノメチョウ科のチョウは,明るい場所はあまり好まず,林の中や草原の日陰の場所などにすんでいます。
ジャノメチョウは,ジャノメチョウ科の中では大きな方で,翅の端から端までが6cm程あります。三河地方では,
6月の下旬から9月下旬にかけて見られます。いろいろな花に集まり,ふわりふわりと飛んで直ぐに止まるので,観
察はしやすい蝶です。しかし,驚かせるとすごい勢いで草の間を潜り抜けて逃げていきます。
 この蝶は,北方系の蝶で,ロシアには,たくさんの仲間がすんでいます。岡崎市では,平野部にはおらず,東北部
の丘陵地だけにすんでいます。しかも限られた場所にしかいません。しかし,生息地では,かなりの数の個体を見る
ことができます。岡崎市の市街地に最も近い場所で発生している場所は,岡崎市立岩津中学校付近です。学校の周辺
の雑木林や堤防は,本種の発生地になっており,学校の庭や校舎の中に時々やってきます。
 雄と雌では,大きさと斑紋に違いが見られます。雌は,雄よりも大型になり,翅の地色の褐色が薄くなり,眼状紋
も大きくなります。
 よく似た蝶に,オオヒカゲがいます。オオヒカゲは,より大型で,草の間を速く飛び,花に集まることは少ないの
で,見つけることはとても難しい蝶です。しかも,岡崎市の丘陵地の限られた場所しかすんでいません。



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