オオミスジ (タテハチョウ科)

 オオミスジは,大型のミスジチョウで,止まったときに黒い翅の中央付近に三本のスジが目立つことからこの名前が
付いています。 
 大きさは,翅の端から端までが雄は7cm程で,雌は8cmほどになる大型のチョウです。飛び方に特徴があり,2,
3回はばたくと翅を開いたまま滑空するようにスーッと飛ぶ習性があります。
ウメを食樹としているため,山間の部落の周辺に見られることが多く,ウメの木の周辺を優雅に飛びまわり,時々,葉
上で翅を休めます。林道の上空の高い所を林道沿いに飛んでいく姿も時々見かけます。
 岡崎市では東北部の丘陵地の限られた場所で見ることができます。栽培されているウメで発生している場合は,消毒
をされてしまうと全滅してしまうので,ほとんど手が入っていないような梅林では,かなりの数の個体を見ることがで
きます。6月の下旬から8月にかけて見られます。7月には,雄も雌も見られますが,8月には,雌のみになります。
 よく似たチョウで愛知県にいるチョウには,コミスジ,ミスジチョウ,ホシミスジがいます。コミスジは,小型のミ
スジチョウで,岡崎市の東北部の丘陵地に広く分布しています。前翅の中央部の白い斑紋の先端が分離するので,簡単
に見分けることができます。ミスジチョウは,岡崎市では本宮山でしか見つかっておらず,ホシミスジは,愛知県の東
北部の山地に生息しています。やはり前翅の中央部の白い斑紋の形状で区別することができます。



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