アカシジミ (シジミチョウ科)

 アカシジミは,ミドリシジミ類の仲間で,日本では24種類知られている中の1種類です。このミドリシジミ類は,
「ゼフィルス」(西風の妖精)と呼ばれており,初夏に現れ,木々の梢で生活し,朝方や夕方には活発に飛び回る習
性がある蝶のグループです。
 アカシジミは,岡崎市では,東部の丘陵地にのみ生息し,北部の丘陵地では見つかっていません。5月下旬から6
月下旬にかけて見られ,食樹であるクヌギやコナラ,カシワなどの古木の周辺で見ることができます。食樹からは,
あまり遠くへ離れて飛ぶことは少ないので,生息地では,毎年,個体を確認することができます。
 ミドリシジミ類の中でも,ミドリシジミやエゾミドリシジミは,集団を作ってたくさんの個体が集まって生活して
いますが,このアカシジミは,単独で生活する習性があります。したがって,一度にたくさんの個体を見ることはあ
りません。
 アカシジミは,他のゼフィルスと多少違って,朝方や昼間は,食樹の梢にじっと止まっており,ほとんど飛びませ
ん。夕方になると飛び始め,日没直後も活発に飛び回る姿を見たことがあります。
よく似た種類に,ウラナミアカシジミがいます。名前の通り,翅の裏側に黒い筋状の斑紋があり,見分けることがで
きます。ウラナミアカシジミは,アカシジミよりさらに狭い範囲にしか生息しておらず,ウラナミアカシジミがいる
場所には,アカシジミは,必ず生息しています。



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