ウラナミジャノメ (タテハチョウ科)

 ウラナミジャノメとは,翅の裏に波の模様がある蛇の目蝶という意味があります。
 ウラナミジャノメは,ジャノメチョウ科の中では小さな蝶で,翅の端から端までが2.5cm程しかありません。
他のジャノメチョウ科の蝶と同じように日陰を好み,樹木の下草の間を上手にかいくぐり,跳ねるように飛びます。
とても珍しい蝶で,湿地の周辺にしか棲んでいません。
昭和40年代の半ばまでは,岡崎市の東部に点在する湿地の周辺で発生していました。
しかし,湿地が埋め立てられたり,山林の開発によって湿地が乾燥したりしてしまい,昭和40年代の後半には,
姿を消してしまいました。
 ところが,平成13年6月に岡崎市内で再発見され,その年の9月には,東海地方では過去,確認がされていな
い第2化(その年に2回目に発生する個体のこと)も発見されました。
 第1化は,6月の中旬から7月上旬にかけて見られます。第2化は,9月の中旬から10月の上旬にかけて見られ
ます。いろいろな花に集まりますが,シロツメクサなどによく止まります。
 よく似た蝶に,ヒメウラナミジャノメがいます。ウラナミジャノメは,後ろの翅の裏側には,眼状紋が3つあり,
ヒメウラナミジャノメは,5つあるので,簡単に見分けることができます。ヒメウラナミジャノメは,乾燥に強く,
市内の全域に分布しています。



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