ウラナミシジミは,翅の裏側に波の模様があるので,この名前が付けられています。 雄は,翅の表全体がうす紫色をしており,メスは,黒褐色の縁取りがあるうす紫色をしています。後ろの翅には, 1本ずつの尾があります。正しくは,尾状突起(びじょうとっき)といいます。 大きさは,翅の端から端までが2cm程の小型のチョウです。 このチョウは,とても変わった生活をしています。 ウラナミシジミは,南方系のチョウのために,岡崎市の冬の気温は寒すぎて,卵,幼虫,蛹,成虫など,秋に見ら れたものは冬を越せず,すべて死んでしまいます。しかし,紀伊半島の南部や四国,九州方面では,冬の気温があま り低くならないために越冬することがでます。そこで,このような場所で冬を越したウラナミシジミは,春になると 成虫になります。そして,世代を繰り返しながら北へ北へと分布を広げ,夏には紀伊半島の中部や愛知県の知多半島, 渥美半島にまでやってきます。そして,秋になると,岡崎市でも成虫を見ることができるようになるのです。したが って,岡崎市では,9月上旬から11月中旬まで見ることができますが,10月に最も数多く見ることができます。 幼虫は,エンドウ,ダイズ,フジマメなどのマメ科の植物を食べます。これらの花に成虫もよく集まります。 飛び方は非常に早く,なかなか止まりませんが,好きな花を見つけると,直ぐに止まります。一度止まると,人が 近づいてもあまり逃げようとしません。 よく似たチョウは,南方の熱帯地方にはたくさんいますが,日本本土には,このウラナミシジミしかいません。 |