『 第24回 台湾撮影旅行記 』

2023年6月27日〜7月12日
・・・ 再び,台湾の珍蝶を探して ・・・
       杉 坂 美 典..........
● プロローグ
 新型コロナウィルスの蔓延後,ようやく台湾でも個人の自由旅行ができるようになり,久しぶりに台湾の珍蝶を探して,16日間の撮影旅行を組んだ。
 今回は,ミドリシジミ類,超珍蝶のエサキカラスシジミ,高山蝶,アリサンシジミタテハ,オジロイナズマを撮影したいと考えている。
 さて,どのようなドラマが待っているだろうか・・・。

● 6月27日  晴れ  セントレア→桃園空港→台北→花蓮
 台湾への入国カードをネットで済ませておいたので,入国は大変スムーズであった。しかし,空港で預けた大型バックを運ぶのにとても力が要るのに気づいたのは,台北に着いてからであった。横に倒して見てみると1つのコロが破損していた。空港での運搬で投げられたのであろう。受け取ってすぐに気が付けば航空会社に事故申請できたが,気付くのが遅かった。しかし,その足に負担がかからないように持ち方を変えれば何とか移動でき,花蓮のホテルに着くことができた。そこで,ホテルの人に旅行バッグ店があるか聞くと,近くにあることを教えてくれた。さっそく行ってみると,ちょうど良いサイズのバッグがあり購入することができた。なかなか大変な初日になった。
 夜,台南市の林本初さんから電話があり,明日,碧緑神木に,林さんの友達の毛さんが9時ごろに行くという情報を教えてくれた。明日が楽しみである。(歩行距離 6.9km/6.9km)
  
● 6月28日  雨のち曇り    花蓮→碧緑神木→花蓮
 朝起きると,何と雨であった。しかし,予定通り碧緑神木に行くことにした。タクシーは,6時40分,時間通りに来た。碧緑まで2時間である。町中を通り過ぎると,懐かしい景色になった。雨は止み曇りになった。以前,何日も泊まった何家果樹園の横を通り,何度も歩いて通ったポイントを見て,昔の光景を思い出していると,ついに碧緑神木に着いた。タクシーは,そこで帰りまで待ってもらうことになっている。タクシーの運転手は,スマホで日本語通訳を使って,「危険なことはしないようにね。」と伝えてくれた。私は,「了解!」と答えた。
 路面は濡れていないので,ここは雨が降っていなかったことが分かった。碧緑神木のポイントまでは10分である。4年前はこの道を工事していたので入れなかったが,確かにきれいな砂利道になっていた。

碧緑神木のポイントへの修繕された林道

 ポイントに着くと,すでに撮影者がいた。すると,手を挙げて私に笑顔を見せている。毛さんであった。40代の細身の女性である。台南市から約6時間かかって一人で来て,少し前に着いたそうだ。なかなかタフな女性である。
 「蝶はいましたか?」と聞くと,全然いないとのことであった。そこで,奥のポイントや他の場所も探したが,本当にいない。こんな光景は想像もしていなかった。しかし,1時間ほどすると気温も上がってきた。最初に姿を現したのは,ワイルマンシロチョウであった。上空を高く飛んでいて,なかなか止まらない。仕方なく飛翔写真を撮った。つぎに現れたのは,アリサンオナガシジミであるが,やはり止まらない。花が以前に比べるととても少なく,農園もやっていないので,ポイントの全体が荒れ果てている感じがした。天候が悪いだけでなく,そのせいで蝶が少ないのかもしれないと思った。さらに時間が過ぎると,アサギマダラ,タカムクウラナミジャノメが現れたが,めぼしいものがいない。毛さんが,神木から少し戻ったポイントに移動しようと提案してくれたので,駐車場まで戻りタクシーの運転手にそのことを伝え,毛さんの車の後ろに着いていき,撮影場所を移動することにした。
 毛さんが連れて行ったくれたポイントは,以前,私がルーミスシジミを撮影した場所であった。やはり絶好のポイントだったのである。車の置き場が1台しかないので,タクシーは碧緑神木の駐車場に戻ってもらった。
 ポイントでしばらく待っていると,ワイルマンシロチョウが現れ,ウラクロシジミが出てきた。遠かったが何とか撮影することができた。ようやく最初のゼフィルスである。そのポイントでは1時間くらい粘ったが,やはり厳しいので碧緑神木に戻ることにした。毛さんが私の車で戻りましょうと言ってくださったので,同乗させてもらい碧緑神木に戻った。
 ポイントに着くと4人の撮影者がいた。「どう?」と聞くと,やはりいないという返事だった。温暖化のせいで碧緑神木の蝶が少なくなったと林さんが以前に言っていたことを思い出した。そうかもしれないと感じた。すると,その撮影者の一人が,私に「あなたは,この人ですか?」とスマホの画面に私の氏名の文字を記載して見せてきた。そうだと答えると,「あなたは台湾で有名な蝶の研究者ですよ。」と教えてくれた。気恥ずかしい気持ちになった。
 その後,シータテハ,コジャノメ,ウスアオゴマダラシジミなどを撮影し,ホテルに帰ることにした。帰りのタクシーの中では爆睡であった。
 明日は移動日にし,予定より早めに台東の池下市に移動しようと考えた。そこで,駅に行って列車の席が空いているか確認をすると,幸運にも空いていた。予め購入していた切符を無料で交換してくれた。明日は,池下市の東部の公園を探索してみようと思う。 (歩行距離 6.9km/13.8km)

● 6月29日  晴れのち雨  花蓮→池上
 雨の予定だったが,朝起きたら花蓮は晴れであった。10時半にチェックアウトし,11時過ぎの列車で池上市に向かった。池上のホテルは15時以降にチェックインなので,荷物を預けて,南にある池のある公園の東側を探索することにした。
 4年前は,この場所でカバタテハが多産していた。さっそくポイントの川沿いを探索した。すると,ウラベニヒョウモンが至る所にいた。タテハモドキ,タイワンキマダラも時々姿を現し,キタキチョウ,タイワンキチョウ,タイワンキマダラセセリ,リュウキュウムラサキなどもいた。4年前は,ウスイロコノマチョウもいたので,いそうな場所をとんとん棒でたたいてみると,本当にウスイロコノマチョウが飛び出して来て撮影することができた。

ウスイロコノマチョウ

ウスイロコノマチョウ の ポイント

 さらに進むと,マンゴーが完熟して汁が垂れている場所を見つけた。何かいないかと探していると,カバタテハが1頭止まっているではないか!何とか撮影できた。

カバタテハ

 そこで,アングルを変えようと,とんとん棒で揺らしてみると近くの場所に止まってくれた。最高のアングルで撮影することができた。その後はオナシアゲハを撮影でき,もう少し奥へ行こうと考えたとき,南西風が強く噴き出した。南方の山をみると,雨が降っているではないか!これは急いで帰らなければと思い,ひたすら来た道を戻った。途中で小雨が降りだしたので,カメラを仕舞い,リュックに防雨カバーをかけた。ホテルに着いたときは土砂降りになっていた。傘をさしていたがズボンはずぶ濡れになった。
 部屋に入ってしばらくすると,林さんから電話があり,明日は,台南市から南横公路を通ってエサキカラスシジミのポイントへ行く予定であったが,南横公路の西側からのルートは落石の危険があって通れないので,台湾南部の知本経由の道で池上市を通ってポイントに行くという。最初の予定では,エサキカラスシジミのポイントへは,私は東側の池上市から,林さんは西側の台南市から入りポイントで合流することになっていた。しかし,林さんは私のいる池上市のホテルで私を拾って,一緒にポイントに連れて行ってくれると言う。ありがたいことである。急いで予約していたタクシーをキャンセルした。明日はどのような蝶が待っていてくれるであろうか。楽しみである。(歩行距離 7.0km/20.8km)

● 6月30日  晴れ時々曇りのち雨  池上→南横公路→池上
 林さんは奥さんと一緒に来られていた。奥さんとは,6年前に台湾の南部を探索して以来の再会である。林さんたちは,台南市から5時間掛かって私を迎えに来てくれた。そこから珍蝶のポイントまで1時間半の行程である。途中いろいろなことを話しているうちに,最初のポイントに着いた。ここはタイワンクルミの自生地で,オナガシジミがいる場所である。しかし,オナガシジミは午後に活動する習性があるので帰り道に寄ることにし,次のポイントに移動した。次は,いよいよエサキカラスシジミのポイントである。
 着いてみると,その場所は,エサキカラスシジミの発生地ではなく山の斜面で,下の方にある発生地からそこへ集まってくるポイントであった。周辺を3人で丹念に探したが見つからなかった。今年は,6月22日には数頭が飛来していたそうである。今日は発生が終わってしまっている可能性が高い。2年前は20頭近くが飛来したが,昨年は少なかったそうである。仕方がないので次のポイントに移動することにした。そこは,ニシカゼミドリシジミのポイントである。
 ポイントに着くと,すぐにミドリシジミ類の1頭が路上を飛び回っているのを見つけた。止まってくれと願ったが,上空に飛び去って行った。そこで,ポイントの周辺を探索したが,ミドリシジミ類は見つからなかった。しかし,バンダイホシチャバネセセリ,ニイタカキマダラセセリを撮影することができた。そして,1時間ほどは周辺を探索したが,大したものは現れなかったので,再度,エサキカラシシジミのポイントに戻ることにした。
 気温が上がって来ているためか,いろいろな蝶が飛来していた。タイワンヤマキチョウ,タイワンタイマイ,ユウマダラセセリなどを撮影できた。そこで近くの場所をとんとん棒でたたいていると,何と,アリサンシジミタテハのメスが飛び出した。すぐに林さんたちを呼んだ。そのメスは,点々と移動しながら,少し翅を開いてポーズをとってくれる。すばらしいモデルになってくれた。メスは初めての撮影であった。

アリサンシジミタテハ ♀

 その後は1時間ほど探索したが,エサキカラスシジミは見つからなかった。やはり発生期が終わっている感じであった。ホームページ用に林さんと二人での記念撮影をし,来年はもう少し早い時期に来たいと思った。
 最後に,オナガシジミの場所に戻った。何本かクルミの木が自生しており,一番近くの大木を眺めていると,チラッと白い蝶が飛び出した。オナガシジミであった。アングルは今ひとつであったが,何とか撮影することができた。しかし,なかなか飛び立たない。すると林さんが少し離れた3本目の木の頂上付近で乱舞しているのを見つけてくれた。直ぐに行って,遠いものの,何とか撮影することができた。その後も1時間ほどは探索したが,大した成果はなく帰ることにした。
 ホテルまでの1時間半はいろいろな話ができ,本当に楽しいひと時を過ごした。林さんのおかげで充実した撮影日とすることができた。
 明日は,ホテルの南にある大池の東側を歩いて探索し,夕方に花蓮に戻る予定である。 (歩行距離 5.2km/26.0km)

● 7月1日  晴れ時々曇り  池上→大池→池上→花蓮
 朝起きると晴れていた。朝食を済ませ,早速,大池の西側を探索することにした。列車は16時過ぎなので,荷物をホテルに預けての撮影である。
 ホテルからは20分間ほどで池の入口に着いた。西側の道は観光客が多く,公園はかなり整備されていたので,あまり期待できないなと思いつつ,池の周りのある草むらや木陰を回っていった。ウラベニヒョウモン,タテハモドキ,タイワンキマダラがやたらに多い。ちょうど発生期なのであろう。そして木陰の道を進んでいくと,木々が集まって生えている場所に着いた。すると,足元からウスイロコノマチョウが現れた。しかも数頭いるではないか!これまで,この種はいても1,2頭であったのに,これだけの数がまとまっているのを見たのは初めてである。この種は,木の根元などの空間がある場所に止まってくれるので,撮影は楽である。数十枚,撮影することができた。
 さらに道を進むと,リュウキュウムラサキがテリトリーを張っていて,きれいな写真が撮れた。そして,以前来たことのある道に出た。なるほど,ここに出るのかと池の全体図が分かった。そこで,池から離れて南側の 川沿いの道を進んだ。しかし,大したものはおらず,池の外周の道に戻り,東側の道を通って池を一周することにした。
 そして,先日カバタテハのいたマンゴーの木のポイントに出た。やはり,カバタテハはいた。4頭が縄張り争いをしていた。しかし,なかなか止まらないので数カットしか撮れなかった。川沿いの花が多いポイントでは,タテハモドキ,リュウキュウアサギマダラ,カバマダラ,オナシアゲハ,タイワンクロボシシジミなどを撮影できた。そして,まだ2時間ほどあるので,最初のウスイロコノマチョウがいるポイントに再度行ってみることにした。
 ウスイロコノマチョウは,5頭いた。たくさんの写真が撮れ,アサクラシジミも撮影することができた。

アサクラシジミ

 その後は予定通りの時間にホテルに戻り,無事,花蓮のホテルに移動することができた。今日はよく歩いたという感じである。
 先回のベトナム撮影旅行では,初日に足の親指の爪が内出血し,爪の再生まで3か月間もかかった。今回はその対策をしっかりやってきたおかげで,今のところは何ともない。スパイク長靴はとても便利でどんな所へも行け,滑らず,ヘビ,虫対策としても大変安心なのだが,指先への負担が大きいことが欠点である。そこで,今回は中敷きを2枚追加し3枚にし,そのうちの1枚は指先をカットしてある。靴下の上から足首に関節サポートベルトを巻くようにしたので,長靴の中で足首が泳がず,下りでも指先に負担がかからない。山仕事専門家の対策を調べて今回初めて実施したのだが,プロは大したものであると感じた。ちなみに,そのプロ用の山長靴には,外側に足首の固定ベルトが着いている。
 明日は,最初の予定では碧緑神木に行く計画であったが,碧緑にはほとんど蝶がいない状況になっていたので,急遽,近くでよい場所はないかとグーグルで探してみたところ,花蓮のすぐ北に景美という場所があり,近くに川が流れており,自然に恵まれた環境であることが分かった。しかし,そこまでの交通手段は,朝1本しかない列車で行き,帰りは1時間半に1本のバスで帰るしかないことが分かった。それでも,行く価値はあると考えた。どんな1日になるか楽しみである。 (歩行距離 12.1km/38.1km)

● 7月2日  晴れ  花蓮→景美→花蓮
 久しぶりの快晴である。予定通りの列車に乗り,景美駅に着いた。誰も降りないし駅員もいない無人駅で,観光地ではないと分かった。花蓮駅で切符を買った際,駅員が不思議な顔をした理由が理解できた。
駅の西側の道を北に向かって歩いていくと,小さな山道を見つけた。これは面白そうだと入っていくと,ヒョウマダラ,イシガケチョウ,タイワンルリモンアゲハ,シロウラナミシジミなどが現れた。小さなシジミチョウもチラチラと飛んでいる。何と,シロモンクロシジミのオスであった。台湾の南部に生息する蝶が,中部の東海岸まで分布を広げていることに驚かされた。

シロモンクロシジミ ♂

いろいろな蝶がいた林道 (右)

 その後は,ヒメウラボシシジミ,クロセセリ,ベニモンアゲハ,ヒメイチモンジセセリ,タイワンキマダラセセリ,タケアカセセリなどを撮影した。さらに,ウスイロキチョウがかなりの数いて,台湾中部の東海岸にまで生息することを確認できた。そして,山を下りる直前,キシタアゲハの雄が現れた。止まらなかったので何とか飛翔写真を撮ることができた。
 バス停には,バスが来る時間よりも30分は早く着き,遅めの昼飯を食べて待っていたが,時間を過ぎてもいっこうにやって来ない。まあこんなもんだと思い,少なくとも1時間以内には来るだろうとのんびり構えていた。すると,1台の車が私の横に止まった。窓が開いて「ここはほとんどバスが来ないところです。どこまで行かれるのですか?」と,女性の方が聞いてきたので「花蓮駅です。」と,答えると「ここはバスが少ないので送りますよ。後ろに乗ってください。」と言ってくれた。何と親切な方だと感動して乗ると,仕事は,コーヒーを販売しているとのことだった。運転されていたご主人もとても親切な方だった。私は蝶の研究をしていて,台湾の蝶のホームページを作っていると話すと,すぐにスマホでホームページを見てくれ,いろいろと話が弾んだ。結局ホテルまで送ってくださり,その数時間後に,販売しているコーヒーのお土産用パックをホテルまで届けてくださった。本当に感謝感謝である。以前も,台湾はヒッチハイクをすれば100%乗せてもらえたし,パトカーにまで宿へ送ってもらったこともあった。しかも2度も。台湾の方々の親切さには驚きと感謝でいっぱいである。
 明日は,羅東に移動し,明後日は,標高2000mを超える思源へバスで行く予定である。思源へは8年前に梨山から北に上がるルートで行ったことがあるが,今回は,羅東から南下して登るルートである。バスは1日に1本しかなく,帰りも同じなので,乗り遅れたらヒッチハイクしか方法は無いため,気を付けなければならない。一応,ヒッチハイク用のプラカードを作る紙を持って行こうと思っている。目的は,ここで記録がある,サンカクホウシジミである。さて,どのような1日になるであろうか。 (歩行距離 7.4km/45.5km)

● 7月3日  晴れのち大雨  花蓮→羅東
 ホテルを10:30にチェックアウトし,予定通り,花蓮からの列車・自強號に乗ることができた。ほぼ満席であった。日本で予約しておいて正解であった。
 ホテルは15時からのチェックインなので,荷物をフロントに預けて,コインランドリーで洗濯,バス停の確認,昼食などで時間を使った。
 チェックインを済ませ,部屋の環境を整え,ゆっくりと風呂に入っていると,突然,雷が鳴りだし大雨になった。しかたなく土砂降りの中を食料の買い出しに行き,かなり濡れたが何とか無事でホテルに帰ることができた。18時には止んだが,明日の天気予報があまりよくない。明日と明後日の予定を変更し,明日はカメヤマウラナミジャノメを探しに,亀山火車駅の奥の山に行こうと思う。 (歩行距離 4.6km/50.1km)

● 7月4日  快晴  羅東→亀山→羅東
 台湾の天気予報は,悪く発表して良くなればそれでよしとしているのか不思議である。曇り予報だったのに終日快晴であった。
 カメヤマウラナミジャノメは,日本のツマジロウラジャノメのように岩礁地帯に生息している。岩の隙間から生えている笹類を食草としており,生息地の亀山島の対岸に当たる亀山の山中で崖を探したが見つからなかった。実際にいたのは,普通のウラナミジャノメばかりであった。しかし,山の中の小さなやや暗い林道では,ワモンチョウ,クロコノマチョウ,ウスイロコノマチョウ,シロウラナミシジミ,ルリウラナミシジミ,トガリワモンなどを撮影することができた。

ワモンチョウ ♂

いろいろな蝶がいた林道 (右)

  下山は明るい林道を通ったので,多数のイシガケチョウ,ミナミキチョウ,ウスキシロチョウ,タイワンミスジ,タイワンイチモンジ,リュウキュウムラサキなどを撮影することができた。
 明日は晴れ予報なので,高標高地の思源に行く予定である。 (歩行距離 5.5km/55.6km)

● 7月5日  快晴   羅東→思源→羅東
 羅東火車駅の東側にあるバスターミナルの8番ホームから,梨山行きのバスは定刻の7:00に発車した。乗客は6人ですぐ近くのバス停で2人降りたので,山に向かったのは4人だけだった。大型バスで,椅子にはスマホの充電口が全席に着いていて最新の大型バスである。
 途中,トイレ休憩や時間調整もあり,目的地の思源菜園には9:40に着いた。
 早速,林道に入っていくと,ルリウラナミシジミ,シロウラナミシジミ,ヤマナカウラナミジャノメ,ニイタカキマダラセセリ,タカムクシロチョウなどが現れた。

タカムクシロチョウ ♂

思源のポイントへの入口

 すると,一人の撮影者が林道を登ってきた。驚いたことに,1週間前に碧緑で一緒になった毛さんではないか!何という奇遇!毛さんは片道6時間をかけて台南市から一人でやってきたのである。すごいパワーの持ち主だと感心した。
 毛さんは,早速,林さんに電話してこのことを伝え,私にスマホを渡してくれたので林さんと話すことができた。林さんは,私の狙っているサンカクホウシジミは,少し離れた思源亜口にポイントがあるということを教えてくれた。そこで,思源菜園のある程度の奥まで行ってから思源亜口に行くことにした。
 林道を登っていくと,スギタニイチモンジ,タカムクシロチョウ,シロオビクロヒカゲ,アマミウラナミシジミが現れた。さらに,ホリシャウラナミシジミも姿を現してくれた。ある程度まで登ったので,引き返すことにした。途中,毛さんと会いお礼の言葉を伝えた。

スギタニイチモンジ ♂

 20分ほど歩いて思源?口に着くと,ムラサキイチモンジ,ホソバオオウラナミジャノメが現れた。しかし,林道を登っていくと全く蝶がいそうもない環境で,このまま登って行っても時間の無駄になると思った。そこで,以前行ったことのある思源派出所まで戻ることにした。
 帰りのバスはこの思源派出所から乗ればよいので,撮影時間を計算して引き返せばよい。しかし,帰りのバスは1日に2本しかないので乗り過ごしたら大変なことになる。
 帰りのバスまでは約3時間あるため,沢沿いの林道を登っていくことにした。最初の花畑では,たくさんのウラナミシジミ類が舞っており,ニセアオバセセリも現れた。川にかかっている橋を渡ると,シジミチョウがブッシュの先端に止まった。撮影してみると,タイワンウラミスジシジミ! 大興奮! でも1カットしか撮れなかったのが残念である。

ニセアオバセセリ ♀

タイワンウラミスジシジミ

 そして川沿いの小道を進むと,珍蝶のミヤジマミスジ,スズキミスジ,ワイルマンシロチョウ,シータテハ,ホリシャミスジなどを撮影することができた。バスの時間を計算すると,そろそろ戻らなくてはならないので,残念な気持ちで戻ることにした。
 帰り道では,ニイタカキマダラセセリ,カラスアゲハを撮影することができた。
 バスは予定より少し早く来た。危なかった!サンカクホウシジミは撮影できなかったが,今日は今回の台湾での最高の日となった。
 明日は,埔里への移動日である。時間があれば本部渓に行ってみようと思う。 (歩行距離 7.4km/63.0km)

● 7月6日  晴れ  羅東→台北→埔里→本部渓→埔里
 羅東から無事に埔里の町に着くことができた。町の様子は4年前と大差はない。午後1時30分には,ホテルに着いたので本部渓に行ってみることにした。
 埔里のバスの総站は,あまり変わっていなかった。しかし,以前はバスの時刻表を配布していたが,今は,掲示してあるだけであった。仕方なしに,スマホで撮影した。

バスの時刻表

 本部渓は,4年前とはだいぶ変わっていた。木々が大きくなり,洪水が起こっていないためか,河原の草木が成長して,背の高い草原になっていた。
 最初の橋の向こう側のポイントでは,タイワンルリモンアゲハ,オナシモンキアゲハ,モンキアゲハ,ヒメウラナミシジミなどが集団給水をしていた。

タイワンルリモンアゲハ ♂

メスシロキチョウ ♂  ウスムラサキシロチョウ ♂
吸水集団

 さらに進むと,メスシロキチョウが十数頭集まって吸水をしていた。その集団の中にテングチョウがいて,それを単独の写真で撮るにはなかなか難しかった。さらに進むと,タイワンキミスジがいて,さらにヒメキミスジもいた。本部渓では1度しか見ていないカバタテハも現れたが止まらず,撮影できなかった。また,ナカグロミスジがテリトリーを張っていて,たくさんの写真を撮ることができた。2時間ほどの撮影で,普通種であったが27種を撮影できた。
 明日は,標高2000mを超える翠峰にバスで行き,その後は,バスを乗り継いで,4ヶ所のポイントを探索する予定である。 (歩行距離 7.5km/70.5km)
  
● 7月7日  晴れ  埔里→翠峰→ナールー湾→青青草原→埔里
 予定通り,埔里のバス停を7時過ぎには翠峰に向かって出発した。バスに乗っている時間は1時間半あるので,スパイク長靴を脱いでリラックスできた。
 1時間ほどで霧社に着き,松崗,梅峰を過ぎて,いよいよ翠峰に近づいたとき大渋滞になった。理由が分からない。運転手が,「バスは動けないので歩いて行った方が良い。」と言うので,仕方なく翠峰まで登り道を歩いた。翠峰に着いてみると,どういうわけか,翠峰のゲートで全面通行止めになっていた。何十台もの車が列を作っていた。
 早速,翠峰のトイレ横のポイントの花の群落を見に行った。しかし,花はまだ咲いていなかった。林さんが言っていたように,今年の台湾は動植物の発生が全体的に遅れていることを実感した。
通常ならばこの翠峰で約1時間の撮影を行い,来たバスで松崗まで戻り,そのままナールー湾に行くことが多い。しかし,バスが全く動いていないのでそれはできない。そこで来た道を引き返し,三角峰の入口まで戻って散策することにした。途中,乗ってきたバスの横を通ったが,全く動いていなかった。松崗に戻るバスはこのバスしかないので,松崗まで歩かなければいけない。約6qの行程である。腹をくくって,途中の梅峰から脇道にそれてミヤマウラナミジャノメのポイントも探索してみることにした。

梅峰のミヤマウラナミジャノメのポイントへの林道 (左)

 歩いている時,ミヤマシロオビヒカゲ,タイワンコヤマキチョウ,オジロクロヒカゲ,ポッポアゲハなどの撮影ができ,三角峰への入口では,タカムクシロチョウ,タイワンビロウドセセリ,ヤマナカウラナミジャノメなどを撮影できた。梅峰では,ポッポアゲハ,オオベニモンアゲハなどを撮影できた。

ホッポアゲハ ♀

タイワンコヤマキチョウ ♀

 アサクラアゲハの綺麗なものを見つけたが,止まらなかったので飛翔写真を撮ったが,証拠写真となる程度であった。
 約3時間歩いて,ようやく松崗の停留所の近くまで歩くことができた。すると停留所に着く直前にバスがやってきてしまった。私は手を振ってガンガンと走った。するとバスは止まって待っていてくれた。これに乗り遅れると2時間待ちであったので本当に助かった。よくもまあこの年で走れたものである。我ながら感心した。
 バスは10分間ほどで,ナールー湾というバス停に着いた。目的地の雑木林までの途中,以前にモンキチョウがいたことのある草原に寄ってみると,何と数頭のモンキチョウがいた。モンキチョウは,台湾では珍蝶である。たっぷりと撮影することができ,台湾では少ないヒメアカタテハも撮ることができた。
 目的地の林道は,以前とは大きく異なり,道路が舗装され,ヤマナカウラナミジャノメはいたものの,多くの蝶が姿を消していた。何とか,ダイミョウセセリ,シータテハを撮ることができた。

モンキチョウ ♂

シータテハ

 その後,歩いて青青草原の横の林道に行ったが,ヤマナカウラナミジャノメがいただけであった。
 そして,青青草原のバス停から埔里へ行き本日の撮影を終わった。山を歩いた距離は,今回の台湾の撮影旅行の中では最長の16.0kmであった。でも,高原であったので,大して汗はかかず歩きやすかった。明日は1日かけて,50年前と9年前の2回しか行っていない南山渓の最奥地まで行き,その2回とも出会うことができたアリサンシジミタテハを探してみようと思う。 (歩行距離 17.1km/87.6km)

● 7月8日  晴れ  埔里→南山渓→埔里
 南山渓のバス停には,9時30分に着いた。帰りのバスは,南山渓のバス停に15時15分の予定であるので,往復で約6時間の探索である。ただし,今日は土曜日なため観光客が多く,バスの運行時間は当てにならない。まあ,なるようにしかならないと思いながら道を進んだ。
 最初の部落の中では,ベニモンシロチョウが数頭いて,きれいな写真を撮ることができた。このベニモンシロチョウは,南山渓では結構,普通に見られるが,他の場所では珍蝶である。その他,ホシボシキチョウが一か所だけ発生しており,なかなか止まらないので撮影には苦労したが,きれいな写真を撮ることができた。

ベニモンシロチョウ ♂

ホシボシキチョウ ♂


 道を進むと,メスシロキチョウ,ウスムラサキシロチョウなどが多く,ホリシャムラサキマラダ,カバマダラ,マダラシロチョウもいた。
 バス停から30分ほどで夢谷瀑布に着いたが,昔の面影はなく,観光地化され,林は切り開かれて有料駐車場になり,沢に行くのに入園料も出ることも分かった。かつては,この場所でイナズマチョウも撮影できたが,今は人間の欲にまみれた場所に変わっていた。諦めて先に進んだ。
 ここからは登り道がきつく,暑さも加わり,南山渓としての本当のポイントまでの30分間は,毎回,地獄の苦しみである。そして,ようやくポイント入口である舗装されていない林道に着いた。バス停から丁度1時間の登りであった。

南山渓の地図

南山渓のポイントへの入口

 最初に現れたのは,コウラナミジャノメ,タイワンウラナミジャノメ,クロコノマチョウであった。さらに進むと,アサクラシジミ,ムラサキシジミがいた。以前,ホシミスジを撮影した場所で粘ったが見つからなかった。
 どんどん進むと,ようやく川を渡る場所に出た。いつもなら,ここで弁当を食べ,引き返す場所である。今回はここからが本当の勝負である。
この河原は,以前は草丈が低かったが,今はこんもりと茂ったブッシュになっていた。以前いたヒメフタオツバメを探したが全く気配がなかった。12時少し前になったので,河原にある大きな岩の上で昼飯にした。ここまで2時間30分かかった。
昼飯を食べたので,いよいよ出発である。登り道は半端でなく,スパイク長靴を履いていないと落ち葉で滑ってしまうような状況である。
 登り始めて最初に現れたのは,ホソバセセリであった。以前の台湾では,各所で見られたが,4年前は激減していた。数カット,撮影することができた。
 さらに登っていくと,オレンジ色の大きなタテハチョウが現れた。オスアカミスジである。樹上で止まってくれたので,何とか撮影することができた。そして,チラッと姿を現したのは,アリサンシジミタテハのメスだ! すぐに飛び立ってしまったので1カットしか撮れなかったが,やはり生きていた! 本当に嬉しかった。であれば,オスもいるのではないと,厳しい登り道を進んでいくと,本当に現れた! きれいなオスの個体である。数カット,撮影することができた。

アリサンシジミタテハ ♂

 これで十分であるが,下山の予定は午後1時であるので,さらに登って行った。次に現れたのは,ワモンチョウであったが止まらず,撮影できなかった。でも近くにいたシロスジマダラは撮影することができた。道は尾根になっており,道幅は4mほどあるものの,左右とも100mはある断崖絶壁で,よくもこんな場所に道を作ったものだと感心した。さらに進んだが急な下り坂になり,時間も丁度午後1時になったので引き返すことにした。
 戻る途中,1度,林の中で迷子になったが,周りを見れば大きな谷になっているので下っていけば何とかなると思い,少し戻ってから下れる道を探したら本道に戻ることができた。よかった!ここで本当に迷子になれば,あの世行きである。
 帰りの時間は2時間半を予定していたが,普通の歩き方では少し厳しいかもしれないと感じた。スパイク長靴を履いているので全く滑らないが,登山靴では,この道は落ち葉と湿気で危険であると思う。バスの時間を気にしながら,どんどん下山した。帰り道ではアリサンシジミタテハは見られなかった。ムラサキシジミ,アサクラシジミ,クラルシジミなどを撮影できた。
 村の近くでは,ベニモンシロチョウが1頭だけいて撮影できた。ホシボシキチョウは全くいなくなっていた。そして,予定よりは少し早く午後3時過ぎにはバス停に戻ることができた。しばらくするとバスが来た。山を歩いた距離は,15.1km。昨日よりも上り下りの厳しい行程であった。
 明日は,台北に行き,外来種のオジロイナズマを見てみたいものである。 (歩行距離 17.0km/104.6km)
  
● 7月9日  晴れ  埔里→台北→剣南蝶園→台北
 昨日で,台湾を歩いた距離は100kmを超えた。こんなに歩く予定はなかったが,体調が良いのでこういう結果になったのだと思う。ありがたいことである。
 埔里のバス停を8時15分に出発し,台北には昼過ぎに着いた。ホテルはチェックインできると言う。そこで,着替えをし,スパイク長靴を履いて,剣南蝶園に向かった。
 剣南蝶園は,山の各所に蝶の食草が植えてあり,自然状態であるが,多数の蝶類が生息している場所である。今,ここで東南アジアからやってきた外来種のオジロイナズマが発生していると林さんに教えてもらった。林さんによれば,東南アジアからのコンテナ船に紛れ込んだ母蝶が貿易港の基隆市に運ばれ,餌のマンゴーも十分にあることで,この地から各所に分布を広げた可能性が高いとのことであった。
 剣南蝶園は,以前とは状況はほとんど同じであったが,タイワンフタオツバメが集まる木の花は既に終わり,実をつけていた。バナナセセリがいた林は,整備され過ぎていて明るくなっており,バナナの木の葉は食べられた痕跡がなかった。センダングサには,ルリマダラ,スジグロカバマダラが来ていたが,大したものはいなかった。そこで,北側の斜面に行ってみることにした。すると,日当たりの良い木々の小枝の前を小型のタテハチョウが滑空した。オジロイナズマだ! そして占有行動をし始めた。数カット,撮影することができた。さらにもう1頭が飛来し追飛を始めた。勝ち残った1頭はその空間の数か所で占有行動をしたので,十分な数の撮影ができた。私の新記録種であり,大満足した。

オジロイナズマ ♂

剣南蝶園への入口

 明日は,台北市の南東にある烏来に行き,あまり人が行かない桶後林道で,アリサンクロセセリ,フタオルリシジミを探してみようと思う。 (歩行距離 9.3km/113.9km)

● 7月10日  晴れ  台北→烏来→桶後林道→台北
 今日はも天気が良いので,予定定通り,烏来の桶後林道に行くことにした。
 5時に起床し,6時のMRTで西門から新店まで行き,そこからバスで烏来に行った。バス停にはタクシーが数台待っていたので,桶後林道の通行止めになっている場所まで行き,そこから歩いた。タクシー代は片道700元であった。帰りは,12時に迎えを依頼し林道を進んだ。
 道の横の草むらでは,ヒメアサギマダラ,ヤエヤマイチモンジ,タイワンミスジ,タイワンキミスジ,ヒメキミスジ,タイワンキミスジがいた。しばらく歩いていくと,山から小さな川が流れ落ちていた。すると,小さな青いシジミチョウが現れた。撮ってみると,何と,珍蝶のフタオルリシジミではないか! 新鮮な個体であった。しかも2頭いた。十数カット撮影することができた。これで,次の目的地である烏来のロープウェイに乗って山に登り,フタオルリシジミのポイントに行く必要がなくなった。この蝶は着生ランを食草としており,限られた場所でしか発生していない。本当に幸運であった。

フタオルリシジミ ♂

桶後林道

 さらに道を進むと,いくつかの渓流があり,目的のアリサンクロセセリを探したが見つからなかった。そして予定の時間になったので,残念ながら引き返すことにした。
しばらく戻ると,褐色のやや小さめの蝶が現れた。ヒメキミスジかなとよく見ると,何と,珍蝶のタイワンシジミタテハであった! たくさんの写真を撮ることができた。この桶後林道では,6年間に撮った以来の2頭目である。

タイワンシジミタテハ ♀

 その後も,アリサンクロセセリを探したが見つからなかった。しかし,フタオルリシジミがいた場所とその近くには,5頭もの個体が吸水に来ていた。驚きである。
 これで台北での目的の蝶はほぼ撮影できたし,左足の膝に水が少し溜まり,サポーターをしても時々痛むようになったので,明日は天気も悪いので休みにし,明後日は気を付けて帰国しようと思う。本当によく歩いた撮影旅行であった。 (歩行距離 13.1km/127.0km)
  
● 7月11日  曇り時々雨,後晴れ,夕方雷雨  台北
 今日は終日休みである。お土産を買ったり,食事を楽しんだりした。 (歩行距離 3.7km/130.7km)

● 7月12日  曇り時々雨  台北→桃園空港→セントレア
 ホテルを11時にチェックアウトし,台北駅からエアポートラインで桃園国際空港に向かい,夕方の便でセントレア空港に戻った。充実した16日間であった。 (歩行距離 5.3km/136.0km)

● エピローグ
 今回は,登山靴ではなくスパイク長靴を持参した。登山靴は,オフロードカーのタイヤみたいなもので,悪路は走れるが,苔の生えた舗装道路には弱く,以前,急な斜面で滑ったことがあった。スパイク長靴は,戦車のキャタピラのようなものなので,その心配がなく,ゴムの滑り止めもあり,浅い川なら平気で渡れる。しかし,欠点は足の甲にゆるみがあるので,足の指を痛めることである。前回のベトナムでは,初日で親指の爪と小指の爪を痛めた。そこで今回は,インソールを2枚追加し,1枚は痛めやすい指の部分をカットし,10本の指のテーピング用のグッズをそろえできた。しかし,足の爪は大丈夫であるが,10本の足の指全体が痛い。毎日がこの対策で,いろいろ試行錯誤してやってきた。足首の緩さを解消するため,膝用のサポーターを持ってきたので,それを足首に巻いたりしたが,今ひとつであった。最終的にフィットしたのは,試行を始めて10日目で,10本の指にテーピングをし,靴のインソールは,指の部分をカットした1枚の追加,長タオルを土踏まずと足首に巻いてから靴下を1枚履くという形態が,足を締め付け過ぎず,指先への負担を軽減し,楽に歩けることが分かった。今後は,足の指への負担を軽減した山歩き専用のスパイク長靴を購入したいと思う。
 さて,今回の撮影旅行も林本初氏が撮影に連れて行ってくださり,大変お世話になった。台湾の山奥で偶然に2回もお会いできた毛さん。また,バス停で私を拾ってくれてホテルまで送ってくれ,プレゼントまで届けてくれた陳鼎叡氏もいた。翠峰の山を下山している時,優雅に本格的な茶を飲みながら森林浴をしておられた方が,歩いている私に,「どうですか。お茶でも飲んでいきませんか。」と声をかけてくださった。急いでいたので,丁寧にお断りしたが,本当にありがたいことである。
 たくさんの台湾の方々のお世話になり,充実した撮影旅行を行うことができた。この成果をホームページ作成にさらに生かしていきたいと思う。 




「台湾の蝶」
「蝶の生態写真集」
「蝶の研究」
杉坂美典」のトップページ
E−mail