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..<総合評価> ★ ★ ★ ★ ★
40年前は,公園外のジャングルに通じる道があり,ジャングルには,多数の蝶が生 息していたが,現在は,公園全体をフェンスで囲み,ジャングルには入れないようにな っている。しかし,植物は多いので,多数の蝶が見られる。 ...<標 高> 261m (ポイント黄H) ...<採集の可不可> 墾丁国家公園内 昆虫採集は禁止されていて,ネットを振ることはできない。 ...<宿泊地までの交通手段> 左営から墾丁までの高速バスがある。シーザーパークホテルに行くには,小湾で降り るとよい。 他には,タクシーを使うしかない。 ...<宿 泊> 墾丁の町には,ホテルがたくさんあるが,観光地のため,予約をしておく必要がある。 価格は高いところが多い。町には,毎夜,夜市が出ており,群衆はお祭り騒ぎをして おり,回っているだけでも楽しい。店も多く,食べ物には事欠かない。 ...<目的地までの交通手段> 墾丁の町から墾丁国家公園へいくには,タクシーを使うしかない。タクシーで20分程 かかる。タクシーは,ホテルに依頼して呼んでもらい,公園の駐車場でタクシーを降り, 帰りは,そこに時間を指定して迎えに来てもらうとよい。タクシー代は,往復した後,ホ テルへ着いたら払うシステムになっていて,料金は,往復で400元であった。流しのタ クシーもあるが,ボラれる可能性がある。 ...<入園・日程> 公園の駐車場の出入口んぼ100m程奥に,入園券の売り場がある。外国人は,台湾 の人より料金が高い。公園の入口は,入園券の売り場の横にある門の右側にある。 園内の外周道路を周ると,速足で約3時間程度かかる。朝8時にホテルを出て,9時か ら入園し,ゆっくりと探索して,下記の観海楼で昼食をとり,夕方の4時にタクシーに迎え に来てもらうのもよい。翌日は,9時に入園したら,速足で黄Mまで行き,昼に出入口ま で戻ってきて,昼食をとり,午後は,隣りの社頂公園へ20分かけて歩いていき,夕方の 4時までに戻ってくるという方法もある。 ...<昼 食> 右の地図の青Hには,観海楼という展望台があり,その最上階で食事ができる。園 の出入口の外には,以前はたくさんの土産店や食堂があったが,現在は,数件あるだ けである。墾丁の町には,コンビニが数件あるので,そこで昼食を手に入れていくのも よい。 ...<ト イ レ> トイレがあるのは,右の地図の出入口,黄A,青Hにあるだけである。 ...<特筆すべき蝶と撮影ポイント> ※ 黄Mには,ランタナの群落がある ・ キシタアゲハ 青E,黄M ※ 採集禁止 非常に少なくなり,1日に1回,見ることができるかどうかである。 ・ アカネシロチョウ 青G,青M 個体数は少ない。 ・ ツマベニチョウ 出入口前の花壇 速く飛んで,なかなか止まらないので,撮影は難しいが,発生期には,花壇のツ ツジ科の植物にたくさんの個体が集まっていた。 ・ カワカミシロチョウ 速く飛んで,止まることは少なく,止まると,花に来る以外は,木陰の中に入って しまうという習性がある。 ・ タイワンモンシロチョウ,タイワンスジグロチョウ,クロテンシロチョウ ジャングルの中の日の当たる場所に花が咲いている場所があり,そこには,各 種のシロチョウ類が集まっていた。 ・ ヒメシルビアシジミ 黄B 道路横の草むらに生息しており,ここでしか見れない。 ・ ヒイロシジミ,イワカワシジミ,クラルシジミ 黄I〜青C 周道路沿いの木の花に集まっている。 ・ シロモンクロシジミ 黄M 珍しい蝶で,この場所しか見られない。 ・ コウシュンルリシジミ 黄M 台湾の南部に生息する蝶で,数は少ない。 ・ カクモンシジミ 墾丁の町の海岸沿いの荒れ地 個体数は,少なくない。 ・ テツイロビロウドセセリ,オオクロボシセセリ 青L 個体数は少ない。 ・ コウトウシロシタセセリ,クロボシセセリ 黄M 個体数は少ない。 ・ ウラベニヒョウモン 黄B,墾丁のホテルの庭木(ヤナギ) ランタナの花に飛来した個体やヤナギに産卵に来ていた個体を撮影できた。 . <撮影ポイントの案内> 公園の門の前でタクシーを降り,迎えの時間の確認をしたら,公園の入場券売り場 に向かう。売り場の前には,藤棚のような棚があり,花壇がある。この花壇には,3月 上旬からツツジのような植物で,小さな赤い花が咲くのであるが,この花には,かなか な撮影できないツマベニチョウ,カラスアゲハ,タイワンモンキアゲハ,オナシモン キアゲハなどが集まり,簡単に撮影できてしまう。さらに,その花壇の西側には,崖や 荒れ地があり,タイワンキチョウ,タイワンスジグロチョウ,ウスムラサキシロチョウ, クモガタシロチョウ,ヤマトシジミ,ホリイコシジミ,タイワンクロボシシジミなどが小 さな白い花に飛来してくる。 入場券売り場の横には,トイレがあり,しばらくはトイレがないので用を済ませておく とよい。 入場券は,外国人だと値段が高くなっている。中国語で入場券を求めたときは,台湾 の人と同じ料金であったので,かなりいい加減である。 入場門の右側に入口があり,管理人が半券を切ってくれ,公園の地図がついている パンフレットをくれる。 その管理棟の垣根は,カワカミシロチョウの食樹で,3月上旬には,メスが産卵に来 ている。 公園内は,舗装された道路が続くが,その脇には狭い道やかつての原生林の名残り であるブッシュがあり,ジャノメタテハモドキ,ナガサキアゲハ,リュウキュウムラサキ, キミスジ,ヒメウラナミシジミなどが日光浴をしている。 地図の黄Aまで行くと,左側に食堂がある。その裏側には,マメ科の樹木があり,その 花には各種のキチョウ類,ウスキシロチョウ,クロテンシロチョウ,シロオビアゲハ,タ イワンルリシジミなどが集まっている。 ここにもトイレがあるが,他には,かなり奥地まで行かないとない。 地図の黄Bには,ランタナの花壇がある。コモンタイマイ,カラスアゲハ,タイワンル リモンアゲハ,オオゴマダラ,タイワンアサギマダラ,アサギマダラ,ウラベニヒョウ モンなどが飛来し,稀には,キシタアゲハもやってくる。その横のブッシュには,タイワン コムラサキが占有行動をしており,ルリモンジャノメも少なくない。 地図の黄Cの手前には,ここだけにしかいないヒメシルビアシジミの発生地がある。 飛び方は,ヤマトシジミによく似ており,見落としてしまいやすい。 地図の黄Cには,蝶が集まる花が咲く木があり,アカネシロチョウ,カワカミシロチ ョウ,タイワンシロチョウなどを見ることができる。その近くにあるマメ科の大きな木に は,キシタアゲハがよく集まるが,あまりに高すぎて撮影できないことが多い。 地図の青Iには,ソテツが植えてあり,2013年には,多数のクロマダラソテツシジミ が発生していたが,害虫駆除のため,農薬を散布され,全滅した。 地図の青J付近には,ルリマダラが大発生していることがある。驚くほどの数で,葉上 で日向ぼっこをしている。 地図の黄Eからは,昔のジャングルに近い環境が残っている。テツイロビロウドセセリ, オキナワビロウドセセリ,イシガケチョウ,タイワンアオバセセリ,アカネシロチョウ, コヒトツメジャノメなどが姿を現す。 地図の青K付近には,タイワンキマダラ,キオビコノハ,シロオビヒカゲなどがいる。 地図の黄Fは,日当たりのよい場所で,コノハチョウ,シロスジマダラ,タイワンイチ モンジ,ヤエヤマイチモンジ,ナガサキアゲハ,クロテンシロチョウなどが集まってくる。 そこからは,太い道路に戻って,観海楼へ向かうとよい。その手前の草地には,リュウ キュウミスジ,クロタテハモドキ,ウスムラサキシロチョウ,タイワンクロボシシジミな どが集まっている。 観海楼の横には,トイレがあり,展望台では,食事をすることができる。 観海楼の奥の黄Mは,各種の花やランタナがあり,たくさんの蝶が集まっている。稀には, キシタアゲハも飛来する。小さな紫色の花には,シロオビアゲハがよく集まり,シロチョウ の仲間もよく飛来する。シロモンクロシジミ,エグリシジミなども低い背丈のブッシュの葉 上に見られる。 ここでの撮影が終わったら,大きな道路を歩いて帰路に着く。途中には,オオベニモン アゲハの発生地があり,数頭がゆっくりと飛翔している。また,道がカーブしている付近 には,花が咲く木が数ヶ所あり,ヒイロシジミ,クラルシジミ,イワカワシジミ,アマミウラ ナミシジミ,ヒメウラナミシジミ,ホリイコシジミなどが集まっている。 地図の黄Aまで戻ってきたら,青Fを通って,青1Oの通路を歩くとよい。ブッシュの脇 には,ジャングルのブッシュが残っており,メスチャヒカゲ,マルバヒトツジャノメなどがお り,青Rの近くには,白い花が咲く小さな草が密生しており,アオスジアゲハ,各種シロチ ョウ類,シロオビアゲハ,ヒメアサギマダラ,リュウキュウアサギマダラなどが飛来する。 そのまま道を進めば,出口になる。時間があるのであれば,社頂自然公園まで歩いて いくのもよい。20分くらいで,社頂自然公園に着く。 墾丁の町には,ヤナギが植えてあるところがあり,ウラベニヒョウモンが産卵のために 集まっていた。 墾丁の町は,海と隣接しており,その海岸沿いのブッシュの中の荒れ地には,カクモン シジミが多産していた。 |
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