梨  山  ・  思  源



...<総合評価>     ★ ★ ★
  
● 発生数   
★ ★ ★ (6月中旬〜7月)
● 種類数
★ ★ ★ ★ (6月中旬〜7月)
● 行程の容易さ (ポイントまでの道のりがきつい)
● 行程の安全性   
★ ★ (車には注意)
● 目的地までの経費 
★ ★ ★ ★ ★ (徒歩=0元)
● 人の多さ  
★ ★ ★ ★ (渓谷には人はいない)


  梨山の町の周辺は,梨や桃の果樹園として開発され,自然の林は,ほとんど残っていない。
 したがって。昆虫はあまりいない状態である。しかし,1時間ほど歩いた晉元橋では,自然が
 残っており,たくさんのチョウが生息していた。しかし,100mほど進んだ奥からは私有地に
 なっていて,果樹園を守るために,犬が2頭,放し飼いになっていて,強烈に吠えられて,先
 に進むことができなかった。
  梨山からバスで1時間ほど北に行った所に,思源派出所があり,その奥は,渓流沿いに進
 むことができる。しかし,道は整備されていないので,川渡りをしなくてはならないが,珍蝶が
 たくさんいた。

...<標   高>  2028m (ポイントD) 〜 1942m (梨山バス停) 〜 1858m (ポイントA)

...<採集の可不可>    梨山国家風景區内
  昆虫採集は,禁止されている。

...<宿泊地までの交通手段>
  埔里からタクシーを使って,梨山まで行くしかない。タクシーが使えない場合は,台中へ戻
 っての移動となる。ちなみに,埔里から梨山までのタクシー代は,3,500元であった。
...
...<宿   泊>
  梨山の周辺には,いくつかのホテルがある。
...
...<目的地までの交通手段>
  梨山から南西方向の晉元橋への移動は,徒歩しかない。約1時間かかる。
...
...<昼   食>
  観光地になっているが,梨山の町の雑貨店で買っていく方が安全である。
...
...<ト イ レ>
  なし

...<特筆すべき蝶と撮影ポイント>
    ・ホリシャミスジ   A 晉元橋の周辺
    ・シータテハ   A 晉元橋の周辺
    ・ダイミョウキゴマダラ   A 晉元橋の周辺
    ・アケボノアゲハ   A 晉元橋の周辺
    ・ホッポアゲハ   A 晉元橋の周辺
    ・ヒゲジロキコモンセセリ   A 晉元橋の周辺
    ・ウスアオゴマダラシジミ   A 晉元橋の周辺
    ・ヤマナカウラナミジャノメ   A 晉元橋の周辺
    ・アリサンキマダラヒカゲ   A 晉元橋の周辺
    ・スズキミスジ   A 晉元橋の周辺
    ・アオタテハモドキ   A 晉元橋の周辺
    ・オオベニモンアゲハ   A 晉元橋の周辺
    ・オオシロシタセセリ   A 晉元橋の周辺
    ・タカムクシロチョウ   D 思源派出所の奥
    ・シルビアキマダラセセリ   D 思源派出所の奥
    ・ワタナベアゲハ   D 思源派出所の奥
    ・スギタニイチモンジ   D 思源派出所の奥

. <撮影ポイントの案内>
  ・晉元橋まで歩いたが,約1時間かかった。途中,ほとんど何もいないのがつらい。晉元橋
 のポイントAもグーグルアースで見ただけであったので、本当に良いかどうかはわからなかっ
 た。しかし,実際に行ってみる,、山からの水が道に流れており,そこに、ホリシャミスジ
 ータテハが吸水に来ており,ダイミョウキゴマダラの♂もいた。さらに,少し奥には,何と,
 アケボノアゲハの雄が姿を現した。しかも,日当たりのよい葉に止まったではないか! 
 少し距離があるものの,望遠レンズで何とは撮影することができた。同じ場所で,ホッポアゲ
 も撮影することができた。さらに、斜面では、ヒゲジロキコモンセセリが乱舞,、ウスアオ
 ゴマダラシジミヤマナカウラナミジャノメアリサンキマダラヒカゲスズキミスジなど,
 いろいろなチョウがいた。しかし,その奥には犬が数匹,放し飼いになっていて,入ることがで
 きなかった。
  1時間ほど撮影し,時間があったので,次の谷まで歩くことにした。途中,山の部落に上が
 っていく道があったので行ってみると,荒れ地のポイントBに,アオタテハモドキが乱舞してい
 た。その後は,次の谷まで歩いたが,その谷は砂防堤の工事をしていて,ポイントCに,ウス
 アオゴマダラシジミがいただけであった。
  仕方なく、帰路に着いたが、途中、左側が崖になっている場所で木の花が咲いており、
 オベニモンアゲハを撮影していたところ、何と、オオシロシタセセリが吸蜜に現れた。
 十数枚の撮影をすることができた。そこからの帰路は、ほとんど登りで、1時間半ほどかか
 ってしまった。かなりきつい行程であった。

  ・梨山からバスで,思源派出所までバスで行った。バスに乗っている時間は,1時間10分で
 あった。そこからは,下っていくのかと思っていたが,逆で,だんだん山に登っていく感じであ
 った。標高は2000mを超えていると思う。 途中,採集ポイントはないかと探しながらバスに
 乗っていたが,大した場所はなかった。思源派出所からは,渓谷に沿って道が続いていたが,
 思ったより厳しい道で,200mほど行くと,普通の靴では到底歩けないような獣道になった。
 ヒルやダニがいそうな状況であったので,ズボンの裾をブーツの中に入れ,しっかりと固定し
 て侵入できないようにした。
  最初の橋は、普通に通ることができた。しかし、次の橋は、丸太で作った橋で、一応、片方
 だけ手すりになるように木が倒してあったが、なるべく頼らないようにして渡った。次の橋は、
 30cmほどの板が渡してあるだけなので、両手を広げてバランスをとって渡った。その間、
 チヨウはほとんどいない状況でった。
  次の橋は,丸太がそのままで,苔が生えており,人が渡った形跡はなかった。これは無理
 だと橋を渡るのをあきらめ,川を渡ることにした。水深は膝よりは浅いが,しっかりとブーツ
 の中まで水が入った。そこを渡り切って,さらに進んでいくと,道はもうなく,行き止まりになっ
 ていた。
  河原へ降りてみると,対岸に木の花が咲いており,マダラチヨウ類が多く,タカムクシロチ
 ョウは,十数頭が飛来していた。しかし,木が高いために,なかなか下に降りてこない。そこ
 で,時間はあるので,じっくりと待つことにした。しばらくすると,ようやくタカムクシロチョウ
 雌が降りてきて,撮影することができた。他には,シルビアキマダラセセリを撮影することが
 できた。
  1時間ほど粘ったが,同じような種類しか撮影できないので,戻ることにした。すると,地元
 の人が作業で山に入っていて,川の中を歩いて下山していった。そこで,ブッシュの中を通る
 よりましと思い,川を下ることにした。途中,4回ほど水の中に入ったが,膝から下はずぶぬ
 れであったので一緒であった。
  途中の橋のところで休憩をしていると,大きなアゲハチョウ類が降りてきた。一瞬,止まった
 ので連射すると,映っていたのは、ワタナベアゲハの♀であった。さらに,橋の袂のブッシュ
 の周りをヒゲジロキコモンセセリが占有行動をしており,なかなか止まらなかったが,じっと
 待っていると,ようやく止まり,数枚の撮影をすることができた。
  しばらくそこで待機したが,上空はいろいろなチヨウが通るものの,撮影できる状態ではな
 かった。仕方なく,下ることにした。
  最後の橋のところまでくると,川の真ん中に生えている木の幹に,大型のタテハチヨウが止
 まっていた。急いで望遠で撮影すると,何と,スギタニイチモンジではないか! 数枚撮った
 後,近寄りながら横に回り込んで,マクロレンズで撮影することができた。感動である! その
 後は,しばらく待ったが,ヒカゲチヨウ類が撮影できただけであった。そして,何とか無事に,
 思源派出所のバス停まで戻ることができた。
<下の写真をクリックすると,大きな画像を見ることができます>

梨山周辺の地図



梨山の地図



ホテルの前の表示



晉元橋のポイントA



バス停・思源派出所 と 有勝溪への入口



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