ニュカレドニアの蝶 <アゲハチョウ科>


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・キベリアゲハ (ニューカレドニア産)   Chilasa clytia (Linnaeus,1758)   迷蝶

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Chilasa clytia は,ニューカレドニアには棲息しておらず,この個体は,生息地の最南東に当たる小スンダ列島からの迷蝶と思われます。
小スンダ列島産では黒地がやや淡くなり,黄白帯が幅広く整った姿で見られます。
雄は前翅の黒色部が締まり,雌は後翅の白斑が広がるため,全体の印象に明確な差が出ます。
成虫は林縁を滑るように移動し,風の弱い時間帯に低い位置を保ちながら進むことが多いです。
分布はティモール島やフローレス島を中心とした小スンダ列島に及び,この地域が本種の南東端の生息域になります。
これらの島々では低地の疎林や農耕地周辺でも観察され,生息環境の幅が比較的広い特徴があります。
本種は地域差があるものの,白帯の配置と後翅の形状安定しており識別しやすい形態を保っています。
近似種の Chilasa paradoxa は白帯が細く後翅の白斑が縮小する点で本種と異なります。

・ヒメオオルリアゲハ (ニューカレドニア産)    Papilio montrouzieri (Boisduval, 1859)  ニューカレドニア特産種

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Papilio montrouzieri は翅の青色部が細く,黒色部が広いため落ち着いた色調に見えます。
雄は青色の反射が強く,雌は翅形がやや幅広く黒色部が目立ちます。
成虫は林内を大きく移動しながら樹冠付近を通過し,開けた場所にも姿を見せます。
分布はニューカレドニア本島とロイヤルティ諸島の森林に限られ,低地から山地まで生息します。
近似種の Papilio ulysses は青色帯が太く尾状突起が長く,本種よりも鮮やかな外観で区別できます。





ニューカレドニアの蝶
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