インドネシアの蝶 <アゲハチョウ科>


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・ミドリメガネトリバネアゲハ (インドネシア産)   Ornithoptera priamus poseidon Doubleday, 1847

6枚
Ornithoptera priamus poseidon は雄が鮮やかな緑色と黒の強い対比を示し、前翅が細長く力強い輪郭を持つことが特徴です。
雌は大型で褐色を基調とし、白斑が散在して重厚な印象を与えます。
インドネシアではセラム島・アンボン島・周辺のモルッカ諸島に分布し、低地の森林域で安定して見られます。
雄は翅の金緑色が広く輝き、後翅の黒帯が明瞭で、雌よりも細身に見えます。
雌は翅が幅広く、白斑が大きく不規則に入り、雄とは色彩と形態の差がはっきりしています。
近似種のOrnithoptera priamus priamus は緑色部がより黄色味を帯び、後翅の黒帯が細い点で本亜種と区別できます。

・アカメガネトリバネアゲハ (インドネシア・バチャン島産)   Ornithoptera croesus croesus Wallace, 1859

3枚
Ornithoptera croesus croesus は雄が鮮やかな橙色と黒の強い対比を示し、後翅の橙色帯が広く明瞭で力強い印象を与えます。
雌は褐色を基調とし、白斑が散在して重厚な雰囲気を持ち、雄よりも大きく見えます。
インドネシアではハルマヘラ島・バチャン島・カシルタ島などの北モルッカ諸島に分布し、低地の森林域で安定して観察されます。
雄は橙色部がより鮮明で、後翅の黒帯が太く、雌よりも細身で軽快な姿になります。
雌は翅が幅広く、白斑が大きく不規則に入り、色彩の落ち着きによって雄と容易に区別できます。
近似種の Ornithoptera croesus lydius は橙色部が狭く後翅の黒帯が細い点で本亜種と異なります。
この亜種は,アカメガネトリバネアゲハの名義タイプ亜種で,バチャン島のみに生息しており,超珍蝶です。
ハルマヘラ島に生息する亜種に比べて,翅表の赤みが強く,後翅の表面の亜外縁に黒斑が現れないという特徴があります。


・ヘレナキシタアゲハ (インドネシア・バリ島産)   Troides helena helena (Linnaeus, 1758)

3枚

Troides helena helena は雄が黒い前翅と鮮やかな黄色の後翅を持ち、はっきりした色彩の対比が強いことが特徴です。
雌は全体が褐色を帯び、黄色部がやや狭く、雄よりも大きく重厚な印象になります。
インドネシアではジャワ島・スマトラ島・バリ島などに広く分布し、低地の森林周辺でよく見られます。
雄は後翅の黄色帯が広く明瞭で、体つきが細く軽快に見えます。
雌は翅が幅広く、黄色部が不規則に入り、全体の色調が落ち着いているため雄と容易に区別できます。
近似種のTroides helena cerberus は黄色帯がより淡く狭い点で本亜種と異なります。

・メムノンアゲハ (旧ナガサキアゲハ) (インドネシア・バリ島産)   Papilio memnon Linnaeus, 1758

3枚

Papilio memnon (旧ナガサキアゲハ) は雄が黒色を基調とし、後翅に尾状突起を持たない独特の姿で、力強い印象を与えます。
雌は多型があり、白帯が入る型や暗色型など変化が大きく、雄よりも翅が幅広く見えます。
インドネシアではジャワ島・スマトラ島・バリ島などに広く分布し、低地から丘陵帯の森林周辺で普通に観察されます。
雄は光沢のある黒色が強く、翅形が引き締まり、飛翔も軽快に感じられます。
雌は模様の変異が豊富で、白帯の有無や大きさによって印象が大きく変わり、雄とは色彩と形態の差が明瞭です。
近似種のナガサキアゲハ Papilio acheron は翅の黒色部がより広く、後翅の形がやや角張る点で本種と区別できます。

・オビモンアゲハ (インドネシア・バリ島産)   Araminta demolion (Cramer, 1779)

1枚
Araminta demolion は前翅が細長く、淡い黄褐色の地に黒褐色の帯状模様が入ることが特徴で、全体として軽やかな印象になります。
裏面はより淡色で、細い線状の模様が並び、表面よりも柔らかい色調に見えます。
インドネシアではスマトラ島・ジャワ島・ボルネオ島などに広く分布し、低地から丘陵帯の林縁や草地で普通に観察されます。
雄は前翅の黒帯がやや濃く、体つきが引き締まり、飛翔も素早く感じられます。
雌は翅がやや幅広く、模様が淡くなる傾向があり、雄よりも柔らかい印象を示します。
近似種のAraminta coreana は前翅の帯が太く濃く、裏面の線状模様が強い点で本種と区別できます。

・アオネアゲハ (インドネシア・バリ島産)   Papilio peranthus transiens Fruhstorfer, 1898

3枚
Papilio peranthus transiens は雄が深い緑色の金属光沢を示し、前翅が細長く締まった形をしていることが特徴です。
雌は黒褐色を基調とし、緑色部が狭く、雄よりも翅が幅広く重厚な印象になります。
インドネシアではジャワ島・スマトラ島・バリ島などに広く分布し、低地から丘陵帯の森林周辺で安定して見られます。
雄は緑色の光沢が強く、後翅の帯が明瞭で、全体として軽快な姿に見えます。
雌は色彩が落ち着き、模様が控えめで、翅形の丸みが雄との識別点になります。
近似種のPapilio blumei は緑色帯がより太く鮮明で、後翅の模様が複雑な点で本亜種と区別できます。






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