インドネシアの蝶 <タテハチョウ科>


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・カバマダラ (インドネシア・バリ島産)
   Danaus chrysippus bataviana (Moore, 1883)

1枚
Danaus chrysippus bataviana は橙色の地色が鮮明で、前翅先端の黒帯が広く白斑が整うことが特徴です。
雌は橙色がやや淡く、黒帯の幅が広く見えるため雄よりも模様のコントラストが強く感じられます。
インドネシアではジャワ島やバリ島を中心に開けた草地や農地周辺に広く分布し、日中に活発に飛翔する姿がよく見られます。
後翅の黒縁は均一で、翅裏は淡色の橙に細い黒点が並び、静止時にも識別しやすい模様を示します。
雄は翅の橙色が濃く、雌は淡色で黒帯が強調される点で容易に区別できます。
近似種のDanaus genutia は前翅の黒帯が細く白斑が大きく、後翅の縁取りもより明瞭で、本亜種よりも縞模様が強い点で異なります。

・シロオビマダラ (インドネシア・バリ島産)
   Euploea camaralzeman malayica (Butler, 1878)

1枚
Euploea camaralzeman malayica は濃い褐色の翅に青紫の光沢が広く乗り、特に雄では上面の金属光が強く見えることが特徴です。
雌は光沢が控えめで褐色部が広く、前翅の白斑がやや明瞭になるため雄よりも落ち着いた色調になります。
インドネシアではスマトラ島やジャワ島の森林周辺に分布し、林縁や日当たりのよい場所をゆっくり飛ぶ姿がよく観察されます。
翅裏は淡褐色で白斑が点状に並び、静止時にはこの模様が識別の手がかりになります。
雄は青紫光沢が強く、雌は褐色が優勢で白斑が目立つ点で容易に区別できます。
近似種のEuploea mulciber は青紫光沢がより濃く、前翅の白斑が小さく控えめで、本亜種よりも全体の色調が深い点で異なります。

・リュウキュウムラサキ (インドネシア・バリ島産)
   Hypolimnas bolina iacintha (Drury, 1773)

3枚
Hypolimnas bolina iacintha は雄の翅上面に強い青紫光が広がり、前翅の黒地との対比が鮮明に見えることが特徴です。
雌は褐色が主体で白斑が大きく、雄とはまったく異なる模様になるため外見で容易に区別できます。
インドネシアではジャワ島やスラウェシ島などの開けた草地や市街地周辺に広く分布し、日中に活発に飛翔する姿がよく観察されます。
翅裏は淡褐色で細かな斑が並び、静止時にはこの模様が保護色として働きます。
雄は青紫光沢が強く、雌は白斑が大きく褐色が優勢になる点で明確に判別できます。
近似種のHypolimnas misippus は雌が擬態的な白斑配置をもち、雄の光沢も弱く、本亜種よりも全体の色調が軽い点で異なります。

・ヤエヤマムラサキ (インドネシア・バリ島産)
   Hypolimnas anomala anomala (Wallace, 1869)

1枚
Hypolimnas anomala anomala は大型で黒褐色の翅に白斑が明瞭に入り、特に前翅中央の白帯が強く目立つことが特徴です。
雌は白斑がさらに広く、黒褐色部が淡く見えるため雄よりもコントラストが弱く柔らかい印象になります。
インドネシアではジャワ島やスラウェシ島などの森林周辺から市街地近くまで広く分布し、ゆったりとした飛翔で目に留まりやすい種です。
翅裏は淡褐色で白斑が透けるように見え、静止時にも上面との模様差が少なく識別しやすい特徴を示します。
雄は黒褐色が濃く白斑が引き締まり、雌は白斑が広く淡色部が優勢になる点で容易に区別できます。
近似種のHypolimnas bolina は雄の青紫光沢が強く、白斑の形も異なり、本種よりも上面の色彩が鮮明な点で区別されます。

・ヘリグロホソチョウ (インドネシア・バリ島産)
   Acraea violae Fabricius, 1775

2枚
Acraea violae は橙色の翅に黒点が規則的に並び、前翅先端の黒帯がはっきりと見えることが特徴です。
雌は橙色がやや淡く、黒点が大きめに出るため雄よりも模様が強調される傾向があります。
インドネシアではジャワ島やバリ島の草地や農地周辺に広く分布し、日当たりのよい場所でゆっくり飛ぶ姿がよく観察されます。
翅裏は淡色で黒点が透けるように見え、静止時にも上面と大きく異ならない模様を示します。
雄は橙色が濃く黒点が整い、雌は淡色で黒点が強く出る点で容易に区別できます。
近似種のAcraea terpsichore は黒点の配置がより密で前翅先端の黒帯が広く、本種よりも全体のコントラストが強い点で異なります。

・チャイロイチモンジ (インドネシア・バリ島産)
   Moduza procris neutra (Fruhstorfer, 1906)

3枚
Moduza procris neutra は赤褐色の地色に白帯が明瞭に入り、前翅の角ばった形が力強い印象を与えることが特徴です。
雌は白帯がやや広く、赤褐色が淡く見えるため雄よりも柔らかい色調になります。
インドネシアではジャワ島やバリ島の森林周辺から林縁の開けた場所まで広く分布し、直線的で素早い飛翔がよく見られます。
翅裏は淡褐色で白帯が透けるように現れ、静止時にも上面との模様差が少なく識別しやすい特徴を示します。
雄は赤褐色が濃く白帯が締まり、雌は淡色で白帯が広く見える点で区別できます。
近似種のModuza lymire は白帯が細く前翅の角張りが弱く、本亜種よりも全体のコントラストが控えめな点で異なります。

・リュウキュウミスジ (インドネシア・バリ島産)
   Neptis hylas papaja Moore, 1875

1枚
Neptis hylas papaja は黒褐色の地に白帯が明瞭に入り、帯の幅が均一で直線的に見える点が特徴です。
雌は白帯がやや広く、黒褐色部が淡く見えるため雄よりも柔らかい印象になります。
インドネシアではジャワ島やバリ島の森林周辺から林縁の開けた場所まで広く分布し、直線的な飛び方で目に留まりやすい種です。
翅裏は淡褐色で白帯が透けるように現れ、静止時にも上面と大きく異ならない模様を示します。
雄は黒褐色が濃く白帯が締まり、雌は淡色で白帯が広く見える点で容易に区別できます。
近似種のNeptis clinia は白帯が細く前翅の角張りが弱く、本亜種よりも全体のコントラストが控えめな点で異なります。

・チャイロタテハ (インドネシア・バリ島産)
   Vindula erota gedeana (Fabricius, 1793)

1枚
Vindula erota gedeana は橙褐色の翅に太い黒線が入り、後翅の波状の外縁が力強い印象を与えることが特徴です。
雌は橙褐色が淡く、黒線が細く見えるため雄よりも模様が柔らかく、全体のコントラストも控えめになります。
インドネシアではジャワ島やバリ島の森林周辺から林縁の開けた場所に広く分布し、日中に滑空を交えた飛翔をよく見せます。
翅裏は淡褐色で細い線模様が入り、静止時には落ち着いた色調で背景に溶け込みやすい特徴を示します。
雄は橙褐色が濃く黒線が太く、雌は淡色で線が細く見える点で容易に区別できます。
近似種のVindula dejone は翅の橙色が明るく黒線が細く、後翅外縁の波状が弱いため、本亜種よりも軽い印象を与える点で異なります。


・ウスイロコノマチョウ (インドネシア・バリ島産)
   Melanitis leda leda (Linnaeus, 1758)

1枚
Melanitis leda leda は褐色の翅に眼状紋が並び、季節型によって模様の濃さが変わるものの、丸みのある翅形が安定した特徴として見られます。
雌は褐色がやや淡く眼状紋が大きめに出るため、雄よりも模様がはっきり見える傾向があります。
インドネシアではジャワ島やバリ島の林縁や草地に広く分布し、夕方から活発に飛び始める習性がよく知られています。
翅裏は淡褐色で細い線模様が入り、静止時には枯葉に似た外観となり周囲に溶け込みやすい姿を示します。
雄は褐色が濃く眼状紋が控えめで、雌は淡色で紋が大きく明瞭になる点で区別できます。
近似種のMelanitis phedima は翅の外縁がより角張り、眼状紋が大きく配置も異なるため、本亜種とは模様の印象が明確に異なります。







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