ラオスの蝶 <タテハチョウ科>


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・スジグロカバマダラ (ラオス産)
   Danaus genutia genutia (Cramer, [1779])

1枚
Danaus genutia genutia は,雄は前翅表の橙色が鮮明で黒帯が太く,後翅の黒縁も強調され,全体に力強い模様を示します。
雌は橙色がやや淡く黒帯が細いため,雄よりも柔らかい印象となり,翅表のコントラストが控えめに見えます。
ラオスでは低地から丘陵の林縁や草地周辺に広く分布し,開けた場所や道沿いで比較的よく観察されます。
本亜種は翅裏の淡橙色地に白帯と黒点が整って並び,外縁の黒帯が明瞭で,地域的な特徴が安定して表れます。
雄は橙色が濃く黒帯が太いのに対し,雌は淡色で黒帯が細いため,両者の違いがはっきり分かります。
近似種の Danaus chrysippus は前翅の黒帯が狭く白斑が大きく,模様が直線的に見える点で本亜種と区別できます。

・カバマダラ (ラオス産)
   Danaus chrysippus chrysippus (Linnaeus, 1758)

1枚
Danaus chrysippus chrysippus は,雄は前翅表の橙色が明るく黒帯が比較的狭く,後翅の黒縁も均一で,全体にすっきりした模様を示します。
雌は橙色がやや淡く黒帯が広めに見えるため,雄よりもコントラストが強く,翅表の境界がはっきりします。
ラオスでは低地から丘陵の開けた草地や林縁に広く分布し,日当たりのよい場所で一年を通して観察されます。
本亜種は翅裏が淡橙色で黒点が整って並び,外縁の黒帯が均質で,地域的な特徴が安定して表れます。
雄は橙色が濃く黒帯が細いのに対し,雌は淡色で黒帯が太く見えるため,両者の違いが容易に判別できます。
近似種の Danaus genutia は前翅の黒帯が太く白帯が明瞭で,模様が縞状に見える点で本亜種と区別できます。

・ヒメアサギマダラ (ラオス産)
   Parantica aglea melanoides Moore,1883

5枚
Parantica aglea melanoides は,雄は前翅表の青白い帯が広く,黒色部との対比が強く出て,後翅表の青白色斑も明瞭で力強い印象になります。
雌は青白色部がやや狭く黒斑が強調され,雄よりも全体が濃い色調となり,翅表の模様がはっきり見えます。
ラオスでは低地から丘陵の林縁や湿った谷沿いに広く分布し,林内の明るい場所や道沿いで比較的よく観察されます。
本亜種は後翅裏の淡褐色地に白帯と黒点が整って並び,外縁の黒帯が太めで,地域的な特徴が安定して表れます。
雄は青白色部が広く黒帯が締まるのに対し,雌は黒斑が強く青白色部が狭いため,両者の違いが明瞭です。
近似種の Parantica agleoides は青白色斑が細く直線的で,後翅外縁の黒帯がより細い点で本亜種と区別できます。

・コモンマダラ (ラオス産)
   Tirumala septentrionis dravidarum (Fruhstorfer, 1899)

1枚
Tirumala septentrionis dravidarum は,雄は前翅表の青白い斑が広く黒色部との対比が強く,後翅の白斑も明瞭で,全体に引き締まった印象になります。
雌は白斑がやや狭く黒斑が強調され,雄よりも濃い色調となり,翅表の模様がはっきり見えます。
ラオスでは低地から丘陵の林縁や湿った谷沿いに広く分布し,林内の明るい場所や道沿いで比較的よく観察されます。
本亜種は後翅裏の淡褐色地に白帯と黒点が整って並び,外縁の黒帯が太めで,地域的な特徴が安定して表れます。
雄は白斑が広く黒帯が締まるのに対し,雌は黒斑が強く白斑が狭いため,両者の違いが明瞭です。
近似種の Tirumala limniace は白斑が細く直線的で,後翅外縁の黒帯がより細い点で本亜種と区別できます。

・シロモンルリマダラ (ラオス産)
   Euploea radamanthus radamanthus (Fabricius, 1793)

1枚
Euploea radamanthus radamanthus のラオス産の個体は,翅の黒褐色地に広い青紫光沢がのることが多く,前翅の光沢域がやや角ばって見えるのが特徴です。
雄は光沢が強く,後翅の光沢域が広いのに対し,雌は全体に光沢が弱く,黒褐色部が広いため落ち着いた印象になります。
ラオスでは低地から丘陵の森林周辺に広く分布し,林縁や林道沿いで比較的よく見られます。
翅裏は淡褐色で白斑が整い,表面の強い光沢との対比がはっきりしている点も識別に役立ちます。
飛翔はゆっくりで,林内と林縁を往復するように移動することが多いです。
近似種の Euploea mulciber は青紫光沢がより濃く,前翅先端が丸みを帯びる点で異なります。

・ツマムラサキマダラ (ラオス産)
   Euploea mulciber mulciber (Cramer, [1777])

2枚
Euploea mulciber mulciber は翅表に深い青紫光を帯び、光の当たり方で色が滑らかに変化して見えます。
ラオスでは山地の樹林帯から低地の林縁まで幅広く分布し、日中にゆっくりとした飛翔を見せます。
翅裏は暗褐色で白斑が控えめに透け、静止時には落ち着いた印象を与えます。
雄は青紫光が強く白斑が小さく、雌は光沢が弱く白斑がやや広い点で判別しやすいです。
体つきは雄の方が引き締まり、雌はやや丸みを帯びる傾向が見られます。
近似種のEuploea eunice leucogonis は白斑が大きく青光がより明瞭で、本亜種より軽い色調になる点が異なります。

・タイワンキマダラ (ラオス産)
   Cupha erymanthis lotis Sulzer (1776)

4枚
Cupha erymanthis lotis は翅表が濃い橙色で黒斑が明瞭に並び、開翅時に力強い模様が際立ちます。
ラオスでは低地の林縁から明るい二次林まで広く分布し、日差しの差し込む場所を好んで活発に飛び回ります。
翅裏は淡褐色で細かな斑紋が入り、静止時には周囲の枯葉に溶け込むような外観になります。
雄は橙色部が濃く黒斑が締まり、雌はやや淡色で翅形が丸みを帯びるため印象が柔らかく見えます。
飛翔は直線的で素早く、地表近くを行き来する姿がよく観察されます。
近似種のCupha arias は橙色が淡く黒斑が細く控えめで、本亜種よりも模様のコントラストが弱い点で区別できます。

・キミスジ (ラオス産)
   Symbrenthia lilaea lilaea (Hewitson, 1864)

1枚
Symbrenthia lilaea lilaea は,前翅の橙色帯がくっきりと現れ,黒斑が締まって見える点がラオス産でよく見られます。
後翅裏面は細かな樹皮状の模様が連なり,乾季型では全体がやや暗色で模様の境界が明瞭になります。
雄は橙色部が広く黒斑が濃く,雌は橙色部が控えめで淡色傾向が強く,翅形もやや丸みを帯びます。
ラオスでは低地から丘陵の林縁や二次林に広く分布し,日差しの差し込む場所で観察されることが多いです。
本亜種は翅表と裏面の模様が安定しており,地域的な特徴が比較的明瞭に保たれています。
近似種の Symbrenthia hypatia は前翅の橙色帯がより広く,後翅裏の樹皮模様が太く粗い点で本種と区別できます。

・チャイロタテハ (ラオス産)
   Vindula erota erota (Fabricius, 1793)

4枚
Vindula erota erota は前翅の橙色が深く,黒線が太めに入るため力強い模様に見えることがラオス産の特徴です。
後翅裏面は褐色の地に細い線模様が重なり,静止時には樹皮に溶け込むような落ち着いた印象になります。
雄は橙色部が広く黒線が濃く,雌は橙色が淡く黒線も細いため,全体に柔らかい色調になります。
ラオスでは低地から丘陵の林縁や開けた林内に分布し,日差しの差し込む場所でよく活動します。
本亜種は翅表の橙色と黒線の対比が安定しており,地域的な変異が比較的少ない点が特徴です。
近似種の Vindula dejone は橙色が明るく黒線が細く,後翅外縁の波状が弱い点で本種と区別できます。

・リュウキュウミスジ (ラオス産)
   Neptis hylas kamarupa Moore,[1875]

1枚
Neptis hylas kamarupa は白帯が太く直線的に伸び,ラオス産では黒褐色部との対比が明瞭に見えることが特徴です。
後翅裏面は淡褐色の地に白帯が透けるように現れ,細い線模様が整って並ぶため落ち着いた印象になります。
雄は白帯が締まり黒褐色部が濃く,雌は白帯がやや広く淡色で,全体に柔らかい色調になります。
ラオスでは低地から丘陵の林縁や林内の開けた場所に広く分布し,直線的に飛びながら地表近くを移動する姿がよく見られます。
本亜種は白帯の幅と形が比較的安定しており,地域差が小さい点が特徴として挙げられます。
近似種の Neptis clinia は白帯が細く曲線的で,前翅の角張りが弱い点で本種と容易に区別できます。

・キンミスジ (ラオス産)
   Pantoporia hordonia hordonia (Stoll, [1790])

1枚
Pantoporia hordonia hordonia は前翅の橙褐色帯が明瞭で,ラオス産では黒褐色部との境界がくっきりと見える点が特徴です。
後翅裏面は細い線模様が複雑に入り,淡褐色の地に白帯が浮かぶように現れるため,静止時には落ち着いた印象になります。
雄は橙褐色帯が濃く黒斑が締まり,雌は橙褐色がやや淡く白帯が広めに見える傾向があります。
ラオスでは低地から丘陵の林縁や林内の明るい場所に分布し,素早く直線的に飛びながら低い位置を移動する姿がよく観察されます。
本亜種は翅表の橙褐色帯と黒褐色部の対比が安定しており,地域的な変異が比較的少ない点が挙げられます。
近似種の Pantoporia sandaka は橙褐色帯が細く白帯が直線的で,前翅の黒斑が弱い点で本種と区別できます。

・チャイロイチモンジ (ラオス産)
   Moduza procris milonia (Fruhstorfer, 1906)

3枚
Moduza procris milonia は前翅の橙褐色帯が広く,ラオス産では黒斑がやや強調されるため力強い模様に見えることが特徴です。
後翅裏面は褐色地に細い線模様が重なり,白帯がはっきり浮かび上がるため静止時には樹皮に溶け込むように見えます。
雄は橙褐色部が濃く黒斑が締まり,雌は橙褐色が淡く白帯が広めで,全体に柔らかい色調になります。
ラオスでは低地から丘陵の林縁や開けた林内に分布し,素早く飛びながら樹液や落果に集まる姿がよく観察されます。
本亜種は翅表の橙褐色帯と黒斑の配置が比較的安定しており,地域差が小さい点が特徴として挙げられます。
別亜種の Moduza procris procris は橙褐色帯がやや狭く黒斑が弱く,後翅裏の白帯が細い点で本亜種と区別できます。

・タテハモドキ (ラオス産)
   Junonia almana almana (Linnaeus, 1758)

1枚
Junonia almana almana は前翅の橙色が鮮やかで大きな眼状紋が際立ち,ラオス産では模様の輪郭が明瞭に見える点が特徴です。
後翅裏面は葉脈状の褐色模様が細かく入り,乾季型では全体が暗色になり輪郭がよりはっきりします。
雄は橙色部が濃く眼状紋の縁取りが強く,雌は橙色が淡く模様が柔らかく見える傾向があります。
ラオスでは低地から丘陵の草地や林縁に広く分布し,日中に地表近くを活発に飛び回る姿がよく観察されます。
本亜種は季節型による変化があるものの,眼状紋の大きさと橙色部の広さが比較的安定している点が挙げられます。
近似種の Junonia atlites は翅表が淡色で眼状紋が小さく,前翅の橙色帯が狭い点で本種と区別できます。

・ジャノメタテハモドキ (ラオス産)
   Junonia lemonias (Linnaeus, 1758)

1枚
Junonia lemonias はラオスでは低地から丘陵帯の明るい林縁や草地でよく見られ、乾いた環境を好むため開けた場所で活動することが多いです。
前翅は角ばった形で、表面は濃い褐色に橙色帯が入り、裏面は細かな斑紋が並ぶため休止時には地面に溶け込むように見えます。
雄は表面の橙色帯がより明瞭でコントラストが強く、雌は全体に色調が淡く帯の境界がやや不鮮明になります。
ラオスでは国内全域の低地から中標高帯に広く分布し、農地周辺や二次林の周辺部など人為的環境にも普通に生息しています。
飛翔は直線的で速く、地上近くを移動しながら日光の当たる場所でよく吸蜜します。
近似種の Junonia iphita は翅形がより丸みを帯び、裏面の線状模様が太く波状になる点で明確に区別できます。

・クロタテハモドキ (ラオス産)
   Junonia iphita iphita (Cramer, [1779])

2枚
Junonia iphita iphita はラオスでは森林の薄暗い林床や湿った谷沿いでよく見られ、落ち葉の多い場所を選んで静かに活動します。
前翅は丸みを帯び、裏面には太く波状の線が走り、休止時には枯葉に似た保護色として働きます。
雄は表面の褐色が濃く、翅の縁がやや引き締まって見えるのに対し、雌は淡色で翅形がやや幅広く、模様のコントラストも弱くなります。
ラオスでは低地から中標高帯の森林域に広く分布し、林縁や林内の小道沿いでも普通に観察されます。
飛び方はゆっくりで、地面近くを漂うように移動し、落葉の上にすぐ降りて休む習性があります。
近似種の Junonia lemonias は前翅が角ばり、裏面の線が細く直線的で、表面に橙色帯が明瞭に入る点で容易に区別できます。

・ハイイロタテハモドキ (ラオス産)
   Junonia atlites (Linnaeus, 1763)

1枚
Junonia atlites はラオスでは湿った林縁や薄暗い林内で見られ、翅表が淡色で落ち着いた印象を与える種です。
前翅は細長く、翅表の褐色帯が控えめで、裏面には細い線が規則的に並び全体が灰褐色に整います。
雄は翅表の褐色がやや濃く、縁取りが締まって見えるのに対し、雌は淡色で翅形が幅広く、模様のコントラストも弱くなります。
ラオスでは低地から丘陵の森林帯に広く分布し、林内の小道や湿った草地周辺で比較的普通に観察されます。
飛翔は弱く、地面近くをふわりと移動し、落葉の上にすぐ降りて休む傾向があります。
近似種の Junonia lemonias は前翅が角張り橙色帯が明瞭で、裏面の線が太く波状になる点で本種と容易に区別できます。

・ウラベニヒョウモン (ラオス産)
   Phalanta phalantha phalantha (Drury, [1773])

1枚
Phalanta phalantha phalantha はラオスでは鮮やかな橙色の翅に細かな黒斑が並び、開翅時に軽快な印象を与える種です。
雄は橙色が濃く斑紋が引き締まり、雌はやや淡色で翅形が丸みを帯びるため外観が柔らかく見えます。
翅裏は淡褐色で細い線状模様が走り、静止時には落葉に紛れるような保護的な色調になります。
ラオスでは低地から丘陵の疎林や草地、農地周辺などに広く分布し、日中に活発に飛びながら吸蜜や地表への降り立ちを繰り返します。
個体は素早く移動し、開けた場所と林縁を行き来する姿がよく観察されます。
近似種のPhalanta alcippe は翅色がより濃く黒斑が太いため、本種よりも模様のコントラストが強い点で区別できます。

・イシガケチョウ (ラオス産)
   Cyrestis thyodamas thyodamas Boisduval, 1846

1枚
Cyrestis thyodamas thyodamas は,前翅が細長く白地に黒褐色の帯模様が明瞭に入り,後翅には湾曲した帯が連続して並ぶことが特徴です。
ラオス産では模様のコントラストが比較的強く,翅形もやや角ばって見える個体が多いとされています。
雄は白色部が広く透明感があり,雌は黒褐色部が広がって全体に重厚な印象になります。
分布はラオス全域の低地から丘陵の森林周辺に広く見られ,林縁や林内の明るい場所でよく活動します。
本亜種は翅の帯が乱れにくく,個体差が比較的少ない点も特徴として挙げられます。
近似種の Cyrestis nivea は白色部がより広く帯模様が細く,後翅の帯が直線的で,本種とは模様の太さと配置で容易に区別できます。

・トラフタテハ (ラオス産)
   Parthenos sylvia gambrisius Fabricius, 1787

2枚
Parthenos sylvia gambrisius は,前翅の白帯が太く明瞭で,後翅には褐色と青緑色が混ざる独特の光沢が見られることが特徴です。
ラオス産では翅の地色が濃く,白帯との対比が強いため,全体が引き締まって見える傾向があります。
雄は青緑色の光沢がより強く,雌は褐色味が増して白帯がやや細く見える点で区別できます。
分布はラオスの低地から中標高帯の森林周辺に広く生息し,林縁や開けた場所を素早く飛び回る姿がよく観察されます。
本亜種は翅の白帯が乱れにくく,模様の配置が安定している点も特徴として挙げられます。
別亜種の Parthenos sylvia philippinensis は白帯が細く青緑色部が弱く,後翅の模様が単調で,本亜種とは光沢の強さと帯の幅で明確に区別できます。

・アタマスヒメフタオチョウ (ラオス産)
   Polyura athamas athamas Drury, 1773

2枚
Polyura athamas athamas は,前翅の外縁が強く張り出し,後翅の尾状突起が太く短い形で,力強い輪郭を示すことが特徴です。
ラオス産では地色の褐色が濃く,後翅の淡色帯がはっきり出る個体が多く,全体のコントラストが強く見えます。
雄は後翅の淡色帯が明瞭で光沢が強く,雌は褐色部が広がり模様がやや鈍く見える点で区別できます。
分布はラオスの低地から丘陵の森林周辺に広く生息し,林縁や樹冠付近を素早く飛翔する姿がよく観察されます。
本亜種は後翅の帯模様が乱れにくく,形態の安定性が高い点も特徴として挙げられます。
近似種の Polyura eudamippus は後翅の尾状突起が長く細く,淡色帯が広いことから,本亜種とは尾の形状と帯の幅で容易に区別できます。

・サトオオイナズマ (ラオス産)
   Lexias pardalis eleanor (Fruhstorfer, 1898)

1枚
Lexias albopunctata は黒色地に明瞭な白点が散在し,翅全体が強いコントラストを示すことが特徴です。
裏面は淡い褐色で白点が細かく並び,表面とは異なる柔らかな印象になります。
雄には後翅外縁に青帯が走り,雌は白点がやや細かく数が多く見えるため外観に差が生じます。
ラオスでは低地から中標高帯の森林周辺に分布し,林縁や開けた場所で比較的よく観察されます。
本種は翅を素早く震わせながら低い位置を移動することが多く,近距離で模様が確認しやすい種類です。
近似種の Lexias pardalis は橙色部が発達し白点が帯状に並ばないため,本種とは配色と斑紋の構成が明確に異なります。

・クロオオイナズマ (ラオス産)
   Lexias albopunctata (Crowley,1895)

1枚
Lexias albopunctata は黒地に整った白点が並び,翅の模様が明瞭に際立つことが特徴です。
裏面は淡褐色で細かな白点が密に入り,表面とは異なる穏やかな印象を与えます。
雄は後翅外縁に青帯が明瞭に現れ,雌は白点がより細かく数が多いため全体がやや明るく見えます。
ラオスでは低地から中標高帯の森林周辺に広く分布し,林縁や河川沿いなど開けた場所で観察されることが多いです。
本種は低い位置を素早く移動しながら翅を断続的に開閉するため,近距離で斑紋の特徴を捉えやすい種類です。
近似種の Lexias pardalis は橙色部が発達し白点が帯状に並ばないため,本種とは翅の色彩配置と斑紋の整い方が明確に異なります。

・イアピスコイナズマ (ラオス産)
   Tanaecia iapis (Godart, 1824)

1枚
Tanaecia iapis は前翅の暗色部が広く,中央帯が淡色で際立つため,翅のコントラストが明瞭に見える種類です。
裏面は淡褐色で細かな斑紋が整って並び,表面とは異なる柔らかな印象を示します。
雄は表面の暗色部がより濃く,雌は淡色帯が広いため,全体の色調に明確な差が生じます。
ラオスでは低地から丘陵帯の森林周辺に分布し,林縁や半開放的な場所で比較的よく観察されます。
本種は翅を水平気味に保ちながら滑らかに飛ぶことが多く,模様の識別がしやすい傾向があります。
近似種の Tanaecia munda は中央帯が細く淡色部が弱いため,本種とは翅の帯状模様の幅と明瞭さが明確に異なります。

・ハイイロヒメイナズマ (ラオス産)
   Cynitia lepidea cognata Moore, [1897]

1枚
Cynitia lepidea cognata は前翅の淡色帯が広く,黒色部との境界が滑らかに続くことが特徴です。
裏面は淡褐色で細かな斑点が均等に並び,表面とは異なる柔らかな印象を示します。
雄は表面の淡色部がより明瞭で,雌は黒色部が広く全体のコントラストが強く見えるため,性差がはっきり現れます。
ラオスでは低地から丘陵帯の森林周辺に分布し,林縁や半開放的な場所で比較的よく観察されます。
本種は直線的に飛ぶことが多く,翅の帯状模様が観察時に識別の手がかりになります。
別亜種の Cynitia lepidea lepidea は淡色帯が狭く黒色部が強く出るため,本亜種とは帯の幅と色調の柔らかさが明確に異なります。
本種の後翅の青白帯は,後翅の3分の1程度の範囲を占め,近似種のトガリヒメイナズマは,2分の1程度を占めます。
別名:カギバヒメイナズマ と呼ばれています。


・オジロイナズマ (ラオス産)
   Euthalia phemius seitzi Fruhstorfer, 1913

1枚
Euthalia phemius seitzi はラオスの森林域で見られ,翅表は深い緑褐色に金属光を帯びるのが特徴です。
雄は前翅中央に青白帯が走り,光沢が強く,後翅の色調もより鮮明に映ります。
雌は全体に落ち着いた褐色で,淡色部が広がり,翅形がやや丸いため雄よりも重厚な印象になります。
裏面は均質な褐色で細い横線が整い,表面との質感の差がはっきりと感じられます。
ラオスでは北部から中部の森林帯に分布し,林縁や林内で比較的安定して観察されます。
近似種の Euthalia monina は前翅の淡色帯が細く直線的で,翅表の金属光が弱い点で区別できます。

・リュウキュウムラサキ (ラオス産)
   Hypolimnas bolina jacintha (Drury, [1773])

1枚
Hypolimnas bolina jacintha はラオスでは開けた林縁や農地周辺で見られ,雄は翅表に強い青紫光が広がり白斑が鮮明に浮き上がります。
雌は褐色を基調とし白斑が大きく,雄とはまったく異なる模様構成になるため外観で容易に区別できます。
翅裏は淡褐色で細かな斑が並び,静止時には周囲の植生に溶け込むような落ち着いた色調になります。
雄は日中に活発に飛び回り,地面や花で吸水・吸蜜を繰り返す行動がよく見られます。
ラオスでは低地から丘陵帯まで広く分布し,人為的環境の周辺でも普通に観察されます。
近似種の Hypolimnas misippus は雄の光沢が弱く雌が擬態的な白斑配置を示すため,本亜種とは色調と模様の構成が明確に異なります。

・キアネハレギチョウ (ラオス産)
   Cethosia cyane euanthes Fruhstorfer, 1912

1枚
Cethosia cyane euanthes はラオスでは林縁部でよく見られ,雄は橙色の翅表に黒帯が強く入り,外縁の鋸歯状の縁取りが鮮明に現れます。
雌は淡い褐橙色で黒斑が細かく並び,雄よりも模様が複雑で,全体の色調もやや落ち着いています。
翅裏は赤褐色と白帯が交互に入り,細い波状線が密に走るため,静止時には非常に目立つ模様になります。
雄は開けた場所を直線的に飛び回り,雌は植生の近くをゆっくり移動することが多く,行動にも違いが見られます。
ラオスでは低地から丘陵帯の森林周辺に広く分布し,日当たりの良い場所で安定して観察されます。
近似種の Cethosia biblis は翅表の黒帯が太く白斑が大きい点で異なり,本亜種とは模様の配置と色の強さが明確に違います。

・ナクラチビコムラサキ (ラオス産)
   Rohana nakula bernardii Nguyen-Phung, 1985

1枚
Rohana nakula bernardii はラオスの森林で見られ,翅表は深い褐色を基調とし落ち着いた帯模様が並ぶことが特徴です。
雄の表面は黒褐色で帯が細く締まり,光沢が弱いながらも輪郭がはっきりして見えます。
雌は淡褐色で帯が広がり,翅形もやや丸いため,雄よりも柔らかい印象の外観になります。
翅裏は灰褐色で細線が規則的に走り,静止時には樹皮に似た模様がよく目立ちます。
ラオスでは北部から中部の森林帯に分布し,林内の薄暗い場所で比較的普通に観察されます。
近似種の Rohana parisatis は翅表の帯が太くコントラストが強いため,本亜種とは模様の幅と色の強さが明確に異なります。

・マルバネカバタテハ (ラオス産)
   Ariadne merione tapestrina (Moore, 1884)

1枚
Ariadne merione tapestrina はラオスでは林縁や草地周辺で見られ,翅表は橙色に細い黒線が重なり独特の縞模様を示します。
雄は橙色が濃く線がくっきりし,翅の輪郭も締まって見えるため,全体に明瞭な印象になります。
雌は色調が淡く黒線が細かく分かれ,模様が複雑になることで雄よりも柔らかい外観になります。
翅裏は淡褐色に波状線が並び,静止時には乾いた落ち葉に似た質感を示します。
ラオスでは低地から丘陵帯の開けた森林周辺に広く分布し,日当たりの良い場所でよく観察されます。
近似種の Ariadne ariadne は翅表の黒線が太く間隔が広い点で異なり,本亜種とは模様の密度と線の細さで容易に区別できます。

・ソトグロカバタテハ (ラオス産)
   Rhinopalpa polynice eudoxia (Guerin-Meneville, 1840)

1枚
Rhinopalpa polynice eudoxia はラオスの森林周辺で見られ,翅表は赤褐色に黒帯が入り,外縁が鋸歯状になる独特の形が特徴です。
雄は赤褐色が濃く黒帯がはっきりし,翅の輪郭が引き締まって見えるため,全体に力強い印象になります。
雌は色調が淡く黒帯が細かく分かれ,模様が複雑になることで雄よりも柔らかい外観になります。
翅裏は淡褐色に白帯と細線が重なり,静止時には乾いた葉に似た質感を示します。
ラオスでは低地から丘陵帯の林縁に広く分布し,日差しの差し込む場所でよく観察されます。
別亜種の Rhinopalpa polynice birmana は翅表の赤褐色が明るく黒帯が細い点で異なり,本亜種とは色の深さと帯の太さで区別できます。

・コウラナミジャノメ (ラオス産)
   Ypthima baldus newboldi Distant, 1882

1枚
Ypthima baldus newboldi はラオスでは草地や林縁で見られ,翅表は淡褐色で複数の小さな眼状斑が並ぶことが特徴です。
雄は色調が濃く眼状斑が引き締まり,翅の縁がやや直線的に見えるため,全体に簡潔な模様になります。
雌は淡色で斑が大きく,翅形も丸みを帯びるため,雄よりも柔らかい印象の外観になります。
翅裏は灰褐色に細い線と眼状斑が整い,静止時には地面の落ち葉に紛れるような質感を示します。
ラオスでは低地から丘陵帯の開けた環境に広く分布し,日差しの差し込む場所でよく観察されます。
近似種の Ypthima huebneri は眼状斑が小さく数も少ない点で異なり,本亜種とは斑の大きさと配置で容易に区別できます。

・シロオビイチモンジジャノメ (ラオス産)
   Orsotriaena medus medus (Fabricius, 1775)

1枚
Orsotriaena medus medus はラオスでは草地や林縁で見られ,翅表は濃い褐色で落ち着いた色合いを示すことが特徴です。
雄は翅表が暗褐色で眼状斑が小さく,縁取りも引き締まって見えるため,全体に簡潔な模様になります。
雌はやや淡色で眼状斑が大きく,翅形も丸みを帯びるため,雄よりも柔らかい印象の外観になります。
翅裏は灰褐色に細い線と眼状斑が整い,静止時には地面の落ち葉に紛れるような質感を示します。
ラオスでは低地から丘陵帯の開けた環境に広く分布し,日差しの差し込む場所で安定して観察されます。
別亜種の Orsotriaena medus mandata は眼状斑が大きく配置も広い点で異なり,本亜種とは斑の大きさと間隔で区別できます。

・ヒメヒトツメジャノメ (ラオス産)
   Mycalesis perseus tabitha (Fabricius,1793)

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Mycalesis perseus tabitha はラオスでは草地や林縁で見られ,翅表は淡褐色で眼状斑が並ぶ落ち着いた模様が特徴です。
雄は褐色が濃く眼状斑が小さめで,翅の縁が引き締まって見えるため,全体に簡潔な印象になります。
雌は淡色で斑が大きく,翅形も丸みを帯びるため,雄よりも柔らかい外観になります。
翅裏は灰褐色に細い線と眼状斑が整い,静止時には地面の落ち葉に紛れるような質感を示します。
ラオスでは低地から丘陵帯の開けた環境に広く分布し,日差しの差し込む場所で普通に観察されます。
近似種の Mycalesis mineus は眼状斑が大きく配置も広い点で異なり,本亜種とは斑の数と大きさで容易に区別できます。

・メカラヒカゲ (ラオス産)
   Lethe mekara crijnana Fruhstorfer, 1911

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Lethe mekara crijnana はラオスの森林帯で見られ,翅表は濃い褐色に淡い帯が入り,落ち着いた色合いが特徴です。
雄は褐色が深く帯が細く締まり,翅の輪郭がすっきり見えるため,全体に引き締まった印象になります。
雌はやや淡色で帯が広がり,翅形も丸みを帯びるため,雄よりも柔らかい外観になります。
翅裏は灰褐色に細線と眼状斑が並び,静止時には樹皮に溶け込むような模様を示します。
ラオスでは北部から中部の森林内や林縁に広く分布し,薄暗い環境で比較的安定して観察されます。
近似種の Lethe confusa は眼状斑が大きく帯のコントラストが強い点で異なり,本亜種とは模様の幅と明瞭さで区別できます。

・マレラスマネシヒカゲ (ラオス産)
   Elymnias malelas ivena Fruhstorfer,1911

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Elymnias malelas ivena はラオスでは森林周辺の薄暗い環境で見られ,翅の表面は雄が濃色で光沢が弱く,雌は淡色で模様がやや明瞭になります。
裏面は雌雄ともに褐色を基調としますが,雄はコントラストが弱く,雌は帯状模様がはっきりして識別しやすいです。
ラオスでは低地から丘陵帯にかけて広く分布し,周辺国の北部地域とも連続した分布を示します。
飛翔は比較的ゆっくりで,林縁を低く移動することが多いです。
雌は雄よりも警戒心が強く,葉陰にとどまる時間が長い傾向があります。
近似種の Elymnias hypermnestra は雌雄ともに翅表の光沢が強く,裏面の帯模様がより太い点で本亜種と区別できます。

・マルバネワモンチョウ (ラオス産)
   Faunis canens Hubner, 1826

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Faunis canens はラオスでは薄暗い林内で見られ,雄は濃い褐色の翅に弱い光沢があり,雌はやや淡色で斑紋が明瞭になります。
裏面は雌雄ともに褐色で太い帯状模様が走りますが,雄は模様の境界が滑らかで,雌はコントラストが強く識別しやすいです。
ラオスでは低地から山地の森林帯に広く分布し,国境周辺の地域とも連続した分布を示します。
歩くような弱い飛び方をし,林床近くをゆっくり移動することが多いです。
雌は雄よりも活動範囲が狭く,落葉の間にとどまる時間が長い傾向があります。
近似種の Faunis eumeus は翅裏の帯がより細く直線的で,雄の翅表に強い光沢がある点で本種と区別できます。






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