シンガポールの蝶 <アゲハチョウ科>


<写真をクリックすると,撮影した全ての写真を見ることができます。さらに個々の写真をクリックすると,拡大した写真を見ることができます。> 


・アカネアゲハ (シンガポール産)    Papilio deiphobus rumanzovia Eschscholtz, 1821

1枚
Papilio deiphobus rumanzovia は黒色の翅に深い赤帯が入り、後翅の赤斑が大きく広がる力強い模様が特徴です。
雌は赤色部がさらに広く黒色が淡く見えるため、雄よりも柔らかい色調になります。
シンガポールでは公園や庭園など植栽の多い場所に分布し、花を訪れながらゆったりと飛ぶ姿がよく観察されます。
翅裏は黒地に赤斑が透けるように現れ、静止時にも上面と大きく異ならない模様を示します。
雄は黒色が濃く赤帯が締まり、雌は赤色部が広く翅形がやや丸みを帯びる点で区別できます。
近似種のPapilio lowi は赤帯が細く後翅の赤斑が小さく、全体の黒色が強いため、本亜種よりも落ち着いた色調になる点で異なります。

・シロオビアゲハ (シンガポール産)   Papilio polytes Linnaeus, 1758

4枚
Papilio polytes はシンガポール産では翅表の黒色が深く、雄は前翅の白斑が小さく締まり全体が引き締まって見えます。
雌は複数の型があり、赤斑をもつ型では後翅の模様が明瞭で、雄よりも彩度の高い印象になります。
裏面は茶色を帯び、シンガポール産では湿潤環境の影響で色調が均質になりやすく、模様の差異が比較的安定しています。
分布はシンガポール全域の公園、庭園、森林周縁などで広く見られ、低地の植生が豊かな場所で特に普通に観察できます。
飛翔は敏捷で、日中に花を訪れながら一定の範囲を巡回する行動がよく見られます。
近似種の Papilio alphenor は後翅の赤斑がより大きく、翅形が丸みを帯びる点で本種と区別できます。

・コモンタイマイ (シンガポール産)   Graphium agamemnon agamemnon (Linnaeus, 1758)

2枚
Graphium agamemnon agamemnon はシンガポール産では翅の緑色斑が鮮明で、黒地との対比が強くはっきり見えます。
雄は前翅の緑斑が整った形で並び、雌は斑がやや不揃いになり後翅の黒部が広くなるため、全体が重い印象になります。
裏面は淡褐色を帯び、シンガポール産では斑紋が比較的明瞭で、個体差が小さい傾向があります。
分布はシンガポール島内の森林周縁や公園の樹林帯で広く見られ、特に日当たりのよい林縁でよく活動します。
飛翔は素早く直線的で、樹冠付近から低い位置まで幅広い高さを移動しながら吸蜜や巡回を行います。
近似種の Graphium sarpedon は緑帯がより太く直線的で、後翅の形が細長い点で本種と区別できます。




シンガポールの蝶
東南アジアの蝶
「蝶の生態写真集」
「蝶の研究」
杉坂美典」のトップページ
E−mail