シンガポールの蝶 <タテハチョウ科>


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・カバマダラ (シンガポール産)   Danaus chrysippus chrysippus (Linnaeus, 1758)

8枚
Danaus chrysippus chrysippus は橙色が明るく前翅先端の黒帯が比較的狭いことが特徴です。
雌は橙色が淡く黒帯がやや広く見えるため雄よりも模様の境界が強調されます。
シンガポールでは公園や道路沿いの開けた場所に広く見られ一年を通して安定して発生します。
後翅の黒縁は均一で翅裏は淡橙色に細い黒点が並び静止時にも識別しやすい姿を示します。
雄は橙色が濃く雌は淡色で黒帯が強く出る点で容易に区別できます。
近似種のDanaus genutia は前翅の黒帯が細く白斑が大きく縞状の印象が強く本亜種よりも模様が直線的に見える点で異なります。

・マルバネルリマダラ (シンガポール産)   Euploea eunice leucogonis (Butler, 1879)

1枚
Euploea eunice leucogonis は濃紺の光沢が強く前翅の白斑が明瞭で、飛翔中も識別しやすい姿を示します。
雌は白斑がやや大きく淡色部が広いため、雄よりもコントラストが柔らかく見えます。
シンガポールでは森林縁や公園の樹林帯で安定して観察され、市街地近くでも比較的普通に見られます。
翅裏は暗褐色で白斑が透けて見え、静止時には翅表よりも落ち着いた印象になります。
雄は翅表の青紫光が強く、雌は白斑が広く淡色寄りである点で容易に区別できます。
近似種のEuploea mulciber は白斑が小さく翅表の青光が弱く、本亜種よりも全体に暗色で重い印象になる点が異なります。

・ツマムラサキマダラ (シンガポール産)   Euploea mulciber mulciber (Cramer, [1777])

4枚
Euploea mulciber mulciber は深い青紫光を帯びた翅表が特徴で、光の角度によって色調が大きく変化して見えます。
雌は青紫光が弱く白斑がやや広いため、雄よりも落ち着いた色合いになります。
シンガポールでは森林縁や樹林帯でよく見られ、日中にゆっくりと滑空する姿が普通に観察されます。
翅裏は暗褐色で白斑が控えめに透け、静止時には翅表よりも重厚な印象を与えます。
雄は青紫光が強く白斑が小さく、雌は光沢が弱く白斑が広い点で容易に区別できます。
近似種のEuploea eunice leucogonis は白斑が大きく翅表の青光がより明瞭で、本亜種よりも軽やかな色調になる点が異なります。

・トラフマダラ (シンガポール産)   Parantica agleoides (C. & R. Felder, 1860)

4枚
Parantica agleoides は前翅が細長く暗色の地に青水色の斑紋が中央へ広がり、光を受けると鮮明に浮かび上がります。
雌は青水色部がやや淡く白色寄りに見えるため、雄よりも柔らかい印象になります。
シンガポールでは森林縁や低木帯で普通に見られ、日中に滑らかに飛ぶ姿がよく観察されます。
翅裏は淡褐色で青水色部が控えめに透け、静止時には翅表よりも落ち着いた色調になります。
雄は青水色の発色が強く斑紋が締まり、雌は淡色で斑紋が広い点で容易に区別できます。
近似種のParantica melaneus は青水色部が狭く白斑が明瞭で、本種よりもコントラストが強く直線的な模様になる点が異なります。

・ブルガリスヒメゴマダラ (シンガポール産)   Ideopsis vulgaris macrina (Fruhstorfer, 1904)

4枚
Deopsis vulgaris macrina は細長い前翅に暗褐色の地色が広がり、中央には淡い帯状模様が入る落ち着いた外観を示します。
雌は淡色部がやや広く、雄よりも模様の境界が柔らかく見える点が特徴です。
シンガポールでは森林縁や低木帯で観察され、日中に素早く直線的に飛ぶ姿がよく見られます。
翅裏は淡褐色で前翅中央の帯が控えめに透け、静止時には翅表よりも穏やかな印象になります。
雄は暗色部が締まり淡色帯が細く、雌は淡色帯が広く明るい点で容易に区別できます。
近似種のDeopsis alitha は淡色帯がより明瞭で前翅の暗色部が狭く、本亜種よりもコントラストが強い点が異なります。

・ミナミオオミスジ (シンガポール産)   Phaedyma columella singa (Fruhstorfer, 1899)

3枚
Phaedyma columella singa は白帯が明瞭な黒褐色の翅をもち、前翅の帯が太く直線的に伸びる点が特徴です。
雌は白帯がやや広く淡色寄りで、雄よりもコントラストが柔らかく見えます。
シンガポールでは森林縁や公園の樹林帯で普通に観察され、日中に滑らかに飛ぶ姿がよく見られます。
翅裏は淡褐色で白帯が控えめに透け、静止時には翅表よりも落ち着いた印象になります。
雄は白帯が締まり暗色部が強く、雌は白帯が広く明るい点で容易に区別できます。
近似種のPhaedyma aspasia は白帯が細く曲線的で、本亜種よりも帯の形が不規則になり全体の印象が軽い点が異なります。

・マンゴーイナズマ (シンガポール産)   Euthalia aconthea gurda Fruhstorfer, 1906

5枚
Euthalia aconthea gurda は。マレー半島亜種で,濃褐色の翅に白帯が明瞭に入り、前翅の帯が直線的に伸びる力強い模様が特徴です。
雌は白帯がやや広く淡色寄りで、雄よりも全体のコントラストが柔らかく見えます。
シンガポールでは公園や森林縁で普通に観察され、地上近くを素早く飛び回る姿がよく見られます。
翅裏は淡褐色で白帯が控えめに透け、静止時には翅表よりも穏やかな印象になります。
雄は暗色部が締まり白帯が細く、雌は白帯が広く明るい点で容易に区別できます。
近似種のEuthalia monina は白帯が細く曲線的で、本亜種よりも模様が軽く全体に明るい印象になる点が異なります。


・コキティナヒメイナズマ (シンガポール産)   Tanaecia cocytina puseda (Moore, [1858])

2枚
Tanaecia cocytina puseda は,前翅の白帯が明瞭で,地色の濃淡がはっきり分かれることが特徴です。
雄は光沢のある暗褐色で白帯が細く,雌はやや淡色で帯が広く見えるため識別しやすいです。
翅裏は灰褐色で細い線が並び,表面よりも落ち着いた印象になります。
シンガポールでは森林周辺や緑地に広く分布し,市内の自然度が高い区域でも観察できます。
飛翔は直線的で速く,日中に低い位置を移動することが多いです。
近似種の Tanaecia pelea は白帯が太く外縁側が丸みを帯びる点が異なり,本亜種の方が帯の輪郭が直線的です。

・ツマジロアカイチモンジ (シンガポール産)   Lebadea martha (Fabricius, 1787)

4枚
Lebadea martha はシンガポールでは前翅の角ばった形と深い褐色の地色が目立ち,林縁の薄暗い場所でよく観察されます。
雄は前翅表の帯が細く締まり,翅全体が濃色で力強い印象になります。
雌は帯がやや広く淡く,模様が柔らかく出るため,雄よりも明るい外観になります。
シンガポールでは低地の森林公園や保護区に広く分布し,林床近くをゆっくり飛ぶ姿が安定して見られます。
翅裏は細い線が連なり,休止時には樹皮に溶け込むような保護色を示します。
近似種の Lebadea alexis は前翅の角度がより鋭く,翅表の帯が細く明瞭である点で区別できます。

・タテハモドキ (シンガポール産)   Junonia almana almana (Linnaeus, 1758)

4枚
Junonia almana almana はシンガポールでは明るい橙色の翅に大きな眼状紋がはっきり現れ、開翅時に非常に目立つ種です。
雄は橙色部が濃く眼状紋の縁取りが締まり、雌はやや淡色で翅の模様が柔らかく見える点で区別できます。
翅裏は乾季型では褐色で葉に似た迷彩模様を示し、雨季型では淡色で眼状紋が明瞭になるなど季節型の変化も見られます。
シンガポールでは公園や草地、都市周辺の開けた環境に広く分布し、日中に活発に飛び回る姿がよく観察できます。
静止時には翅裏の保護色が効果的に働き、周囲の植生に溶け込むように見えることが多いです。
近似種のJunonia orithya は前翅の青色光沢や眼状紋の配置が異なり、本種よりも上面の色彩が鮮明な点で容易に区別できます。

・イワサキタテハモドキ (シンガポール産)   Junonia hedonia (Linnaeus, 1764)

5枚
Junonia hedonia はシンガポールでは橙色から褐色を帯びた翅に明瞭な眼状紋が並び、開翅時に強いコントラストが見られる種です。
雄は上面の橙色が濃く縁取りがはっきりし、雌はやや淡色で翅形が丸みを帯びるため全体の印象が柔らかく見えます。
翅裏は褐色系で細かな線模様が入り、静止時には地面や落葉に溶け込むような外観になります。
シンガポールでは公園や低木林の周辺、開けた草地などで普通に見られ、日中に活発に飛翔しながら吸蜜や地面への降り立ちを繰り返します。
個体数は比較的安定しており、都市部でも観察しやすい点が特徴です。
近似種のJunonia atlites は翅色が灰褐色で眼状紋が小さく、本種よりも全体に淡く落ち着いた色調であるため容易に区別できます。

・リュウキュウムラサキ (シンガポール産)   Hypolimnas bolina bolina (Linnaeus, 1758)

4枚
Hypolimnas bolina bolina はシンガポールでは雄の翅上面に強い青紫光が広がり、白斑との対比が鮮明で非常に目立つ外観になります。
雌は褐色を基調とし白斑が大きく、雄とはまったく異なる模様になるため外見だけで容易に区別できます。
翅裏は淡褐色で細かな斑が並び、静止時には周囲の植生に溶け込むような保護的な模様を示します。
シンガポールでは公園や市街地周辺の開けた場所に広く分布し、日中に活発に飛翔しながら吸蜜や地面への降り立ちを繰り返します。
個体は比較的観察しやすく、都市環境でも安定して見られる点が特徴です。
近似種のHypolimnas misippus は雄の光沢が弱く雌が擬態的な白斑配置を示すため、本種とは色調と模様の構成が大きく異なります。

・タイワンキマダラ (シンガポール産)   Cupha erymanthis lotis Sulzer (1776)

2枚
Cupha erymanthis lotis はシンガポールでは橙色を基調とした翅に黒斑が並び、開翅時に強いコントラストが生まれるのが特徴です。
雄は橙色部がより鮮やかで黒斑が締まり、雌はやや淡色で翅形が丸みを帯びるため全体の印象が柔らかく見えます。
翅裏は淡褐色で細かな斑紋が入り、静止時には落葉に似た保護的な模様になります。
シンガポールでは森林縁や公園の低木帯に広く分布し、日中に活発に飛翔しながら吸蜜や地表への降り立ちを繰り返します。
個体は比較的敏捷で、周囲の植生を縫うように移動する姿がよく見られます。
近似種のCupha arias は翅の黒斑が細く控えめで橙色部が淡く、本種よりも模様のコントラストが弱い点で区別できます。

・ウラベニヒョウモン (シンガポール産)   Phalanta phalantha phalantha (Drury, [1773])

2枚
Phalanta phalantha phalantha はシンガポールでは明るい橙色の翅に細かな黒斑が散り、開翅時に軽やかな印象を与える種です。
雄は橙色が濃く斑紋が締まり、雌はやや淡色で翅形が丸みを帯びるため全体が柔らかく見える点で区別できます。
翅裏は淡褐色で細い線状の模様が入り、静止時には落葉に似た保護的な外観になります。
シンガポールでは公園や低木林の周辺、草地などに広く分布し、日中に素早く飛び回りながら吸蜜や地表への降り立ちを繰り返します。
個体は敏捷で、周囲の植生を縫うように移動する姿がよく観察できます。
近似種のPhalanta alcippe は翅色がより濃く黒斑が太く、本種よりも模様のコントラストが強い点で明確に区別できます。

・チャイロタテハ (シンガポール産)   Vindula erota chersonesia Pendlebury, 1939

3枚
Vindula erota chersonesia は翅の橙色が深く、前翅の黒帯が太く締まって見える点が特徴です。
雌は橙色が淡く黒帯が細く、後翅の波状がやや弱いため雄よりも柔らかい印象になります。
シンガポールでは森林周辺や公園の林縁に生息し、日中に滑空を交えた力強い飛び方をよく見せます。
翅裏は淡褐色で細い線模様が入り、静止時には周囲の背景に溶け込みやすい色調になります。
雄は橙色が濃く黒帯が太く、雌は淡色で帯が細い点で容易に区別できます。
近似種のVindula dejone は橙色が明るく黒帯が細く、後翅外縁の波状が弱いため本亜種よりも軽い印象を与える点で異なります。

・ルリオビトガリバワモン (シンガポール産)   Zeuxidia amethystus amethystus Butler, 1865

2枚
Zeuxidia amethystus amethystus はシンガポールでは森林内部の薄暗い環境で見られ,翅は深い紫色の光沢をもち,角度によって色調が変わって見えます。
雄は表翅の紫色がより強く,前翅先端がやや鋭く見えるのに対し,雌は紫色の輝きが弱く,全体に褐色味が強い印象になります。
裏翅は褐色を基調とし,太い横帯が入り,休止時にはこの模様が保護色として働きます。
シンガポールでは主に中央部から西部の森林域に分布し,低地の自然林に依存して生息しています。
本亜種は樹冠付近を飛ぶことが多く,地上に降りる機会は限られています。
近似種の Zeuxidia aurelius はより大型で,表翅の紫色光沢が弱く,裏面の帯が太く明瞭である点が異なります。

・ルリモンジャノメ (シンガポール産)   Elymnias hypermnestra tinctoria Moore, [1879]

2枚
Elymnias hypermnestra tinctoria はシンガポールでは雌雄で色彩が大きく異なり、雄は黒褐色の地色に青紫の光沢が弱く乗り、前翅先端がやや丸みを帯びるのが特徴です。
雌は白帯が明瞭で、前翅から後翅にかけて広く伸びるため、雄よりもコントラストが強く見えます。
翅裏は雌雄ともに褐色系で樹皮に似た模様をもち、静止時には周囲に溶け込むような外観になります。
分布はシンガポールの森林縁や公園の樹林帯で普通に見られ、日陰の多い場所をゆっくり飛ぶ姿がよく観察されます。
雄は白帯がほとんど出ず暗色であるのに対し、雌は白帯が太く明瞭で外観が大きく異なる点で容易に区別できます。
近似種の Elymnias panthera は翅裏の模様がより細かく、雌の白帯が狭いことから本亜種とは明確に異なります。




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