【特 徴】 |
日本産と同じ亜種である。中型のセセリチョウで,非常に速く飛ぶ。比較的数多く見ることができるが,葉上に止まっている時間は非常に短く,訪花している場合でも,短時間で飛び去る習性がある。
※ バイバラチャバネセセリ Pelopidas baibarana (Matsumura,1929) は,本種であった |
【雌 雄】 | ♂は前翅に性標が現れ,♀は白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。 |
【生 態】 | 周年,年数回発生しているが,発生数はあまり多くない。 |
【生息地】 |
台湾の低・中・高標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,熱帯雨林,海岸林,都市林,水田・沼周辺の草地で見られる。
台湾の南部の墾丁国家公園,台東市の知本渓,中部山岳の南山渓,奥萬大,拉拉山下巴陵(標高656m),羅東新城溪,苗栗縣三義,新北市五堵,拉拉山上巴陵,屏東縣大漢山,台東縣達仁區,新北市万里區,台南市龍崎區,台南市新化區,台南市東山區,本部渓で撮影することができた。 |
【分 布】 |
種としては,台湾以外では,インド,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布し,台湾産,日本産は分布の東限に当たる。
中国では,山東省,河南省,江蘇省,安徽省,湖北省,浙江省,江西省,湖南省,福建省,広東省,海南省,広西區,雲南省,四川省,西蔵區,上海市に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。 |
【近似種】 |
前翅裏面の前縁部の斑紋は,通常は3つでくの字型になるが,♂では2つになることがある。
ユウレイセセリに似ているが,前翅表面の白斑が小さくなること,後翅裏面の白点が小さく,円弧状に並び,その大きさは前縁側から中・小・中・中となることで区別することができる。稀に,後翅裏面に白点が発達しない個体も出る。
チャバネセセリに酷似している。本種は,チャバネセセリに比べ,前翅表面の♂の性標が短く,2斑紋を延ばした直線が性標にかからない。♀は,表面の白斑が大きく,後翅表面には白点が出るので,区別することができる。
チャバネセセリ ♂ 前翅 |
チャバネセセリ ♀ 前翅 |
チャバネセセリ ♀ 後翅 |
トガリチャバネセセリ ♂ 前翅 |
トガリチャバネセセリ ♀ 前翅 |
トガリチャバネセセリ ♀ 後翅 |
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