【特 徴】 |
雄は,山地の渓谷などに多く見られ,夏には,林道などで湧き水があるような場所では,十数頭が集まって吸水集団を作ることがある。
日本のカラスアゲハは,以前は, P.bianor dehaanii とされ,bianor の1亜種とされていたが,近年,亜種から種へ格上げとなった。
日本産は,次の亜種に分かれている。
名義タイプ亜種, 日本本土・朝鮮半島亜種 P.dehaanii dehaanii C. Felder et R. Felder, 1864
八丈島亜種 P.dehaanii hachijonis Matsumura, 1919
トカラ亜種 P.dehaanii tokaraensis Fujioka, 1975
台湾産は,カラスアゲハという和名になっているが P.bianor thrasymedes Fruhstorfer,1909 であり,ヤエヤマカラスアゲハと同種である。 |
【雌 雄】 | ♂は,前翅表面にビロード条の黒斑が現れるので,雌雄を区別することができる。 |
【食 草】 | キハダ・コクサギ・サンショウ・カラスザンショウ・イヌザンショウ¥ミヤマシキミ・カラタチ・ミカン類・ヒラミレモン(ミカン科),ハマセンダン |
【発生期】 |
暖地では,年3回,発生し,3月下旬〜9月にかけて見られる。
寒冷地では,年1回,発生し,5月中旬〜9月上旬にかけて見られる。 |
【発生地】 |
北海道からトカラ列島まで見られる。
愛知県では,山地に多いが,平野部には少ない。
長野県では,ミヤマカラスアゲハの方が多い。 |
【分 布】 | 種としては,日本以外では,朝鮮半島,サハリンに分布している。 |
【近似種】 | ミヤマカラスアゲハに似るが,本種は,前翅裏面の黄白条がV字状になり,ミヤマカラスアゲハは外縁と平行に近い帯状になるので,区別することができる。 |