臺灣蝴蝶 <シジミチョウ科- アシナガシジミ亜科・ウラギンシジミ亜科


<写真をクリックすると,撮影した全ての写真を見ることができます。さらに個々の写真をクリックすると,拡大した写真を見ることができます> 


ゴイシシジミ  (台湾産)   Taraka hamada thalaba Fruhstorfer, 1922   台湾亜種


写真数: 34枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 台湾産の亜種名は,thalaba ,日本産は,別亜種hamada である。中型のシジミチョウである。飛び方は非常に優しく,低木の葉上を飛び回ったりするが,すぐに止まる習性がある。
【雌  雄】 ♂は,前脚のが癒合しており,主に中脚と後脚の4本で体を支え,前足は折り曲げており,体を支えることに使うことは少ない。♀は,6本の脚で体を支えている。♀は翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1600m)の常緑広葉樹林,竹林で見られる。
 台湾の中部山岳にある本部渓で撮影することができた。本部溪は,2013年から毎年,調査をしているが,本種が確認できたのは,2014年と2018年のみである。2014年は1ヶ所,2018年は,各所で大発生していた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,日本に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,江西省,海南省,福建省,浙江省,上海市に分布している。雲南省,四川省に分布しているものは,別亜種 T.hamada isona で,それ以外は,日本と同じ名義タイプ亜種 T.hamada hamada である。
【近似種】 なし

シロモンクロシジミ 煕灰蝶 (台湾産)   Spalgis epius dilama (Moore, 1878)    台湾亜種

♀  ♂
写真数: 36枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點

★・・・1973年に記録あり
【特  徴】
 日本産と同じ亜種dilama である。中型のシジミチョウである。以前は,非常に珍しいチョウで,1970年代では,♀は見つかっていなかった。ジャングルに住んでいるが,明るい場所を好み,低木の葉の間を飛び回っていることが多い。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の中部・南部の低・中標高(〜800m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 分布域が狭く,なかなか撮影出来ない種の一つである。文献では,台湾の北部には生息しないと書かれているが,1973年に墾丁国家公園で数頭を採集した1週間後,北部にある台北市の福州山でも1♂1♀を採集することができた。最近では,台湾の南部の墾丁国家公園高雄市直瀬溪,高雄市田寮区,台東縣知本溪で確認することができた。屏東縣台南市でも確認された。2023年には,花蓮市でも見つけることが出できた。分布を北上させているように思える。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド南部,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南部,日本の八重山諸島に分布し,台湾産,日本産は分布の東限に当たる。
 中国では,雲南省,貴州省,広西區,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ亜種が分布している。
【近似種】 なし

ウラギンシジミ 銀灰蝶 (台湾産)   Curetis acuta formosana Fruhstorfer, 1908   台湾亜種


写真数: 46枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 台湾産は,亜種formosana で,日本産は,別亜種paracuta である。台湾産は,他地域との特殊性が乏しいことから,亜種名formosana の適用を再検討するべきとの指摘がなされている。
 大型のシジミチョウである。非常に速く飛び,なかなか止まらない。
【雌  雄】 ♀は,翅表に銀白色斑が現れるので,雌雄を区別することができるが,裏面の生態写真では,区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1400m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の南部の墾丁国家公園社頂自然公園高雄市直瀬溪新北市烏来,台北市碧湖歩道で見ることができた。台北市立動物園虫虫探索谷でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本の本州以南に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,江西省,海南省,福建省,浙江省,上海市に分布している。広東省,福建省に分布しているものは,別亜種 C.acuta denta で,それ以外は,名義タイプ亜種 C.acuta cuta である。
【近似種】  タイワンウラギンシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の翅頂から中室付近にかけて薄い黒条が現れること,♂の翅表に赤褐色の斑紋があることや翅形がとがることで区別することができる。

タイワンウラギンシジミ 臺灣銀灰蝶 (台湾産)   Curetis brunnea Wileman,1909   台湾特産種


写真数: 29枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 大型のシジミチョウである。非常に速く飛び,なかなか止まらない。
【雌  雄】 ♀は,翅表に銀白色斑が現れ,前翅の翅頂が尖るので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の中部・南部の低・中標高(200m〜1600m)の常緑広葉樹林で見られる。
 分布域が狭く,発生地も局部的なので,なかなか撮影出来ない種の一つである。台湾の中部の本部渓南投縣南山渓,南投縣観音瀑布,台南市龍崎區で見ることができた。南部横貫公路
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ウラギンシジミに似ているが,裏面に黒条がなく,本種の♂は,翅表に鮮明な赤斑がないので,飛んでいる際に容易に見分けることができる。



ベニシジミ亜科・ミドリシジミ亜科1は,ここをクリックすると見ることができます

ミドリシジミ亜科2は,ここをクリックすると見ることができます

ヒメシジミ亜科1は,ここをクリックすると見ることができます

ヒメシジミ亜科2は,ここをクリックすると見ることができます。(容量の関係で,別ページにしてあります)




臺灣蝴蝶
「蝶の生態写真集」
「蝶の研究」
杉坂美典」のトップページ
E−mail