【特 徴】 |
山間にある日当たりのよい草原に生息し,地上近くを緩やかに飛ぶ習性がある。最近は,自然に恵まれた草原の減少により,個体数は非常に少なくなっている。
春型と夏型がある。春型は小型で,表面の地色は灰白色で,前翅外端の黒斑は発達せず,3本の線状になる。前後翅の裏面の地色は,暗黄色になる。
夏型の表面の地色は白色になり,前翅外端の黒斑は良く発達し,楕円形になる。
次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
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【雌 雄】 |
♂は,翅頂付近の翅形が尖り,前翅表面の黒斑が♀よりも発達し,♀は,翅形が丸くなり,♂よりも大型になるので,雌雄を区別することができる。
♂ 春型 |
♀ 春型 |
♂ 夏型(上) ♀ 夏型(下) |
♂ 春型(裏面) |
♀ 春型(裏面) |
♀ 夏型(裏面)(左) ♂ 夏型(裏面)(右) |
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【食 草】 | ツルフジバカマ(マメ科) |
【生 態】 |
本州では,年3回,発生し,4月上旬〜9月に見られる。
北海道では,年2回,発生し,5月〜8月に見られる。蛹で越冬する。 |
【生息地】 |
この亜種は,北海道から中部地方にかけて見られる。
栃木県,東京都,島根県では,絶滅した。宮城県,新潟県,群馬県,茨城県,神奈川県,岐阜県,広島県では,絶滅危惧T類に指定されている。
環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。 |
【分 布】 |
種としては,日本以外では,アムール,中国,アルタイ,朝鮮半島に分布している。
中国では,黒竜江省,河北省,遼寧省,山東省,山西省,陳西省,河南省,甘粛省,新疆ウィグル自治區に分布している。 |
【近似種】 | エゾヒメシロチョウに似ているが,本種は前翅の翅頂付近がやや尖り,前翅の幅が狭いので,区別することができる。 |