日本の蝶 <シロチョウ科>  シロチョウ亜科


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・ツマベニチョウ    Hebomoia glaucippe liukiuensis Fruhstorfer, 1898


写真数: 36枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  大型のシロチョウである。飛び跳ねるようにして飛翔する特徴があり,なかなか止まらない。ハイビスカスなどの花に集まる。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
鹿児島県指宿市山川駅付近
【雌  雄】 ♀は,翅表の黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ギョボク(フウチョウボク科)
【生  態】 年4〜5回,発生し,周年,見られる。越冬態はない。
【生息地】 九州南部から八重山諸島にかけて見られる。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 台湾では,別亜種 H.glaucippe formosana が生息している。
 中国では,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 H.glaucippe glaucippe が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
南西諸島



































記録2010.12.28,奄美大島大和村,1♀,田中 啓之2013.4.19,沖縄県西表島上原,1♂2013.11.9,沖縄県西表島,2♂♂,安中弘行
2014.10.26,沖縄県本部町,1♂1♀,安中弘行2015.11.5,沖縄県石垣市,1♂,安中弘行2015.12.9,沖縄県石垣市,1♀,安中弘行
2017.11.29,沖縄県西表島,1♂,安中弘行2021.11.26,沖縄県石垣島,1♂1♀,三河和夫2021.12.2,沖縄県西表島,1♂,三河和夫
2022.8.26,鹿児島県奄美大島龍郷町,1♂,荻野秀一2022.8.27,鹿児島県奄美大島龍郷町,1♂,荻野秀一2022.8.28,鹿児島県奄美市,1♂,荻野秀一
2022.10.8,沖縄県南城市,1♂,三河和夫2022.10.12,沖縄県大宜味村,1♂,三河和夫2022.10.13,沖縄県大宜見村,1♂,荻野秀一
2023.7.4,沖縄県石垣島,1♀,高村葉子2023.9.23,沖縄県大宜味村,1♂,荻野秀一2023.9.25,沖縄県大宜味村,1♀,荻野秀一

・クモマツマキチョウ  北アルプス・戸隠亜種     Anthocharis cardamines isshikii Matsumura, 1925


写真数: 45枚 


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日当たりのよい渓流沿いの崖や草むらに生息し,直線的に飛ぶ習性がある。
 日本には,次の2亜種が分布している。
   北アルプス・戸隠亜種 A.cardamines isshikii Matsumura, 1925
   八ヶ岳・南アルプス亜種 A.cardamines hayashii Fujioka, 1970
 北アルプス・戸隠亜種は,前翅表面中室の黒斑が円形になり,八ヶ岳・南アルプス亜種は,半月状になる。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
長野県全域(県),新潟県全域(県),富山県全域(県)
【雌  雄】 ♂は,翅表に赤褐色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ミヤマハタザオ・ハタザオ・イワハタザオ・ヤマハタザオ・ナズナ(アブラナ科)
【生  態】  年1回,4月下旬〜7月にかけて見られる。蛹で越冬する。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【生息地】  本州の中部山岳地帯に発生し,標高1500m〜2000mの場所に山地が多い。
 この亜種は,北アルプス・戸隠連邦に生息している。
 新潟県では,絶滅危惧T類に指定されている。長野県,静岡県,富山県では,絶滅危惧U類に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,西ヨーロッパ,ロシア,サハリン,中国,朝鮮半島北部に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,河南省,新疆ウィグル自治區,寧夏區,青海省,甘粛省,山西省,陳西省,湖北省,四川省,西蔵區,江蘇省,浙江省,福建省に分布している。 
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2009.6.8,長野県大町市,1♀,安中弘行
2010.6.4,長野県大町市,2♂♂,安中弘行
2013.5.26,長野県北アルプス,1♂,足立幸子
2015.5.7,長野県大町市,1♂1♀,安中弘行
2015.5.17,長野県北アルプス,1♂,足立幸子
2016.5.7,長野県大町市,2♂♂,安中弘行
2017.5.28,長野県大町市,1♂,安中弘行
2017.5.29,長野県大町市,1♂2♀♀,安中弘行
2019.5.19,長野県扇沢,1♂,松井慶夫
2019.5.24,長野県大町市,1♂,関戸裕靖
2019.5.29,長野県大町市,1♂,関戸裕靖
2019.6.21,長野県白馬村,1♂,関戸裕靖
2023.5.1,長野県大町市,3♂♂


・クモマツマキチョウ  八ヶ岳・南アルプス亜種     Anthocharis cardamines hayashii Fujioka, 1970


写真数: 15枚 


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日当たりのよい渓流沿いの崖や草むらに生息し,直線的に飛ぶ習性がある。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
山梨県全域(県),長野県全域(県)
【雌  雄】 ♂は,翅表に赤褐色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ミヤマハタザオ・ハタザオ・イワハタザオ・ヤマハタザオ・ナズナ(アブラナ科)
【生  態】 年1回,4月下旬〜7月にかけて見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  この亜種は,八ヶ岳連峰,南アルプスに生息している。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧II類(VU)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,西ヨーロッパ,ロシア,サハリン,中国,朝鮮半島北部に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,河南省,新疆ウィグル自治區,寧夏區,青海省,甘粛省,山西省,陳西省,湖北省,四川省,西蔵區,江蘇省,浙江省,福建省に分布している。 
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2015.5.17,長野県下伊那郡,1♂,関戸裕靖
2016.5.4,長野県大鹿村,1♂,関戸裕靖
2018.5.12,南アルプス,1♂1♀,足立幸子
2018.5.20,長野県南アルプス,1♂
2019.5.22,長野県大鹿村,1♂1♀,関戸裕靖

・ツマキチョウ  大陸亜種    Anthocharis scolymus mandschurica (Bollow, 1930)


写真数: 1枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  春先に見られる小型の蝶で,前翅の翅頂が尖る特徴がある。直線的に弱々しく飛ぶ習性がある。
 日本には,次の2亜種がある。
   大陸亜種 A.scolymus mandschurica (Bollow, 1930)
   名義タイプ亜種, 本土亜種 A.scolymus scolymus Butler, 1866
 対馬に生息する個体は,地理的変異のある個体群から格上げされ,大陸亜種となった。
【雌  雄】 ♂は,翅頂近くに赤黄色の丸い斑紋があるが,♀は,白色になるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 タネツケバナ・イヌガラシ・コンロンソウ・ナズナ・ハタザオ(アブラナ科)
【生  態】 対馬では,年1回,発生し,4月上旬〜5月上旬に見ることができる。
【生息地】 この亜種は,対馬に生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,シベリア,中国,モンゴル,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,山西省,陳西省,河北省,河南省,湖北省,浙江省,福建省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
対 馬



































記録


・ツマキチョウ  名義タイプ亜種, 本土亜種    Anthocharis scolymus scolymus Butler, 1866


写真数: 73枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 春先に見られる小型の蝶で,前翅の翅頂が尖る特徴がある。直線的に弱々しく飛ぶ習性がある。
【雌  雄】 ♂は,翅頂近くに赤黄色の丸い斑紋があるが,♀は,白色になるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 タネツケバナ・イヌガラシ・コンロンソウ・ナズナ・ミヤマハタザオ・ハタザオ・イワハタザオ・ヤマハタザオ(アブラナ科)
【生  態】  暖地では,年1回,発生し,3月下旬〜5月中旬に見ることができる。
 寒冷地では,4月下旬〜6月下旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】 この亜種は,北海道から九州の屋久島まで,広く分布している。
【分  布】  種としては,日本以外では,シベリア,中国,モンゴル,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,山西省,陳西省,河北省,河南省,湖北省,浙江省,福建省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1978.5.3,愛知県岡崎市池金町,1♂
1979.4.15,愛知県岡崎市池金町,1♂
1979.4.23,愛知県岡崎市大井野町,4♂♂1♀
1979.4.23,愛知県岡崎市小美町,2♂♂
1979.4.23,愛知県岡崎市,茅原沢町,2♂♂
1979.4.23,愛知県岡崎市須渕町,2♂♂1♀
1979.4.23,愛知県岡崎市岩中町,1♂1♀
1979.4.23,愛知県岡崎市滝町,2♂♂1♀
1980.4.29,愛知県岡崎市岩中町,1♂1♀
1981.4.26,愛知県岡崎市奥山田町,2♂♂
1981.4.29,愛知県岡崎市奥殿町,1♀
1982.4.20,愛知県岡崎市上衣文町,1♂1♀,松井直人
1982.4.25,愛知県岡崎市真福寺町,1♀
1989.4.1,愛知県岡崎市大幡町,1♂,松井直人
1989.4.18,愛知県岡崎市山綱町,2♀♀,松井直人
1997.6.30,北海道阿寒郡オンネトー湖,1♀
2000.4.13,愛知県岡崎市中町,1♂,大矢佑基
2000.4.16,愛知県岡崎市中町,2♂♂,大矢佑基
2000.4.19,愛知県岡崎市中町,1♂,大矢佑基
2000.4.22,愛知県岡崎市中町,1♂1♀,大矢佑基
2000.4.23,愛知県岡崎市中町,1♂,大矢佑基
2000.4.30,愛知県岡崎市中町,2♀♀,大矢佑基
2000.5.4,愛知県岡崎市上地6丁目,1♀,石川裕子
2000.5.9,愛知県岡崎市中町,1♀,大矢佑基
2001.4.19,愛知県岡崎市戸崎町,1♂
2001.4.23,愛知県岡崎市戸崎町,1♀
2003.5.5,愛知県南設楽郡柿平,1♀
2005.4.22,愛知県岡崎市戸崎町,1♂
2006.4.28,愛知県岡崎市秦梨町,2♂♂
2009.4.18,愛知県岡崎市板屋町,1♂1♀,鈴木栄二
2012.4.28,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀,吉田 健
2013.3.30,愛知県岡崎市池金町,1♂
2015.4.16,愛知県岡崎市池金町,1♂
2015.4.24,愛知県豊田市野口町,1♀
2016.3.31,愛知県岡崎市北山湿地,1♂,足立幸子
2018.4.10,愛知県豊橋市蛇穴,1♂2♀♀
2018.5.24,長野県美ヶ原,3♀♀
2019.4.11,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2019.4.16,愛知県岡崎市池金町,1♀
2019.4.19,愛知県岡崎市池金町,1♀
2019.4.21,愛知県岡崎市上衣文町,3♂♂2♀♀
2019.5.2,愛知県岡崎市東河原町,3♂♂
2019.5.16,長野県飯田市下栗,3♀♀
2019.5.19,静岡県浜松市水窪町,1♀
2020.3.29,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.4.15,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♀
2020.4.19,高知県香美市,1♀,高月陽生
2020.4.29,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.4.29,愛知県岡崎市東河原町,1♂
2021.3.24,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂
2021.4.14,高知県香美市,1♀,高月陽生
2021.4.22,長野県平谷村,1♂
2022.4.22,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.4.23,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.4.19,愛知県豊田市足助町,2♂♂1♀
2022.4.21,千葉県船橋市,1♂,山本和彦
2022.4.25,愛知県豊田市,3♂♂1♀
2022.5.7,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.5.19,長野県飯田市,1♀
2023.3.31,東京都小金井市,1♂,小林清二
2023.4.1,千葉県南房総市,1♂,山本和彦
2023.4.6,東京都小金井市,1♀,小林清二
2023.4.20,岐阜県北部,1♂
2023.4.23,東京都東村山市,1♀,小林清二
2023.5.5,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2023.5.9,長野県原村,1♀

・メスシロキチョウ    Ixias insignis Butler, 1879


写真数: 1枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  台湾からの迷蝶,偶産蝶である。開長50〜60mm。飛び方はかなり速く,活発に飛び回る。
 台湾亜種の交尾器の分析から,台湾亜種を種に格上げする説(和名:タイワンメスシロキチョウ)と従来の台湾亜種(和名:メスシロキチョウ)とする説がある。ここでは学会での最新の論文(宇野彰,日本鱗翅学会誌YADORIGA aD243,2014)に従い,台湾亜種として扱うことにした。日本産と台湾産は同じ亜種である。
【雌  雄】 ♀は,斑紋が白色になるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 不明
【生息地】 石垣島,西表島で記録された。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,四川省,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 I.pyrene hainana で,雲南省の中部・北部に分布しているものは,別亜種 I.pyrene yunnanensisで,雲南省の南部に分布しているものは,別亜種 I.pyrene verna で,それ以外は,名義タイプ亜種 I.pyrene pyrene である。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録(参考)2014.6.7,台湾南投縣仁愛橋,1♂

・ヤエヤマシロチョウ    Appias olferna peducaea Fruhstorfer, 1910


写真数: 1枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  迷蝶,偶産蝶である。開長45〜55mm。非常に速く飛び回り,各種の花を訪れる。
 徐(2013)は,亜種名をpeducaea (タイプ産地はフィリピン)としているが,名義タイプ亜種に含まれる可能性が高く,検討が必要である。
 本種の学名を Appias libythea (Fabricius, 1775) (猪又,2013)とする場合もある(宇野彰,日本鱗翅学会誌YADORIGA aD243)。ここでは,宇野彰氏の論文に従い,種名をolferna とした。
【雌  雄】 ♀は,翅表の黒斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 不明
【生息地】 石垣島で記録された。
【分  布】 種としては,日本以外では,インドシナ半島(ラオスタイシンガポール),フィリピン,インドネシア台湾に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
(参考)2017.8.25,台湾台南市山上區,1♂
(参考)2018.11.2,台湾高雄市左営區,1♀

・タイワンシロチョウ    Appias lyncida eleonora (Boisduval, 1836)


写真数: 19枚 


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  開長50〜60mm。非常に速く飛ぶが,各種の花に集まる。
 日本産は,台湾産と同じ亜種である。
【雌  雄】 ♀は,翅表の黒斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ギョボク(フウチョウボク科)
【生  態】 年数回,周年,発生しているが,夏に個体数が多くなる。越冬態はない。
【生息地】 八重山諸島に分布している。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド南部,インドシナ半島(マレーシアラオスタイ),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,四川省,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 A.lyncida eleonora で,それ以外は,別亜種 A.lyncida vasava である。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
2015.12.12,沖縄県西表島,2♂♂1♀,安中弘行
2015.12.19,沖縄県西表島,1♂,松井慶夫
2023.12.13,沖縄県石垣島,1♂,荻野秀一

・カワカミシロチョウ    Appias albina semperi (Moore, [1905])


写真数: 8枚 


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 開長50〜55mm。非常に速く飛び,明るい場所に咲く花に飛来するが,ジャングルの暗い場所にも飛来し,葉上で翅を休める習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅表の黒斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ツゲモドキ(ツゲモドキ科)
【生  態】 年数回,周年,発生しているが,夏に個体数が多くなる。越冬態はない。
【生息地】 八重山諸島に分布し,沖縄本島,奄美大島,九州や関西の各地で記録が出ている。大阪市でも記録が出た。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド南部,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 A.albina confusa で,それ以外は,名義タイプ亜種 A.albina albina である。
【近似種】 ナミエシロチョウに似ているが,本種は,前翅の翅形がとがっていることや本種の♂は,翅表に黒点が現れないこと,♀は前翅外縁の黒帯部が翅頂から後角まで連続することで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
2015.9.21,沖縄県西表島,1♀,足立幸子
2017.7.4,沖縄県石垣市,2♂♂1♀,安中弘行

・ナミエシロチョウ    Appias paulina minato (Fruhstorfer, [1899])


写真数: 20枚 


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】 非常に速く飛び,センダングサなどに吸蜜に訪れても,次から次へと花を移動してしまう習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅表の黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ツゲモドキ(ツゲモドキ科)
【生  態】 年数回,周年,発生しているが,夏に個体数が多くなる。越冬態はない。
【生息地】 トカラ以南の南西諸島に生息している。台湾にも同じ亜種が生息している。沖縄県では,各所で見られた。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド南部,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南部,台湾に分布している。
 中国では,海南省に,別亜種 A.paulina darada が分布している。
【近似種】 カワカミシロチョウに似ているが,カワカミシロチョウは,本種よりも前翅頂は尖り,オスの翅表に黒斑はなく,後翅裏は本種が黄色に対し,カワカミシロチョウでは黄色みが弱く白っぽいが,黄色い個体もいるので注意が必要である。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
南西諸島



































記録
2013.4.15,沖縄県名護市名護岳,5♂♂2♀♀
2013.4.18,沖縄県西表島上原,2♂♂
2013.5.19,沖縄県石垣島,1♀,足立幸子
2022.10.9,沖縄県南城市,1♀,三河和夫
2023.4.18,沖縄県読谷村,2♀♀,高村葉子
2023.7.2,沖縄県石垣島,1♂1♀,高村葉子
2023.7.4,沖縄県石垣島,1♂,高村葉子
2023.9.25,沖縄県名護市,1♀,荻野秀一

・ベニシロチョウ     Appias nero domitia (C. Felder et R. Felder, 1862)


写真数: 1枚
(参考:マレーシア産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶,偶産蝶である。森林内を低く飛び,各種の花に集まり,湿地でも吸水する習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅表の黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 不明
【生息地】 八重山諸島で記録がある。
【分  布】  種としては,ブータン,ビルマ,インドシナ,中国,マレー半島,フィリピン,ボルネオ,セレベス,スマトラ,ジャワ,セラムに分布している。
 台湾でも記録がある。
 中国では,雲南省,広西區,広東省,海南省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
(参考)2018.12.31,マレーシア・ランカウイ島,1♂,足立幸子

・イワサキシロチョウ     Appias panda nathalia (C. Felder et R. Felder, 1862)


写真数: 1枚
 (参考:マレーシア産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶,偶産蝶である。非常に速く飛び,各種の花に集まる。
【雌  雄】 ♀は,翅表の黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 不明
【生息地】 八重山諸島で記録がある。
【分  布】 種としては,インドネシア,マレー半島,フィリピン,ボルネオ,セレベス,スマトラ,ジャワ,スラ諸島に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録

・クモガタシロチョウ     Appias indra aristoxemus Fruhstorfer, 1908


写真数: 1枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶,偶産蝶である。非常に速く飛び,各種の花に集まる。
【雌  雄】 ♀は,翅表の黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ツゲモドキ(ツゲモドキ科)
【生  態】 不明
【生息地】 与那国島で記録が出ている。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド南部,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,四川省,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 A.indra menandrus が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録(参考)2014.3.6,台湾墾丁国家公園,1♂(参考)2014.5.29,台湾墾丁社頂自然公園,1♀

・クロテンシロチョウ     Leptosia nina niobe (Wallace, 1866)


写真数: 8枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 樹林の周辺のやや日陰になった草原や林道沿いに生息し,地面の近くを跳ねるように飛ぶ習性がある。
【雌  雄】 生態写真では,顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 ギョボク(フウチョウボク科)
【生  態】 年数回,周年,発生している。越冬態はない。
【生息地】 石垣島,西表島,与那国島に生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(ラオスタイ),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,四川省,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾と同じ亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
2013.5.19,沖縄県石垣島,1ex.,足立幸子
2013.5.20,沖縄県石垣市,1ex.,安中弘行
2015.12.9,沖縄県石垣市,2exs.,安中弘行
2016.11.23,沖縄県石垣市,1ex.,安中弘行
2017.11.26,沖縄県石垣市,1ex.,安中弘行

・オオモンシロチョウ    Pieris brassicae brassicae (Linnaeus, 1758)


写真数: 15枚 


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 非常に速く飛び,各種の花を訪れる。1995年に北海道虻田郡京極町ペーペナイ林道で記録され,ロシアから渡ってきた外来種である。その後は,北海道の各地で生息するようになった。しかし,2007年ごろからは,減りはじめ,2016年では,激減している。激減の理由の1つとして,アオムシコマユバチによる寄生が挙げられる。渡ってきた当初は,終礼幼虫を飼育しても寄生はほとんどなかったが,現在では,9割以上が寄生されているそうである。現在は,札幌市周辺や道南地方に生息している。
【雌  雄】 ♀は,黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 キャベツ・ダイコン・ブロッコリー(アブラナ科)
【生  態】 年数回,発生し,3月〜10月に見ることができる。蛹で越冬する。
【生息地】 北海道と青森県で発生し,対馬でも記録された。青森県では2006年に記録されているが駆除対策を行い,現在は姿を消した。北海道でも激減している。 
【分  布】  種としては,日本以外では,ロシア南部,モンゴル,中国,朝鮮半島北部,サハリンに分布している。
 中国では,新疆ウィグル自治區,黒竜江省,吉林省,遼寧省に分布している。
【近似種】 モンシロチョウに似るが,より大型で,前翅頂が尖り,前翅の外縁部が直線的になるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
1997.8.26,北海道小樽市,4♂♂2♀♀
1999.7.23,北海道小樽市,3♂♂1♀♀
2002.8.13,北海道札幌市,1♂,川瀬弘幸
2007.8.19,北海道札幌市,1♀,安中弘行
2010.5.23,北海道札幌市,1♂,岡本雅昭
2012.7.28,北海道札幌市,1♂,岡本雅昭
2012.8.19,北海道砂川市,1♀,岡本雅昭
2019.7.24,北海道音更町,1♂,大橋豊嗣
2022.7.6,北海道旭川市,1♂,安中弘行

・モンシロチョウ    Pieris rapae crucivora Boisduval, 1836


写真数: 116枚 


出現頻度
★★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】  市街地から山地まで広く分布し,小学校3年生の教科書に教材として扱われている。各種の花を訪れる。
 春型と夏型があり,春型は,やや小型で,翅表の黒斑は発達せず,前翅頂の黒斑の色は薄い。♂では,中室の外側の黒点が無紋になる個体もある。

♂ 春型

♀ 春型

♂ 夏型

♀ 夏型
【雌  雄】 ♀は,黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 キャベツ・ハクサイ・アブラナ・ダイコン・ブロッコリー,ショカッサイ・イヌガラシ・タネツケバナ(アブラナ科),オオアラセイトウ・セイヨウフウチョウソウ(フウチョウソウ科),ノウゼンハレン(ノウゼンハレン科)
【生  態】  年数回,発生し,2月下旬〜12月下旬に見られる。
 暖地では,7月中旬から9月の盛夏は,暑さのために数が少なくなる傾向がある。蛹で越冬する。
【生息地】 北海道から南西諸島まで広く分布し,台湾には同じ亜種が生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国,朝鮮半島,台湾に分布している。最近は,ハワイ,オーストラリア北部,ニュージーランドにも分布を広げている。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,河北省,山東省,河南省,江蘇省,安徽省,湖北省,浙江省,江西省,湖南省,福建省,広東省,海南省,広西區,雲南省,四川省,西蔵區,新疆ウィグル自治区に分布している。新疆ウィグル自治区に分布しているものは,別亜種 P.rapae eumorpha で,雲南省に分布しているものは,別亜種 P.rapae yunnanensis で,それ以外は,別亜種 P.rapae orientalis である。
【近似種】 オオモンシロチョウに似るが,より小型で,前翅頂はあまり尖らず,前翅の外縁部は,やや円弧状になるので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1976.3.5,愛知県岡崎市下青野町,1♂
1976.3.16,愛知県岡崎市下青野町,4♂♂
1977.2.26,愛知県岡崎市下青野町,1♂
1979.4.5,愛知県岡崎市池金町,3♂♂
1979.9.5,愛知県岡崎市山綱町,1♂
1980.3.29,愛知県岡崎市池金町,1♂
1980.4.19,愛知県岡崎市中園町,5♂♂,村田文彦
1980.4.22,愛知県岡崎市中園町,3♂♂2♀♀,村田文彦
1980.4.23,愛知県岡崎市中園町,1♂,村田文彦
1980.4.25,愛知県岡崎市中園町,1♀,村田文彦
1980.5.28,愛知県岡崎市矢作町,1♀,村田文彦
1980.6.11,愛知県岡崎市中園町,2♂♂,村田文彦
1981.6.6,愛知県岡崎市井田町,1♂
1981.4.29,愛知県岡崎市丹坂町,2♂♂
1981.6.28,愛知県岡崎市大幡町,2♂♂2♀♀
1982.5.22,愛知県岡崎市真福寺町,2♂♂
1982.9.15,愛知県岡崎市奥山田町,1♀
1992.6.25,愛知県岡崎市本宿町,1♀,松井直人
1996.6.13,愛知県岡崎市本宿町,1♀,松井直人
1997.5.15,愛知県岡崎市中町,3♂♂2♀♀
1997.7.5,愛知県岡崎市本宿町,1♀,松井直人
1997.7.6,愛知県岡崎市岡崎公園,2♂♂1♀
1997.10.19,愛知県岡崎市岡崎公園,1♂
1997.10.22,愛知県岡崎市本宿町,2♂♂1♀,松井直人
1997.11.4,愛知県岡崎市岡崎公園,1♂
1998.5.18,愛知県岡崎市中町,4♂♂2♀♀
1998.10.3,愛知県岡崎市岡崎公園,5♂♂1♀
1998.10.18,愛知県岡崎市岡崎公園,2♂♂3♀♀
1998.10.25,愛知県岡崎市岡崎公園,3♂♂1♀
1999.5.28,愛知県岡崎市稲熊町,2♂♂1♀
1999.6.2,愛知県岡崎市中町,2♂♂
1999.12.4,愛知県岡崎市梅園町,2♂♂
2000.4.5,愛知県岡崎市井田町,1♂
2000.8.16,愛知県岡崎市井田町,1♀
2000.12.1,愛知県岡崎市井田町,1♀
2003.9.26,愛知県岡崎市戸崎町,1♂
2005.10.13,愛知県岡崎市戸崎町,1♂
2009.4.16,愛知県岡崎市池金町,1♂
2010.9.1,愛知県岡崎市池金町,1♂
2011.4.25,愛知県岡崎市池金町,1♀
2011.11.18,愛知県岡崎市六名3丁目,1♂
2012.4.28,愛知県豊田市畝部東町,2♀♀,吉田 健
2012.5.1,愛知県岡崎市堂前町,1♂,吉田 健
2012.5.5,愛知県岡崎市池金町,1♂
2012.7.10,愛知県岡崎市堂前町,1♀,吉田 健
2013.4.15,沖縄県名護市名護岳,3♂♂2♀♀
2013.7.16,北海道層雲峡,3♂♂1♀♀
2013.7.17,北海道層雲峡,4♂♂1♀
2016.9.25,愛知県岡崎市日名南町,1♀
2017.4.13,愛知県岡崎市池金町,1♂
2017.7.8,名古屋市猪高緑地,8♂♂2♀♀
2017.10.8,愛知県岡崎市小呂湿地町,1♀
2018.5.14,静岡県浜松市天竜川河川敷,1♂
2018.5.29,愛知県蒲郡市平田町,1♂
2018.7.13,北海道三笠市,2♂♂1♀,安中弘行
2018.10.16,愛知県春日井市落合公園,1♂,荒川尚彦
2018.10.18,愛知県豊橋市西小鷹野,多数exs.
2018.10.22,愛知県南知多町,3♂♂1♀
2019.3.29,愛知県名古屋市名城公園,1♂
2019.4.8,愛知県名古屋市新川,4♂♂1♀
2019.4.13,愛知県岡崎市日名本町,3♂♂1♀
2019.4.17,愛知県岡崎市日名本町,3♂♂1♀
2019.4.18,愛知県岡崎市日名本町,5♂♂1♀
2019.5.17,愛知県岡崎市自然体験の森,1♂2♀♀
2019.6.6,愛知県岡崎市池金町,1♀
2019.6.12,愛知県岡崎市八ツ木町,2♂♂1♀
2019.11.4,愛知県岡崎市日名本町,1♀
2020.3.14,高知県高知市,1♂,高月陽生
2020.3.17,愛知県田原市蔵王山,1♂1♀
2020.3.22,愛知県岡崎市日名本町,3♂♂
2020.4.7,愛知県岡崎市日名本町,3♂♂1♀
2020.4.24,愛知県岡崎市日名本町,2♂♂1♀
2020.5.28,愛知県名古屋市名城公園,1♂2♀♀
2020.5.29,愛知県豊田市香嵐渓,2♂♂3♀♀
2021.3.9,愛知県岡崎市日名南町,1♀
2021.3.14,高知県香南市,1♂1♀,高月陽生
2021.3.20,愛知県岡崎市日名本町,1♂4♀♀
2021.3.24,愛知県岡崎市八ツ木町,4♀♀
2021.3.30,三重県志摩市,1♂
2021.5.28,愛知県新城市作手,3♂♂2♀♀
2021.5.30,高知県香南市,1♂,高月陽生
2021.6.17,愛知県春日井市,2♂♂,荒川尚彦
2021.6.17,愛知県新城市作手,1♂
2021.9.16,東京都小平市,1♀,小林清二
2021.10.21,東京都小平市,1♂,小林清二
2021.11.6,高知県香南市,1♂,高月陽生
2021.11.12,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2021.11.25,東京都小平市,1♀,小林清二
2021.12.9,愛知県西尾市マリーナ東海,1♂
2021.12.9,愛知県西尾市吉良町,1♂
2021.12.21,愛知県西尾市吉良町,1♂
2022.3.9,東京都小金井市,1♂,小林清二
2022.3.11,東京都小金井市,1♂,小林清二
2022.3.19,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.3.20,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.3.25,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.3.30,愛知県名古屋市名城公園,1♂2♀♀
2022.4.6,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀
2022.4.17,東京都小平市,1♂,小林清二
2022.4.19,愛知県豊田市足助町,4♂♂
2022.4.23,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.5.18,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.6.19,愛知県新城市作手,1♀,高村葉子
2022.7.3,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.9.6,長野県東部,1♀
2022.10.18,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.10.26,東京都西東京市,1♂,小林清二 
2023.3.9,愛知県西尾市尾花町,1♀,高村葉子
2023.3.9,愛知県西尾市一色,1♂,高村葉子
2023.3.9,東京都小金井市,1♀,小林清二
2023.3.15,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2023.3.24,愛知県春日井市,1♂1♀,荒川尚彦
2023.3.30,千葉県南房総市,1♀,山本和彦
2023.4.18,沖縄県北谷村,1♂,高村葉子
2023.4.19,沖縄県宮古島,1♀,高村葉子
2023.4.20,長野県東部,1♂1♀
2023.4.21,沖縄県宮古島,1♀,高村葉子
2023.4.22,岩手県盛岡市,1♀,山本和彦
2023.4.23,愛知県岡崎市日名南町,1♀
2023.5.6,東京都小平市,1♀,小林清二
2023.5.12,千葉県南房総市,1♂,山本和彦
2023.5.12,東京都東村山市,1♀,小林清二
2023.5.15,愛知県春日井市,1♀,荒川尚彦
2023.5.18,愛知県安城市川島町,1♂,高村葉子
2023.8.13,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.8.27,高知県香美市,1♂,高月陽生
2023.9.3,岐阜県高山市,1♀
2023.9.6,青森県東北町,1♂,三河和夫
2023.9.9,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.10.21,東京都西東京市,1♀,小林清二
2023.10.22,愛知県岡崎市岩津町,1♀
2023.10.24,青森県南部町,1♂1♀,三河和夫
2023.12.24,高知県香美市,1♀,高月陽生
2024.3.16,愛知県岡崎市岩津町,1♀,松野光恭
2024.3.27,東京都小金井市,1♂,小林清二

・タイワンモンシロチョウ  対馬・朝鮮半島亜種     Pieris canidia ckaolicola Bryk, 1946


写真数: 1枚


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 対馬では,山間地の渓流沿いの空地に見られたが,最近は記録がない。各種の花に集まる。
 日本産には,次の2亜種がある。
   対馬・朝鮮半島亜種 P.canidia kaolicola Bryk, 1946
   名義タイプ亜種, 八重山亜種 P.canidia canidia (Sparrman, 1768)
 対馬産の本種は,法律で採集禁止にされている。
【雌  雄】 ♀は,黒斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ハナナズナ・タネツケバナ・イヌガラシ・ミチバタガラシ(アブラナ科)
【生  態】 この亜種は,年5〜6回,発生し,3月下旬〜11月まで見られるが少なく,鹿による食害で絶滅した可能性もある。蛹で越冬する。
【生息地】  対馬で見られた。
 環境省のレッドデータでは,対馬産は,絶滅危惧IA類(CR)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,イラン東部,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島中国の南西部・南部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾産と八重山諸島産は同じ亜種である。
 中国では,吉林省,遼寧省,河北省,陳西省,甘粛省,山東省,河南省,江蘇省,安徽省,湖北省,浙江省,江西省,湖南省,福建省,広東省,海南省,広西區,雲南省,四川省,西蔵區に分布している。陳西省,甘粛省に分布しているものは,別亜種 P.canidia mars で,海南省に分布しているものは,別亜種 P.canidia sordida で,それ以外は,名義タイプ亜種である。
【近似種】 モンシロチョウに似ているが,本種は,翅頂部以外の外縁に黒斑が出るので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
対  馬



































記録

・タイワンモンシロチョウ  名義タイプ亜種, 八重山亜種     Pieris canidia canidia (Sparrman, 1768)


写真数: 5枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  各種の花によく集まる。
【雌  雄】 ♀は,黒斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ハナナズナ・タネツケバナ・イヌガラシ・ミチバタガラシ(アブラナ科)
【生  態】 この亜種は,周年,記録が出ているが少なく,台湾からの迷蝶・偶産蝶で,越冬態はない。
【生息地】 八重山諸島で見られた。
【分  布】  種としては,日本以外では,イラン東部,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島中国の南西部・南部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾産と八重山諸島産は同じ亜種である。
 中国では,吉林省,遼寧省,河北省,陳西省,甘粛省,山東省,河南省,江蘇省,安徽省,湖北省,浙江省,江西省,湖南省,福建省,広東省,海南省,広西區,雲南省,四川省,西蔵區に分布している。陳西省,甘粛省に分布しているものは,別亜種 P.canidia mars で,海南省に分布しているものは,別亜種 P.canidia sordida で,それ以外は,名義タイプ亜種である。
【近似種】 モンシロチョウに似ているが,本種は,翅頂部以外の外縁に黒斑が出るので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
2017.4.18,沖縄県石垣島,1♂2♀♀,安中弘行
2017.7.4,沖縄県石垣島,1♂,安中弘行

・スジグロシロチョウ    Pieris melete Menetries, 1857


No.1  No.1  記録時期  2001.9.11 〜 2021.12.2
写真数: 105枚
出現頻度
★★★★


No.2  記録時期  2022.4.3 〜
写真数: 99枚
 
 
分布域 と 記録地点
【特  徴】  モンシロチョウよりは,やや大型で,丘陵地や山地に多く見られ,各種の花に飛来する。
 春型と夏型があり,夏型は黒斑がよく発達する。

♂ 春型

♂ 夏型

♀ 春型

♀ 夏型
【雌  雄】 ♀は,黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ヒロハコンロウソウ・タネツケバナ・ヤマハタザオ・イヌガラシ・アブラナ・ワサビ・ショカッサイ(アブラナ科)
【生  態】  暖地では,年4回,発生し,3月上旬〜10月に見られる。
 2021年12月2日,東京都小金井市で新鮮な夏型の1♂が小平市の小林清二氏によって記録された。


2021.12.2  東京都 小金井市
撮影: 小林 清二 氏
 通常は11月になると越冬蛹となるのであるが,11月下旬の温暖な気温によって12月に羽化したものと思われる。
 通常,越冬蛹は3月に羽化し春型となるが,このことによって,遺伝的な要因によって季節型ができるのではなく,蛹化後の外気温などの外的な要因によって季節型が形成されるのではないかという推定ができる貴重な事例となった。
 寒冷地では,年2回,発生し,4月下旬〜9月上旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  北海道から九州の屋久島まで広く分布している。
 愛知県では,平野部にはほとんど見られないが,丘陵地や山地には広く分布している。
 中部山岳地帯には,ヤマトスジグロシロチョウが広く分布し,本種の方が低地性が強い。
【分  布】  種としては,日本以外では,東シベリア,中国,朝鮮半島,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,江西省,福建省,湖北省,広西區に分布している。
【近似種】 エゾスジグロシロチョウ,ヤマトスジグロシロチョウに酷似しているが,前翅中室外側の黒斑が臼を横から見たような形になるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1979.4.15,愛知県岡崎市池金町,4♂♂
1979.4.23,愛知県岡崎市小美町,1♂
1979.4.23,愛知県岡崎市大井野町,1♀
1980.4.26,愛知県岡崎市中園町,1♂,村田文彦
1980.5.3,愛知県岡崎市東蔵前町,3♂♂,村田文彦
1981.4.19,愛知県岡崎市上衣文町,1♂
1981.4.29,愛知県岡崎市奥殿町,2♂♂2♀♀
1981.4.29,愛知県岡崎市丹坂町,2♂♂
1981.6.21,愛知県岡崎市大幡町,1♀
1981.6.28,愛知県岡崎市大幡町,2♀♀
1981.8.11,愛知県岡崎市本宿町,1♀,松井直人
1989.4.18,愛知県岡崎市山綱町,1♂,松井直人
1990.3.27,愛知県岡崎市大幡町,1♂,松井直人
1997.10.10,愛知県岡崎市岡崎公園,1♀
2000.4.19,愛知県岡崎市中町,1♀,大矢佑基
2000.4.29,愛知県岡崎市中町,1♂,大矢佑基
2001.9.11,愛知県岡崎市大幡町,1♀
2002.7.1,静岡県富士市,1♀
2002.8.19,広島県帝釈峡,1♀
2003.8.25,愛知県岡崎市桑谷町,1ex.,柵木宗孝
2003.9.16,愛知県岡崎市高隆町,1ex.,柵木宗孝
2004.4.29,愛知県豊田市旭町,1♀
2005.5.3,愛知県額田町河原,1♀
2006.6.14,愛知県岡崎市秦梨町,1♀
2008.4.25,愛知県岡崎市秦梨町,1♀
2009.6.18,愛知県岡崎市秦梨町,1♀
2011.4.25,愛知県岡崎市池金町,1♂
2013.7.20,北海道層雲峡,1♂3♀♀
2016.9.26,長野県根羽村小川,1♂
2018.6.1,愛知県岡崎市石原町,1♀
2018.6.4,愛知県豊田市香嵐渓,2♂♂3♀♀
2018.6.7,愛知県豊田市香嵐渓,1♂4♀♀
2018.6.7,愛知県豊田市猿投山,2♂♂1♀
2018.6.13,愛知県豊田市深見町,1♂
2018.6.17,愛知県新城市作手,1♂3♀♀
2018.7.18,愛知県豊田市面ノ木峠,1♂
2018.8.28,愛知県北設楽郡設楽町,2♂♂1♀
2019.5.16,長野県飯田市下栗,5♂♂2♀♀
2019.6.12,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀
2019.6.25,長野県阿智村,1♀
2019.7.2,長野県阿智村,2♂♂1♀
2019.7.29,長野県下伊那郡阿智村,1♂2♀♀
2019.8.6,長野県下伊那郡阿智村,1♂
2020.3.15,高知県香南市,1♂,高月陽生
2020.3.28,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.4.16,愛知県新城市大野,1♂
2020.6.29,長野県阿智村,1♂
2020.7.2,長野県松本市,2♀♀
2020.7.28,長野県高ボッチ高原,1♂1♀
2020.8.5,岐阜県本巣市根尾,1♂
2020.8.13,愛知県豊根村,2♂♂2♀♀
2020.8.16,長野県飯田市,1♀
2020.10.14,高知県香美市,1♂1♀,高月陽生
2021.3.14,高知県香南市,1♂2♀♀,高月陽生
2021.3.19,高知県香南市,1♂,高月陽生
2021.4.21,愛知県新城市,3♂♂1♀
2021.4.22、長野県平谷村、3♂♂1♀
2021.6.11,愛知県豊田市大野瀬町,1♀
2021.6.17,愛知県新城市作手,1♂
2021.6.20,愛知県豊田市,1♂
2021.6.26,長野県松本市,1♂1♀
2021.8.5,青森県三戸郡,3♂♂1♀,三河和夫
2021.10.7,東京都小金井市,1♀,小林清二
2021.12.2,東京都小金井市,1♂,小林清二
※ 自然状態の発生としては,最も遅い記録
2022.4.3,高知県香南市,1♂,高月陽生
2022.4.11,千葉県船橋市,1♀,山本和彦
2022.4.11,東京都小平市,1♂1♀,小林清二
2022.4.13,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.4.19,愛知県豊田市平瀬,3♂♂
2022.4.21,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.4.23,千葉県南房総市,1♂,山本和彦
2022.4.25,愛知県豊田市,3♂♂2♀♀
2022.5.3,東京都小金井市,1♂1♀,小林清二
2022.5.2,岐阜県本巣市,2♂♂3♀♀
2022.5.10,愛知県豊田市,3♂♂1♀
2022.6.2,愛知県岡崎市石原町,1♀,高村葉子
2022.6.4,愛知県豊田市,1♂
2022.6.5,千葉県船橋市,1♀,山本和彦
2022.6.8,千葉県南房総市,1♂1♀,山本和彦
2022.6.16,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.6.17,千葉県南房総市,1♂,山本和彦
2022.6.8,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.6.10,愛知県豊田市足助町,2♀♀
2022.6.13,山梨県北杜市,1♀
2022.6.18,岡山県新見市,1♀,高月陽生
2022.7.2,長野県松本市,1♂1♀
2022.7.12,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.9.5,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.9.21,愛知県豊田市怒田沢町,1♀
2022.10.2,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.10.13,愛知県岡崎市矢作町,1♀,高村葉子
2022.10.16,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.3.4,高知県香南市,1♂,高月陽生
2023.3.31,東京都小金井市,1♂,小林清二
2023.4.6,東京都小金井市,1♂,小林清二
2023.4.10,千葉県南房総市,1♂,山本和彦
2023.4.14,東京都小金井市,1♂,小林清二
2023.4.18,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2023.4.20,岩手県盛岡市,1♂,山本和彦
2023.4.21,岩手県盛岡市,1♀,山本和彦
2023.4.21,愛知県豊田市,1♀
2023.4.24,岩手県盛岡市,3♀♀,山本和彦
2023.5.1,長野県松本市,1♂
2023.5.1,長野県白馬村,2♂♂1♀
2023.5.4,愛知県豊田市,2♂♂1♀
2023.5.5,岩手県久慈市,1♂1♀,三河和夫
2023.5.16,高知県香美市,1♀,高月陽生
2023.5.21,岩手県久慈市,多数♂♂,三河和夫
2023.5.24,東京都小金井市,1♀,小林清二
2023.5.27,千葉県南房総市,1♀,山本和彦
2023.6.4,東京都東村山市,1♀,小林清二
2023.6.11,岩手県久慈市,1♀,三河和夫
2023.6.15,長野県松本市,1♀
2023.6.17,東京都東村山市,1♂,小林清二
2023.7.25,長野県阿智村,2♂♂1♀
2023.7.27,岩手県九戸郡,1♀,三河和夫
2023.9.1,長野県阿智村1♂2♀♀
2023.9.11,東京都小金井市,1♀,小林清二

・エゾスジグロシロチョウ    Pieris dulcinea tomariana Matsumura, 1928     日本特産種


写真数: 21枚 


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】  かつては,エゾスジグロシロチョウは,北海道から九州まで分布するとされ,北海道のものは,北海道亜種となっていた。しかし,最近の研究により,北海道亜種は種に昇格し,エゾスジグロシロチョウとなった。そして,それ以外の2亜種は,別種となり,ヤマトスジグロシロチョウと命名された。
 平地から山地まで広く分布しており,各種の花に飛来する。各所で数多く生息していた。天候が曇天で気温が低い日であっても,本種だけは,飛び回る姿を見ることができた。
【雌  雄】 ♀は,黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 コンロウソウ・ミヤマハタザオ・ハマハタザオ・キレハイヌガラシ(アブラナ科)
【生  態】 年数回,発生し,4月〜8月に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】 北海道にのみ生息している。
【分  布】 日本の北海道の特産種である。
【近似種】 (スジグロシロチョウの欄を参照)
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
1997.6.30,北海道阿寒湖,3♂♂
1997.7.2,北海道阿寒湖,2♂♂
1998.7.23,北海道阿寒湖,1♂
1998.7.24,北海道帯広市,多数♂♂
2013.7.16,北海道層雲峡,多数♂♂
2013.7.19,北海道層雲峡,多数♂♂
2013.7.24 北海道陸別町,多数♂♂
2013.7.27,北海道丸瀬布町,多数♂♂,安中弘行
2019.7.24,北海道音更町,1♂1♀,大橋豊嗣
2019.7.25,北海道層雲峡,1♂1♀,大橋豊嗣
2022.6.6,北海道標茶町,3♂♂,大橋豊嗣


・ヤマトスジグロシロチョウ  名義タイプ亜種, 本州北部・北海道亜種    Pieris nesis nesis Fruhstorfer, 1909

春型 ♂
写真数: 17枚 

夏型 ♀
出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  平地よりも山間部の林の周りや田畑と雑木林の境界などに生息し,各種の花に飛来する。
 日本では,次の2亜種がある。
   名義タイプ亜種, 本州北部・北海道亜種 P.nesis nesis Fruhstorfer, 1909
   本州中・南部亜種 P.nesis japonica Shirozu, 1952
【雌  雄】 ♀は,黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ヤマハタザオ・イワハタザオ・ミヤマハタザオ・フジハタザオ・スズシロソウ(アブラナ科)
【生  態】 この亜種は,年2回,発生し,4月上旬〜9月中旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】 この亜種は,北海道西部と東北地方の北部に生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,ヨーロッパ,北アフリカ,中央アジア,ヒマラヤ山脈,中国,ロシア,朝鮮半島,サハリンに分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,江西省,福建省,湖北省,雲南省,四川省,広西區などほぼ全土に分布している。
【近似種】 スジグロシロチョウと酷似しているが,本種は,前翅中室外側の黒斑が円形にちかい形になるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2014.5.25,北海道札幌市,1♂,足立幸子
2019.7.27,北海道千歳市,1♂,大橋豊嗣
2021.8.5,青森県三戸郡,多数,三河和夫
2022.4.24,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2023.4.6,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2023.4.22,岩手県盛岡市,2♂♂,山本和彦
2023.4.24,岩手県盛岡市,2♂♂1♀,山本和彦



・ヤマトスジグロシロチョウ  本州中・南部亜種    Pieris nesis japonica Shirozu, 1952

夏型 ♂
写真数: 98枚 

夏型 ♀
出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 平地よりも山間部の林の周りや田畑と雑木林の境界などに生息し,各種の花に飛来する。
【雌  雄】 ♀は,黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ヤマハタザオ・イワハタザオ・ミヤマハタザオ・フジハタザオ・スズシロソウ(アブラナ科)
【生  態】  暖地では,年4回,発生し,3月下旬〜10月に見られる。
 寒冷地では,年2〜3回,発生し,4月下旬〜9月中旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  この亜種は,本州(紀伊半島は中部以北),四国,九州中部以北に生息している。
 愛知県では,東北部の山地に分布している。
 長野県など中部山岳地帯では,各地に普通である。
【分  布】  種としては,日本以外では,ヨーロッパ,北アフリカ,中央アジア,ヒマラヤ山脈,中国,ロシア,朝鮮半島,サハリンに分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,江西省,福建省,湖北省,雲南省,四川省,広西區などほぼ全土に分布している。
【近似種】 スジグロシロチョウと酷似しているが,本種の春型は翅形が丸みを帯び,夏型は黒斑があまり発達せず,特に♂は,前翅中室外側の黒斑が支脈の黒条に達せず,円形に近い形になるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1970.4.20,愛知県岡崎市山中町,1♂,高橋昭
1979.3.31,愛知県岡崎市池金町,1♂
1982.4.5,愛知県岡崎市上衣文町,1♂,松井直人
1998.4.11,愛知県岡崎市本宿町,1♂,松井直人
2002.8.26,長野県上高地,1♂
2018.5.24,長野県美ヶ原,1♀
2018.7.22,長野県松本市上高地,2♂♂1♀
2018.8.6,長野県開田高原西野,3♂♂
2018.8.17,長野県下伊那郡売木村,1♂
2018.8.29,長野県飯田市上村,3♂♂2018.8.30,長野県茅野市北山,2♂♂1♀2019.5.16,長野県飯田市下栗,3♂♂
2019.5.19,静岡県浜松市水窪町,1♂2019.8.25,長野県飯田市しらびそ高原,1♂1♀2019.8.26,長野県飯田市しらびそ高原,3♂♂
2019.9.15,長野県蓼科高原,3♂♂2019.9.15,長野県高ボッチ高原,2♂♂2020.7.22,長野県阿智村,1♀
2020.7.29,長野県松本市,1♂2020.8.16,長野県飯田市,2♂♂2♀♀2020.8.19,長野県上高地,3♂♂
2021.6.25,長野県松本市アルプス公園,1♂2021.6.26,長野県松本市上高地,1♂1♀2021.6.26,長野県松本市沢渡,1♂
2021.7.21,岐阜県高山市,1♂2021.7.23,長野県上高地,2♂♂2021.7.23,長野県松本市沢渡,3♂♂
2022.5.15,長野県飯田市しらびそ高原,1♂2022.5.19,長野県飯田市しらびそ高原,3♂♂2022.6.23,長野県飯田市,3♂♂
2022.7.25,長野県上高地,1♂1♀2022.8.8,長野県諏訪市,1♂2022.9.6,長野県東部,1♂
2023.4.20,長野県開田高原,3♀♀2023.4.20,長野県原村,2♀♀2023.4.20,長野県木曾町,1♂2♀♀
2023.4.28,山梨県山中湖村,2♂♂2023.5.9,長野県原村,1♂1♀2023.5.21,長野県飯田市。3♂♂1♀
2023.9.1,長野県阿智村,1♀


・カルミモンシロチョウ     Talbotia nagana karumii (Ikeda, 1937)


写真数: 2枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶,偶産蝶である。大型のモンシロチョウの仲間で,かなり速く飛ぶ。
【雌  雄】 ♀は,黒斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 不明
【生息地】 西表島,与那国島で記録がある。
【分  布】  種としては,日本以外では,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部,台湾に分布ている。
 中国では,湖北省,湖南省,雲南省,広西省,江西省,浙江省,広東省,福建省に,名義タイプ亜種 T.nagana nagana 分布している。
【近似種】 タイワンモンシロチョウに似ているが,本種は,大型で丸みを帯び,前翅の黒斑が外縁側にずれること,前翅中室の外側の黒斑が,三日月型になるので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録(参考)2015.7.14,台湾新北市汐平路仁愛橋,1♂(参考)2016.4.25,台湾新北市汐平路仁愛橋,1♂

・チョウセンシロチョウ     Pontia edusa davendra emming, 1934


写真数: 2枚
(参考:ロシア産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 韓国やロシアからの移入種である。
【雌  雄】 ♀は,黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】  (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 不明
【生息地】 北海道,岡山県,島根県,山口県,福岡県,佐賀県,鹿児島県で記録がある。
【分  布】  種としては,日本以外では,ヨーロッパ,アフリカ北部,インド,モロッコ,ロシア,中国,モンゴル,朝鮮半島,サハリンに分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,江西省,福建省,湖北省,新疆ウィグル自治區,西蔵區,雲南省,四川省,広西區に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
日 本



































記録
(参考) 2019.7.13,クロアチア・ドゥブロブニク,1♂,足立幸子

・エゾシロチョウ    Aporia crataegi adherbal Fruhstorfer, 1910


写真数: 20枚 


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】 大型のシロチョウで,北海道の特産種である。
【雌  雄】 ♀は,翅表の基部から中室付近が半透明になるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 シウリザクラ・エゾサンザシ・ボケ・アンズ・リンゴ(バラ科)
【生  態】 年2回,発生し,4月〜8月に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 北海道のみに見られる。阿寒湖周辺には,比較的数多く見られた。
【分  布】  種としては,日本以外では,アフリカ北部,ヨーロッパ,ロシア,中国,モンゴル,朝鮮半島北部,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,江西省,福建省,湖北省,新疆ウィグル自治區,西蔵區,雲南省,四川省,広西區に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
1997.7.24,北海道阿寒湖,3♂♂
1998.7.25,北海道阿寒湖,2♂♂
1999.7.23,北海道オンネトー,1♂
2011.7.7,北海道日高町,多数♂♂,安中弘行
2013.7.16,北海道層雲峡,4♂♂2♀♀
2013.7.17,北海道層雲峡,3♂♂1♀
2013.7.20,北海道層雲峡,4♂♂2♀♀
2015.7.5,北海道層雲峡,1♂,足立幸子
2022.7.5,北海道旭川市,2♂♂1♀,安中弘行
2022.7.7,北海道富良野市,2♂♂,安中弘行
2022.7.10,北海道上士幌町,2♂♂,安中弘行

・ミヤマシロチョウ     Aporia hippia japonica Matsumura, 1919

♂  ♀
写真数: 37枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 渓流沿いの草原,森林の周辺に生息し,ゆっくり飛ぶ習性がある。各種の花を訪れ,♂は,地面で吸水することもある。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
群馬県全域(県),長野県全域(県),重複指定:小諸市(市)長野県茅野市(市)長野県諏訪郡原村(村)長野県立科町 長野県芦田(町)長野県立科町八ヶ野(町),
山梨県全域(県),山梨県韮崎市(県),山梨県南巨摩郡(県),山梨県中巨摩郡(県),山梨県北巨摩郡(県)
【雌  雄】 ♀は,翅表の基部から中室付近が半透明になるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ヒロハヘビノボラズ・メギ(メギ科)
【生  態】 年1回,6月下旬〜8月上旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  本州中部の山岳地帯に生息し,標高1500m付近に数多く見られる。
 群馬県,長野県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,モンゴル,チベット,中国,アムール,朝鮮半島北部に分布している。
 中国では,黒竜江省,青海省,甘粛省,陳西省,山西省,河南省,雲南省,西蔵區に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録2015.7.20,長野県湯の丸高原,1♂,足立幸子
2012.7.25,長野県湯の丸高原,1♀,松井慶夫
2017.7.18,長野県嬬恋村,3♂♂2♀♀,安中弘行
2019.7.26,長野県東御市,2♂♂2♀♀,関戸裕靖
2021.7.22,長野県湯の丸山,3♂♂5♀♀

・マダラシロチョウ     Prioneris thestylis formosana Fruhstorfer, 1903


写真数: 1枚
(参考:台湾産)

出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶,偶産蝶である。開長65〜80mm。大型のシロチョウで非常に速く飛ぶが,よく花に訪れる。
【雌  雄】 ♀は,黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 2010年7月28日に記録された。2019年にも記録された。
【生息地】 与那国島
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,雲南省,広西區,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 P.thestylis thestylis が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録(参考)2014.6.9,台湾南投縣松崗,1♀

    

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