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【特 徴】 |
外来種で,分布を拡大している。ヤマトシジミよりも,さらに地上すれすれを低く飛ぶ習性がある。名古屋市の新川堤防附近では,ツルマンネングサを食草とし,名城公園では,メキシコマンネングサ(セダム)を食草としている。
愛知県の西部では,各所で発生している。三河部では,2024年6月に豊田市で発生しはじめ,2024年10月には岡崎市細川町でも記録され,同年12月2日まで記録された。 |
【雌 雄】 | ♂は,前脚の附節が短くなり,♀は,後翅表面の亜外縁の白斑が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。 |
【食 草】 |
ツルマンネングサ・メキシコマンネングサ・マルバマンネングサ・(キリンソウ)(ベンケイソウ科)。飼育下では,ツメレンゲに産卵させ,成虫にまで育てることができた。
岡崎市細川町では,キリンソウを食草として発生していることが分かった。しかし,キリンソウは,冬季に地上部が枯死するため,越冬できず,2025年春は発生しなかった。
2025年7月20日,松野光恭氏によって奥殿町で再発見された。細川町の発生地から約2kmしか離れていないので,昨年の細川町で発生した個体群の一部が奥殿町に飛来し,越冬し,発生したものと思われる。しかし,記録地を8回,調査したが,発生地と食草は見つけることができなかった。第3化の発生と思われるので,第4化の発生時に調査をしたい。 |
【発生期】 | 年5〜6回,発生し,3月下旬〜12月上旬に見られる。幼虫で越冬する。 |
【近似種】 | クロツバメシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の亜外縁にある赤斑が発達し,前翅裏面中室の基部に黒斑があるので区別することができる。 |
記録 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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記録年 | 月日,場所,個体数,記録者 |
2024 | 20-],岡崎市細川町,1♂,杉坂美典 | 21-],岡崎市細川町,2♂♂,杉坂美典 | 24-],岡崎市細川町,2♂♂,杉坂美典 |
25-],岡崎市細川町,3♂♂,杉坂美典 | 26-],岡崎市細川町,1♂,杉浦 昌 | 28-],岡崎市細川町,2♂♂1♀,杉坂美典 |
30-],岡崎市細川町,2♂♂,杉坂美典 | 3-XI,岡崎市細川町,4♂♂2♀♀,杉坂美典 | 9-XI,岡崎市細川町,1♂,足立幸子 |
9-XI,岡崎市細川町,2♂♂1♀,杉坂美典 | 11-XI,岡崎市細川町,1♀,杉坂美典 | 13-XI,岡崎市細川町,4♂♂3♀♀,杉坂美典 |
15-XI,岡崎市細川町,1♂,松野光恭 | 17-XI,岡崎市細川町,1♂1♀,杉坂美典 | 17-XI,岡崎市細川町,1♀,松野光恭 |
21-XI,岡崎市細川町,2♀♀,高村葉子 | 24-XI,岡崎市細川町,1♀,杉坂美典 | 2-XII,岡崎市細川町,1♀,杉坂美典 |
2025 | 20-Z,岡崎市奥殿町,1♂,松野光恭 | 23-Z,岡崎市奥殿町,1♂,杉坂美典 | 24-Z,岡崎市奥殿町,1♂,杉坂美典 |
26-Z,岡崎市奥殿町,3♂♂1♀,松野光恭 | 27-Z,岡崎市奥殿町,3♂♂,杉坂美典 | 30-Z,岡崎市奥殿町,1♂,杉坂美典(第3化の最後の記録) |
2-[,岡崎市奥殿町,記録なし,松野光恭 | 3-[,岡崎市奥殿町,記録なし,杉坂美典 | 4-[,岡崎市奥殿町,記録なし,杉坂美典 |
8-[,岡崎市奥殿町,記録なし,杉坂美典 |
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中国からの外来種で,名古屋市とその周辺の市で大発生している
ムシャクロツバメシジミを2024年10月20日,愛知県岡崎市で1♂を
記録し,愛知県岡崎市での初記録となった。その後,12月2日まで連
続発生した。下表はその記録である。 |
2024.10.20,愛知県岡崎市細川町,1♂ | 2024.10.21,愛知県岡崎市細川町,2♂♂ |
2024.10.24,愛知県岡崎市細川町,2♂♂ | 2024.10.25,愛知県岡崎市細川町,3♂♂ |
2024.10.26,愛知県岡崎市細川町,1♂,杉浦 昌 | 2024.10.28,愛知県岡崎市細川町,2♂♂1♀ |
2024.10.30,愛知県岡崎市細川町,2♂♂ | 2024.11.3,愛知県岡崎市細川町,4♂♂2♀♀ |
2024.11.9,愛知県岡崎市細川町,1♂,足立幸子 | 2024.11.9,愛知県岡崎市細川町,2♂♂1♀ |
2024.11.11,愛知県岡崎市細川町,1♀ | 2024.11.13,愛知県岡崎市細川町,4♂♂3♀♀ |
2024.11.15,愛知県岡崎市細川町,1♂,松野光恭 | 2024.11.17,愛知県岡崎市細川町,1♂1♀ |
2024.11.17,愛知県岡崎市細川町,1♀,松野光恭 | 2024.11.21,愛知県岡崎市細川町,2♀♀,高村葉子 |
2024.11.24,愛知県岡崎市細川町,1♀ | 2024.12.2,愛知県岡崎市細川町,1♀(新鮮) |
2024.12.7,愛知県岡崎市細川町,記録なし | 2024.12.10,愛知県岡崎市細川町,記録なし |
2025.3.21〜2025.5.13 愛知県岡崎市細川町,記録なし |
キリンソウ | |
ムシャクロツバメシジミの食草は,ツルマンネングサ,
メキシコマンネングサ(セダム),マルバマンネングサ
(ベンケイソウ科)が報告されている。
岡崎市細川町では,キリンソウ(ベンケイソウ科)を
食草としていた。
2024年12月2日に最後の1♀を記録し,42日間,ほぼ
連続して羽化しており,これは発生の後期に見られる現
象で,2024年の春から発生していたと考えられる。
2025年3月下旬から5月中旬にかけて3日に1度は調
査を行ったが,発生の確認はできなかった。キリンソウ
は,冬季に地上部が枯死するため,越冬幼虫も飛ばさ
れ,春になっても餌を食べることができなかったからだ
と考えられる。 |
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外来種 ムシャクロツバメシジミ ♂
2024.10.20 愛知県 岡崎市 細川町
撮影: 杉坂 美典 |
外来種 ムシャクロツバメシジミ ♀
と 食草のキリンソウ
2024.11.17 愛知県 岡崎市 細川町
撮影: 杉坂 美典 |
ムシャクロツバメシジミ ♂ 1頭が,岡崎市で松野光恭氏に
よって,7月20日に奥殿町で再発見されました!
本種は,昨年,細川町で発生しましたが,越冬できませんで
した。奥殿町の記録地は,細川町の発生地から約2q離れて
いるだけなので,おそらく昨年の秋に細川町で発生した個体
群が拡散してその一部が越冬したものだと思われます。
さらに松野氏は,7月26日には3♂♂1♀を記録されました。
私も,7月13日に,1♂を記録しました。
以下は,詳細な記録です。 |
<記録>
2025.7.20,1♂,奥殿町,松野光恭 | 2025.7.23,1♂,奥殿町,杉坂美典 |
2025.7.24,1♂,奥殿町,杉坂美典 | 2025.7.26,3♂♂1♀,奥殿町,松野光恭 |
2025.7.27,3♂♂,奥殿町,杉坂美典 | 2025.7.30,1♂,奥殿町,杉坂美典(第3化の最後) |
2025.8.2,記録なし,奥殿町,松野光恭 | 2025.8.4,記録なし,奥殿町,杉坂美典 |
2025.8.5,記録なし,奥殿町,杉坂美典 | 2025.8.8,記録なし,奥殿町,杉坂美典 |
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