<岡崎市外の発生地から飛来した蝶,迷蝶,偶産蝶> 


<写真をクリックすると,撮影した全ての写真を見ることができます。さらに個々の写真をクリックすると,拡大した写真を見ることができます> 


シジミチョウ科

・サツマシジミ (迷蝶・偶産蝶)    Udara albocaerulea albocaerulea (Moore, 1879)






写真数: 22枚

記録地点

【特  徴】  地球温暖化の影響で,2010年には,愛知県内の東部で発生が確認され,岡崎市内でも発見された。2018年7月26日には,岡崎市舞木町で1♂を撮影することができた。同年7月27日には,同じ場所で,7♂♂を確認することができた。5月から6月にかけて同所に母蝶が飛来し,産んだ卵から偶産したものと思われる。しかし,29日に台風12号が通過し,吹き飛ばされたのか,31日には,全く見られなかった。その後,8月4日に1♂,5日には,別の個体の1♂が撮影されたが,これ以降は見つかっていない。
 2018年5月16日には,三ヶ根山でも1頭が記録されており,同時期に,岡崎市に飛来した個体が産卵し,7月下旬に偶産したものと思われる。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青白色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【発生期】
 6月上旬,7月下旬に記録された。
【近似種】 ルシシジミに似るが,本種は,前翅表面の中央に白斑が発達し,後翅裏面の亜外縁には,楕円形の黒斑が発達するので,区別することができる。
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
2010
10-Y,本宮山くらがり渓谷,1♂,判家卓司
2018
26-Z,岡崎市舞木町,1♂,杉坂美典
27-Z,岡崎市舞木町,7♂♂,杉坂美典
4-[,岡崎市舞木町,1♂,杉坂美典
5-[,岡崎市舞木町,1♂,足立幸子

・クロマダラソテシジミ    Chilades pandava (Horsfield, [1829])





写真数: 122枚

記録地点

【特  徴】  近年,沖縄県で越冬するようになり,愛知県では,夏季から見られるようになった。
 2021年は,7月〜8月に名古屋市で大発生し,9月18日には,豊田市でも確認され,9月19日に岡崎市で初記録2♀♀が出て,20日も近隣の2ヶ所で記録され,21日には,南部でも1ヶ所で記録が出た。山間部では記録が出ず,大きな道路沿いに分布が拡散しているようである。
 岡崎市細川町の発生地では,2021年10月3日には,多数の発生が見られ,2021年12月5日,松野光恭氏によって記録された1♀が最後の記録となった。
 2022年は,県内では,知多半島で発生したのみであった。
 2023年9月3日,松野光恭氏によって岡崎市内で1♂が記録され,初記録となった。9月16日には,初記録地点の近隣にあるソテツの大木で大発生していることを確認できた。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達し,腹部の先端の形状が♂では長毛が生え,筒状になっているが,♀は,腹部が膨らみ,その先端は,紡錘状になっているので,雌雄を区別することができる。
【発生期】
 2021年9月19日に2♀♀,9月20日には,1♂2♀♀,9月21日には,1♂1♀を記録した。10月3日には,北部の発生地で新芽に多くの食痕があり,11月中旬まで見られた。
【近似種】 なし
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
2021
19-\,細川町,2♀♀,杉坂美典
20-\,祐金町,1♀,杉坂美典
20-\,門前町,1♂1♀,杉坂美典
21-\,大平町,1♂1♀,杉坂美典
1-],大平町,1♂,杉坂美典
2-],門前町,1♂,杉坂美典
2-],針崎町,2♂♂1♀,杉坂美典
2-],明大寺町,1♂,杉坂美典
3-],細川町,6♂♂1♀,杉坂美典
3-],日名南町,1♂,杉坂美典
8-],日名南町,2♂♂,杉坂美典
9-],日名南町,1♂,杉坂美典
10-],日名南町,2♂♂,杉坂美典
11-],日名南町,1♂,杉坂美典
14-],日名南町,1♂,杉坂美典
15-],中町,1♀,杉浦 昌
16-],大平町,1♂,杉浦 昌
10-XI,岩津町,1♂,松野光恭
5-XII,岩津町,1♀,松野光恭
2023
3-\,東蔵前町,1♂,松野光恭
9-\,東蔵前町,1♂,杉坂美典
10-\,東蔵前町,1♂,杉坂美典
15-\,東蔵前町,3♂♂,松野光恭
16-\,岩津町,10♂♂3♀♀,杉坂美典
23-\,岩津町,2♂♂,松野光恭
23-\,岩津町,1♂2♀♀,杉坂美典
23-\,東蔵前町,2♂♂,杉坂美典
30-\,岩津町,2♂♂3♀♀,松野光恭
7-],岩津町,1♀,杉坂美典
8-],岩津町,1♂,松野光恭
12-],竜泉寺町,1♂,川田菜穂子
14-],岩津町,1♂,松野光恭
15-],岩津町,2♂♂,松野光恭
17-],東蔵前町,2♂♂,杉坂美典
19-],朝日町,1♂,杉坂美典
22-],戸崎町,1♀,川田菜穂子
22-],岩津町,1♀,松野光恭
2-XI,岩津町,1♂,杉坂美典
3-XI,岩津町,3♂♂,松野光恭
25-XI,岩津町,2♂♂,松野光恭

・ムシャクロツバメシジミ    Tongeia filicaudis filicaudis (Pryer, 1877)   名義タイプ亜種





写真数: 33枚

記録地点

【特  徴】  外来種で,分布を拡大している。ヤマトシジミよりも,さらに地上すれすれを低く飛ぶ習性がある。名古屋市の新川堤防附近では,ツルマンネングサを食草とし,名城公園では,メキシコマンネングサ(セダム)を食草としている。
 愛知県の西部では,各所で発生している。三河部では,2024年6月に豊田市で発生しはじめ,2024年10月には岡崎市細川町でも記録され,同年11月でも記録された。
【雌  雄】 ♂は,前脚の附節が短くなり,♀は,後翅表面の亜外縁の白斑が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】  ツルマンネン・メキシコマンネン・マルバマンネン(ベンケイソウ科)。飼育下では,ツメレンゲに産卵させ,成虫にまで育てることができた。
 岡崎市細川町では,マルバマンネングサを食草としていることが分かった。
【発生期】 年6〜7回,発生し,3月下旬〜12月中旬に見られる。幼虫で越冬する。
【近似種】 クロツバメシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の亜外縁にある赤斑が発達し,前翅裏面中室の基部に黒斑があるので区別することができる。

記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
2024
20-],岡崎市細川町,1♂,杉坂美典
21-],岡崎市細川町,2♂♂,杉坂美典
24-],岡崎市細川町,2♂♂,杉坂美典
25-],岡崎市細川町,3♂♂,杉坂美典
26-],岡崎市細川町,1♂,杉浦 昌
28-],岡崎市細川町,2♂♂1♀,杉坂美典
3-XI,岡崎市細川町,4♂♂2♀♀,杉坂美典
9-XI,岡崎市細川町,1♂,足立幸子
9-XI,岡崎市細川町,2♂♂1♀,杉坂美典
11-XI,岡崎市細川町,1♀,杉坂美典
13-XI,岡崎市細川町,6♂♂1♀,杉坂美典15-XI,岡崎市細川町,1♂,松野光恭
17-XI,岡崎市細川町,1♂1♀,杉坂美典17-XI,岡崎市細川町,1♀,松野光恭

2024.10.24,愛知県岡崎市細川町,2♂♂
2024.10.25,愛知県岡崎市細川町,3♂♂2024.10.26,愛知県岡崎市細川町,1♂,杉浦 昌
2024.10.28,愛知県岡崎市細川町,2♂♂1♀
2024.10.30,愛知県岡崎市細川町,2♂♂
2024.11.3,愛知県岡崎市細川町,4♂♂2♀♀


シロチョウ科

・ヤマトスジグロシロチョウ    Pieris nesis japonica Shirozu, 1952

♂ 表


♂ 裏

写真数: 2枚

記録地点

【特  徴】 市内の東部の丘陵地のみで記録が出ており,春の記録しか出ていない。
【雌  雄】 ♀は,表面の黒斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【発生期】
 3月下旬から4月下旬にかけて記録があり,6月から8月にも発生していると思われる。
【近似種】 スジグロシロチョウに似ているが,本種の方が小型で黒条が発達しないこと,前翅中室の黒斑が円形になることで区別することができるが,慣れないと難しい。
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
197020-W,山中町,1♂,高橋昭 
197931-V,池金町,1♂,杉坂美典
19825-W,上衣文町,1♂,松井直人
199811-W,本宿町,1♂,松井直人

・スジボソヤマキチョウ (迷蝶)    Gonepteryx aspasia niphonica Verity, 1909



写真数: 1枚

記録地点

【特  徴】 愛知県の東北部の発生地から飛来した可能性が強い。 池金町で1頭の個体が飛翔しているのを見つけて追いかけたが,採集寸前のところで逃げられてしまった。
【雌  雄】 ♂は,翅表に黄色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【発生期】
 4月中旬に記録された。
【近似種】 なし
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
1973
不明,桑原町,1ex.,加藤真也(目撃)
1981
11-W,池金町,1♀,杉坂美典




タテハチョウ科

イシガケチョウ    Cyrestis thyodamas mabella Fruhstorfer, 1898


写真数: 18枚

記録地点

【特  徴】  山林の周辺に生息し,センダングサなどの花によく集まる。滑空するように飛ぶ習性がある。人の気配に敏感で,近寄ると直ぐに飛び立つ習性がある。
 2020年には知多半島に定着し,2021年,2022年は,三河湾沿岸の各所で記録された。
【雌  雄】 夏型と秋型があり,夏型の♀は,前翅の翅頂付近の黒色斑の発達が弱い。♂は,白色型のみで,♀は,白色型と黄色型の両方がある。秋型の白色型は,♂♀の差がなく,生態写真では区別することは難しい。
【発生期】 三重県では,4月〜12月に見られ,成虫で越冬する。
【近似種】 なし
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
2021
11-Z,石原町,1ex.,三浦 彰

2022
27-\,鳥川町,1ex.,牛田雅之

2023
4-W,石原町,1♀,杉坂美典
12-],八ツ木町,1♂,島田博次
20244-Y,小呂町,1♂,杉坂美典
13-],鳥川町,1♀,高村葉子

・ウスイロコノマチョウ (迷蝶,偶産蝶)    Melanitis leda leda (Linnaeus, 1758)






写真数: 2枚

記録地点

【特  徴】 台風によって南方から飛来したと思われる。1998年は,各所で遇産した。
【雌  雄】 雌雄同型なので,雌雄を区別することは難しい。
【発生期】
 8月下旬,10月,11月に記録された。
【近似種】 クロコノマチョウに似ているが,本種は,翅が大きく縦長で,翅の地色が薄いので,区別することができる。
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
1976
21-[,若松町,1♂,森田千博
1991
24-],保母町,1♂,浅野隆
1998
4-],池金町,1♂,小野健一
11-],池金町,1♂,小野健一
25-],池金町,1♂,小野健一
3-XI,上六名町,1♂,武川由尚

 

岡崎市の蝶
蝶の生態写真集
「蝶の研究」
杉坂美典」のトップページ
E−mail