日本の蝶 <シジミチョウ科- ヒメシジミ亜科2

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アシナガシジミ亜科,ウラギンシジミ亜科,ミドリシジミ亜科1 は,ここをクリックすると見ることができます

ミドリシジミ亜科2・ベニシジミ亜科 は,ここをクリックすると見ることができます

ヒメシジミ亜科1 は,ここをクリックすると見ることができます

・ルリシジミ    Celastrina argiolus ladonides (de l'Orza, 1869)


写真数: 142枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】  速く飛び,なかなか止まらない。
 春型は,裏面の斑紋が小さくなり,外縁の円弧状の斑紋も消失する傾向があり,夏型は,黒斑が良く発達する。

♂ 春型

♀ 春型

♂ 夏型

♀ 夏型
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,翅形が丸くなり,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 フジ・クズ・クララ(マメ科),ミズキ・クマノミズキ(ミズキ科),ノイバラ・リンゴ(バラ科),イタジイ(ブナ科),イタドリ(タデ科),ミルバウツギ(ミルバウツギ科),ネナシカズラ(ヒルガオ科),キハダ(ミカン科)
【生  態】  暖地では,年5〜6回,発生し,2月下旬〜11月中旬に見られる。
 寒冷地では,年4〜5回,発生し,3月下旬〜9月下旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  北海道から奄美大島まで広く分布している。
 北海道でも各地で見られた
 愛知県や長野県では,各地に普通に見られる。
【分  布】  種としては,日本以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島,インドネシア,ボルネオ,フィリピン,オーストラリア北部,中国の西部・南部・東部,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。
【近似種】  スギタニルリシジミ,ヤクシマルリシジミ,サツマシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の黒点列がほぼ直線的に並ぶことや後翅裏面の黒点の大きさがほぼ同じ大きさの小さな黒点になること,後翅裏面の亜外縁にくの字型の黒斑列が現れるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1977.3.27,愛知県岡崎市保母町,1♂
1977.4.3,愛知県岡崎市保母町,1♂
1977.4.10,愛知県岡崎市保母町,1♂
1977.4.23,愛知県岡崎市小美町,1♂
1979.3.30,愛知県岡崎市戸崎町,1♂
1979.4.15,愛知県岡崎市池金町,1♂1♀
1980.3.27,愛知県岡崎市池金町,1♂
1980.3.30,愛知県岡崎市池金町,1♂
1980.4.27,愛知県岡崎市池金町,1♂
1980.6.4,愛知県岡崎市中園町,1♂,村田文彦
1980.3.27,愛知県岡崎市中園町,1♂,村田文彦
1980.6.15,愛知県岡崎市竜泉寺町,1♂
1981.4.6,愛知県岡崎市上池金町,2♂♂
1981.4.11,愛知県岡崎市池金町,2♀♀
1981.4.19,愛知県岡崎市上衣文町,1♂
1982.4.5,愛知県岡崎市上衣文町,1♂,松井直人
1988.6.13,愛知県岡崎市本宿町,1♀,松井直人
1988.8.10,愛知県岡崎市本宿町,1♂,松井直人
1997.7.26,北海道釧路市,1♀
1998.5.25,愛知県岡崎市本宿町,1♂,松井直人
1999.7.24,北海道札幌市,1♂
2003.5.30,愛知県岡崎市若松町,1♂,柵木宗孝
2003.9.26,愛知県岡崎市戸崎町,1♂
2006.6.2,愛知県岡崎市秦梨町,1♂
2010.4.10,愛知県岡崎市蔵次町,1♀
2010.4.13,愛知県岡崎市池金町,1♂
2011.7.24,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2013.7.20,北海道層雲峡,1♀
2015.3.27,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2016.3.25,宮崎県えびの市,1♂,荻野秀一
2017.4.13,和歌山県白浜町,1♀,荻野秀一
2017.3.30,愛知県岡崎市石原町,1♂
2017.6.5,愛知県豊橋市岩崎町葦毛湿原,2♀♀
2017.6.10,愛知県豊橋市岩崎町葦毛湿原,1♂
2017.6.23,愛知県豊田市深見町,1♂
2018.4.12,愛知県田原市蔵王山,2♂♂1♀
2018.5.29,愛知県蒲郡市平田町,1♂4♀♀
2018.6.4,愛知県豊田市香嵐渓,3♂♂
2018.6.5,愛知県蒲郡市平田町,2♂♂2♀♀
2018.6.7,愛知県豊田市香嵐渓,1♂3♀♀
2018.6.22,愛知県新城市作手,1♀
2018.7.16,愛知県岡崎市小呂湿地,1♀
2018.8.6,長野県開田高原西野,1♀
2018.8.28,愛知県北設楽郡設楽町,1♂
2018.9.18,愛知県田原市蔵王山,2♂♂
2018.9.26,愛知県田原市蔵王山,1♂
2019.3.25,愛知県田原市蔵王山,3♂♂1♀
2019.4.2,愛知県田原市蔵王山,4♂♂
2019.5.30,三重県志摩市,1♀
2019.6.1,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂
2019.6.17,愛知県新城市鳳来,1♀
2019.9.11,愛知県田原市蔵王山,1♀
2020.3.22,高知県高知市,1♀,高月陽生
2020.3.23,愛知県田原市蔵王山,4♂♂
2020.3.28,高知県香美市,2♂♂,高月陽生
2020.4.15,愛知県田原市蔵王山,1♂
2020.7.2,長野県松本市,1♂
2020.10.20,愛知県西尾市東幡豆町,1♂
2020.10.27,愛知県西尾市吉良,1♂
2021.2.22,愛知県常滑市多賀神社,2♂♂
2021.3.7,高知県香美市,1♂,高月陽生
2021.3.14,高知県香南市,2♂♂,高月陽生
2021.3.29,三重県鳥羽市,1♀
2021.3.30,三重県志摩市,1♀
2021.5.30,高知県香南市,1♂1♀,高月陽生
2021.5.30,愛知県豊田市平瀬,1♀
2021.6.3,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀
2021.6.11,愛知県豊田市大野瀬町,1♀
2021.6.20,愛知県豊田市,1♀
2021.6.26,長野県松本市沢渡,1♀
2021.6.26,長野県松本市,1♀
2021.7.23,長野県松本市沢渡,1♀
2021.7.28,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂
2021.8.21,愛知県西尾市三ヶ根山,1♀
2021.9.7,愛知県岡崎市小呂町,2♀♀
2022.3.14,高知県香美市,2♂♂,高月陽生
2022.4.3,高知県香南市,1♂,高月陽生
2022.4.18,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.5.5,岐阜県高山市,1♂
2022.5.25,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♀
2022.5.26,東京都小金井市,1♂,小林清二
2022.5.29,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀
2022.5.30,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.6.1,千葉県船橋市,1♀,山本和彦
2022.6.1,岡山県真庭市,高月陽生
2022.6.2,愛知県岡崎市石原町,1♂,高村葉子
2022.6.2,愛知県西尾市,1♀
2022.6.4,愛知県岡崎市石原町,1♂
2022.6.5,千葉県船橋市,1♀,山本和彦
2022.6.9,愛知県岡崎市石原町,1♂
2022.6.17,東京都小平市,1♂,小林清二
2022.6.24,東京都小金井市,1♀,小林清二
2022.7.2,長野県松本市,1♂
2022.7.25,長野県上高地,1♂
2022.7.30,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.8.24,青森県八戸市,1♀,関野祥子
2022.8.28,岐阜県高山市,1♀,杉坂和俊
2022.9.3,青森県八戸市,1♀,三河和夫
2022.9.3,岩手県盛岡市,1♀,山本和彦
2022.9.20,愛知県碧南市,1♀
2022.10.8,愛知県蔵王山,1♂
2023.3.20,東京都多摩市,1♂,小林清二
2023.3.29,青森県八戸市,1♂,三河和夫
2023.4.16,高知県長岡郡,1♀,高月陽生
2023.4.21,岩手県盛岡市,1♂,山本和彦
2023.5.25,千葉県南房総市,1♀,山本和彦
2023.5.25,東京都小平市,1♂,小林清二
2023.5.28,岡山県倉敷市,1♀,高月陽生
2023.5.30,東京都小金井市,1♀,小林清二
2023.5.31,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀,高村葉子
2023.6.3,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀,高村葉子
2023.6.9,東京都小金井市,1♂,小林清二
2023.6.26,岩手県一戸町,1♂,三河和夫
2023.5.26,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♂
2023.6.12,愛知県岡崎市日名南町,1♀
2023.6.15,長野県松本市,1♂
2023.7.15,東京都西東京市,1♂,小林清二
2023.9.3,岐阜県高山市,1♂1♀
2023.9.20,愛知県岡崎市仁木町,1♀,松野光恭
2024.3.16,愛知県岡崎市岩津町,1♂,松野光恭

・スギタニルリシジミ  北海道亜種    Celastrina sugitanii ainonica Murayama, 1952


写真数: 7枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  渓流沿いの林道でよく見られ,湿地や汚物などに集まる。
 日本には,次の3亜種がある。
   北海道亜種 C.sugitanii ainonica Murayama, 1952
   九州亜種 C.sugitanii kyushuensis Shirozu, 1943
   名義タイプ亜種, 本州・四国亜種 C.sugitanii sugitanii (Matsumura, 1919)
 この北海道産は,小型で,♂の翅表の青色斑は明るく,裏面の地色も明るい。 
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 トチノキ(トチノキ科),ミズキ(ミズキ科)
【生  態】 この亜種は,年1回,発生し,4月下旬〜6月上旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】 この亜種は,北海道にのみ生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国の南西部・南部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,湖南省,広東省,海南省,浙江省,江西省,福建省に分布している。
【近似種】 ルリシジミ,ヤクシマルリシジミ,サツマシジミに似ているが,本種は,裏面の色が,暗灰色になること,後翅裏面の後角部の黒斑がV字になるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2014.5.25,北海道定山渓,1♂,足立幸子
2022.5.20,北海道中札内村,6♂♂,安中弘行

・スギタニルリシジミ  九州亜種    Celastrina sugitanii kyushuensis Shirozu, 1943


写真数: 1枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  渓流沿いの林道でよく見られ,湿地や汚物などに集まる。
 九州産は,大型で,♂の翅表は青紫色になり,♂♀とも裏面の地色は,白色で,黒斑が良く目立つ。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 トチノキ(トチノキ科),ミズキ(ミズキ科)
【生  態】 この亜種は,年1回,発生し,4月下旬〜5月下旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】 この亜種は,九州にのみ生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国の南西部・南部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,湖南省,広東省,海南省,浙江省,江西省,福建省に分布している。
【近似種】 ルリシジミ,ヤクシマルリシジミ,サツマシジミに似ているが,本種は,裏面の色が,暗灰色になること,後翅裏面の後角部の黒斑がV字になるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録

・スギタニルリシジミ  名義タイプ亜種, 本州・四国亜種    Celastrina sugitanii sugitanii (Matsumura, 1919)


写真数: 133枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  渓流沿いの林道でよく見られ,湿地や汚物などに集まる。
 最近は分布を広げており,従来の発生地から南下する傾向にある。
 本州産は,♂の翅表は暗色で,♂♀とも裏面の地色は,暗灰褐色となる。
 三重県尾鷲市産,四国産は,孤立したグループで,本州中部産に比べるとやや大型で,裏面は白っぽくなる傾向がある。
【雌  雄】 ♂は,青色斑が亜外縁まで広がり,♀は,翅形がやや丸くなり,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】  トチノキ(トチノキ科),ミズキ(ミズキ科),キハダ(ミカン科),フジ(マメ科)
 ※ 岡崎市では,ミズキの大木の花穂への産卵が確認された
ミズキの花芽に産卵する♀
 吸蜜する♀ (同左)
(愛知県岡崎市 2023.4.4)
【生  態】  この亜種は,年1回,発生し,暖地では,3月下旬〜4月下旬に見られる。
 寒冷地では,4月上旬〜5月下旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  この亜種は,本州,四国に分布している。
 茨城県,愛知県等では,分布を広げ,南下する傾向が見られる。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国の南西部・南部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,湖南省,広東省,海南省,浙江省,江西省,福建省に分布している。
【近似種】 ルリシジミ,ヤクシマルリシジミ,サツマシジミに似ているが,本種は,裏面の色が暗灰色になるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
2009.4.29,新潟県糸魚川市,1♀,安中弘行
2010.4.18,兵庫県豊岡市,2♂♂,安中弘行
2010.5.1,岐阜県白川村,1♂,安中弘行
2014.4.27,岐阜県山県市,1♂,足立幸子
2017.4.16,岐阜県恵那市,2♂♂,関戸裕靖
2017.4.16,高知県香美市,5♂♂,高月陽生
2017.5.7,岐阜県白川村,1♂,安中弘行
2019.3.24,三重県尾鷲市,1♂,荻野秀一
2019.4.7,愛知県東北部,3♂♂,村田文彦
2019.4.13,岐阜県恵那市,多数♂♂,関戸裕靖
2019.4.15,岐阜県恵那市,9♂♂
2019.5.16,長野県飯田市下栗,2♂♂
2020.3.21,山梨県南部町,1♂,荻野秀一
2020.3.29,高知県香美市,3♂♂,高月陽生
2021.3.27,高知県香美市,2♂♂,高月陽生
2021.3.31,三重県尾鷲市,8♂♂
2021.4.8,愛知県岡崎市石原町,1♂1♀,浅野 隆
2022.3.25,愛知県岡崎市石原町,1♂,浅野 隆
2022.3.27,愛知県岡崎市鍛埜町,4♂♂,鈴木淳一
2022.3.28,愛知県岡崎市鍛埜町,3♂♂,鈴木淳一
2022.4.5,愛知県岡崎市石原町,16♂♂,鈴木淳一
2022.4.7,愛知県豊田市,6♂♂
2022.4.10,愛知県岡崎市石原町,1♀,村田文彦
2022.4.13,愛知県豊田市,3♂♂1♀
2022.4.17,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.4.18,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.4.19,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.4.20,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.5.19,長野県飯田市しらびそ高原,1♂
2023.4.1,高知県香美市,2♂♂,高月陽生
2023.4.3,愛知県豊田市,1♂
2023.4.4,愛知県岡崎市石原町,5♂♂1♀
2023.4.6,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2023.4.18,岩手県久慈市,1♀,三河和夫
2023.5.1,長野県白馬村,2♂♂,鈴木栄二
2024.3.30,愛知県岡崎市石原町,9♂♂
2024.4.1,岐阜県郡上市,3♂♂,村井弘子
2024.4.4,愛知県岡崎市石原町,8♂♂
2024.4.12,静岡県水窪町,1♂,杉浦 昌
2024.4.14,高知県香美市,1♂,高月陽生
2024.4.16,岩手県久慈市,1♂,三河和夫

・オガサワラシジミ    Celastrina ogasawaraensis (H. Pryer, 1883)     日本特産種


写真数: 1枚


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山頂付近に生息し,♂は,占有行動を示す。
 国指定の天然記念物で,種の保存法で採集禁止種に指定されている。したがって,「あげる・売る・貸す/もらう・買う・借りる」なども,有償・無償を問わず原則として禁止されており,違反した場合は,個人では,5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金,法人では,罰金1億円が課せられている。
 外来捕食生物の繁殖により,自然状態では,父島から姿を消し,母島で僅かに生息するのみとなった。そこで,関係諸団体では,日本本土で人工的に飼育し,保護していたが,2020年8月25日,遺伝的な問題により,飼育個体のすべてが死亡した。したがって,日本産蝶類としては,最初に絶滅した種となる可能性が高い。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,雌は,外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 オオバシマムラサキ(シソ科),コブガシ類(クスノキ科)
【生  態】 年数回,発生し,周年,見られる。越冬態はない。
【生息地】  小笠原諸島の父島,母島に生息していた。父島では絶滅したため,母島のみで記録があったが,自然状態では,確認できなくなっていた。
 東京都の絶滅危惧T類に指定されている。 
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IA類(CR)に指定されているが,実情は,野生絶滅(EW)で,2020年に飼育下では絶滅し,絶滅(EX)となった可能性が高い。
【分  布】 日本の特産種である。
【近似種】 他のルリシジミ類に似ているが,本種は,外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,区別することができる。遺伝子的には,台湾のアリサンルリシジミに近縁である。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
小笠原



































記録


・ホリシャルリシジミ     Celastrina lavendularis himilcon (Fruhstorfer, 1909)


写真数: 2枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。渓流沿いの林道で見られ,湿地や汚物などに集まる。
【雌  雄】 ♀は,翅表の外縁部に黒帯が発達し,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ムラサキナツフジ(マメ科),ウラジロカエデ(ムクロジ科)
【生  態】 2月から5月に記録がある。
【生息地】 石垣島,与那国島で記録がある。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,湖南省,広東省,海南省,浙江省,江西省,福建省に,別亜種 C.lavendularis limbata が分布している。
【近似種】 他のルリシジミ類に似ているが,本種は,後翅裏面の中室外側の黒斑が前縁部の黒斑に比べて小さく,タイワンルリシジミのように中室外縁の黒点が斜傾しないこと,前翅裏面の亜外縁の大きな黒斑は4つであることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録(参考)2017.7.13,台湾拉拉山上巴陵,1♂(参考)2017.7.11,台湾拉拉山上巴陵,1♀

・ヤクシマルリシジミ     Acytolepis puspa ishigakiana (Matsumura, 1929)


No.1  記録時期  2004.5.1 〜 2019.12.31
写真数: 83枚
出現頻度
★★★☆☆


No.2  記録時期  2020.1.6 〜
写真数: 86枚
 
 
分布域 と 記録地点
【特  徴】  森林の周辺,海岸林等で見られる。
 低温期型と高温期型があり,低温期型の♀の翅表は,青紫色の斑紋が良く発達し,裏面の黒点は小さくなる。春や秋には,中間型も出る。 

♀ 低温期型

♀ 高温期型
 日本産は,ヤクシマルリシジミ,台湾産は,タイワンルリシジミと呼ばれているが,同種の別亜種である。
 八重山諸島に生息する個体は,翅表の青紫色の斑紋が濃く,裏面の黒点が良く発達する傾向があり,台湾産の別亜種に似ている。 
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,翅形が丸くなり,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】  ノイバラ・バラ・バクチノキ・テリハノイバラ・ソメイヨシノ(バラ科),イスノキ(マンサク科),ウバメガシ(ブナ科),カンコノキ・マルヤマカンコ(トウダイグサ科)
 愛知県の蔵王山の山頂では,3月中旬に,ソメイヨシノの新芽に産卵する様子を確認できた。
【生  態】  八重山諸島では,年数回,周年,見られる。越冬態はなく,継続して発生できない場所では,死滅する。
 愛知県の渥美半島の田原市にある蔵王山において,2019年〜2020年の調査では,年7回,発生し,周年,見ることができた。
  <参照> 論文 『ヤクシマルリシジミの田原市蔵王山における年間発生回数について
【生息地】  静岡県から八重山諸島に分布する。
 愛知県の豊橋市や蒲郡市,西尾市,安城市,田原市でも見られるようになった。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,台湾に分布している。
 台湾にも生息しているが別亜種myla で,タイワンルリシジミと呼ばれている。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,湖南省,広東省,海南省,浙江省,江西省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 A.puspa hermagoras で,それ以外は,別亜種 A.puspa gisca である。
【近似種】  他のルリシジミ類に似ているが,前翅裏面の黒点列の翅頂から3つ目の黒斑の向きが他の黒斑と異なることや後翅裏面の黒点の前縁にあるものが大きくなること,♂は前翅外縁の黒帯が太く,翅表の青藍色が濃いので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖 地



































記録
2004.5.1,三重県鳥羽市,1♂
2009.9.26,愛知県蒲郡市平田町,1♂,判家卓司
2018.9.18,愛知県田原市蔵王山,3♀♀
2018.10.10,愛知県田原市蔵王山,1♂2♀♀
2018.10.17,愛知県田原市蔵王山,1♂
2018.10.24,愛知県田原市蔵王山,1♀
2018.11.12,愛知県田原市蔵王山,1♂
2019.1.2,愛知県豊橋市,1♀,村田文彦
2019.3.25,愛知県田原市蔵王山,1♂
2019.4.2,愛知県田原市蔵王山,1♂
2019.5.30,三重県志摩市,3♂♂2♀♀
2019.6.4,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♂
2019.6.4,愛知県田原市蔵王山,3♂♂
2019.8.27,愛知県田原市,1♂,関戸裕靖
2019.9.3,愛知県田原市蔵王山,3♂♂
2019.9.11,愛知県田原市蔵王山,1♂1♀
2019.10.4,愛知県田原市蔵王山,5♂♂
2019.10.9,愛知県田原市蔵王山,4♂♂
2019.11.1,沖縄県石垣島,1♂,荻野秀一
2019.11.5,高知県香美市,1♂,高月陽生
2019.11.5,愛知県西尾市吉良,1♂
2019.11.5,愛知県田原市蔵王山,5♂♂
2019.11.12,愛知県田原市蔵王山,6♂♂
2019.11.17,高知県室戸市,1♀,高月陽生
2019.11.23,高知県室戸市,1♂1♀,高月陽生
2019.12.31,愛知県豊橋市,1♂,村田文彦
2020.1.6,愛知県田原市蔵王山,2♂♂
2020.3.8,高知県高知市,1♀,高月陽生
2020.3.17,愛知県田原市蔵王山,1♀
2020.3.23,愛知県田原市蔵王山,1♂
2020.4.15,愛知県田原市蔵王山,2♀♀
2020.4.27,愛知県田原市蔵王山,1♂
2020.5.1,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.5.7,愛知県田原市蔵王山,2♂♂
2020.10.20,愛知県田原市蔵王山,5♂♂
2020.10.20,愛知県西尾市東幡豆町,1♂1♀
2020.10.25,高知県高知市,1♂,高月陽生
2020.10.27,愛知県西尾市東幡豆,2♂♂
2020.10.31,愛知県西尾市東幡豆町,1♂
2021.8.26,愛知県田原市蔵王山,1♂
2021.10.1,愛知県豊橋市岩田町,1♂
2021.10.8,高知県室戸市,1♀,高月陽生
2021.11.5,愛知県西尾市マリーナ東海,1♀
2021.11.16,愛知県西尾市吉良町,1♀
2021.11.23,高知県室戸市,1♂,高月陽生
2022.5.3,高知県香南市,1♀,高月陽生
2022.10.8,愛知県蔵王山,2♂♂
2022.12.9,愛知県蒲郡市,2♂♂2♀♀
2023.6.4,高知県香美市,1♂1♀,高月陽生
2023.9.16,高知県香美市,1♂,高月陽生
2023.11.8,愛知県田原市蔵王山,3♂♂,高村葉子
2023.11.14,愛知県田原市渥美の森,1♂2♀♀,高村葉子
2023.11.21,愛知県西尾市吉良町,1♂

・タッパンルリシジミ     Udara dilecta dilecta (Moore, 1879)


写真数: 2枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。湿地で吸水したり,獣糞に集まる習性がある。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,翅形が丸くなり,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 アラカシ(ブナ科)
【生  態】 7月,8月に記録が多く,春や秋でも記録が出ている。
【生息地】 九州から八重山諸島で記録が多く,四国や紀伊半島でも記録がある。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,湖南省,広東省,海南省,浙江省,江西省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 他のルリシジミ類によく似ているが,本種は,前翅亜外縁の黒斑列は,きれいに並び,後翅裏面の黒斑は,大きさがほぼ同じであること,♂の前後翅表面の青白色斑の中央に白斑が出ることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































記録
(参考)2015.7.2,台湾南投縣南山渓,1♂
(参考)2017.8.18,台湾南投縣翠峰,1♀

・サツマシジミ    Udara albocaerulea albocaerulea (Moore, 1879)


写真数: 62枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  森林の周辺に生息し,速く飛び,なかなか止まらないので撮影は難しい。
 低温期型と高温期型があり,低温期型の♂の翅表は,白色の斑紋が良く発達する。春や秋には,中間型も出る。 

♂ 低温期型
撮影: 荻野 秀一 氏

♂ 高温期型
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,翅形が丸くなり,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 サンゴジュ・ガマズミ・ハクサンボク(スイカズラ科),クロキ・サワフタギ・ミミズバイ(ハイノキ科),バクチノキ(バラ科),イヌツゲ・ナナメノキ(モチノキ科),ミズキ(ミズキ科)
【生  態】 年4〜6回,発生し,2月下旬〜12月に見られる。不眠の幼虫と蛹で越冬する。
【生息地】  静岡県からより南西部の紀伊半島,四国,九州,八重山諸島に分布する。
 愛知県の豊橋市や蒲郡市,西尾市,岡崎市でも記録された。2018年7月27日に岡崎市舞木町で,7♂♂を確認することができた。岡崎市では,これまでに1例が見つかっているだけであり,8年ぶりの記録となった。7月29日に台風12号が襲来し,8月1日の調査では,全く見られなかったが,4日には,1♂を確認でき,5日には,足立幸子氏によって別の個体が撮影されたが,それ以降は見つかっていない。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,湖南省,広東省,海南省,浙江省,江西省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 他のルリシジミ類に似ているが,♂は,前翅表面の中央に白斑が発達すること,後翅裏面の黒点が翅の中央よりにあること,後翅裏面の亜外縁に黒点列が発達するので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































記録
2010.5.22,愛知県西尾市家武町,1♂,野林朝香
2010.6.10,愛知県岡崎市本宮山,1♂,判家卓司
2010.6.24,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♂,野林朝香
2010.6.24,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♂,渡辺範久
2014.11.15,和歌山県太地町,1♂,関戸裕靖
2018.4.13,和歌山県白浜町,1♀,荻野秀一
2018.7.26,愛知県岡崎市舞木町,1♂
2018.7.27,愛知県岡崎市舞木町,7♂♂
2018.8.4,愛知県岡崎市舞木町,1♂
2018.8.5,愛知県岡崎市舞木町,1♂,足立幸子
2018.11.1,和歌山県東牟婁郡,1♂,関戸裕靖
2019.4.13,和歌山県串本町,1♂,荻野秀一
2019.5.16,三重県伊勢市,1♂,関戸裕靖
2019.11.17,高知県室戸市,1♂,高月陽生
2020.4.27,高知県室戸市,1♂,高月陽生
2021.5.8,高知県中土佐町,1♂,高月陽生
2021.10.18,高知県高知市,1♀,安中弘行
2022.5.8,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.5.25,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♀
2022.7.24,島根県吾妻山,1♂,澤野 真
2022.11.27,高知県室戸市,1♂,高月陽生
2023.5.12,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♂
2024.2.20,鹿児島県姶良市,1♀,杉坂信子


・カバイロシジミ  名義タイプ亜種, 北海道西部・青森亜種    Glaucopsyche lycormas lycormas (Butler, 1866)


写真数: 3枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  日当たりのよい山麓の草地や河川の堤防,草原に生息する。低く飛び,すぐに止まる習性がある。
 日本には,次の2亜種がある。
   名義タイプ亜種, 北海道西部・青森亜種 G.lycormas lycormas (Butler, 1866)
   北海道東部亜種 G.lycormas tomariana (Matsumura, 1928)
 北海道西部・青森県産は,表面の外縁の黒褐色の帯の幅が太くなり,♀の後翅表面は暗化する特徴がある。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 クサフジ・ヒロハクサフジ(マメ科)
【生  態】 年1回,発生し,6月中旬〜8月下旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  この亜種は,北海道の西部と青森県に分布する。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】 種としては,日本以外では,中国,朝鮮半島,サハリン,南千島に分布している。
【近似種】 ゴマシジミに似ているが,後翅裏面の黒点が1列しかないので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
北海道西部・青森



































記録
2014.8.11,青森県東津軽郡,2♂♂1♀,荻野秀一

・カバイロシジミ  北海道東部亜種    Glaucopsyche lycormas tomariana (Matsumura, 1928)


写真数: 14枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  日当たりのよい山麓の草地や河川の堤防,草原に生息する。低く飛び,すぐに止まる習性がある。 
 北海道東部に生息する♂は,表面の外縁の黒褐色の帯の幅が狭くなる特徴がある。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 クサフジ・ヒロハクサフジ(マメ科)
【生  態】 年1回,発生し,6月中旬〜8月下旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  この亜種は,北海道の中部から東部にかけて生息する。 
 北海道の釧路市や網走市周辺,大雪山の北側の層雲峡で見られた。個体数は少なかった。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】 種としては,日本以外では,中国,朝鮮半島,サハリン,南千島に分布している。
【近似種】 ゴマシジミに似ているが,後翅裏面の黒点が1列しかないので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
北海道



































記録
1998.7.27,北海道釧路市,1♀
2011.6.27,北海道愛別町,1♂,岡本雅昭
2013.7.21,北海道層雲峡,1♀
2015.6.29,北海道富良野市,1♂,安中弘行
2018.7.12,北海道旭川市,多数♂♂1♀,安中弘行
2022.7.5,北海道旭川市,1♂,安中弘行

・オオルリシジミ  本州亜種     Shijimiaeoides divinus barine (Leech, 1893)


写真数: 48枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  火山の周辺にある日当たりのよい草原や山間の草原に生息する。
 日本には,次の2亜種がある。
   本州亜種 S.divinus barine (Leech, 1893)
   九州亜種 S.divinus asonis (Matsumura, 1929)
 本州産は,大型で,裏面の黒斑は小さく,後翅表面の青色斑は良く発達するという特徴がある。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
長野県全域(県),新潟県妙高市(市),熊本県全域(県野生生物保護条例), 重複指定:阿蘇郡白水村(村)熊本県阿蘇町(町)
【雌  雄】 ♀の翅表には,黒点があるので,標本では雌雄を区別することができるが,裏面しか見えない生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 クララ(マメ科)
【生  態】 年1回,5月中旬〜6月中旬にかけて見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  この亜種は,本州の東北地方,中部地方で見られる。
 青森県,岩手県,福島県では,絶滅した。新潟県,群馬県,長野県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IA類(CR)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,ウスリー,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2015.5.17 長野県大町市,1ex.,足立幸子
2014.5.24,長野県安曇野市,1♂,岡本雅昭
2015.5.23,長野県安曇野市,1♀,岡本雅昭
2018.5.24 長野県安曇野市,3♂♂3♀♀
2019.5.24,長野県安曇野市,1♂,関戸裕靖
2019.5.25,長野県安曇野市,1♀,関戸裕靖
2019.5.29,長野県安曇野市,1♂3♀♀,関戸裕靖

・オオルリシジミ  九州亜種     Shijimiaeoides divinus asonis (Matsumura, 1929)


写真数: 7枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  火山の周辺にある日当たりのよい草原や山間の草原に生息する。
 この亜種の♀は,前翅の翅表の黒斑が大きく,裏面の地色が暗化する。
 2022年は,発生数が極端に少なく,今後の存続が心配されている。
【雌  雄】 ♀の翅表には,黒点があるので,標本では雌雄を区別することができるが,裏面しか見えない生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 クララ(マメ科)
【生  態】 年1回,5月上旬〜6月中旬にかけて見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  この亜種は,九州の高原地帯で見られる。
 大分県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,ウスリー,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
九 州



































記録
2006.5.14,熊本県阿蘇市,1♀,安中弘行
2007.5.12,熊本県阿蘇市,1♂2♀♀,安中弘行
2022.5.2,熊本県阿蘇市,1♀,足立幸子

・ジョウザンシジミ    Scolitantides orion jezoensis (Matsumura, 1919)


写真数: 19枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 崖や露岩地などに生息し,その周辺から離れようとはしないで,緩やかに飛翔する。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ホソバノキリンソウ・エゾキリンソウ・ホソバイワベンケイ・アオノイワレンゲ(ベンケイソウ科)
【生  態】 年2回,発生し,4月下旬〜6月上旬,7月〜8月に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】 北海道にのみ生息する。
【分  布】  種としては,日本以外では,西アジア,中央アジア,チベット,中国,ウスリー,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,遼寧省,河北省,山東省,山西省,河南省,陳西省,甘粛省,新疆ウィグル自治區,西蔵區,湖北省,雲南省,福建省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
北海道



































記録
2011.5.31,北海道札幌市,1♂,岡本雅昭
2011.7.7,北海道日高町,3♂♂1♀,安中弘行
2012.7.8,北海道層雲峡,2♂♂,安中弘行
2014.5.25,北海道定山渓,1♂,足立幸子
2014.6.2,北海道層雲峡,1♂,安中弘行
2017.5.1,北海道中札内村,1♂,荻野秀一
2017.5.2,北海道中札内村,1♂,荻野秀一
2022.5.18,北海道帯広市,2♂♂1♀,安中弘行
2022.5.20,北海道帯広市,2♂♂,安中弘行

・ゴマシジミ  北海道・東北亜種    Phengaris teleius ogumae (Matsumura, 1910)


写真数: 10枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  半肉食性で,4齢幼虫の初期までは,ナガボノワレモコウの花芯を食べて成長し,終齢幼虫になるとハラクシケアリの巣の中で,卵・幼虫を食べて,越冬し,春になると,再びハラクシケアリの卵・幼虫を食べて成長し,盛夏に蛹化する。
 森林の周辺の草原に生息し,低く飛び,すぐに止まる習性がある。
 日本には,次の4亜種がある。
   北海道・東北亜種 P.teleius ogumae (Matsumura, 1910)
   関東・中部亜種 P.teleius kazamoto (H. Druce, 1875)
   中部高地帯亜種 P.teleius hosonoi A. Takahashi, 1973
   中国地方・九州亜種 P.teleius daisensis (Matsumura, 1926)
 北海道の東北部に生息する個体は,小型で,翅表の地色は淡く明るい。外縁の黒帯は細く,亜外縁部に弱い白斑が現れ,裏面の地色は白っぽくなる。
 北海道の南部や東北地方に生息する個体は,大型で,外縁の黒帯は幅広く,裏面の地色は暗化する。
  次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
岩手県全域(県)
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食草・食餌】 ナガボノワレモコウ(バラ科)→ハラクシケアリの卵・幼虫
【生  態】 年1回,発生し,7月中旬〜9月上旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  この亜種は,北海道と東北地方に生息している。
 岩手県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,西アジア,中央アジア,チベット,中国,朝鮮半島,アムール,ウスリー,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,山東省,山西省,河南省,陳西省,甘粛省,新疆ウィグル自治區に分布している。
【近似種】 カバイロシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の黒点が2列あるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2019.8.12,青森県東通村,1♂2♀♀,荻野秀一
2022.9.9,岩手県久慈市,1♀,三河和夫
2023.8.19,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2023.8.29,岩手県久慈市,1♂,三河和夫

・ゴマシジミ  関東・中部亜種    Phengaris teleius kazamoto (H. Druce, 1875)

♂  ♂
写真数: 95枚

♂  ♀
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
 
【特  徴】   半肉食性で,4齢幼虫の初期までは,ワレモコウの花芯を食べて成長し,終齢幼虫になるとハラクシケアリの巣の中で,卵・幼虫を食べて,越冬し,春になると,再びハラクシケアリの卵・幼虫を食べて成長し,盛夏に蛹化する。
 森林の周辺の草原に生息し,低く飛び,すぐに止まる習性がある。
  愛知県産のゴマシジミは,青色鱗が発達し,その中や外縁の白斑もよく発達する傾向にある。特に,作手産の本種は,その特徴が顕著であった。長野県の南部に産した本種は,青色鱗が発達せず,褐色のゴマシジミであった。ところが,1981年までは,作手では,青色鱗が発達する個体群のみが生息していたが,1980年頃から長野県南部の褐色のゴマシジミ群が南下するようになり,1984年には,作手でも生息するようになった。しかし。1987年を最後に姿を消した。そころには,青色の個体群も激減するようになり,1995年に調査した際には,両方の個体群を見つけることはできなかった。その後,愛知県では,50か所以上あった産地で本種は姿を消した。その理由は,発生地の環境が徐々に変化し,草原を植林された杉林が覆うようになり,明るい草原が激減したこと,さらに人による採集圧が大きく,根こそぎ採集されたことなどによるものと思われる。
 平成28年3月,環境省は,関東・中部亜種を種の保存法で指定し,保護することを決め,関東・中部地域に生息する本種は採集禁止になった。
 したがって,「あげる・売る・貸す/もらう・買う・借りる」なども,有償・無償を問わず原則として禁止されており,違反した場合は,個人では,5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金,法人では,罰金1億円が課せられている。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食草・食餌】 ワレモコウ(バラ科)→ハラクシケアリの卵・幼虫
【生  態】  年1回,発生し,暖地では,7月下旬〜9月上旬に見られる。
 寒冷地では,7月中旬〜8月中旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  この亜種は,本州の中部地方,関東地方に生息している。
 中部地方の高地帯にも別亜種が生息している。
 長野県の南部の産地でも,8月上旬から下旬に見られたが,絶滅の状態である。
 愛知県では,北部や東北部の山地に広く分布していたが,2000年以降は記録がなく,絶滅したものと思われる。
 福井県,神奈川県では,絶滅した。新潟県,福島県,群馬県,長野県,愛知県,岐阜県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IA類(CR)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,西アジア,中央アジア,チベット,中国,朝鮮半島,アムール,ウスリー,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,山東省,山西省,河南省,陳西省,甘粛省,新疆ウィグル自治區に分布している。
【近似種】 カバイロシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の黒点が2列あるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1980.8.25,愛知県新城市作手,3♂♂2♀♀
1981.8.12,長野県下伊那郡平谷村靭,14♂♂
1981.8.13,愛知県豊田市小原北町,1♂2♀
1981.8.15,愛知県豊田市小原北町,1♂1♀
1981.8.16,長野県下伊那郡平谷村靭,6♂♂
1981.8.18,愛知県新城市作手,1♀
1981.8.19,岐阜県恵那市山岡町,7♂♂6♀♀
1981.8.22,愛知県豊田市小原北町,2♂♂
1981.8.22,愛知県豊田市小原北町,2♀♀
1981.8.23,愛知県豊田市大井町,1♂1♀
1981.8.26,愛知県豊田市大井町,15♂♂5♀♀
1981.8.24,岐阜県恵那市山岡町,1♂2♀
1981.8.26,愛知県豊田市大井町,1♂1♀
1981.8.26,愛知県豊田市大井町,1♂
1981.8.26,愛知県新城市作手,2♀♀
1981.8.27,愛知県豊田市小原北町,2♀♀
1981.8.28,愛知県新城市作手,1♀
1981.8.30,愛知県新城市作手,2♀♀
1981.8.29,愛知県豊田市大井町,1♂
1981.8.30,愛知県豊田市大井町,2♂♂
1982.8.13,長野県下伊奈郡平谷村,5♂♂3♀♀
1982.8.15,岐阜県恵那市明智町大田大栗,1♂
1982.8.21,愛知県豊田市細田町,3♂♂2♀♀
1982.8.23,愛知県新城市作手,2♂♂1♀
1983.8.9,岐阜県恵那市山岡町羽佐間,1♂2♀♀
1983.8.13,岐阜県恵那市山岡町羽佐間,4♂♂2♀♀
1983.8.15,長野県下伊奈郡浪合村,3♂♂1♀
1983.8.28,愛知県新城市作手,3♂♂1♀
1983.8.28,愛知県豊田市細田町,2♂♂3♀♀
1984.8.11,長野県下伊那郡阿智村治部坂峠,1♂
1984.8.11,長野県下伊那郡平谷村入川,3♂♂1♀
1984.8.25,愛知県新城市作手,2♂♂
1985.8.15,長野県下伊那郡平谷村入川,2♂♂2♀♀
1985.8.15,長野県下伊那郡平谷村中平,2♂♂
1985.8.15,長野県下伊那郡平谷村西町,1♂
1985.8.24,岐阜県恵那市山岡町羽佐間,2♂♂1♀
1985.8.24,岐阜県恵那市岩村町飯羽間上切,2♂♂
1985.8.24,愛知県新城市作手,1♂1♀
1986.8.19,愛知県新城市作手,1♂
1987.8.29,愛知県新城市作手,1♂
2014.8.7,長野県木曽町,1♂,関戸裕靖
2014.8.17,長野県木曽町,1♂,関戸裕靖
2014.8.30,長野県木曽町,1♂,関戸裕靖
2016.8.3,長野県木曽郡,1♂,関戸裕靖
2016.8.7,長野県松本市,1♂,岡本雅昭
2016.8.7,長野県松本市,1♂1♀,関戸裕靖
2016.8.14,長野県木曽郡,2♂♂2♀♀,関戸裕靖
2017.8.6,長野県木曽郡,1♂1♀,関戸裕靖
2017.8.7,長野県松本市,2♂♂1♀,関戸裕靖
2017.8.13,長野県松本市,2♀♀,関戸裕靖
2017.8.23,長野県木曽駒高原,2♀♀,関戸裕靖
2018.7.30,長野県木曽郡,2♂♂,関戸裕靖
2018.8.7,長野県松本市,2♂♂1♀,関戸裕靖
2018.8.7,長野県木曽郡,3♂♂,関戸裕靖
2018.8.7,長野県木曽駒高原,2♂♂,関戸裕靖
2018.8.7,長野県松本市,多数exs.
2019.8.14,長野県木曽郡,1♂1♀,関戸裕靖
2019.8.14,長野県松本市,1♂1♀,関戸裕靖
2020.7.30,長野県松本市,1♂,松井慶夫
2022.8.2,長野県松本市,3♂♂
2022.8.8,長野県松本市,1♀

※ 上記の記録は,杉坂美典 著 『ゴマシジミの謎を探る』 の論文中のデータによるものである。私は,研究のために採集する個体数は,各産地において,発生数の1/4以下にするように決め,継続し
 て発生するように心がけてきた。この論文によって,愛知県,および,その周辺に生息する本種の地理的変異が明らかになった。しかし,この論文を本として1988年に出版したため,多くの採集者が
 発生地を訪れ,乱獲をするようになった。さらに,その他の要因も加わり,2000年には,愛知県やその周辺では見られなくなってしまった。残念なことである。

・ゴマシジミ  中部高地帯亜種    Phengaris teleius hosonoi A. Takahashi, 1973


写真数: 24枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  この亜種は,小型で,表面の青色斑はあまり発達せず,黒斑も小さくなるという特徴がある。
 この亜種は,法律によって採集禁止になっている。
【雌  雄】 ♂は,青色斑が基部付近に広がり,♀には,青色斑がほとんどないので,雌雄を区別することができる。
【食草・食餌】 ナガボノワレモコウ(バラ科)→ハラクシケアリの卵・幼虫
【生  態】 年1回,発生し,7月中旬〜8月下旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  この亜種は,中部地方の高山地帯に生息している。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧II類(VU)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,西アジア,中央アジア,チベット,中国,朝鮮半島,アムール,ウスリー,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,山東省,山西省,河南省,陳西省,甘粛省,新疆ウィグル自治區に分布している。
【近似種】 カバイロシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の黒点が2列あるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2014.8.3,長野県白馬村,3♂♂2♀♀,村田文彦

・ゴマシジミ  中国地方・九州亜種    Phengaris teleius daisensis (Matsumura, 1926)


写真数: 10枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  森林の周辺の草原に生息し,低く飛び,すぐに止まる習性がある。 
 中国地方に生息する個体は,大型で,翅表の青藍色斑の色調は明るく,外縁の黒帯と地色の境界は明瞭で,裏面の地色は明るい白色で,褐色味は弱い。
 九州に生息する個体は,大型で,翅表の青藍色斑の発達は悪く,暗化し,裏面の地色も暗化する。

中国地方産

九州産
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
熊本県全域
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食草・食餌】 ワレモコウ(バラ科)→ハラクシケアリの卵・幼虫
【生  態】 年1回,発生し,暖地では,8月中旬〜9月上旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  この亜種は,中国地方と九州に生息している。
 島根県,広島県,大分県,宮崎県,熊本県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,西アジア,中央アジア,チベット,中国,朝鮮半島,アムール,ウスリー,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,山東省,山西省,河南省,陳西省,甘粛省,新疆ウィグル自治區に分布している。
【近似種】 カバイロシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の黒点が2列あるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































記録
2005.8.17,広島県,1♂,辻  元
2005.8.22,広島県,2♂♂1♀,辻  元
2008.9.5,熊本県阿蘇市,1♂2♀♀,安中弘行

・オオゴマシジミ     Phengaris arionides takamukui (Matsumura, 1919)


写真数: 29枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  半肉食性で,4齢幼虫の初期までは,カメバヒキオコシなどの花芯を食べて成長し,終齢幼虫になるとモリクシケアリの巣の中で,卵・幼虫を食べて,越冬し,春になると,再びモリクシケアリの卵・幼虫を食べて成長し,盛夏に蛹化する。
 森林を流れる渓流沿いの草地に生息し,各種の花に吸蜜に訪れる。
【雌  雄】 ♀は,前翅外縁の黒帯が発達するが,生態写真で裏面しか見えない場合は,雌雄を区別することは難しい。
【食草・食餌】 カメバヒキオコシ・クロバナヒキオコシ(シソ科)→モリクシケアリの卵・幼虫
【生  態】 年1回,7月下旬〜8月下旬にかけて見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道,本州に分布する。
 群馬県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,ウスリー,アムール,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,河南省,山西省,四川省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2006.8.13,岐阜県高山市,2♀♀,安中弘行
2013.8.18,長野県松本市,1♀,足立幸子
2014.8.3,岐阜県高山市,2♂♂,安中弘行
2017.8.4,岩手県奥州市,1♂,荻野秀一
2017.8.5,長野県松本市,1♀,岡本雅昭
2018.7.27,富山県中新川郡,1♂,荻野秀一
2019.8.6,富山県中新川郡,3♀♀,関戸裕靖
2022.7.26,富山県中新川郡,1♂2♀♀,荻野秀一

・ヒメシジミ  本州・九州亜種    Plebejus argus micrargus (Butler, 1878)


No.1  記録時期  1980.6.25 〜 2020.8.18
写真数: 96枚
出現頻度
★★☆☆☆


No.2  記録時期  2021.6.11 〜
写真数: 93枚
 
 
分布域 と 記録地点
【特  徴】  渓流沿いの荒地や湿地などに見られ,地上すれすれを低く飛ぶ習性がある。
 日本には,次の2亜種がある。
   本州・九州亜種 P.argus micrargus (Butler, 1878)
   北海道亜種 P.argus pseudaegon (Butler, [1882])
 北海道亜種は,小型で,♂は,翅表の色が淡く,前翅外縁の黒帯の幅が狭い。後翅外縁には,黒斑が並ぶ。♂♀とも裏面の橙色斑の色が濃い。
 本州・九州亜種にも変異がある。
 東北地方中部から九州に生息する個体は,前後翅翅外縁の黒帯の幅が広く,裏面の橙色斑の色は淡く,クロヘリ型と呼ばれている。
 愛知県や長野県では,♂の翅表の翅脈に沿って黒条が発達する個体群があり,この特徴を持つ個体をクロスジ型と呼ばれている。
 東北地方北部や中部山岳に生息する個体は,北海道亜種に似て,前翅外縁の黒帯の幅が狭い。♂の後翅表面外縁の黒帯は,黒点となる個体が多く,クロテン型と呼ばれているが,同一産地で,クロヘリ型も見られることがある。
 中国地方や九州では,翅形がやや横長になる傾向があり,♂の翅表の翅脈に沿って黒条が発達し,外縁の黒帯は,その幅その内側の境界線が不鮮明で,前翅の後角部付近では幅が広くなることから,別亜種 P. argus hokiensis (Kobayashi, 1932) (亜種名は,伯耆(ほうき)大山を意味するホウキエンシス) として記載されたが,現在では,本州・九州亜種に含まれ,ホウキ型と呼ばれている。


クロヘリ型


クロスジ型


クロテン型


ホウキ型
後翅裏面の後縁部に近い場所の黒斑が連結する斑紋異常が時々発生する。特に長野県の阿智村の発生地では発生率が高く,2022年6月中旬,2023年6月7日では,約半数の個体が斑紋異常であった。

♀  斑紋異常 クロスジ型
 1980.6.25
愛知県 作手村

♂  斑紋異常 クロスジ型
2018.7.22
長野県 松本市 上高地

♀  斑紋異常 クロスジ型
2021.6.27
長野県 阿智村

♀  斑紋異常
2022.7.2
長野県 木曽郡

♂  斑紋異常 クロスジ型
2022.6.12
長野県 阿智村

♀  斑紋異常 クロスジ型
2022.6.12
長野県 阿智村

♂  斑紋異常 クロスジ型
2022.6.13
長野県 阿智村

♂  斑紋異常 クロスジ型
2022.6.13
長野県 阿智村
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 マアザミ・ハバヤマボクチ・ヨモギ・タイアザミ(キク科),イタドリ(タデ科),オオバコ(オオバコ科),チダケサシ(ユキノシタ科),ツリガネニンジン(キキョウ科),バッコヤナギ(ヤナギ科),タイツリオウギ・イワオウギ・シロウマオウギ・モメンズル・マルバハギ(マメ科)
【生  態】  この亜種は,年1回,発生し,暖地では,6月上旬〜7月にかけて見られる。
 寒冷地では,6月上旬〜8月にかけて見られる。卵で越冬する。
【生息地】  この亜種は,東北地方から本州の中部山岳にかけて分布しているが,各地で激減している。
 愛知県では,東北部に生息地があったが激減し,隣接する長野県の南部では,狭い範囲に僅かながら生息している。
 神奈川県では,絶滅した。群馬県,茨木県,愛知県,島根県,山口県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,南シベリア,ウスリー,アムール,中国,朝鮮半島,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,河北省,山東省,湖南省,山西省,河南省,陳西省,甘粛省,新疆ウィグル自治區に分布している。
【近似種】 ヒメシジミ類はよく似ているが,本種は,♂は,翅表の黒条が現れるので区別することができるが,♀は,生態写真では区別することは難しい。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1980.6.25,愛知県新城市作手,4♂♂2♀♀
2002.7.1,長野県松本市,1♀
2014.6.22,石川県白山,1♂,関戸裕靖
2015.7.19,長野県白馬五竜,1♂,鈴木栄二
2017.6.24,長野県北安曇郡,2♂♂,関戸裕靖
2018.7.22,長野県松本市上高地,多数exs.
2018.8.6,長野県開田高原西野,1♂1♀
2019.7.1,岡山県真庭市,2♂♂1♀,高月陽生
2019.7.2,長野県阿智村,8♂♂3♀♀
2019.7.29,長野県阿智村,2♂♂1♀
2020.6.17,長野県阿智村,5♂♂2♀♀
2020.6.24,長野県阿智村,3♂♂1♀
2020.6.29,長野県阿智村,1♂1♀
2020.7.15,鳥取県江府町,3♂♂2♀♀,高月陽生
2020.7.22,長野県阿智村,1♂
2020.8.18,長野県下諏訪町,3♂♂3♀♀
2021.6.11,長野県阿智村,3♂♂
2021.6.27,長野県阿智村,2♂♂2♀♀
2021.7.21,岐阜県高山市,1♂2♀♀
2021.7.21,長野県開田高原,1♂
2021.8.3,長野県諏訪市,1♂1♀,大橋豊嗣
2022.6.12,長野県阿智村,5♂♂2♀♀
2022.6.28,福島県大沼郡,1♂1♀,大橋豊嗣
2022.7.2,長野県木曽郡,1♀,松井慶夫
2022.6.13,長野県原村,1♀
2022.6.13,山梨県北杜市,3♂♂2♀♀
2022.6.13,長野県阿智村,4♂♂
2022.6.28,長野県開田高原,3♂♂2♀♀
2022.7.2,長野県原村,4♂♂3♀♀
2022.7.7,長野県木曽郡,1♂2♀♀
2022.7.25,長野県上高地,3♂♂
2022.7.30,長野県岡谷市,2♂♂2♀♀
2022.8.8,長野県諏訪市,3♂♂1♀
2023.6.30,岩手県久慈市,2♂♂1♀,三河和夫
2023.7.10,長野県阿智村,1♂1♀,杉浦 昌
2023.6.7,山梨県北杜市,9♂♂2♀♀
2023.6.7,長野県阿智村,9♂♂3♀♀2023.6.14,長野県阿智村,12♂♂7♀♀2023.7.25,長野県阿智村,1♀

・ヒメシジミ  北海道亜種    Plebejus argus pseudaegon (Butler, [1882])


写真数: 21枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  荒地に見られ,地上すれすれを低く飛ぶ習性がある。
 小型で,♂は,翅表の色が淡く,前翅外縁の黒帯の幅が狭い。後翅外縁には,黒斑が並ぶ(クロテン型)。♂♀とも裏面の橙色斑の色が濃い。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 オオヨモギ(キク科)
【生  態】 この亜種は,年1回,発生し,6月下旬〜8月に見られる。卵で越冬する。
【生息地】 この亜種は,北海道のほぼ全域で生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,南シベリア,ウスリー,アムール,中国,朝鮮半島,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,河北省,山東省,湖南省,山西省,河南省,陳西省,甘粛省,新疆ウィグル自治區に分布している。
【近似種】 ヒメシジミ類はよく似ているが,本種は,♂は,翅表の黒条が現れるので区別することができるが,♀は,生態写真では区別することは難しい。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
北海道



































記録
2011.7.11,北海道旭川市,4♂♂2♀♀,安中弘行
2013.7.16,北海道層雲峡,7♂♂3♀♀
2015.6.27,北海道旭川市,3♂♂2♀♀,安中弘行
2018.7.10,北海道帯広市,1♂,安中弘行
2022.7.5,北海道旭川市,2♂♂,安中弘行


・ミヤマシジミ    Plebejus argyrognomon praeterinsularis Verity, 1921


写真数: 40枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  荒地や河原に見られ,地上すれすれを低く飛ぶ習性がある。
 北限の福島県南部に生息する個体は,小型で,♂の後翅翅表の外縁にある黒斑が大きく,裏面の橙色斑列も大きくで細長いため,別亜種 ssp.shirahatai とされたこともあったが,現在では,日本産が同一亜種になっている。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達し,裏面の地色が暗褐色になるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 コマツナギ(マメ科)
【生  態】 暖地では,年4〜5回,5月中旬〜10月にかけて見られ,寒冷地では,年2〜3回,発生し,6月中旬〜10月中旬にかけて見られる。卵で越冬する。
【生息地】  関東地方の北部,中部地方に分布している。
 静岡県では,浜松市など一部で生息が確認されている。
 福島県,石川県,神奈川県では,絶滅した。群馬県,埼玉県,東京都では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,チベット,モンゴル,南シベリア,ウスリー,アムール,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,青海省,河北省,山東省,湖南省,山西省,河南省,陳西省,甘粛省,新疆ウィグル自治區に分布している。
【近似種】 ヒメシジミ類はよく似ているが,本種は,後翅外縁の橙色斑列の外側にある黒斑列が大型になること,♂は翅表に青色斑が一様に広がることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖 地




































寒冷地



































記録
1995.9.15,山梨県甲府,1♂,辻 元
2010.9.4,静岡県浜松市,2♀♀,判家卓司
2014.9.6,栃木県さくら市,1♂,荻野秀一
2014.9.20,静岡県浜北区,1♀,荻野秀一
2014.9.20,静岡県天竜区,1♂,荻野秀一
2017.9.8,栃木県さくら市,1♂,荻野秀一
2018.5.14,静岡県浜北区,2♂♂1♀
2018.8.29,長野県駒ケ根市大田切,1♂
2019.10.2,長野県松本市,1♂1♀,関戸裕靖
2019.10.3,長野県安曇野市,1♂,関戸裕靖
2019.10.5,長野県北安曇郡,1♀,関戸裕靖
2019.10.7,長野県松本市,1♂,関戸裕靖
2019.10.10,長野県大町市,1♂,関戸裕靖
2020.9.17,栃木県さくら市,1♂,荻野秀一
2021.6.24,静岡県浜北区,1♂1♀

・アサマシジミ  北海道亜種  (別名 イシダシジミ)    Plebejus subsolanus iburiensis (Butler, [1882])


写真数: 14枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  日当たりのよい草原,荒地や河原に見られ,地上すれすれを低く飛ぶ習性がある。
 日本には,次の3亜種がある。
   北海道亜種 P.subsolanus iburiensis (Butler, [1882])  (イシダシジミ)
   本州亜種 P.subsolanus yaginus (Strand, 1922)
   本州高地亜種 P.subsolanus yarigadakeanus (Matsumura, 1929)  (ヤリガタケシジミ,トガクシシジミ,シロウマシジミ)
 北海道産の♂は,青藍色斑がやや灰白色を帯び,翅脈上の黒条は,外縁側のみで,♀は,翅表の亜外縁には,橙色斑はほとんど発達しないか消失する。
 本州の関東から新潟,山梨,長野,静岡などに生息する♂は,翅表の青藍色斑の色が濃く,裏面の地色は,褐色味が強い。
 本州の高地帯に生息する♂は,北海道産に似るが,翅脈上の黒条は,基部近くまで発達する。♀の翅表の亜外縁にある橙色斑は,良く発達する個体が多い。
 この亜種は,種の保存法で採集禁止種に指定されている。したがって,「あげる・売る・貸す/もらう・買う・借りる」なども,有償・無償を問わず原則として禁止されており,違反した場合は,個人では,5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金,法人では,罰金1億円が課せられている。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ナンテンハギ(マメ科)
【生  態】 この亜種は,年1回,発生し,7月上旬〜8月にかけて見られる。卵で越冬する。
【生息地】  この亜種は,北海道に分布している。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IA類(CR)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,アルタイ,アムール,シベリア,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省に分布している。
【近似種】 ヒメシジミ類はよく似ているが,本種は,♂は前翅の青色斑が明るいコバルトブルーになることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
北海道



































記録
2005.7.15,北海道東部,1♂,辻 元
2016.7.18,北海道紋別郡,1♂,足立幸子
2018.7.12,北海道東部,1♂,辻 元
2020.7.10,北海道東部,1♂1♀,荻野秀一
2020.7.12,北海道東部,1♂,荻野秀一

・アサマシジミ  本州亜種    Plebejus subsolanus yaginus (Strand, 1922)


写真数: 36枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  日当たりのよい草原,荒地や河原に見られ,地上すれすれを低く飛ぶ習性がある。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
長野県(県),長野県北佐久郡御代田町(町)
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ナンテンハギ・タイツリオウギ・イワオウギ・シロウマオウギ・モメンズル・エビラフジ・クサフジ・ミヤマタニワタシ(マメ科)
【生  態】 この亜種は,6月中旬〜7月にかけて見られる。卵で越冬する。
【生息地】  中部山岳に生息しているが,激減している。
 埼玉県,東京都,神奈川県では,絶滅した。群馬県,岐阜県では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧II類(VU)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,アルタイ,アムール,シベリア,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省に分布している。
【近似種】 ヒメシジミ類はよく似ているが,本種は,前翅裏面の後縁から2つ目の斑紋が発達すること,♂は,前後翅の表面に黒褐色斑が広がることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
本 州



































記録
2017.6.22,長野県白馬村,2♂♂2♀♀,安中弘行
2017.6.24,長野県北安曇郡,3♂♂1♀,関戸裕靖
2017.7.7,長野県北安曇郡,1♀,足立幸子
2018.6.22,長野県東部,1♂1♀,高崎 明
2019.6.18,長野県北安曇郡,3♂♂,関戸裕靖
2019.6.19,長野県北安曇郡,2♂♂1♀,関戸裕靖
2019.6.23,長野県北安曇郡,1♂,関戸裕靖
2019.7.2,長野県大町市,1♂1♀,関戸裕靖
2019.7.25,富山県中新川郡,1♀,関戸裕靖
2022.6.13,山梨県北杜市,2♂♂

・アサマシジミ  本州高地亜種     Plebejus subsolanus yarigadakeanus (Matsumura, 1929)


写真数: 8枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  日当たりのよい草原,荒地や河原に見られ,地上すれすれを低く飛ぶ習性がある。
 かつては,生息地の違いによって,ヤリガタケシジミ,トガクシシジミ,シロウマシジミと呼ばれていた。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
長野県全域(県),新潟県妙高市(市)
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ナンテンハギ・タイツリオウギ・イワオウギ・シロウマオウギ・モメンズル・エビラフジ・クサフジ・ミヤマタニワタシ(マメ科)
【生  態】 この亜種は,6月下旬〜8月中旬にかけて見られる。卵で越冬する。
【生息地】  北アルプスや白山連邦の高山地帯に生息している。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,アルタイ,アムール,シベリア,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省に分布している。
【近似種】 ヒメシジミ類はよく似ているが,本種は,♂は前翅の青色斑が明るいコバルトブルーになることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
本 州



































記録
2014.6.22,石川県白山,2♂♂,関戸裕靖
2019.6.21,長野県北安曇郡,1♂1♀,関戸裕靖

・カラフトルリシジミ    Albulina optilete daisetsuzana (Matsumura, 1926)


写真数: 14枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  低木の周辺に生息し,地上近くを速く飛び,人の気配には敏感である。
 国指定の天然記念物である。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,標本では,雌雄を区別することができるが,生態写真で裏面しか見えない場合は,雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 クロマメノキ・ガンコウラン・コケモモ(ツツジ科)
【生  態】 年1回,発生し,7月上旬〜8月中旬にかけて見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道の東部に局所的に分布している。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,シベリア,アムール,中国,朝鮮半島北部,サハリン,南千島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
北海道



































記録
2013.7.26,北海道大雪山,2♂♂1♀,安中弘行
2016.7.17,北海道河東郡,1♂,足立幸子
2020.7.13,北海道根室市,1♂,安中弘行

・ソテツシジミ  別名 キヤムラシジミ    Chilades mindorus (C. Felder et R. Felder, [1865])


写真数: 1枚


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。海岸沿いの日当たりのよいソテツ周辺で生息し,地上にもよく止まる。
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達するので,標本では,雌雄を区別することができるが,生態写真で裏面しか見えない場合は,雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 ソテツ(ソテツ科)
【生  態】 年数回,周年,記録が出た。越冬態はなく,継続して発生できない場所では,死滅する。
【生息地】 沖縄本島から八重山諸島で発生した。
【分  布】 種としては,日本以外では,フィリピン,ボルネオに分布している。
【近似種】 クロマダラソテツシジミに似るが,本種は,後翅表面の後角部に赤褐色斑があるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
南西諸島



































記録


・クロマダラソテツシジミ   名義タイプ亜種   Luthrodes pandava pandava (Horsfield, [1829]) 

♂  高温期型

♀  中温期型
No.1  記録時期  2008.9.13 〜 2020.1.14
写真数: 155枚
出現頻度
★★★☆☆

♂  寒冷期型

♀  低温期型
No.2  記録時期  2020.7.12 〜 2020.12.26
写真数: 132枚
 
 

♂  中温期型

♀  高温期型
No.3  記録時期  2021.8.21 〜 2021.12.12
写真数: 133枚
  
  

♀  高温期型

♀  高温期型
No.4  記録時期  2022.7.17 〜 2024.1.2
写真数: 204枚
  
分布域 と 記録地点
【特  徴】  日当たりのよい場所に生えているソテツの周辺で生息し,地上にもよく止まる。
 クロマダラソテツシジミは,台湾にいるコウシュンルリシジミ Chilades 属 と同じ属に分類されていたが,最近の研究(2023年)では, Luthrodes 属に変更され,遺伝子解析によって,日本本土で見られる個体は,名義タイプ亜種で,八重山諸島に生息する個体は,台湾亜種であることが判明した。なお,台湾には,台湾亜種が分布するが,台湾の西部には,名義タイプ亜種が生息するようになったという報告がある。
  ・Luthrodes pandava pandava (Horsfield, [1829])    名義タイプ亜種
  ・Luthrodes pandava peripatria (Hsu, 1989)   台湾亜種
 高温期型(後翅裏面の黒点が発達)と低温期型(後翅裏面の亜外縁の白斑が発達し,黒点は灰色)がある。
 寒冷のため越冬できない地域では,低温期型が顕著になった寒冷期型(後翅裏面の亜外縁の白斑は,より発達し,裏面全体が白化し,後翅肛角部の黒色斑は薄くて小さく,橙色斑は消失)も出ることがある。
 さらに,高温期型と低温期型の中間の斑紋を持つ個体(中温期型)が,日本本土では秋に見られ,南西諸島では,早春や晩秋に出現する。
 本種の季節型は,ツマグロキチョウやキタテハの夏型,秋型のように,明確に違いが線引きできる季節型があるわけではない。生育状況の温度変化によって,個体変異はあるが,徐々に斑紋は変化していく。
 東海地方の発生地では,高温期は長く,中温期は短く,低温期はやや長く,寒冷期は非常に短い。

高温期型 ♂
※ 後翅裏面の波状紋はほぼ同じ幅で,
後翅の肛角部の黒点は大きく,前縁
や基部の黒点は明瞭である

中温期型 ♂
※ 後翅裏面の亜外縁に白帯が発達し,
後翅裏面の前縁や基部の黒点は,
色が薄くなる個体が多い。

低温期型 ♂
※ 後翅裏面の亜外縁の白帯が発達し,
後翅の肛角部の黒点や橙色斑は小さくなり,
前縁や基部の黒点は灰色化する

寒冷期型 ♂
※ 後翅裏面の全体が白色化し,中央の
斑紋は融合し,肛角部の黒点は小さく,
不鮮明になり,橙色斑は消失する

高温期型 ♂
※ 後翅表面の後角部の黒斑は良く発達し,
橙色斑も出現することもある。
前翅外縁の黒帯の幅は広い

中温期型 ♂
※ 後翅表面の後角部の黒斑は発達し,
前翅外縁の黒帯の幅は,高温期型より
やや狭くなる

低温期型 ♂
※ 後翅表面の後角部の黒斑はかなり
小さくなり,前翅外縁の黒帯の幅は,
中温期型よりさらに狭くなる

寒冷期型 ♂
※ 後翅表面の後角部の黒斑は小さく,
前翅外縁の黒帯の幅は狭い

高温期型 ♀
※ 表面の青色斑はあまり発達せず,
後翅の肛角部の黒斑は良く発達する

中温期型 ♀
※ 青色斑は発達するが,前翅の前縁や外縁
には青色麟はなく,肛角部の黒斑は
高温期型より小さくなる

低温期型 ♀
※ 表面の青色斑はよく発達し,前翅の前縁
の基部近くにも青色麟が発達するが,
前翅外縁には黒斑列が残る

寒冷期型 ♀
※ 表面の青色斑はとてもよく発達し,
前翅の前縁の翅頂近くにも青色麟が
発達し,前翅外縁には黒斑列はない

  ※ 著者は,名義タイプ亜種の斑紋変異(後翅裏面)を統計学的に解析する研究を2023年12月から開始した。各写真の下部に表示されている番号は,解析可能な個体の識別番号である。
    『日本産クロマダラソテツシジミ(Luthrodes pandava pandava)の後翅裏面における斑紋変異についての統計解析』 (執筆中)
 愛知県では,2020年1月には,全ての発生地で越冬できなかった。2021年1月にも,愛知県で記録された全ての発生地での死滅を確認した。
 冬期の寿命を調べるため,2020年12月20日に羽化した個体を採集した。餌として,薄めた砂糖水,蜂蜜を与え,屋内で飼育したところ,8日間,生存した。
 2021年,千葉県では,2月上旬まで生存した個体が確認された。 ※ 2022年以降の拡散の状況については,下記の【生息地】を参照
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達し,腹部の先端の形状が♂では長毛が生え,筒状になっているが,♀は,腹部が膨らみ,その先端は,産卵口が斜め下向きに付いているので紡錘状になっており,前翅の翅形がやや丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ソテツ(ソテツ科)
【生  態】  越冬態はなく,継続して発生できない場所では,死滅する。
 愛知県では,2011年に最初に発生し,2017年は一宮市,春日井市で発生した。2018年は,8月下旬,10月下旬に見られ,2019年は,田原市で見つかり,三河湾沿岸で大発生した。2020年1月14日まで確認できた。2021年は,県内の各所で大発生した。
 愛知県の三河湾東部の沿岸では,2020年の夏,再飛来し,大発生し,2021年1月4日が最後の記録となり,やはり越冬はできなかった。2022年は,知多半島のみで発生した。2023年は,愛知県の中部から南部にかけての一部で発生した。
【生息地】  千葉県でも発生し,愛知県,三重県,和歌山県,京都府,兵庫県などの関西地方,高知県など四国の各地,九州の各地の沿岸部でも,夏から秋にかけて発生している。福井県,茨木県でも記録が出た。
 太平洋沿岸の分布は,越冬地である種子島,屋久島付近からの飛散が主で,名古屋市など内陸部での分布は,ソテツの販売業者による移入による可能性もある。
 2018年は,名古屋市中区,名古屋市昭和区でも発生し,静岡県でも各所で発生した。
 2019年は,高知県,和歌山県,三重県,愛知県,静岡県などの太平洋沿岸の各所,兵庫県で発生した。
 2020年は,2019年とほぼ同様な場所で発生した。
 2021年,7月〜8月にかけて,愛知県では名古屋市の南部から北部,春日井市で大発生した。愛知県三河部では,西尾市で8月17日に4頭が今年初めて確認された。
 2021年9月には,名古屋市から周辺の市町村への拡散が確認され,豊田市でも記録が出て,9月19日には岡崎市では初めての記録2♀♀が出た。同日,三河湾沿岸部では西尾市の発生地から蒲郡市への拡散が確認された。9月20日には岡崎市の市街地でも1♂2♀♀が確認できた。9月21日には岡崎市の市街地の東部でも1♂1♀が確認できた。
 2021年10月には,県内の各地に拡散し,数多くの記録が出たが,11月下旬の寒波によって,多くの場所で死滅した。知多半島では,12月12日まで生息が確認できたが,12月21日までには死滅した。
 2022年9月17日に知多半島の1ヶ所で,7♂♂3♀♀が確認されたが,その周辺の11ヶ所のソテツがある場所では全く見られず,10月16日までに確認できたのは知多半島の3ヶ所だけで,三河湾沿岸,渥美半島,愛知県の内陸部でも見つかっておらず,その後は,発生しなかった。
 2023年9月3日に岡崎市の1ヶ所で見つかり,9月23日には,多数の個体を確認した。西尾市でも9月23日には,多数の個体が記録された。10月下旬では,三河地方を中心に分布が拡大している。2024年1月2日に蒲郡市での1♂が最後の記録となった。

クロマダラソテツシジミの分布拡大の推移 1992年〜2024年1月
×… 調査しても見つからなかった場所
×… 発生していたがいなくなった場所

<参照> 論文 『三河湾東沿岸地域におけるクロマダラソテツシジミの記録と飛来経路の推測
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,マレーシア,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省に分布している。広東省,福建省に分布しているものは,台湾と同じ亜種で,広西區に分布しているものは,日本と同じ名義タイプ亜種である。
【近似種】 よく似ているシジミ類は多いが,本種は,前翅表面の亜外縁の斑紋が後角付近の2個がややずれること,後翅裏面の前縁と基部付近の黒斑は5つで,その内3つが大きく鮮明になることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
本土




































記録
2008.9.13,兵庫県西宮市,1♂,安中弘行
2008.9.15,兵庫県宝塚市,1♂1♀,安中弘行
2008.10.13,兵庫県宝塚市,2♂♂2♀♀,安中弘行
2010.10.17,兵庫県神戸市,5♂♂5♀♀,安中弘行
2010.11.13,兵庫県神戸市,1♂3♀♀,安中弘行
2016.10.10,和歌山県太地町,1♂,鈴木祐樹
2016.10.30,和歌山県太地町,2♂♂2♀♀,関戸裕靖
2016.11.13,和歌山県,1♂,足立幸子
2017.9.2,愛知県一宮市,1♀,関戸裕靖
2017.9.10,愛知県春日井市,1♀,関戸裕靖
2017.9.17,愛知県春日井市,1♂,関戸裕靖
2017.9.24,愛知県春日井市,1♂,関戸裕靖
2017.9.30,愛知県春日井市,1♀,関戸裕靖
2017.10.7,愛知県春日井市,1♂1♀,関戸裕靖
2017.10.14,愛知県春日井市,1♀,関戸裕靖
2017.11.10,愛知県春日井市,1♀,関戸裕靖
2017.11.12,愛知県春日井市,1♀,関戸裕靖
2017.11.15,愛知県春日井市,1♀,関戸裕靖
2017.11.17,愛知県春日井市,1♂,関戸裕靖
2017.11.23,愛知県春日井市,1♂1♀,関戸裕靖
2017.11.28,愛知県春日井市,1♀,関戸裕靖
2017.12.1,愛知県春日井市,1♂,関戸裕靖
2017.12.2,愛知県春日井市,1♀,関戸裕靖
2017.12.3,愛知県春日井市,1♂,関戸裕靖
2017.12.15,愛知県春日井市,1♂,関戸裕靖
2018.8.22,愛知県名古屋市中区,1♂
2018.9.23,,高知県室戸市,1♀,高月陽生
2018.10.26,愛知県名古屋市昭和区,4♂♂1♀
2018.11.1,和歌山県東牟婁郡,2♂♂,関戸裕靖
2019.7.28,高知県室戸市,3♂♂,高月陽生
2019.9.3,愛知県田原市蔵王山,3♂♂
2019.9.11,愛知県田原市蔵王山,1♂
2019.10.6,高知県香美市,1♂,高月陽生
2019.10.9,兵庫県神戸市,1♂,児島孝宣
2019.10.10,兵庫県神戸市,1♀,児島孝宣
2019.10.15,愛知県西尾市東幡豆町,9♂♂1♀
2019.10.17,愛知県西尾市東幡豆町,12♂♂
2019.10.20,愛知県西尾市マリーナ東海,10♂♂4♀♀
2019.10.20,愛知県蒲郡市銀波荘前,4♂♂2♀♀
2019.10.28,愛知県西尾市吉田港,3♂♂1♀
2019.10.28,愛知県西尾市マリーナ東海,8♂♂2♀♀
2019.10.28,愛知県蒲郡市銀波荘前,3♂♂
2019.10.28,愛知県田原市高松町,2♂♂
2019.11.2,和歌山県串本町,1♀,安中弘行
2019.11.5,愛知県西尾市吉良,5exs.(終齢幼虫)
2019.11.5,愛知県西尾市マリーナ東海,8♂♂4♀♀
2019.11.12,愛知県西尾市マリーナ東海,1♂
2019.11.18,愛知県西尾市マリーナ東海,3♂♂2♀♀
2019.11.19,愛知県西尾市マリーナ東海,1♂1♀
2019.11.21,愛知県西尾市,5♂♂3♀♀,荻野秀一
2019.11.29,和歌山県荒船海岸,1♀,荻野秀一
2019.11.29,和歌山県熊野市大泊,4♂♂1♀,荻野秀一
2019.12.1,静岡県牧之原,1♀,村田文彦
2019.12.10,愛知県西尾市吉良,1♂
2019.12.23,愛知県西尾市吉良,3exs.
2019.12.29,愛知県西尾市吉良,2exs.
2020.1.2,愛知県西尾市吉良,3♂♂
2020.1.14,愛知県西尾市吉良,1♀
2020.7.12,高知県香美市,1♀,高月陽生
2020.7.31,高知県土佐清水市,1♂,高月陽生
2020.8.1,高知県室戸市,1♂,高月陽生
2020.8.1,高知県安芸郡,1♂,高月陽生
2020.8.16,高知県室戸市,2♂♂2♀♀,高月陽生
2020.8.21,愛知県西尾市マリーナ東海,9♂♂1♀
2020.9.1,愛知県田原市,多数♂♂♀♀
2020.9.21,高知県大月町,1♂,高月陽生
2020.9.26,愛知県西尾市マリーナ東海,1♀,荻野秀一
2020.9.27,静岡県相良海岸,1♂3♀♀,荻野秀一
2020.10.7,愛知県西尾市マリーナ東海,5♂♂4♀♀
2020.10.15,愛知県西尾市マリーナ東海,8♂♂5♀♀
2020.10.20,愛知県田原市赤羽根,2♂♂
2020.10.20,愛知県西尾市東幡豆町,1♀
2020.10.20,愛知県西尾市マリーナ東海,1♂1♀
2020.10.31,愛知県西尾市マリーナ東海,2♂♂1♀
2020.10.31,千葉県鴨川市,1♀,荻野秀一
2020.11.6,千葉県館山市,1♂1♀,荻野秀一
2020.11.8,愛知県西尾市マリーナ東海,1♀
2020.11.18,愛知県西尾市東幡豆,2♂♂2♀♀
2020.11.23,千葉県館山市,1♀,荻野一
2020.11.24,愛知県西尾市東幡豆,1♂2♀♀
2020.11.30,千葉県館山市,1♀,荻野秀一
2020.12.1,愛知県西尾市マリーナ東海,1♂1♀
2020.12.1,愛知県西尾市吉良,1♀
2020.12.4,愛知県西尾市マーナ東海,2♀♀
2020.12.4,愛知県西尾市吉良,1♂2♀♀
2020.12.4,千葉県南房総市,1♀,荻野秀一
2020.12.6,千葉県館山市,1♂,荻野秀一
2020.12.8,千葉県館山市,1♂3♀♀,荻野秀一
2020.12.10,静岡県牧之原市,1♀,荻野秀一
2020.12.10,愛知県西尾市マリーナ東海,1♂2♀♀
2020.12.10,愛知県西尾市吉良,3♀♀
2020.12.12,静岡県牧之原市,1♂,荻野秀一
2020.12.13,愛知県西尾市マリーナ東海,2♂♂1♀
2020.12.20,愛知県西尾市吉良,1♀(飼育開始)
2020.12.26,愛知県西尾市吉良,1♀(死亡前日)
2021.8.17,愛知県西尾市マリーナ東海,4exs.,足立幸子
2021.8.21,愛知県西尾市マリーナ東海,4♂♂5♀♀
2021.9.19,愛知県岡崎市細川町,2♀♀
2021.9.19,高知県香南市,1♂,高月陽生
2021.9.20,愛知県岡崎市祐金町,1♀
2021.9.20,愛知県岡崎市門前町,1♂1♀
2021.9.21,愛知県岡崎市大平町,1♂1♀
2021.9.30,千葉県船橋市,2♂♂,山本和彦
2021.10.1,愛知県岡崎市大平町,1♂
2021.10.2,愛知県岡崎市門前町,1♂
2021.10.2,愛知県岡崎市針埼町,2♂♂1♀
2021.10.2,愛知県岡崎市明大寺町,1♂
2021.10.3,愛知県岡崎市細川町,6♂♂1♀
2021.10.3,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2021.10.5,愛知県名古屋市守山区,2♂♂1♀
2021.10.8,愛知県岡崎市日名南町,2♂♂
2021.10.9,高知県香美市,1♂,高月陽生
2021.10.9,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2021.10.9,高知県香美市,1♂,高月陽生
2021.10.10,愛知県岡崎市日名南町,2♂♂
2021.10.11,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2021.10.11,愛知県稲沢市,1♀,広沢憲治
2021.10.14,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2021.10.15,愛知県田原市高松町,6♂♂1♀
2021.10.15,愛知県田原市高松町,3♂♂2♀♀
2021.10.15,愛知県岡崎市中町,1♀,杉浦 昌
2021.10.16,愛知県岡崎市大平町,1♂,杉浦 昌
2021.10.18,千葉県船橋市,1♂,山本和彦
2021.10.28,愛知県西尾市マリーナ東海,2♂♂6♀♀
2021.10.28,愛知県西尾市吉良町,2♂♂2♀♀
2021.11.2,千葉県船橋市,1♂,山本和彦
2021.11.4,兵庫県神戸市,6♂♂3♀♀,安中弘行
2021.11.5,愛知県西尾市マリーナ東海,1♂3♀♀
2021.11.11,愛知県西尾市マリーナ東海,2♂♂3♀♀
2021.11.11,愛知県西尾市吉良町,1♂
2021.11.16,愛知県西尾市マリーナ東海,3♂♂1♀
2021.11.17,愛知県半田市東郷町,2♂♂,松野光恭
2021.11.26,愛知県西尾市マリーナ東海,2♂♂3♀♀
2021.11.26,愛知県西尾市吉良町,1♂1♀
2021.11.26,愛知県知多郡美浜町,3♂♂4♀♀
2021.12.2,愛知県西尾市マリーナ東海,記録なし
2021.12.2,愛知県知多郡美浜町,1♂3♀♀
2021.12.5,愛知県岡崎市岩津町,1♀,松野光恭
2021.12.12,愛知県知多郡美浜町,4♂♂6♀♀
2021.12.21,愛知県知多郡美浜町,記録なし
2022.7.17,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.7.22,高知県土佐清水市,1♂1♀,高月陽生
2022.7.23,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.9.17,愛知県知多郡美浜町,7♂♂3♀♀
2022.10.14,愛知県知多郡美浜町,1♂
2022.10.16,愛知県美浜町,1♂2♀♀,足立幸子
2022.10.22,香川県観音寺市,1♂,高月陽生
2022.11.16,兵庫県神戸市,1♂7♀♀,安中弘行
2023.8.12,高知県土佐清水市,1♂,高月陽生
2023.8.12,高知県幡多郡大月町,2♂♂,高月陽生
2023.8.26,高知県安芸郡,2♂♂1♀,高月陽生
2023.9.3,愛知県岡崎市東蔵前町,1♂,松野光恭
2023.9.9,愛知県岡崎市東蔵前町,1♂
2023.9.10,愛知県岡崎市東蔵前町,1♂
2023.9.13,愛知県西尾市マリーナ東海,3♂♂1♀
2023.9.15,愛知県岡崎市東蔵前町,3♂♂,松野光恭
2023.9.23,愛知県岡崎市東蔵前町,2♂♂,松野光恭
2023.9.23,愛知県岡崎市岩津町,1♂2♀♀
2023.9.23,愛知県岡崎市東蔵前町,2♂♂
2023.9.24,愛知県岡崎市東蔵前町,1♂,松野光恭
2023.9.30,愛知県岡崎市岩津町,2♂♂3♀♀,松野光恭
2023.10.5,愛知県西尾市,2♂♂1♀,足立幸子
2023.10.7,愛知県岡崎市岩津町,1♀
2023.10.8,愛知県岡崎市岩津町,1♂,松野光恭
2023.10.12,愛知県岡崎市竜泉寺町,1♂,川田菜穂子
2023.10.14,愛知県岡崎市岩津町,1♂,松野光恭
2023.10.15,愛知県岡崎市岩津町,2♂♂,松野光恭
2023.10.15,愛知県岡崎市真福寺町,1♂1♀,柴田眞宏
2023.10.17,愛知県岡崎市東蔵前町,2♂♂,杉坂美典
2023.10.18,愛知県岡崎市朝日町,2♂♂,杉浦 昌
2023.10.18,愛知県西尾市マリーナ東海,2♂♂1♀
2023.10.22,愛知県岡崎市戸崎町,1♀,川田菜穂子
2023.10.22,愛知県岡崎市岩津町,1♀,松野光恭
2023.10.23,愛知県西尾市マリーナ東海,1♂2♀♀,足立幸子
2023.10.24,愛知県蒲郡市形原町,4♂♂1♀
2023.11.2,愛知県岡崎市岩津町,1♂
2023.11.3,愛知県岡崎市岩津町,3♂♂,松野光恭
2023.11.5,愛知県豊橋市大岩町,1♂,松井慶夫
2023.11.11,愛知県名古屋市千種区,1♂,伊藤健太郎
2023.11.8,兵庫県神戸市,2♂♂2♀♀,安中弘行
2023.11.9,兵庫県神戸市,1♂1♀,安中弘行
2023.11.19,愛知県蒲郡市南部,2♂♂,足立幸子
2023.11.21,愛知県蒲郡市形原町,1♂
2023.11.21,愛知県蒲郡市南部,3♂♂
2023.11.21,愛知県岡崎市真福寺町,1♂,柴田眞宏
2023.11.25,愛知県岡崎市岩津町,2♂♂,松野光恭
2023.11.30,愛知県蒲郡市南部,多数,足立幸子
2023.12.10,愛知県西尾市マリーナ東海,5♂♂4♀♀
2023.12.10,愛知県蒲郡市南部,2♂♂4♀♀
2023.12.11,愛知県蒲郡市,9♂♂5♀♀,高村葉子
2023.12.19,愛知県蒲郡市南部,1♂
2024.1.2,愛知県蒲郡市南部,1♀

・クロマダラソテツシジミ   台湾亜種    Luthrodes pandava peripatria (Hsu, 1989) 

♂  高温期型
写真数: 48枚

♀  低温期型
出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点


【特  徴】 日当たりのよい場所に生えているソテツの周辺で生息し,地上にもよく止まる。 
【雌  雄】 ♂は,青白色斑が亜外縁まで広がり,♀は,亜外縁の黒灰色の斑紋が発達し,腹部の先端の形状が♂では長毛が生え,筒状になっているが,♀は,腹部が膨らみ,その先端は,紡錘状になっているので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ソテツ(ソテツ科)
【生  態】 奄美大島以南では,年数回,周年,発生している。越冬態はなく,継続して発生できない場所では,死滅する。
【生息地】 奄美大島から八重山諸島で見られる。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,マレーシア,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省に分布している。広東省,福建省に分布しているものは,台湾と同じ亜種で,広西區に分布しているものは,日本と同じ名義タイプ亜種である。
【近似種】 よく似ているシジミ類は多いが,本種は,前翅表面の亜外縁の斑紋が後角付近の2個がややずれること,後翅裏面の前縁と基部付近の黒斑は5つで,その内3つが大きく鮮明になることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
南西諸島



































記録
2012.11.22,沖縄県石垣市,1♂1♀,安中弘行
2012.11.26,沖縄県石垣市,1♀,安中弘行
2013.5.17,沖縄県石垣市,多数,安中弘行
2013.5.18,沖縄県石垣市,2♂♂,安中弘行
2014.10.25,沖縄県名護市,2♂♂,安中弘行
2014.10.26,沖縄県名護市,1♂,安中弘行
2015.9.24,沖縄県名護市,1♂,安中弘行
2015.11.9,沖縄県石垣市,1♂,安中弘行
2015.12.11,沖縄県石垣市,1♀,安中弘行
2017.7.7,沖縄県石垣市,1♀,安中弘行
2018.5.22,沖縄県南城市,多数exs.,杉坂信子
2018.5.23,沖縄県本部町,多数exs.,杉坂信子
2018.7.22,沖縄県恩納村,1♀,白石維之
2019.1.4,沖縄県石垣市,1♀,荻野秀一
2019.11.8,沖縄県石垣市,1♂,安中弘行
2021.11.28,沖縄県西表島,1♀,三河和夫
2021.12.2,沖縄県西表島,3♂♂1♀,三河和夫
2022.10.10,沖縄県名護市,1♀,三河和夫
2023.4.19,沖縄県宮古島,2♂♂1♀,高村葉子
2023.4.20,沖縄県宮古島,1♂1♀,高村葉子
2023.4.22,沖縄県宮古島,4♂♂2♀♀,高村葉子
2023.7.3,沖縄県西表島,2♂♂1♀,高村葉子
2023.7.24,沖縄県西表島,1♂,高月陽生
2023.10.6,鹿児島県奄美大島宇検村,1♂,鈴木栄二

・タイワンヒメシジミ     Freyeria putli (Kollar, [1844])

♂  ♀
写真数: 13枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶,偶産蝶であるが,最近は定着してきている。開長13〜17mm。食草ヒメノアズキなどが生育する明るい背の低い草地に生息している。
【雌  雄】 ♀は,後翅裏面外縁の赤褐色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ヒメノアズキ・ミツバノコマツナギ(マメ科)
【生  態】 周年,年数回発生している。越冬態はない。
【生息地】 八重山諸島で発生している。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南部,台湾に分布している。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
2012.11.24,沖縄県西表島,1♀,安中弘行
2013.5.19,沖縄県西表島,1♀,安中弘行
2013.11.9,沖縄県西表島,1♂,安中弘行
2015.9.21,沖縄県西表島,1♀,足立幸子
2015.11.22,沖縄県西表島,1♂2♀♀,高崎 明
2017.11.29,沖縄県西表島,2♂♂,安中弘行
2021.12.1,沖縄県西表島,2♀♀,三河和夫




    

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