日本の蝶 <セセリチョウ科>  チャマダラセセリ亜科


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・ダイミョウセセリ    Daimio tethys tethys (Menetries, 1857)     名義タイプ亜種


写真数: 163枚 


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】  開長33〜36mm。中型のセセリチョウで,やや暗い場所を好み,飛び方が非常に速いが,花によく集まり,翅を開いて止まる習性がある。
 後翅表面に白帯が現れる関西型と白帯がない関東型があり,愛知県や長野県で見られる個体は,関東型近い中間型で,うっすらと白帯が現れる個体が多い。
 本種の分布の北限に近い青森県産の個体は,後翅に白斑が全くなかった。
 台湾産は別亜種moori で,前翅表面の白斑は小さくなり,後翅表面に白帯が鮮明に現れる。

関東型

中間型

関西型

台湾産
 東京都の小林清二氏によって,2022年5月,東京都小金井市で前翅の白斑が異常発達した個体が記録された。

斑紋異常
【雌  雄】 雌雄同型なので,雌雄を区別することは難しいが,後脚が見える場合は,♂には長毛があるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ヤマノイモ・オニドロコ・ナガイモ・ツクネイモ(ヤマノイモ科)
【生  態】  暖地では,年3回の発生で,4月下旬から6月上旬,7月上旬〜8月上旬,8月下旬〜11月上旬に見られる。
 寒冷地や高地では,年2回の発生で,5月中旬〜6月下旬,7月下旬〜9月上旬に見られる。終齢幼虫で越冬する。
【生息地】 北海道の南部から九州にかけて分布している。 
【分  布】  種としては,日本以外では,インドシナ半島北部,中国,朝鮮半島,ロシア南部,台湾に分布している。台湾産は分布の南限に当たる。
 中国では,四川省,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,湖南省,江西省,浙江省,湖北省,河南省,山東省,山西省,河北省,遼寧省,吉林省,黒竜江省,上海市に分布している。
 中国の中部,南部,東部の四川省から浙江省にかけて分布するものは,台湾と同じ亜種D.tethys moori で,中国北東部の黒竜江省,吉林省,遼寧省には,日本と同じ亜種で名義タイプ亜種 D.tethys tethys が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1979.5.13,愛知県岡崎市岡町,1♂
1979.8.9,愛知県岡崎市奥山田町,4♂♂1♀
1979.9.5,愛知県岡崎市山綱町,1♂
1980.5.18,愛知県岡崎市須渕町,1♂
1980.5.25,愛知県岡崎市桑谷山,1♂,鈴木友之
1990.7.19,愛知県岡崎市本宿町,1♂,松井直人
1998.7.5,愛知県岡崎市本宿町,1♂,松井直人
1998.7.15,愛知県岡崎市本宿町,1♂,松井直人
1998.9.1,愛知県岡崎市本宿町,1♀,松井直人
2003.5.6,愛知県岡崎市高隆寺町,2ex.,柵木宗孝
2007.7.31,愛知県岡崎市秦梨町,1♀
2008.6.9,愛知県岡崎市秦梨町,1ex.
2009.5.11,愛知県岡崎市池金町,1♂
2010.8.17,長野県木曽御嶽山麓,1ex.
2012.6.6,愛知県岡崎市恵田町,1ex,吉田 健
2014.7.20,熊本県市房山,1ex.,足立幸子
2016.5.7,高知県香美市,ex.,高月陽生
2018.5.10,愛知県新城市七郷一色,4exs.
2018.5.15,愛知県豊川市宮路山,1ex.
2018.5.29,愛知県豊橋市葦毛湿原,1ex.
2018.6.12,愛知県岡崎市桑谷展望地,1♂,1ex.
2018.8.25,愛知県岡崎市桑谷展望地,1♂
2019.5.18,愛知県岡崎市桑谷展望地,2♂♂
2019.5.26,高知県香美市物部町,1ex.,高月陽生
2019.6.9,青森県七戸町,1ex.,足立幸子
2019.6.25,愛知県豊田市小田木町,1ex.
2020.5.4,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.5.29,愛知県豊田市香嵐渓,1ex.
2020.8.2,高知県香美市,1ex.,高月陽生
2020.8.13,愛知県豊根村,1
2020.8.16,愛知県設楽町,1ex.
2020.8.29,高知県日高村,1ex.,高月陽生
2021.5.15,高知県高知市,1ex.,高月陽生
2021.5.30,愛知県豊田市平瀬,1
2021.6.11,愛知県豊田市大野瀬町,1ex.
2021.7.3,高知県香美市,1ex.,高月陽生
2021.7.21,岐阜県高山市,1ex.
2021.9.18,高知県香美市,1ex.,高月陽生
2021.9.13,愛知県豊田市平瀬,3exs.
2022.4.25,愛知県春日井市,1ex.,荒川尚彦
2022.4.28,東京都小金井市,1ex.,小林清二
2022.5.4,愛知県豊田市,1ex.
2022.5.10,愛知県豊田市4exs.
2022.5.19,高知県香美市,1♂高月陽生
2022.5.19,長野県飯田市,1♂,2exs.
2022.5.23,長野県飯田市,1ex.
2022.5.24,東京都小金井市,1♂小林清二
2022.6.2,愛知県西尾市,1♂
2022.6.4,愛知県豊田誌,3♂♂
2022.6.12,岡山県新見市,ex.,高月陽生
2022.6.13,山梨県北杜市,1
2022.6.14,岩手県久慈市,1ex.,三河和夫
2022.7.31,高知県香美市,ex.,高月陽生
2022.8.17,東京都小平市,ex.,小林清二
2022.8.26,東京都小平市,ex.,小林清二
2022.8.29,東京都小金井市,ex.,小林清二
2022.8.29,岡崎市八ツ木町,2exs.
2022.8.30,東京都小金井市,ex.,小林清二
2022.8.31,東京都小金井市,1♂1♀,小林清二
2022.9.3,岩手県盛岡市,1♂山本和彦
2022.9.4,愛知県岡崎市,ex.
2022.9.10,東京都小平市,1♂小林清二
2022.9.21,東京都小金井市,ex.,小林清二
2022.10.2,東京都小金井市,ex.,小林清二
2022.10.4,東京都西東京市,ex.,小林清二
2022.10.4,愛知県岡崎市桑谷展望地,1♂
2022.10.8,東京都西東京市,ex.,小林清二
2022.10.14,東京都小平市,ex.,小林清二
2022.10.21,東京都西東京市,ex.,小林清二
2022.11.9,東京都小平市,ex.,小林清二
2023.4.23,東京都東村山市,ex.,小林清二
2023.4.27,東京都東村山市,ex.,小林清二
2023.4.29,千葉県船橋市,ex.,山本和彦
2023.5.1,東京都小金井市,ex.,小林清二
2023.5.4,愛知県豊田市,ex.
2023.5.5,東京都東村山市,ex.,小林清二
2023.5.7,千葉県南房総市,ex.,山本和彦
2023.5.12,東京都東村山市,2exs.,小林清二
2023.5.14,高知県香美市,ex.,高月陽生
2023.5.16,東京都西東京市,ex.,小林清二
2023.5.17,長野県飯田市,ex.
2023.5.18,岩手県久慈市,ex.,三河和夫
2023.5.18,東京都東村山市,ex.,小林清二
2023.5.21,長野県飯田市,ex.
2023.5.27,東京都小平市,ex.,小林清二
2023.5.30,東京都西東京市,ex.,小林清二
2023.6.11,岩手県久慈市,ex.,三河和夫
2023.6.28,青森県東北町,ex.,三河和夫
2023.8.11,岩手県葛巻町,ex.,三河和夫
2023.8.11,青森県八戸市,ex.,三河和夫
2023.8.17,東京都西東京市,ex.,小林清二
2023.8.19,東京都小平市,ex.,小林清二
2023.8.28,愛知県岡崎市八ツ木町,ex.,高村葉子
2023.9.5,愛知県岡崎市淡渕町,ex.,鈴木栄二
2023.9.12,愛知県岡崎市石原町,ex.,高村葉子
2023.9.21,東京都小平市,ex.,小林清二
2023.9.22,東京都小平市,ex.,小林清二
2023.9.30,東京都小平市,ex.,小林清二
2023.10.2,東京都東村山市,ex.,小林清二
2023.10.12,東京都小平市,ex.,小林清二
2024.4.25,東京都西東京市,ex.,小林清二
2024.4.28,高知県香美市,2exs.1♀,高月陽生
2024.4.28,愛知県豊橋市雲谷町,ex.,松野光恭
2024.5.3,愛知県岡崎市茅原沢町,ex.,高村葉子
2024.5.2,愛知県豊橋市葦毛湿原,ex.
2024.5.3,東京都東村山市,ex.,小林清二
2024.5.3,愛知県新城市,ex.
2024.5.5,東京都西東京市,ex.,小林清二
2024.5.3,愛知県豊田市平瀬,ex.
2024.5.14,東京都西東京市,ex.,小林清二
2024.5.14,長野県阿智村,ex.
2024.5.17,東京都東村山市,ex.,小林清二
2024.5.23,東京都小平市,ex.,小林清二
2024.5.24,東京都西東京市,ex.,小林清二
2024.5.27,青森県十和田市,ex.,三河和夫
2024.5.30,東京都東村山市,ex.,小林清二
2024.6.1,東京都西東京市,ex.,小林清二
2024.7.13,愛知県岡崎市茅原沢町,ex.,村井弘子
2024.8.4,茨城県坂東市,ex.,吉田信雄
2024.8.21,東京都小平市,ex.,小林清二
2024.9.2,東京都東村山市,ex.,小林清二
2024.9.8,愛知県岡崎市石原町,ex.,杉浦 昌
2024.9.19,東京都小金井市,ex.,小林清二

・コウトウシロシタセセリ    Tagiades trebellius martinus Plotz, 1884


写真数: 17枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 開長35〜40mm。中型のセセリチョウで,飛び方が非常に速いが,花によく集まる。
【雌  雄】 新鮮な個体では,♂は翅表の地色が濃くなり,♀は前翅の白斑が発達するが,例外的な個体も多く,生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 ソメモノイモ・ダイジョウ(ヤマノイモ科)
【生  態】
 周年,年数回発生している。越冬態はなく,継続して発生できない場所では,死滅する。
【生息地】 石垣島,竹富島,小浜島,黒島,西表島,波照間島,与那国島に生息している。
【分  布】 種としては,日本以外では,フィリピン,インドネシア東部,ニューギニア,台湾に分布している。 
【近似種】 なし
成虫期

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
八重山



































記録
2015.12.9,沖縄県石垣島,1♀,安中弘行
2015.12.30,沖縄県石垣市,1♀,荻野秀一
2017.7.4,沖縄県石垣島,1♀,安中弘行
2017.11.1,沖縄県石垣島,1♀,安中弘行
2017.11.2,沖縄県石垣島,2♂♂,安中弘行
2017.11.30,沖縄県石垣島,1♀,松井慶夫
2021.10.27,沖縄県石垣市,1♀,荻野秀一
2021.12.2,沖縄県西表島,1♂,三河和夫
2023.7.2,沖縄県石垣島,1♂,高村葉子

・ミヤマセセリ    Erynnis montana montana (Bremer, 1861)     名義タイプ亜種


写真数: 75枚 


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 中型のセセリチョウで,翅を開いて,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,前翅の翅頂付近に白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。幼虫で越冬する。
【食  草】 クヌギ・アベマキ・コナラ・ミズナラ・カシワ・ナラガシワ(ブナ科)
【生  態】
 年1回,発生し,暖地では,3月中旬〜5月上旬にかけて見られる。
 寒冷地では,4月下旬から6月に見られる。
【生息地】 北海道から九州にかけて分布している。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国,朝鮮,ロシア南部に分布している。
 中国では,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,浙江省,遼寧省,吉林省,黒竜江省に分布している。中国の遼寧省,吉林省,黒竜江省や朝鮮,ロシア南部に分布するものは,日本と同じ名義タイプ亜種である。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1974.4.20,愛知県岡崎市池金町,1♂1♀
1976.4.25,愛知県崎市池金町,1♂1♀
1977.3.29,愛知県岡崎市池金町,2♂♂
1977.4.3,愛知県岡崎市池金町,2♂♂
1977.4.10,愛知県岡崎市池金町,2♂♂
1979.3.31,愛知県岡崎市池金町,3♂♂
1979.4.15,愛知県岡崎市池金町,1♂1♀
1979.4.23,愛知県岡崎市大井野町,1♀
1979.4.23,愛知県岡崎市滝町,1♂
1979.4.23,愛知県岡崎市須渕町,1♀
1980.3.31,愛知県岡崎市古部町,1♂
1980.3.31,愛知県岡崎市池金町,2♂♂
1980.3.31,愛知県岡崎市蓬生町,2♂♂
1980.4.27,愛知県岡崎市池金町,1♂2♀♀
1980.4.29,愛知県岡崎市岩中町,1♂
1981.4.2,愛知県岡崎市池金町,3♂♂
1981.4.11,愛知県岡崎市池金町,4♀♀
1982.5.5,愛知県岡崎市上衣文町,5♂♂,松井直人
1983.5.5,愛知県岡崎市上衣文町,2♂♂,松井直人
1989.4.1,愛知県岡崎市上衣文町,2♂♂,松井直人
1989.4.18,愛知県岡崎市上衣文町,1♀,松井直人
2004.3.28,愛知県岡崎市駒立町,1♂,柵木宗孝
2005.4.8,愛知県岡崎市池金町,1♂
2010.4.3,愛知県岡崎市樫山町,1♂
2011.3.27,愛知県岡崎市池金町,1♂
2016.5.1,長野県開田高原,1♂1♀,関戸裕靖
2017.3.29,愛知県新城市,1♂,松井慶夫
2018.5.20,長野県南アルプス,1♂
2019.3.20,静岡県浜松市枯山,1♂
2019.4.5,愛知県豊田市田茂平,3♂♂
2019.4.15,岐阜県恵那市,3♂♂
2019.5.16,長野県飯田市下栗,1♂
2020.4.19,愛知県豊田市昭和の森,1♀,足立幸子
2021.3.27,愛知県岡崎市夏山,1♂,杉浦 昌
2021.4.22,長野県平谷村,3♂♂
2021.5.30,愛知県茶臼山,1♂,足立幸子
2022.4.28,岩手県久慈市,1♂1♀,三河和夫
2022.5.4,愛知県豊田市,1♂
2023.3.30,東京都東村山市,2♂♂1♀,小林清二
2023.3.31,愛知県岡崎市夏山,1♂,杉浦 昌
2023.4.8,愛知県岡崎市夏山,1♂1♀,杉浦 昌
2023.4.9,愛知県岡崎市夏山,3♂♂
2023.4.10,東京都東村山市,1♂,小林清二
2023.4.20,長野県木曾町,5♂♂
2023.4.24,岩手県盛岡市,1♂,山本和彦
2023.5.5,岩手県久慈市,1♀,三河和夫
2023.5.11,岩手県軽米町,1♀,三河和夫
2023.5.17,長野県しらびそ高原,1♂
2023.5.21,長野県飯田市,1♂
2024.3.16,東京都東村山市,1♂,小林清二
2024.4.7,愛知県豊田市,1♂1♀,村井弘子
2024.5.11,岩手県久慈市,1♀,三河和夫

・ヒメチャマダラセセリ    Pyrgus malvae unomasahiroi Fujioka, 1994


写真数: 10枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  小型のセセリチョウで,飛び方が非常に速いが,花によく集まる。
 国指定の天然記念物である。
 この種は,種の保存法で採集禁止種に指定されている。したがって,「あげる・売る・貸す/もらう・買う・借りる」なども,有償・無償を問わず原則として禁止されており,違反した場合は,個人では,5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金,法人では,罰金1億円が課せられている。
【雌  雄】 ♂は,前翅表面の基部に長毛が密生し,♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 キンロバイ・キジムシロ(バラ科)
【生  態】
 年1回,5月〜6月にかけて見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  北海道アポイ岳でのみ発生している。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧TA類(CR)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,ヨーロッパ,シベリヤ,モンゴル,中国東北部に分布している。
 中国では,黒竜江省,新疆ウィグル自治區に分布している。黒竜江省に分布しているものは,名義タイプ亜種 P.malvae malvae である。
【近似種】 チャマダラセセリに似ているが,本種はより小型で,翅表に淡黄白色の毛が生えており,全体的に翅が白っぽく見えることなどで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
北海道



































記録
2013.6.1,北海道アポイ岳,1♂,足立幸子
2014.5.29,北海道様似町,2♀♀,安中弘行
2019.5.18,北海道アポイ岳,1♂,荻野秀一
2022.5.19,北海道様似町,1♂2♀♀,安中弘行



・チャマダラセセリ    Pyrgus maculatus maculatus (Bremer et Grey, 1852)     名義タイプ亜種

春型 ♂
写真数: 64枚

夏型 ♀
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  小型のセセリチョウで,飛び方が非常に速いが,花によく集まる。訪花活動は午前中に行われ,午後は見つけるのは難しい。
 春型は夏型に比べ,翅表の白斑が良く発達する。

 春型 (本州産)

 夏型 (本州産)

 北海道産は,小型になり,翅形がやや細長くなり,白斑も良く発達する傾向がある。

♀ 春型 (本州産)

♀ 春型 (北海道産)
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
長野県全域(県),新潟県妙高市(市)
【雌  雄】 ♂は後脚のからだに近い節に長い毛の束があり,前翅前縁の基部が大きく盛り上がる。さらに腹部の先端の形状が確認できれば,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ミツバツチグリ・キジムシロ・ナワシロイチゴ(バラ科)
【生  態】
 本州では,年3回,3月〜9月にかけて見られる。
 北海道では,年1回,5月上旬〜7月上旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  北海道東南部,本州,四国に分布している。
 四国,中部地方,関東北部,東北地方では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,絶滅危惧TB類(EN)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,ビルマ,中国の中部・北部・東部,モンゴル,アムール,シベリア南部,朝鮮半島に分布している。
 中国では,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広東省,浙江省,江西省,湖北省,,福建省に分布している。
【近似種】 ヒメチャマダラセセリに似ているが,本種はやや大きく,翅表に淡黄白色の毛が生えていないので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
本  州



































北海道



































記録
2013.5.3,長野県開田高原,1♀,足立幸子
2013.7.27,長野県開田高原,1♀,足立幸子
2014.5.3,長野県木曽町,2♂♂,関戸裕靖
2014.5.28,北海道足寄町,1♀,安中弘行
2014.5.31,北海道足寄町,2♂♂,安中弘行
2017.5.5,北海道音更町,1♂,荻野秀一
2022.5.5,岐阜県北部,3♂♂
2022.5.18,北海道足寄町,3♂♂1♀,安中弘行
2022.8.2,岐阜県北部,1♂2♀♀
2023.4.20,岐阜県北部,1♂1♀,荻野秀一
2023.4.20,岐阜県北部,2♂♂1♀


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