【特 徴】 |
小型のセセリチョウである。晴天時には,活発に飛翔するが,すぐに止まる習性がある。
日本には,下記の2亜種がある。
飛騨山脈亜種 C.palaemon satakei (Matsumura, 1919)
赤石山脈亜種 C.palaemon akaishianus Fujioka, 1970
赤石山脈亜種は,翅形が若干,細長くなり,後翅表面の中室の黄褐色斑が小さくなるか,消失するという特徴がある。
長野県では,法律によって採集禁止になっている。 |
【雌 雄】 | ♂は,腹部が細く,尾端に毛がラッパ状に密集し,♀は,腹部が膨らみ,翅形がやや丸みを帯び,黄色の斑紋が少し発達するが,♂によく似た個体も現れるので注意が必要である。 |
【食 草】 | イワノガリヤス(イネ科) |
【生 態】 | 年1回,発生し,6月下旬〜8月上旬に見られる。卵から成虫になるまで3年間を要し,最初の年は,3齢幼虫で越冬し,2年目は,終齢幼虫(5齢)で越冬する。 |
【生息地】 |
この亜種は,本州の北アルプスに生息している。
飛騨山脈亜種は,岐阜県では,絶滅危惧U類に指定され,長野県や富山県では,準絶滅危惧種に指定されている。
環境省のレッドデータでは,飛騨山脈亜種は,準絶滅危惧(NT)に指定されている。 |
【分 布】 |
種としては,日本以外では,ヨーロッパ,シベリア,中国の北部,モンゴル,アムール,朝鮮半島北部に分布している。
中国では,黒竜江省,新疆ウィグル自治區に,別亜種 C.palaemon albiguttatus が分布している。 |
【近似種】 | カラフトタカネキマダラセセリに似るが,本種は,黄色斑が発達しないので,区別することができる。 |