日本の蝶 <セセリチョウ科>  チョウセンキボシセセリ亜科


<写真の下に,データ付きの拡大写真もあり> 


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・ギンイチモンジセセリ    Leptalina unicolor (Bremer et Grey, 1852)


写真数: 65枚 


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  ススキ林に生息し,地上すれすれを低く飛び,なかなか止まらない習性がある。
 春型は,後翅裏面の白帯が鮮明になるが,夏型は不鮮明になる。
【雌  雄】 ♂は,前翅翅頂が丸みを帯び,♀は,♂より大型で,翅形が尖るので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ススキ・カリヤス・アブラススキ・オオアブラススキ・チガヤ・エノコログサ・ヨシ・アイアシ(イネ科)
【生  態】 暖地では,年2回,発生し,4月中旬〜6月,6月下旬〜9月上旬に見られる。寒冷地や高地では,年1回の発生で,5月〜7月に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道から九州にかけて分布している。 
 愛知県では,北東部に分布し,東三河地方に生息地が多かったが,近年は,生息地である河川敷や荒地が開発され,激減している。
 山形県,群馬県,滋賀県,四国では,絶滅危惧T類に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,西シベリア,中国の北部,モンゴル,アムール,朝鮮半島に分布している。
 中国では,陳西省,吉林省,山西省,河北省,浙江省,湖北省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1979.7.27,愛知県岡崎市上青野町,1♀,太田達之
1980.7.8,愛知県岡崎市上青野町,3♂♂1♀,太田達之
1980.7.13,愛知県岡崎市上青野町,5♂♂1♀,鳥居 彰
1999.9.5,愛知県岡崎市天白町,1♂
2010.7.10,愛知県岡崎市上青野町,1♂
2011.5.14,愛知県岡崎市上青野町,1♂1♀
2013.4.18,愛知県豊川河川敷,1♂,野林美香
2013.4.23,愛知県豊橋市,1♂,松井慶夫
2013.4.24,愛知県豊橋市,1♂,松井慶夫
2014.4.27,岐阜県瑞浪市,1♂,関戸裕靖
2015.4.25,岐阜県瑞浪市,1♂,関戸裕靖
2015.4.29,愛知県豊橋市,1♂,関戸裕靖
2016.4.14,愛知県豊橋市,1♂,松井慶夫
2016.4.24,岐阜県瑞浪市,1♂1♀,関戸裕靖
2016.8.21,岐阜県瑞浪市,1♀,関戸裕靖
2019.6.25,長野県阿智村,1♀
2019.7.31,熊本県南小国町,1♂,児島章三
2021.6.11,長野県阿智村,2♂♂2♀♀
2023.5.9,長野県木曾町,1♂
2023.6.7,山梨県北杜市,2♀♀
2024.4.18,茨城県坂東市,1♀,吉田信雄
2023.6.19,岩手県葛巻町,1♂,三河和夫
2024.4.19,東京都府中市,1♂2♀♀,小林清二
2024.4.23,茨城県坂東市,1♂,吉田信雄
2024.4.30,茨城県坂東市,2♂♂,吉田信雄
2024.6.22,茨城県坂東市,1♀,吉田信雄
2024.6.25,東京都府中市,1♂,小林清二
2024.6.30,茨城県坂東市,1♀,吉田信雄
2024.7.9,茨城県坂東市,1♀,吉田信雄
2024.8.22,東京都府中市,1♀,小林清二

・タカネキマダラセセリ  飛騨山脈亜種    Carterocephalus palaemon satakei (Matsumura, 1919)


写真数: 19枚 


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  小型のセセリチョウである。晴天時には,活発に飛翔するが,すぐに止まる習性がある。
 日本には,下記の2亜種がある。
   飛騨山脈亜種 C.palaemon satakei (Matsumura, 1919)
   赤石山脈亜種 C.palaemon akaishianus Fujioka, 1970
 赤石山脈亜種は,翅形が若干,細長くなり,後翅表面の中室の黄褐色斑が小さくなるか,消失するという特徴がある。 
 長野県では,法律によって採集禁止になっている。
【雌  雄】 ♂は,腹部が細く,尾端に毛がラッパ状に密集し,♀は,腹部が膨らみ,翅形がやや丸みを帯び,黄色の斑紋が少し発達するが,♂によく似た個体も現れるので注意が必要である。
【食  草】 イワノガリヤス(イネ科)
【生  態】 年1回,発生し,6月下旬〜8月上旬に見られる。卵から成虫になるまで3年間を要し,最初の年は,3齢幼虫で越冬し,2年目は,終齢幼虫(5齢)で越冬する。
【生息地】  この亜種は,本州の北アルプスに生息している。
 飛騨山脈亜種は,岐阜県では,絶滅危惧U類に指定され,長野県や富山県では,準絶滅危惧種に指定されている。
 環境省のレッドデータでは,飛騨山脈亜種は,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,ヨーロッパ,シベリア,中国の北部,モンゴル,アムール,朝鮮半島北部に分布している。
 中国では,黒竜江省,新疆ウィグル自治區に,別亜種 C.palaemon albiguttatus が分布している。
【近似種】 カラフトタカネキマダラセセリに似るが,本種は,黄色斑が発達しないので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
2014.7.21,長野県上高地,2♂♂1♀,関戸裕靖
2014.7.26,長野県上高地,1♂,関戸裕靖
2014.7.26,長野県上高地,1♂,足立幸子
2016.7.20,長野県上高地,1♂,松井慶夫
2019.7.29,長野県上高地,1♀,松井慶夫
2014.8.2,長野県松本市,1♂,安中弘行

・タカネキマダラセセリ  赤石山脈亜種    Carterocephalus palaemon akaishianus Fujioka, 1970


写真数: 1枚 


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  小型のセセリチョウである。晴天時には,活発に飛翔するが,すぐに止まる習性がある。
 飛騨山脈亜種に比べ,翅形が若干,細長くなり,後翅表面の中室の黄褐色斑が小さくなるか,消失する。
 この亜種は,種の保存法で採集禁止種に指定されている。
【雌  雄】 ♂は,腹部が細く,尾端に毛がラッパ状に密集し,♀は,腹部が膨らみ,翅形がやや丸みを帯び,黄色の斑紋が少し発達するが,♂によく似た個体も現れるので注意が必要である。
【食  草】 イワノガリヤス(イネ科)
【生  態】 年1回,発生し,6月下旬〜7月下旬に見られる。卵から成虫になるまで3年間を要し,最初の年は,3齢幼虫で越冬し,2年目は,終齢幼虫(5齢)で越冬する。
【生息地】  この亜種は,本州の南アルプスに生息している。
 環境省のレッドデータでは,赤石山脈亜種は,絶滅危惧TA類(CR)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,ヨーロッパ,シベリア,中国の北部,モンゴル,アムール,朝鮮半島北部に分布している。
 中国では,黒竜江省,新疆ウィグル自治區に,別亜種 C.palaemon albiguttatus が分布している。
【近似種】 カラフトタカネキマダラセセリに似るが,本種は,黄色斑が発達しないので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録


・カラフトタカネキマダラセセリ    Carterocephalus silvicola (Meigen, 1830)


写真数: 15枚 


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 各種の花によく集まる。
【雌  雄】 ♂は,黄色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 イワノガリヤス・ヒメノガリヤス(イネ科)
【生  態】 年1回,発生し,5月下旬〜7月下旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 北海道の特産種で,中央部から東部の限られた山岳地帯に生息している。
【分  布】  種としては,日本以外では,ヨーロッパ,シベリア,中国の北部,モンゴル,アムール,朝鮮半島,サハリンに分布している。
 中国では,黒竜江省,新疆ウィグル自治區に分布している。
【近似種】 本州の中部山岳地帯に生息するタカネキマダラセセリに似るが,本種の方が,黄色斑が発達するので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
寒冷地



































記録
1997.7.1,北海道阿寒群オンネトー,1♂
2011.7.11,北海道層雲峡,1♂,安中弘行
2012.7.8,北海道層雲峡,1♀,安中弘行
2013.7.19,北海道層雲峡,1♂
2014.6.2,北海道日高町,1♂,安中弘行
2018.7.10,北海道層雲峡,1♀,安中弘行
2021.6.27,北海道上川町,2♂♂,荻野秀一




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