臺灣蝴蝶 -




喙蝶亞科 

 

 

 

 


小波紋蛇目蝶 (小波眼蝶) コウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima baldus zodina Fruhstorfer, 1911    台湾亜種

♂  低温期型
写真数: 132枚

♀  低温期型
出現頻度
★★★☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】 

♂ 低温期型

♂ 高温期型



大藏波紋蛇目蝶 (大蔵波眼蝶) ミヤマウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima okurai Okano,1962   台湾特産種


写真数: 35枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】


♂  低温期型
撮影: 林 本初 氏

♂  高温期型
 



達邦波紋蛇目蝶 (達邦波眼蝶) タッパンウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima tappana tappana Matsumura,1909   名義タイプ亜種


写真数: 51枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點



大波紋蛇目蝶 (寶島波眼蝶) オオウラナミジャノメ  (台湾産)    Ypthima atra taiwana Lamas, 2010    台湾亜種


写真数: 70枚


出現頻度
★★★☆☆
分布區域 ,記録點



狭翅波紋蛇目蝶 (狹翅波眼蝶) ホソバオオウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima angustipennis Takahashi,2000   台湾特産種


写真数: 108枚


出現頻度
★★★☆☆
分布區域 ,記録點



山中波紋蛇目蝶 ヤマナカウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima yamanakai Sonan, 1938    台湾特産種


写真数: 144枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布區域 ,記録點



台灣波紋蛇目蝶 (密紋波眼蝶) タイワンウラナミジャノメ  (ウラナミジャノメ) (台湾産)   Ypthima multistriata multistriata Butler,1883    名義タイプ亜種


No.1  記録時期  2013.4.62016.6.27
写真数: 169枚
出現頻度
★★★★★


No.2  記録時期  2017.3.28
写真数: 148枚
 
 
分布區域 ,記録點



江崎波紋蛇目蝶 (江崎波眼蝶) エサキウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima esakii esakii ,1960   台湾特産種   名義タイプ亜種


写真数: 59枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布區域 ,記録點



江崎波紋蛇目蝶 (江崎波眼蝶)(王氏波眼蝶)  エサキウラナミジャノメ (カメヤマウラナミジャノメ)  (台湾産)   Ypthima esakii wangi Lee,1998   台湾特産種  台湾東北部亜種


写真数: 11枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點



台灣波小紋蛇目蝶 (白帶波眼蝶) タカムクウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima akragas Fruhstorfer,1911   台湾亜種


写真数: 158枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布區域 ,記録點



王氏波紋蛇目蝶 (巨波眼蝶) カノウラナミジャノメ   (台湾産)   Ypthima praenubila kanonis Matsumura, 1929    台湾亜種


写真数: 43枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點



文龍波紋蛇目蝶 (文龍波眼蝶) タカオウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima wenlungi Takahashi,2007   台湾特産種


写真数: 10枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點



無紋波紋蛇目蝶 (罕波眼蝶) ムモンウラナミジャノメ  (台湾産)   Ypthima norma posticalis Matsumura,1909    台湾亜種


写真数: 1枚
(参考:タイ産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布區域 ,記録點


銀蛇目蝶 (古眼蝶) ギンジャノメ  (台湾産)   Palaeonympha opalina macrophthalmia Fruhstorfer, 1911    台湾亜種


写真数: 29枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點


白尾K蔭蝶 (大幽眼蝶) オジロクロヒカゲ  (台湾産)   Zophoessa dura neoclides (Fruhstorfer, 1909)    台湾亜種


写真数: 48枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のヒカゲチョウ類である。葉上や路上に静止することが多い。やや暗い場所を好み,♂は,午前中は,占有行動を行う。
【雌  雄】 ♀は,白斑が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜11月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(700m〜3000m)の常緑広葉樹林,ササ原で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。中部山岳の本部渓翠峰(標高2289m),南投縣梅峰,南投縣鳶峰(標高2764m),花蓮市碧緑神木南投縣仁愛郷屯原南投縣仁愛郷ナールー湾で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島北西部,フィリピン,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖北省,湖南省,広東省,福建省に分布している。雲南省に分布しているものは,名義タイプ亜種 Z.dura dura で,それ以外は,別亜種 Z.dura moupinensis である。
【近似種】  他のヒカゲチョウ類に似ているが,本種は,後翅の翅形が波状になること,後翅裏面の亜外縁の眼状紋は白くなることで区別することができる。

鹿野K蔭蝶 (圓翅幽眼蝶) カノクロヒカゲ  (台湾産)   Zophoessa siderea kanoi Esaki & Nomura,1937   台湾亜種


写真数: 39枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 中型のヒカゲチョウ類である。竹林に生息し,比較的低い場所を飛び,動物の排泄物に集まる習性がある。非常に珍しい蝶で,6年間探し続けて,ようやく見つけることができた。撮影できた碧緑神木は,尾根になっており,夕方,飛来した個体2頭を撮影することができた。しかし,撮影できたのはこの日だけで,他の8日間は,全く見ることができなかった。撮影は,パイナップルビールに黒砂糖を混ぜた液体に誘引されたので容易であった。
【雌  雄】 標本では,雌雄を区別できるが,生態写真では難しい。
【生  態】 5月下旬〜10月に,年2回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜2500m)の常緑広葉樹林,ササ原で見られる。
 ちなみに,碧緑がある中部貫公路一体は,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,四川省,雲南省に,名義タイプ亜種 Z.siderea siderea が分布している。
【近似種】 なし


玉山蔭蝶 (玉山幽眼蝶) イワヤマヒカゲ  (台湾産)   Lethe niitakana (Matsumura,1906)   台湾特産種


写真数: 39枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のヒカゲチョウ類である。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♂は,前翅後縁付近に黒褐色の性標が翅脈に沿って2つ現れ,♀は,白斑が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜12月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1500m〜3800m)の常緑広葉樹林,ニイタカヤダケの草原で見られる。
 分布域が狭く,なかなか撮影出来ない種の一つである。中部山岳の阿里山の沼平(標高2274m),合歓山東峰歩道で見られた。合歓山小風口でも撮影された。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 なし

大玉帶K蔭蝶 (臺灣黛眼蝶) オオシロオビクロヒカゲ  (台湾産)   Lethe mataja Fruhstorfer,1908   台湾特産種


写真数: 62枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 やや大型のヒカゲチョウ類である。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなり,後翅裏面の亜外縁に眼状紋が6つ現れ,♂では5個になること,♀は,後翅裏面の中央の暗褐色の線が性標がないので直線的になることなどで,雌雄を区別することができる。♀は非常に少ない。
【生  態】 2月下旬〜12月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾低・中・高標高(50m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
 中部山岳の南山渓本部溪台東市知本渓高雄市玉山南投縣恵孫林場拉拉山上巴陵南投縣霧社屏東縣大漢山花蓮市碧緑神木南投縣仁愛郷屯原で見られた。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  シロオビクロヒカゲに似ているが,本種は,前翅裏面の翅頂付近の眼状紋が2つで,後翅裏面の眼状紋は前縁の紋が最大になり,それ以外の紋の大きさは同じであることで区別することができる。

深山玉帶蔭蝶 (深山黛眼蝶) ミヤマシロオビヒカゲ  (台湾産)   Lethe hyrania formosana Fruhstorfer, 1908   台湾亜種


写真数: 73枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のヒカゲチョウ類である。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,前翅に白斑が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜11月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1300m〜3000m)の常緑広葉樹林,ササ原で見られる。
 中部山岳の阿里山の沼平(標高2274m),南投縣翠峰梨山思源南投縣梅峰花蓮市碧緑南投縣仁愛郷屯原,南欧公路で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖北省,湖南省,広東省,福建省に分布している。
【近似種】  ワイルマンクロヒカゲに似ているが,本種は,より小型で,高地帯に生息し,裏面がほぼ一様な茶褐色なること,前翅裏面の亜外縁に眼状紋は3つで,同じ大きさになること,♀は裏面翅頂付近に白斑が出ることで区別することができる。

波氏蔭蝶 ワイルマンクロヒカゲ (オオミヤマシロオビヒカゲ) (台湾産)    Lethe sp.   本種に付けられていた種名bojonia は,ミヤマシロオビヒカゲの種名insana シノニムになるので,今後,新たに学名がつけられる。


写真数: 89枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のヒカゲチョウ類である。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,前翅に白斑が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月下旬〜11月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(400m〜1400m)の常緑広葉樹林で見られる。
 中部山岳の本部渓拉拉山上巴陵陽明山二子坪新北市烏来区福山村で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖北省,湖南省,広東省,浙江省,福建省に分布している。
【近似種】  ミヤマシロオビヒカゲに似ているが,本種は,裏面の亜外縁の眼状紋の周辺が灰白色になること,前翅裏面の亜外縁に眼状紋は3つで,翅頂に近い眼状紋は,大きくなることで区別することができる。

玉帶蔭蝶 (長紋黛眼蝶) シロオビヒカゲ  (台湾産)   Lethe europa pavida Fruhstorfer,1908


写真数: 41枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のヒカゲチョウ類である。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,前翅に白斑が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林,竹林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,浙江省,福建省,上海市に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】  他のヒカゲチョウ類に似ているが,本種は,前翅裏面の亜外縁に眼状紋は6つで,後翅裏面の眼状紋が非常に大きくなることで区別することができる。

波紋玉帶蔭蝶 (波紋黛眼蝶) ウラマダラシロオビヒカゲ  (台湾産)   Lethe rohria daemoniaca Fruhstorfer,1908


写真数: 5枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 やや大型のヒカゲチョウ類である。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。近年,各地の生息地が開発され,本種は激減している。
【雌  雄】 ♀は,前翅に白斑が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】 台湾の低・中・高標高(〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,インドネシア,中国の南西部・南部・東部に分布している。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,浙江省,福建省に,別亜種 L.rohria permagnis が分布している。
【近似種】  他のヒカゲチョウ類に似ているが,本種は,前翅裏面の亜外縁に眼状紋は大きさがバラバラで,後翅裏面の眼状紋が非常に大きくなること,後翅裏面の中央に白線が発達することで区別することができる。

雌褐蔭蝶 (曲紋黛眼蝶) メスチャヒカゲ  (台湾産)   Lethe chandica ratnacri Fruhstorfer,1908   台湾亜種


写真数: 75枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 やや大型のヒカゲチョウ類である。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,前翅に白斑が発達し,翅表や裏面の地色が薄くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林,竹林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,インドネシア,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 L.chandica suvarna で,雲南省に分布しているものは,別亜種 L.chandica flanona で,それ以外は,別亜種 L.chandica coelestis である。
【近似種】  ミヤマシロオビヒカゲ,シロオビヒカゲに似ているが,本種は,前翅裏面の亜外縁の眼状紋は,5〜6つで,同じ大きさでゆるやかな円弧状に並ぶこと,後翅裏面の眼状紋が少し大きくなることで区別することができる。

深山蔭蝶 (柯氏黛眼蝶) ミヤマヒカゲ  (台湾産)   Lethe christophi hanako Fruhstorfer,1908   台湾亜種


写真数: 13枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 やや大型のヒカゲチョウ類である。森林性が強く,樹液,腐った果実,獣糞などに集まる習性がある。人の気配に敏感で,止まっている時間がとても短い。
【雌  雄】 ♀は,裏面外縁の褐色斑が黒褐色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月下旬〜11月に,年1〜2回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1200m〜2800m)の常緑広葉樹林,ササ原で見られる。
 花蓮市碧緑神木で見ることができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の西部に分布している。
 中国では,湖北省,浙江省,江西省,福建省に,名義タイプ亜種 L.christophi christophi が分布している。
【近似種】  ミヤマシロオビヒカゲに似ているが,本種は,前翅裏面の亜外縁の眼状紋は3つで,中室付近の暗褐色の条は,平行になること,その内側には,直角三角形の斑紋ができること,後翅裏面の眼状紋は小さく,前縁部の1つだけは,やや大きくなることで区別することができる。

台灣K蔭蝶 (巴氏黛眼蝶) タイワンクロヒカゲモドキ  (台湾産)   Lethe butleri periscelis (Fruhstorfer, 1908)   台湾亜種


写真数: 32枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 やや大型のヒカゲチョウ類である。飛び方はあまり速くなく,すぐに葉上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,裏面外縁の黄条が発達し,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月〜10月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。中部山岳の本部渓奥萬大南投縣南山渓高雄市高中林道拉拉山上巴陵で見られたが,少ない種の一つである。屏東縣春日郷大漢山でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の中部・東部に分布している。
 中国では,河南省,湖北省,浙江省,江西省,福建省に,名義タイプ亜種 L.butleri butleri が分布している。
【近似種】  ヒトツメジャノメ類に似ているが,本種は,後翅裏面の眼状紋で,前縁の紋が最大になり,後角の2番目に大きい紋との間に,小さい紋が3つあることでで区別することができる。

玉帶K蔭蝶 (玉帶黛眼蝶) シロオビクロヒカゲ  (台湾産)   Lethe verma cintamani Fruhstorfer,1909   台湾亜種


写真数: 48枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のヒカゲチョウ類である。人の気配に敏感で,近づくと直ぐに飛んでしまうので,撮影は難しい。林の日陰になっている場所を好み,その場所では複数の個体が生息していることが多かった。
【雌  雄】 ♀は,前翅に白斑が発達して太くなり,翅表や裏面の地色が薄くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  周年,年数回発生している。
 7月中旬の拉拉山上巴陵では,限られた場所に数頭の個体が生息していた。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(50m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。台東市の知本渓,中部山岳の南投縣奥萬大拉拉山の下巴陵新北市烏来区福山村南投縣本部溪拉拉山の上巴陵屏東縣大漢山花蓮市碧緑神木南投縣仁愛郷屯原南投縣仁愛郷ナールー湾で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,浙江省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 L.verma stenopa で,それ以外は,別亜種 L.verma saturnus である。
【近似種】  オオシロオビクロヒカゲに似ているが,本種は,後翅裏面の後角部から2つ目の眼状紋が大きくなること,前翅表面の白帯の前縁部が少し基部側に曲がること,後翅裏面の中室の帯が紫色になることで区別することができる。

阿里山褐蔭蝶 アリサンチャイロヒカゲ  (台湾産)   Lethe gemina zaitha Fruhstorfer,1914   台湾亜種


写真数: 10枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のヒカゲチョウ類である。森林性が強く,樹林の高い場所を好んで活動する習性があり,獣糞に集まる。写真のように人の汗を吸いに手に止まることもある。
【雌  雄】 ♀の表面は,黄褐色斑が発達するが,生態写真では,翅表を見せることが少ないので,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 5月〜11月に,年2回発生している。 
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜2500m)の常緑広葉樹林,ササ原で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。阿里山(総称)の合望山,南投縣梅峰で撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,中国の西部・東部に分布している。
 中国では,四川省,浙江省に,名義タイプ亜種 L.gemina gemina が分布している。
【近似種】 なし

 

 




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