臺灣蝴蝶 <タテハチョウ科4- コムラサキ亜科〜クビワチョウ亜科


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ヒョウマダラ  (台湾産)   Timelaea albescens formosana Fruhstorfer, 1908   台湾亜種


写真数: 85枚


出現頻度
★★★☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 中型のタテハチョウである。ゆっくりと飛び,すぐに止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなり,後翅の白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林に見られる。
 墾丁国家公園社頂自然公園知本渓南山渓本部渓廬山温泉拉拉山下巴陵台北市立動物園虫虫探索谷高雄市直瀬溪高雄市桃源苗栗縣三義台北市福州山拉拉山上巴陵谷関八仙山,南投縣恵孫林場で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部・中部・南部・東部に分布している。
 中国では,陳西省,山東省,河北省,遼寧省,河南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,福建省に,名義タイプ亜種 T.albescens albescens が分布している。
【近似種】 なし

タイワンコムラサキ  (台湾産)   Chitoria chrysolora (Fruhstorfer,1908)   台湾特産種


写真数: 86枚


出現頻度
★★★☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のタテハチョウである。午前中に♂が占有行動をする様子を各所で見ることができた。
 ♀には,白帯型と黄帯型があるが,黄帯型の個体数は非常に少ない。

白帯型

黄帯型
【雌  雄】 ♀は,黒褐色の地色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林に見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。南投縣本部溪拉拉山上巴陵では,多産する。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ホウライコムラサキに似ているが,本種は,♂は,前翅翅頂近くに暗褐色斑が発達しないこと,♀では後翅裏面の中央にある褐色帯が,ホウライコムラサキでは直線的になることで区別することができる。

ホウライコムラサキ  (台湾産)   Chitoria ulupi arakii (Naritomi, 1959)    台湾亜種


写真数: 34枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のタテハチョウである。拉拉山上巴陵では,タイワンコムラサキは,午前中に日当たりのよい樹林の空間で♂が占有行動をし,本種は,午前中は,葉の裏側などで過ごす。午後になると行動が逆になり,本種の♂は,タイワンコムラサキと同じ場所で占有行動をし,両種が活動時間帯を変えていることを観察することができた。
【雌  雄】 ♀は,黒褐色の地色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 6月〜9月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾中央部の中・高標高(1000m〜2500m)の常緑広葉樹林に見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。拉拉山上巴陵(標高1207m),南投縣松崗花蓮市碧緑神木で見られた。南投縣清清草原でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 C.ulupi dubernardi が分布している。
【近似種】  タイワンコムラサキに似ているが,本種の♂は,翅頂の周辺に暗褐色斑が発達すること,♀は裏面が銀色になることで区別することができる。

タイリクコムラサキ  (台湾産)      Apatura ilia here Felder, 1862    中国中部亜種


写真数: 1枚
(参考:中国産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のタテハチョウである。迷蝶である。2023年8月4日前後に台風6号が台湾の北東部の海上で停滞し,台湾に北西風が吹き,この風によって,中国大陸から飛来した可能性がある。中国には,5亜種がある。褐色型と黒色型がある。
【雌  雄】 ♀は,より大型になり,翅形がやや丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 不明
【生息地】 迷蝶で, 屏東県涼山で撮影された。
【分  布】  種としては,ヨーロッパ, コーカサス地方,ウラル地方南部,カザフスタン北西部,中国,朝鮮半島に分布する。
 中国では,黒竜江省,遼寧省,吉林省,河北省,甘粛省,青海省,山西省,陳西省,新疆ウイグル自治区,山東省,河南省,浙江省,江蘇省,福建省,四川省,雲南省,上海市に分布している。
【近似種】 日本産のコムラサキに似ているが,後翅表面の亜外縁に黒斑列があるので区別することができる。

アサクラコムラサキ  (台湾産)   Helcyra plesseni Fruhstorfer,1913   台湾特産種


写真数: 18枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のタテハチョウである。日当たりのよい樹林の空間を好み,樹液,腐敗した果実,獣糞などに集まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなり,白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月〜12月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾中央部の低・中標高(300m〜1700m)の常緑広葉樹林に見られる。
 食草がコバノチョウセンエノキで,この食草の分布が限られるので,発生地が局所的になっており,撮影が難しい種の一つである。南投縣の本部溪で撮影することができた。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 なし

シロタテハ  (台湾産)   Helcyra superba takamukui Matsumura, 1919    台湾亜種


写真数: 19枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のタテハチョウである。飛び方は速く,驚くと葉の裏に止まる習性がある。獣糞に飛来していた。
【雌  雄】 ♀は,大型になり,翅形がやや丸くなり,黒斑がよく発達するが,生態写真では見分けがつきにくく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(100m〜1500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。中部山岳の南山渓南投縣本部渓で撮影することができた。2023年には,台湾南部の大漢山で大発生した。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,陳西省,河南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,福建省に,名義タイプ亜種 H.superba superba が分布している。
【近似種】 なし

キゴマダラ  (台湾産)   Sephisa chandra androdamas Fruhstorfer, 1908   台湾亜種


写真数: 51枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のタテハチョウである。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。獣糞に飛来していた。
【雌  雄】 ♀は,青藍色の地色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月下旬〜12月上旬に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(200m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。中部山岳の本部渓と台東市の知本渓南投縣南山渓拉拉山下巴陵で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島北部,マレーシアに分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,海南省,広東省,福建省,浙江省に分布している。浙江省に分布しているものは,別亜種 S.chandra zhejiangana で,それ以外は,名義タイプ亜種 S.chandra chandra である。
【近似種】 ダイミョウキゴマダラに似ているが,本種は,前翅表面に白斑が現れること,後翅裏面に白斑が現れないことで区別することができる。

ダイミョウキゴマダラ  (台湾産)   Sephisa daimio Matsumura,1910   台湾特産種


写真数: 55枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のタテハチョウである。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,前翅に白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月下旬〜9月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(500m〜2500m)の常緑広葉樹林に見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。中部山岳の梨山晉元橋(標高1858m)拉拉山森林遊楽区(1628m),拉拉山上巴陵,谷関松鶴,花蓮市碧緑神木桃園市林班口花蓮市碧緑慈恩で見られた。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 キゴマダラに似ているが,本種は,前翅表面に白斑がないこと,後翅裏面に白斑が現れるで区別することができる。

オオムラサキ  (台湾産)   Sasakia charonda formosana ,1963   台湾亜種


写真数: 31枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 日本産は,別亜種charonda である。 大型のタテハチョウである。日本産とは別亜種になっている。現在では,採集は禁止され,保護されている。
【雌  雄】 ♂は,翅表が青藍色に輝くので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  5月〜8月に,年1回発生している。
 拉拉山の上巴陵での最盛期は,6月中旬であった。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(400m〜2000m)の常緑広葉樹林に見られる。
 分布域が狭く,なかなか撮影出来ない種の一つである。拉拉山の下巴陵(標高656m),上巴陵(標高1207m)で見られた。ちなみに,北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島東北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本に分布している。
 中国では,陳西省,山西省,河南省,雲南省,江蘇省,浙江省に,別亜種 S.charonda coreana が分布している。
【近似種】 なし

アカボシゴマダラ  (台湾産)   Hestina assimilis formosana (Moore,1895)   台湾亜種


写真数: 57枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 日本産には,assimilis(大陸亜種),shirakii(奄美亜種) がある。やや大型のタテハチョウである。飛び方はかなり速いが,すぐに止まる習性がある。飛んでいるときは,コモンマダラ,ウスコモンマダラによく似ている。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,都市林に見られる。
 中部山岳の本部渓南投縣廬山温泉高雄市直瀬溪南投縣南山渓南投縣本部渓苗栗縣三義拉拉山下巴陵新北市烏来台北市剣南山拉拉山上巴陵,谷関八仙山で見られた。社頂自然公園でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部・南部・東部・北部,朝鮮半島,日本の奄美大島に分布し,近年,関東・中部地方にも生息している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,甘粛省,山東省,河北省,河南省,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】 なし

フタオチョウ  (台湾産)   Polyura eudamippus formosana (Rothschild, 1899)    台湾亜種


写真数: 56枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】 日本産は,沖縄亜種weismanni である。大型のタテハチョウである。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。獣糞や腐果に飛来する。
【雌  雄】 ♀は,後翅の2本の尾状突起が♂のように平行にならず大きく開くので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜10月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林に見られる。
 陽明山の二子坪新北市烏来区福山村南投縣本部溪新北市烏来新北市汐平路仁愛橋,谷関松鶴,南投縣南山溪で撮影することができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部,日本の沖縄本島・奄美大島に分布している。
 日本産は,別亜種 P. eudamippus weismanni (Fritze, 1894) である。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】  ヒメフタオチョウに似ているが,本種は,前翅裏面前縁部と後翅裏面外縁に明瞭な黒斑が現れることで区別することができる。

ヒメフタオチョウ   (台湾産)   Polyura narcaea meghaduta (Fruhstorfer, 1908)   台湾亜種


写真数: 42枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】 日本産(迷蝶)は,亜種未決定である。大型のタテハチョウである。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。湧き水のある場所や獣糞に飛来していた。
【雌  雄】 ♂は,2本の尾状突起が平行になり,♀は,尾状突起が八の字のように広がるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林に見られる。
 中部山岳の本部渓南投縣南山渓高雄市直瀬溪苗栗縣三義拉拉山下巴陵陽明山横峰古道で見られた。高雄市六亀区直瀬溪では,かなり数の個体が発生していた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,インドシナ半島東北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,日本の各地・八重山諸島でも記録された。
 中国では,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に,名義タイプ亜種 P.narcaea narcaea が分布している。
【近似種】  フタオチョウに似ているが,本種は,前翅裏面前縁部に黒斑がなく,後翅裏面外縁では小さいことで区別することができる。

クビワチョウ  (台湾産)   Calinaga buddha formosana Fruhstorfer, 1908    台湾亜種


写真数: 41枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布區域 ,記録點
【特  徴】
 やや大型のタテハチョウである。♂は,樹間の広い空間を占有行動をしながら,ゆっくりと飛び回る習性がある。岩から出る水や獣糞に集まる様子が観察できた。
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面の中室の外側にある灰白色の斑紋が大きくなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜6月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(200m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 中部山岳の松崗(標高約1973m),南山溪本部渓新北市烏来区福山村で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,日本の横須賀市でも記録がある。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,福建省に,いくつかの亜種に分かれている。
【近似種】 なし


ジャノメチョウ亜科1は,ここをクリックすると見ることができます

ジャノメチョウ亜科2は,ここをクリックすると見ることができます。(容量の関係で,別ページにしてあります)




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