<岡崎市内の丘陵地のみに生息する蝶>


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アゲハチョウ科

・ギフチョウ    Luehdorfia japonica Leech, 1889






写真数: 84枚

記録地点
赤点は,絶滅した地点)

【特  徴】  岡崎市内に生息するギフチョウは,2010年2月1日付で,岡崎市自然環境保全条例に基づく「指定希少野生動植物種」の指定を受け,法律的に保護されることになった。つまり,本種の捕獲や殺傷は,池金町だけでなく,市内の全ての場所において禁止され,勧告や命令に従わない違反者には,罰金刑が科せられることになった。
 したがって,市内のどの生息地でも,ギフチョウを採集すると逮捕される。年間を通して,市の職員,自然環境調査員,ボランティアの方々等によって,保全活動やパトロールが行われている。幼虫は、ヒメカンアオイを食べる。岡崎市池金町の北山湿地周辺では,毎年,多数の個体が確認されているが,度重なる豪雨によって,絶滅の危機に瀕している。
 後翅肛角部にある赤色斑が,外縁の黄褐色斑と同じ色になる個体(イエローテール)が稀に出現する。岡崎市でも出現した。次の写真は,♀(イエローテール)が♂と交尾しており,色の違いを確認することができる。

正面 ♀ イエローテール
  奥 ♂ 正常
2024.4.7
愛知県 岡崎市 北山湿地

左 ♀ イエローテール
  右 ♂ 正常
2024.4.7
愛知県 岡崎市 北山湿地
 後翅表面の外縁部にある黄褐色斑がヒメギフチョウのように黄白色化した個体(イエロースポット)は,各地の発生地で稀に出現する。岡崎市でも出現した。

♀  イエロースポット
2024.4.20
愛知県 岡崎市 北山湿地
【雌  雄】 ♀は,首の周りの体毛が赤褐色になり,胸部の背面に体毛が少ないので,雌雄を区別することができる。
【発生期】
 年1回,発生し,3月下旬から4月下旬にかけて見られ,5月上旬に記録されたこともある。
【近似種】 アゲハチョウの春型に似ているが,前翅の表面に黄色のY字斑があるので,区別することができる。
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者    ※ 下記の2010年以降の記録は,写真撮影によるものである。
1964
10-W,明大寺町,3♂♂,太田達之
1966
13-W,桑谷山,2♂♂,太田達之
1968
14-W,本宮山,1♂,杉坂美典
1976
11-W,池金町,4♂♂1♀,杉坂美典
1977
3-W,池金町,2♂♂,杉坂美典
10-W,池金町,3♂♂1♀,杉坂美典
10-W,生平町,1♂,杉坂美典
10-W,保母町,2♂♂1♀,杉坂美典
1981
12-W,大幡町,1♂,杉坂美典
1982
18-W,藤川町,1♂,杉坂美典
1983
3-W,池金町,2♂♂,杉坂美典
3-W,保母町,3♂♂,杉坂美典
1984
8-W,茅原沢町,1♂,杉坂美典
1989
2-W,池金町,2♂♂,杉坂美典
2-W,保母町,1♂,杉坂美典
1991
14-W,保母町,2♂♂1♀,杉坂美典
21-W,池金町,1♂2♀♀,杉坂美典
1993
10-W,蔵次町,5♂♂,杉坂美典
18-W,池金町,2♂♂1♀,杉坂美典
18-W,蔵次町,3♂♂2♀♀,杉坂美典
24-W,蔵次町,1♂2♀♀,杉坂美典
2-X,池金町,1♀,杉坂美典
1994
3-W,池金町,1♂,杉坂美典
3-W,須渕町,1♂,杉坂美典
3-W,蔵次町,1♂,杉坂美典
10-W,蔵次町,2♂♂,杉坂美典
17-W,池金町,3♂♂2♀♀,杉坂美典
17-W,須渕町,1♂1♀,杉坂美典
17-W,蔵次町,1♂1♀,杉坂美典
1995
8-W,蔵次町,1♂,杉坂美典
1996
14-W,蔵次町,1♂1♀,杉坂美典
21-W,蔵次町,1♀,杉坂美典
1997
13-W,須渕町,1♂,杉坂美典
20-W,池金町,2♂♂2♀♀,杉坂美典
20-W,須渕町,1♂,杉坂美典
1999
4-W,池金町,2♂♂,杉坂美典
2000
8-W,須渕町,1♂,杉坂美典
2001
7-W,池金町,3♂♂,杉坂美典
15-W,池金町,5♂♂1♀,杉坂美典
2002
14-W,池金町,2♂♂,杉坂美典
2003
13-W,池金町,3♂♂,杉坂美典
2004
3-W,池金町,1♂,伊藤啓司
7-W,池金町,1♂,伊藤啓司
11-W,池金町,3♂♂,杉坂美典
11-W,池金町,1♂,伊藤啓司
2005
9-W,池金町,3♂♂,杉坂美典
16-W,池金町,9♂♂2♀♀,杉坂美典
17-W,池金町,3♂♂2♀♀,杉坂美典
23-W,池金町,2♂♂3♀♀,杉坂美典
1-X,池金町,1♀,杉坂美典
2006
4-W,池金町,1♂,杉坂美典
9-W,池金町,2♂♂,杉坂美典
9-W,須渕町,2♂♂,杉坂美典
23-W,須渕町,1♂1♀,杉坂美典
30-W,池金町,1♀,杉坂美典
2007
8-W,池金町,2♂♂,杉坂美典
2008
6-W,池金町,3♂♂,杉坂美典
20-W,池金町,4♂♂2♀♀,杉坂美典
2009
5-W,池金町,3♂♂,杉坂美典
2010
31-V,池金町,1♂,杉坂美典
3-W,池金町,1♂,杉坂美典
3-W,保母町,3♂♂,杉坂美典
18-W,池金町,2♂♂,杉坂美典
24-W,池金町,1♀,杉坂美典
2011
27-V,池金町,1♂,判家卓司
17-W,池金町,1♀,杉坂美典
2012
7-W,北山湿地,1♂,杉坂美典
9-W,北山湿地,1♂,奥居達朗
14-W,北山湿地,2♂♂,杉坂美典
2013
30-V,池金町,2♂♂,杉坂美典
30-V,池金町,1♀,松井慶夫
5-W,池金町,1♂,松井慶夫
2014
8-W,北山湿地,1♂,杉坂美典
14-W,北山湿地,1♂2♀♀,杉坂美典
2015
30-V,池金町,1♂,杉坂美典
30-V,池金町,1♀,松井慶夫
16-W,北山湿地,2♂♂,杉坂美典
2016
6-W,北山湿地,4♂♂,杉坂美典
6-W,保母町火薬庫跡,1♂,杉坂美典
6-W,北山湿地,1♂1♀,高村葉子
2017
12-W,北山湿地,2♂♂,杉坂美典
13-W,北山湿地,1♂,杉坂美典
14-W,北山湿地,1♂,高村葉子
19-W,北山湿地,3♂♂,杉坂美典
2018
29-V,北山湿地,2♂♂,杉坂美典
2019
27-V,北山湿地,2♂♂,杉坂美典
6-W,北山湿地,2♂♂,杉坂美典
9-W,北山湿地,2♂♂,杉坂美典
2021
22-V,北山湿地,1♂,杉坂美典
23-V,北山湿地,1♂,杉坂美典
24-W,北山湿地,1♀,杉坂美典
2022
27-V,北山湿地,1♂,星 宏
28-V,北山湿地,1♂,杉坂美典
30-V,北山湿地,1♀2exs.,杉浦 昌
1-W,北山湿地,6♂♂,高村葉子
10-W,北山湿地,3♂♂3♀♀,杉坂美典
11-W,北山湿地,2♂♂3♀♀,杉坂美典
16-W,北山湿地,2♀♀,杉坂美典
2023
27-V,北山湿地,7exs.,足立幸子
28-V,北山湿地,10exs.,足立幸子
1-W,北山湿地,3♂♂8♀♀,杉坂美典
2-W,北山湿地,1♀,高村葉子
8-W,北山湿地,1♂2♀♀,杉坂美典
9-W,北山湿地,1♂2♀♀,杉坂美典
2024
30-V,北山湿地,2♂♂,杉坂美典
30-V,北山湿地,2♂♂,高村葉子
1-W,北山湿地,1♂,杉浦 昌
4-W,北山湿地,3♂♂,杉坂美典
6-W,北山湿地,1♂,前田尚之
7-W,北山湿地,1♂,前田尚之
7-W,北山湿地,5♂♂3♀♀,杉坂美典
20-W,北山湿地,1♀,杉坂美典
(参照
● 研究論文  岡崎市で記録されたギフチョウの分布状況について.
● 研究論文  絶滅寸前になった北山湿地(岡崎市池金町)のギフチョウへの積極的な保護活動
● 研究論文  ギフチョウを屋内・屋外で飼育する方法.

・ウスバシロチョウ    Parnassius citrinarius citrinarius Motschulsky, 1866






写真数: 43枚

記録地点

【特  徴】 岡崎市では,本宮山周辺に生息している。
【雌  雄】 ♀は,胸部の背面に体毛が少ないので,雌雄を区別することができる。
【発生期】
 年1回,発生し,4月下旬から5月中旬にかけて見られる。
【近似種】 なし
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
19943-X,額田町牧原,3♂♂1♀,杉坂美典

20045-X,額田町牧原,2♂♂,杉坂美典

2005
3-X,額田町河原,5♂♂2♀♀,杉坂美典
3-X,額田町杣坂峠,1♂,杉坂美典
2009
10-X,東河原町,4♂♂3♀♀,杉坂美典
10-X,千万町町,1♂1♀,杉坂美典
2011
4-X,東河原町,6♂♂2♀♀,杉坂美典
2015
6-X,東河原町,7♂♂,杉坂美典
6-X,石原町,3♂♂,杉坂美典
6-X,明見町,2♂♂,杉坂美典
2017
5-X,東河原町,6♂♂,杉坂美典
2018
1-X,東河原町,5♂♂1♀,杉坂美典
2019
2-X,東河原町,9♂♂,杉坂美典
2-X,淡渕町,1♂,杉坂美典
5-X,東河原町,8♂♂1♀,杉坂美典
2020
29-W,東河原町,3♂♂,杉坂美典
2023
21-W,片寄町,2♂♂,杉浦 昌
2024
28-W,石原町,1♀,杉浦 昌

・オナガアゲハ    Papilio macilentus macilentus Janson, 1877






写真数: 9枚

記録地点

【特  徴】 丘陵地の川沿いに見られるが少ない。
【雌  雄】 ♂は,後翅表面の前縁部に白斑が現れるので,雌雄を区別することができる。
【発生期】
 年2回,発生し,5月上旬から6月上旬と8月にかけて見られる。
【近似種】 クロアゲハに似ているが,本種は,尾状突起が長いことので,区別することができる。
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
19795-X,須渕町,1♂,杉坂美典22-[,山綱町,1♀,杉坂美典
198025-[,山綱町,1♀,杉坂美典
199712-X,本宿町,1♀,松井直人
20062-Y,秦梨町,1♀,杉坂美典
20114-Y,本宮山くらがり渓谷,1♀,杉坂美典
20181-X,東河原町,3♂♂1♀,杉坂美典1-Y,石原町,1♀,杉坂美典
20196-Y,石原町,1♂,杉坂美典

・ミヤマカラスアゲハ    Papilio maackii Menetries, 1858






写真数: 8枚

記録地点

【特  徴】 本宮山付近には,稀であるが,新鮮な個体を見出すことができる。2012年 池金町の北山湿地駐車場下の水田横にて,獣糞に飛来している春型の♂を記録した。新鮮な個体で,10分ほどはその周辺を飛翔していた。
【雌  雄】 ♂は,前翅表面に性標が現れるので,雌雄を区別することができる。
【発生期】
 年2回,発生し,5月上旬から6月,8月から9月にかけて見られる。
【近似種】 カラスアゲハに似ているが,本種は,前翅裏面の黄白条が外縁に対して平行に近い形になり,春型では後翅裏面の黄白条が発達するので,区別することができる。
記録
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録年
月日,場所,個体数,記録者
200225-\,桑谷町,1♂,柵木宗孝
20125−X,池金町,1♂,杉坂美典
202012−X,石原町,1♀,杉坂美典
20243−Y,茅原沢町,1♀,村井弘子

    

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