日本の蝶 <タテハチョウ科- コムラサキ亜科・フタオチョウ亜科・クビワチョウ亜科


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・コムラサキ    Apatura metis substituta Butler, 1873

黒色型 ♂
写真数: 94枚

褐色型 ♀
出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  林道や荒れ地などに現れ,速く飛ぶがすぐに止まる習性がある。花には集まらず,樹液や腐った果実,獣糞などに集まる。
 褐色型と黒色型があり,黒色型は,静岡県や愛知県、能登半島,九州南部にのみ生息している。愛知県では,褐色型よりも黒色型の方が数多い産地が多い。

♂  褐色型

♂   黒色型
 九州南部産の黒色型は,白斑が良く発達する。
 北海道産は,裏面の地色が暗色になり,白斑が鮮明になる傾向がある。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
栃木県宇都宮市柳田緑地内(市)
【雌  雄】 ♀は,翅表に紫色の光沢がなく,表面中央部の褐色斑(クロコムラサキの場合は,白色斑)が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ネコヤナギ・オノエヤナギ・カワヤナギ・バッコヤナギ・シダレヤナギ・コゴメヤナギ・ドロノキ(ヤナギ科)
【生  態】  暖地では,年3〜4回,発生し,5月中旬〜10月上旬に見られる。
 寒冷地では,年1〜2回の発生で,6月中旬〜8月中旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道から九州まで広く見られる。
 愛知県では,黒色型のコムラサキが発生し,クロコムラサキと呼ばれている。平野部にも発生しているが少ない。
 長野県では,各地に普通に見られる。
 北海道でも,各地に普通に見られる。
【分  布】  種としては,日本以外では,中央アジア,ヒマラヤ,ビルマ,中国,ウスリー,アムール,朝鮮半島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,湖南省に分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1974.8.1,愛知県段戸山,1♂1976.6.13,愛知県岡崎市箱柳町,1♂1979.7.29,愛知県岡崎市下青野町,1♂
1979.8.3,愛知県岡崎市八帖南,4♂♂2♀♀1980.7.4,愛知県岡崎市中園町,1♀,村田文彦1980.8.1,愛知県岡崎市八帖南,3♂♂1♀
1980.8.4,愛知県岡崎市八帖南,1♂1980.8.5,愛知県岡崎市八帖南,1♂1982.7.27,愛知県岡崎市上里町,1ex.,徳武
1998.7.23,北海道阿寒湖,2♂♂1998.7.29,愛知県岡崎市日名南町,1♂1999.9.1,愛知県岡崎市日名南町,1♂
1999.9.10,愛知県岡崎市日名南町,1♂2000.6.18,愛知県岡崎市日名南町,1♂2000.9.16,愛知県岡崎市日名南町,1♂
2010.8.1,愛知県岡崎市八ッ木町,1♀,杉浦仁美2010.9.23,静岡県浜松市北区,3♂♂,判家卓司2013.7.16,北海道層雲峡,3♂♂
2013.7.21,北海道足寄町,1♂2013.7.24,北海道陸別町,1♂2017.6.17,愛知県岡崎市八ッ木町,1♂
2018.5.16,愛知県豊橋市利兵池公園,2♂♂2018.6.4,愛知県岡崎市自然体験の森,2♂♂2018.7.18,愛知県豊田市黒田ダム,1♂
2018.7.18,愛知県豊田市面ノ木峠,1♂2018.7.22,長野県松本市上高地,多数♂♂2018.8.6,長野県開田高原西野,1♀
2019.7.29,長野県下伊那郡阿智村,1♂
2018.6.2,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.6.17,長野県阿智村,1♂
2020.7.19,長野県原村,1♂,関野祥子
2020.7.30,長野県松本市,3♂♂
2020.8.2,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.8.9,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.8.10,高知県香美市,1♂,高月陽生
2021.7.21,長野県木曽郡木曽町,1♂
2021.8.6,愛知県春日井市,1♂,荒川尚彦
2021.7.21,長野県開田高原,1♂2021.7.23,長野県上高地,5♂♂
2021.8.4,山梨県山梨市,1♂,大橋豊嗣 
2021.7.28,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂
2021.8.31,愛知県西尾市,1♀,足立幸子
2021.9.23,高知県香美市,1♀,高月陽生
2022.5.22,高知県香南市,1♂2♀♀,高月陽生
2022.5.29,愛知県岡崎市八ツ木町,3♂♂,高村葉子
2022.5.29,愛知県岡崎市八ツ木町,3♂♂
2022.7.4,岩手県久慈市,1♂,三河和夫
2022.7.25,長野県松本市,5♂♂,大橋豊嗣

・アカボシゴマダラ  名義タイプ亜種, 大陸亜種    Hestina assimilis assimilis (Linnaeus, 1758)

♂  夏型
写真数: 74枚

♀  春型
出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  1995年に中国産の本種が埼玉県で発生し,その後,各地に広がった。林道や荒れ地などに現れ,速く飛ぶがすぐに止まる習性がある。樹液や腐った果実,獣糞などに集まる。
 愛知県では,夏型の♂は,午後2時30分頃から,占有行動をはじめることが分かった。同じ場所で,少し遅い15時から占有行動をするスミナガシよりは弱く,追い回されていた。
 日本には,次の2亜種がある。
   名義タイプ亜種, 大陸亜種 H.assimilis assimilis (Linnaeus, 1758)
   奄美亜種 H.assimilis shirakii Shirozu, 1955
 亜種間の違いは,後翅裏面の亜外縁にある赤色斑の形状で区別できる。

大陸亜種
※ 赤色斑が小さく,その中の黒斑も小さいか
  消失する傾向があり,一部の赤色斑が三日
  月状になる個体もある

奄美亜種
※ 赤色斑は大きく,全ての赤色斑が繋がる

台湾亜種
※ 全ての赤色斑が三日月状,もしくは欠損し,
  黒斑は良く発達する
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 エノキ(アサ科)
【生  態】  この亜種は,年3回,発生し,4月下旬〜6月,7月〜8月,9月〜10月に見られる。幼虫で越冬し,幹や枝の分岐点で冬越しする。
 春型と夏型があり,春型は白化する。

♀ 春型

♀ 夏型
【生息地】  この亜種は,関東地方,中部地方の一部で見られ,中国からの外来種である。
 愛知県では,名古屋市で2010年,2011年に成虫や幼虫が見つかり,2013年にも見つかったが,その後は記録がなかった。
 2019年に静岡県から西に分布を広げ,2020年には,愛知県東部の三河地方の各所で発生した。
 2021年7月には,岡崎市八ツ木町で2♂♂2♀♀が記録された。なお,この場所は,動植物の採集は禁止されている。第2化が岡崎市で発生した可能性が高く,第3化は,9月13日,15日に確認された。

アカボシゴマダラの分布拡大の推移
【分  布】  種としては,日本以外では,中国の南西部・南部・東部・北部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾産は,別亜種で,Hestina assimilis formosana である。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,甘粛省,山東省,河北省,河南省,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】  ゴマダラチョウに似るが,本種は,後翅裏面の後角部に赤色斑があるので,区別することができる。
 アカボシゴマダラ,ゴマダラチョウ,オオムラサキの幼虫はよく似ているが,背面にある突起の形状で見分けることができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































記録
2006.8.31,神奈川県川崎市,1♀,中川紀世
2010.8.7,愛知県名古屋市猪高緑地,1ex.,間野隆裕・岩本やよい
2011,越冬幼虫,数頭,中橋 徹
2013,愛知県名古屋市鶴舞公園,1ex.,高崎・山田
2013.9.8,神奈川県藤沢市,1足立幸子
2019.9.15,愛知県設楽町田峯,1♀,間野隆裕・近藤和義
2019.10.7,愛知県新城市門谷,1ex.,水谷
2020.6.2,千葉県船橋市,1♂,山本和彦
2020.7.27,千葉県船橋市,1♀,山本和彦
2020.8.1,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀,畔蜑タ明
2020.8.11,愛知県北設楽郡,3♂♂,足立幸子
2020.8.16,愛知県北設楽郡,3♂♂
2020.9.17,愛知県岡崎市桑原町,1ex.,加藤
2020.9,愛知県豊田市岩倉町,1ex.,中根
2021.5.8,東京都立川市,1♀,伊藤牧子
2021.5.14,愛知県豊川市,1♀,鳥山小百合
2021.6.12,愛知県豊田市,1♀,伊藤敏行
2021.7.17,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂,島田博次
2021.7.19,岐阜県多治見市,2♂♂,鈴木茂敏
2021.7.28,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂,高村葉子
2021.7.28,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂
2021.7.29,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀,足立昌聖
2021.7.30,愛知県岡崎市八ツ木町,1♀,島田博次
2021.9.8,東京都小金井市,1♀,小林清二
2021.9.13,愛知県岡崎市中町,1♂,今井麻理
2021.9.22,千葉県船橋市,1♀,山本和彦
2021.10.5,東京都小金井市,1♀,小林清二
2021.10.30,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.5.8,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂,島田博次
2022.5.11,東京都小金井市,1♂,小林清二
2022.5.20,東京都小平市,1♀,小林清二
2022.5.25,愛知県豊橋市葦毛湿原,1♀
2022.5.30,愛知県岡崎市石原町,♂
2022.6.1,千葉県船橋市,2♀♀,山本和彦
2022.6.2,千葉県船橋市,2♂♂,山本和彦
2022.7.9,東京都小平市,3♂♂,小林清二
2022.7.10,東京都小平市,2♂♂,小林清二
2022.7.11,東京都小平市,2♂♂,小林清二
2022.7.11,千葉県船橋市,1♂,山本和彦
2022.7.17,愛知県岡崎市八ツ木町,1♂,高村葉子
2022.7.20,東京都小平市,2♂♂,小林清二
2022.7.23,東京都小平市,1♂,小林清二
2022.7.28,東京都小平市,1♂,小林清二



・アカボシゴマダラ   奄美亜種    Hestina assimilis shirakii Shirozu, 1955
.

写真数: 3枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 林道や荒れ地などに現れ,速く飛ぶがすぐに止まる習性がある。花には集まらず,樹液や腐った果実,獣糞などに集まる。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 クワノハエノキ(アサ科)
【生  態】 この亜種は,年5〜6回,発生し,3月中旬〜11月中旬に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】  この亜種は,奄美大島周辺だけに生息しているが,最近,開発によってリュウキュウエノキが少なくなっているので,本種も少なくなっている。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,中国の南西部・南部・東部・北部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾産は,別亜種で,Hestina assimilis formosana である。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,甘粛省,山東省,河北省,河南省,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】 ゴマダラチョウに似るが,本種は,後翅裏面の後角部に赤色斑があるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































記録
2010.12.28,奄美大島大和村,1ex.(幼虫)
2018.6.23,奄美大島奄美市,1♂,足立幸子
2021.7.22,鹿児島県奄美大島,1♀,足立幸子

・ゴマダラチョウ  日本本土亜種    Hestina persimilis japonica (C. Felder et R. Felder, 1862)
.

写真数: 36枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  森林や雑木林周辺の林道や荒れ地などに現れ,速く飛ぶがすぐに止まる習性がある。花には集まらず,樹液や腐った果実,獣糞などに集まる。
 春型と夏型があり,春型は白斑が発達する。

春型 ♀

夏型 ♀
 日本には,次の2亜種がある。
   日本本土亜種 H.persimilis japonica (C. Felder et R. Felder, 1862)
   対馬亜種 H.persimilis tsushimana Fujioka, 1981 ゴマダラチョウ
 北海道産は,やや小型で,白帯が発達する傾向がある。
【雌  雄】 ♂は,若干,翅形が丸くなるが,生態写真で雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 エノキ・エゾエノキ(アサ科)
【生  態】  この亜種は,暖地では,年3回,発生し,5月上旬〜11月中旬に見られる。
 寒冷地では,年1回,発生し,7月〜8月に見られる。幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,北海道西部から九州まで広く分布している。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,河北省,陳西省,四川省,西蔵區,河南省,福建省,浙江省に分布している。
【近似種】 (アカボシゴマダラの欄を参照)
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録1969.5.27,愛知県岡崎市上六名町,1♂1970.6.7,愛知県岡崎市上六名町,1♀1976.11.17,愛知県岡崎市下青野町,2♂♂
1979.5.19,愛知県岡崎市下青野町,1♂1979.8.8,愛知県岡崎市下青野町,1♀1980.8.1,愛知県岡崎市八帖南町,3♂♂
1980.8.3,愛知県岡崎市中園町,1♂,村田文彦1980.9.1,愛知県岡崎市八帖南町,1♂1981.6.5,愛知県岡崎市下青野町,1♂
1982.9.14,愛知県岡崎市東蔵前町,1♂1996.6.16,愛知県岡崎市本宿町,1♀,松井直人1996.9.15,愛知県岡崎市岡崎公園,1♂
1997.6.15,愛知県岡崎市岡崎公園,1♂1997.8.2,愛知県岡崎市岡崎公園,1♀1997.9.7,愛知県岡崎市岡崎公園,1♂
1997.9.16,愛知県岡崎市岡崎公園,1♂1999.10.25,愛知県岡崎市日名南町,1♀2000.5.16,愛知県岡崎市井田町,1♂
2003.7.10,愛知県岡崎市明代寺町,1♀,森田裕将2003.8.25,愛知県岡崎市美合町,2♂♂,柵木宗孝2003.9.7,愛知県岡崎市戸崎町,1♂
2003.9.12,愛知県岡崎市戸崎町,2♂♂2017.6.10,愛知県岡崎市石原町,1♀2017.8.9,愛知県岡崎市淡渕町,1♂
2018.9.5,愛知県岡崎市中之郷町,4♂♂
2019.5.25,高知県香美市香北町,1♂,高月陽生
2019.7.27,愛知県岡崎市淡渕町,1♀
2020.7.30,高知県香美市,1♂,高月陽生
2020.9.14,愛知県岡崎市中之郷町,3♂♂
2020.9.19,高知県香美市,2♂♂,高月陽生
2020.9.22,高知県香美市,2♂♂,高月陽生2020.9.27,高知県香南市,2♂♂,高月陽生
2021.5.22,高知県香美市,1♂,高月陽生
2021.7.11,千葉県船橋市,1♀,山本和彦
2021.9.19,高知県香南市,1♀,高月陽生
2021.9.20,高知県香美市,1♂,高月陽生
2022.7.9,東京都小平市,1♂,小林清二



・ゴマダラチョウ  対馬亜種    Hestina persimilis tsushimana Fujioka, 1981
.

写真数: 11枚

♂  (裏面)
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  森林や雑木林周辺の林道や荒れ地などに現れ,速く飛ぶがすぐに止まる習性がある。花には集まらず,樹液や腐った果実,獣糞などに集まる。
 対馬亜種の春型は,白斑がよく発達する。
【雌  雄】 ♂は,若干,翅形が丸くなるが,生態写真で雌雄を区別することは難しい。
【食  草】 エノキ(アサ科)
【生  態】  この亜種は,年3回,発生し,5月上旬〜11月中旬に見られる。
 幼虫で越冬する。
【生息地】 この亜種は,対馬に分布している。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,中国,朝鮮半島に分布している。
 中国では,河北省,陳西省,四川省,西蔵區,河南省,福建省,浙江省に分布している。
【近似種】 (アカボシゴマダラの欄を参照)
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
対 馬



































記録
2017.5.11,長崎県対馬,1♂,荻野秀一
2017.5.13,長崎県対馬,1♂,荻野秀一
2017.5.14,長崎県対馬,1♂,荻野秀一

・オオムラサキ  名義タイプ亜種  Sasakia charonda charonda (Hewitson, [1863])


写真数: 62枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  林道や荒れ地などに現れ,速く飛ぶがすぐに止まる習性がある。花には集まらず,樹液や腐った果実,獣糞などに集まる。
 遺伝型,地理的変異があり,裏面の色に黄色型と白色型がある。
 ♂の表面の青紫色に輝く斑紋が,モルフォのように広がり,輝く遺伝型(ブルーオオムラサキ,モルフォ型)もある。
 後翅表面後角部の赤色斑が白色斑になるスギタニ型もある。
 九州に生息する個体は,台湾亜種や中国・朝鮮亜種にように,裏面の黒条・黒斑が発達する個体も現れる。 

黄色型 と 白色型

ブルーオオムラサキ(モルフォ型)

スギタニ型 (後角部の赤色斑の白化型)

台湾亜種

 北海道栗山町のオオムラサキは,後翅表面後角部に近い斑紋が,小さく,三角形やV字形になるとして,1996年,日本蝶類学会の専門誌「バタフライズ」に,坪内純・神田正五・藤岡知夫氏たちが新亜種として記載したが,現在は,新亜種としては認められず,地理的変異として扱われている。

北海道 栗山町産

後翅表面後角部に近い斑紋が,小さく,三角形やV字形になる
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
神奈川県相模原市藤野町(市),長野県諏訪市立石山郷の沢(市),京都府相楽郡南山城村(村)
【雌  雄】 ♀は,翅表に紫色の光沢がないので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 エノキ・エゾエノキ(アサ科)
【生  態】  年1回,発生し,暖地では,6月中旬〜8月に見られる。
 寒冷地では,6月下旬〜8月に見られるが,まれに9月中旬まで生き残ることがある。幼虫で越冬する。
【生息地】  北海道から九州まで広く見られる。
 愛知県では,丘陵地から山地にかけて見られるが,最近は減少している。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,インドシナ半島東北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島,台湾に分布している。
 台湾産は,別亜種formosana である。
 中国では,陳西省,山西省,河南省,雲南省,江蘇省,浙江省に,別亜種 S.charonda coreana が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































寒冷地



































記録
1971.7.2,愛知県岡崎市須渕町,1♂,杉坂美典
1979.6.21,愛知県岡崎市茅原沢町,1♂,(河合中生徒)
1981.6.25,1♂,沓名 誠
1998.6.23,愛知県岡崎市真福寺町1♀,小鹿 亨(飼育)
2008.12.14,愛知県岡崎市秦梨町,4exs.(幼虫),杉坂美典
2009.6.25,愛知県岡崎市秦梨町,1♂,杉坂美典
2011.7.9,北海道札幌市,1♂,岡本雅昭
2012.7.8,愛知県豊田市穂積町,3♂♂
2014.7.11,高知県香美市,1♂,高月陽生
2019.9.15,長野県蓼科高原,1♀(大破)
2019.7.1,長野県松本市,1♂,関戸裕靖
2019.7.3,長野県松本市,多数♂♂,関戸裕靖
2019.7.30,岡崎市八ツ木町,1ex.,三浦重光
2020.7.2,長野県松本市,多数♂♂
2020.7.28,山梨県北杜市,1♂9♀♀
2020.7.29,長野県松本市,3♂♂
2021.6.25,長野県松本市,1♂
2021.6.26,長野県松本市,1♂
2022.7.4,岩手県久慈市,1尾,三河和夫



・フタオチョウ  沖縄亜種  Polyura eudamippus weismanni (Fritze, 1894)


写真数: 7枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  山林の周辺に生息し,林道や荒れ地などに現れ,♂は,占有行動をする。花には集まらず,樹液や腐った果実,獣糞などに集まる。
 第1化の個体は,やや小型で,白帯が良く発達する。
 次の地域では,法律で採集禁止種に指定されている。
沖縄県全域(県)
【雌  雄】 ♀は,大型で,翅形が丸くなり,前後翅の黒褐色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 ヤエヤマネコオチチ(クロウメモドキ科),クワノハエノキ(アサ科)
【生  態】 年2〜3回,発生し,4月上旬〜10月中旬に見られる。蛹で越冬する。
【生息地】  沖縄本島に生息し,保護されている。最近は,奄美大島でも,沖縄本島の発生地と大差ない数の個体が発生している。
 環境省のレッドデータでは,準絶滅危惧(NT)に指定されている。
【分  布】  種としては,日本以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部,台湾に分布している。
 台湾産は,別亜種 P. eudamippus formosana である。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】 ヒメフタオチョウに似ているが,本種は,前翅裏面前縁部と後翅裏面外縁に明瞭な黒斑が現れることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
沖縄本島



































記録
2016.7.2,沖縄県中城村,3♂♂,安中弘行
2016.7.3,沖縄県中城村,1♂,安中弘行2016.7.4,沖縄県中城村,1♂,安中弘行

・ヒメフタオチョウ    Polyura narcaea (Hewitson, [1854])


写真数: 1枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 人為的な外来種である。日本では,9例が確認されている。
【雌  雄】 ♂は,2本の尾状突起が平行になり,♀は,尾状突起が八の字のように広がるので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 サカキ
【生  態】 大阪と山形の記録は,1月,2月に輸入されたサカキから蛹が見つかった。
【生息地】 石垣島,大阪,山形,北海道,石川,東京,兵庫,奈良で記録がある。
【分  布】  種としては,インド北部,インドシナ半島東北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,台湾にも生息している。
 中国では,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 P.narcaea narcaea が分布している。
【近似種】 フタオチョウに似ているが,本種は,前翅裏面前縁部に黒斑がなく,後翅裏面外縁では小さいことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
日 本



































記録
(参考)2017.8.17,台湾南投縣本部溪,1♂

・クビワチョウ  台湾亜種  Calinaga buddha formosana Fruhstorfer, 1908


写真数: 1枚
(参考:台湾産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶である。日本では,1例が確認されているだけである。
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面の中室の外側にある灰白色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【食  草】 (迷蝶のため,日本での繁殖例はない)
【生  態】 4月に記録された。
【生息地】 神奈川県横須賀市で記録がある。
【分  布】  種としては,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部・東部,台湾に分布している。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,福建省に,いくつかの亜種に分かれている。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
日 本



































記録
(参考)2016.4.19,台湾新北市烏来区福山村,1♀


ジャノメチョウ亜科1 は,ここをクリックすると見ることができます

ジャノメチョウ亜科2 は,ここをクリックすると見ることができます。(容量の関係で,別ページにしてあります)




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