台湾の蝶 <シジミチョウ科- ベニシジミ亜科1・ミドリシジミ亜科1


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アシナガシジミ亜科・ウラギンシジミ亜科,ここをクリックすると見ることができます

・ウラフチベニシジミ 紫日灰蝶 (台湾産)    Heliophorus ila matsumurae (Fruhstorfer,1908)   台湾亜種


写真数: 102枚


出現頻度
★★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。日本のベニシジミとよく似ており,飛び方は速いが,すぐに止まる習性がある。木の梢で占有行動をする習性があり,追飛も行うので,ミドリシジミ類と間違えやすい。
【雌  雄】 ♂は,翅表に藍色斑が現れ,メスは,赤色斑が現れるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市荒地周辺で見られる。
 低地から高山地帯まで,各所で普通に見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島,インドネシア,中国の南西部・南部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,浙江省,江西省,湖北省,福建省,広東省,広西區,雲南省,海南省,上海市に,別亜種 H.ila chinensis が分布している。
【近似種】  ゼフィルスに似ているが,本種は,後翅裏面の亜外縁に赤色斑が発達すること,後翅裏面に黒点が点在することで区別することができる。

・ルーミスシジミ 蔚青紫灰蝶 (台湾産)   Arhopala ganesa formosana Kato,1930   台湾亜種


写真数: 16枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,別亜種 loomisi である。中型のシジミチョウである。森林性が強く,樹林内の限らfれた場所を好む習性がある。明るいブッシュに囲まれた空地の草むらの葉上で止まっていた。数枚,写真を撮ったところ,パッと飛び立ち,近くにあったカシ類の樹木の樹上へ飛び去って行った。その後,その周辺を探索したが,見つからず,数時間後に再度,探索したが見つからなかった。
【雌  雄】 雌雄同形で,生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 3月下旬〜10月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の中部・南部の低・中標高(500m〜2800m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,碧緑がある北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部,日本に分布している。
 中国では,浙江省,江西省,湖北省,福建省,広東省,広西區,雲南省,海南省に,別亜種 A.ganesa seminigra が分布している。
【近似種】  アサクラシジミ,ムラサキシジミに似ているが,本種は,尾状突起がなく,地色が灰白色で,斑紋の内部も灰白色になるので区別することができる。

・アサクラシジミ (台湾産) 小紫灰蝶   Arhopala birmana asakurae (Matsumura, 1910)    台湾亜種


写真数: 29枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。樹林内に生息し,湿度が多く,木漏れ日が差す程度のやや暗い場所に生息する。あまり飛び回ることはなく,すぐに止まって後翅を上下に動かす習性がある。
【雌  雄】 標本では,♀は,翅表の基部側に藍色斑が現れるので,雌雄を区別することができるが,裏面だけの生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の中部・南部の低・中標高(300m〜1500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 中部山岳の南山渓本部溪,台東市の知本渓で見ることができた。特に,知本渓では,数頭を確認することができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,雲南省,広西區,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 A.birmana birmana が分布している。
【近似種】  ムラサキツバメ,ルーミスシジミに似ているが,本種は,尾状突起があり,後翅裏面に細かい波状の白線が全体的に散らばるので区別することができる。

・ムラサキツバメ 燕尾紫灰蝶 (台湾産)   Arhopala bazalus turbata (Butler, [1882])

♂  ♀
写真数: 28枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のシジミチョウである。日差しの弱い暗い林道で見られた。個体数は少ない。
【雌  雄】 標本では,♀は,翅表の基部側に藍色斑が現れるので,雌雄を区別することができるが,裏面だけの生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(50m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台東市の知本渓南投縣本部溪拉拉山下巴陵南投縣恵孫林場南投縣松崗南投縣南山溪で確認することができた。高雄市茂林,多納でも撮影され,集団越冬する様子も撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の本州以南に分布し,台湾産,日本産は分布の東限に当たる。
 中国では,雲南省,広西區,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 A.bazalus teesta が分布している。
【近似種】  アサクラシジミ,ルーミスシジミに似ているが,本種は,尾状突起があり,後翅の後縁部が直線的になること,後翅裏面の前縁部に波状の白線がないことなどで区別することができる。

・ムラサキシジミ 日本紫灰蝶 (台湾産)   Arhopala japonica (Murray, 1875)


写真数: 36枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。中型のシジミチョウである。樹林内の明るい場所を好み,林道沿いのカシ類の林で見られた。
【雌  雄】 標本では,♀は,翅表の基部側に藍色斑が現れるので,雌雄を区別することができるが,裏面だけの生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の中部の眉渓本部渓台北市立動物園虫虫探索谷台北市富陽新北市烏来台北市剣南山陽明山横峰古道台北市聖人瀑布,新北市万里區,南投縣南山溪で見ることができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南部,日本の本州以南に分布している。
 中国では,江西省,福建省に,台湾,日本と同じ亜種が分布している。
【近似種】  ホリシャムラサキシジミに似ているが,本種は,裏面の亜外縁の斑紋の並び方が連続するので区別することができる。
 

・ホリシャムラサキシジミ 暗色紫灰蝶 (台湾産)   Arhopala paramuta horishana Matsumura, 1910   台湾亜種


写真数: 32枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。樹林内の明るい場所を好み,各種の花や樹液などに集まる。小さな渓流沿いの暗いジャングルの中で生息していた。
【雌  雄】 標本では,♀は,翅表の基部側に藍色斑が現れるので,雌雄を区別することができるが,裏面だけの生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】  周年,年数回発生している。
 2017年7月30日に嘉義縣中埔郷に行ったときは,全く見られなかったが,同年8月25日には,3頭を見つけることができた。8月上旬から下旬にかけてが,何回目になるか不明だが,発生期に当たるものと思われる。
【生息地】  台湾の低・中標高(50m〜1500m)の常緑広葉樹林で見られる。発生地は,非常に局所的で,見つけることが非常に難しい種の一つである。
 嘉義縣中埔郷で撮影することができた。高雄市茂林區多納でも撮影されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。 
 中国では,雲南省,広西區,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 A.jparamuta jparamuta が分布している。
【近似種】  ムラサキシジミに似ているが,本種は,後翅の外縁に小突起が現れ,裏面の亜外縁の斑紋の並び方が途中で途切れること,♀の前翅表面の青色斑は小さいことなどで区別することができる。

・エグリシジミ 凹翅紫灰蝶 (台湾産)   Mahathala ameria hainani Bethune-Baker,1903   台湾亜種


写真数: 43枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 やや大型のシジミチョウである。明るいランタナが咲くような明るい草原で見ることができた。一度止まると,なかなか飛ばないし,飛んでもすぐに止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅表の基部側に藍色斑が現れるので,雌雄を区別することができるが,翅表が見えない場合は,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】  周年,年数回発生している。
 5月下旬では,ランタナの花畑の周辺で時々見ることができた。
【生息地】  台湾の低標高(〜1200m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の南部の墾丁国家公園社頂自然公園,台東市の知本渓,屏東縣大漢山,高雄市田寮區,台南市東山區,台南市新化區で見ることができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,インドネシア,中国の南西部・南部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,雲南省,広西區,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ亜種が分布している。
【近似種】  ムラサキツバメに似ているが,本種は,後翅の後角部に突出部があるので区別することができる。

・ラマムラサキシジミ 拉瑪紫灰蝶    Arhopala rama (Kollar, [1844])
.
写真数: 1枚
(参考:ビルマ産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 中型のシジミチョウである。迷蝶である。ムラサキシジミの有尾型の可能性もある。
【雌  雄】 標本では,♀は,翅表の基部側に藍色斑が現れるので,雌雄を区別することができるが,裏面だけの生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 不明
【生息地】 詳細は不明
【分  布】  種としては,インドの北部,ヒマラヤ,ビルマ,中国の南部に分布している。日本の八重山諸島でも記録がある。
 中国では,江西省,福建省,広西區,広東省,海南省,(上海市)に分布している。
【近似種】 ムラサキシジミに似ているが,本種は,より小型で,尾状突起があるので,ある程度,区別することができるが,ムラサキシジミの有尾型とも酷似しており,同定は難しい。

・ニイタカアカシジミ 臺灣焔灰蝶 (台湾産)   Japonica patungkoanui Murayama,1956   台湾特産種


写真数: 30枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産のアカシジミ Japonica lutea とよく似ているが別種である。当初は,アカシジミの台湾亜種として記載されたが,独立種に昇格された。
 中型のシジミチョウである。
【雌  雄】 生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 5月〜9月上旬に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(800m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 花蓮市秀林郷碧緑,拉拉山で撮影された。高雄市南横公路でも撮影された。ちなみに,北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体,碧緑がある中部貫公路一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 なし

・タカラシジミ 赭灰蝶 (台湾産)   Ussuriana michaelis takarana Araki & Hirayama,1941   台湾亜種


写真数: 14枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 当初は,台湾固有種とされていたが,現在では大陸に分布するコンゴウシジミの台湾亜種とされている。
 中型のシジミチョウである。樹液や各種の花を訪れる。
【雌  雄】 生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 4月〜6月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の低・中・高標高(400m〜1800m)の常緑広葉樹林,渓谷崩壊地で見られる。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島北部,中国南部・東部,朝鮮半島に分布する。
 中国では,陳西省,河南省,湖北省,江西省,浙江省,福建省に分布している。江西省,福建省に分布しているものは,台湾と同じ亜種で,それ以外は,名義タイプ亜種 U.michaelis michaelis である。
【近似種】 なし

・タイワンアカシジミ 珂灰蝶 (台湾産)   Cordelia wilemaniella (Matsumura,1929)   台湾特産種


写真数: 4枚

♀  ♂
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 本種を独立種とする小岩屋(2007)の学説と大陸に分布する Cordelia comes の亜種とする徐(2013)の学説がある。ここでは,小岩屋(2007)の学説に対して,徐(2013)が具体的な反論をしていないため,小岩屋(2007)の見解に従い,独立種とした。
 中型のシジミチョウである。乾燥した森林に生息している。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜8月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の中・高標高(1000m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 なし

・オナガシジミ 墨點灰蝶 (台湾産)   Araragi enthea morisonensis M.Inoue,1942   台湾亜種


写真数: 23枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,Araragi enthea enthea である。中型のシジミチョウである。習性は,日本産と同じである。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,6本の脚で体を支えていることが多い。♀は,前翅表面の白斑が発達し,前翅裏面の前縁部の黒点が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月下旬〜8月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1400m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。 
 ちなみに,北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体,碧緑がある中部貫公路一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の北部・中部・東部,朝鮮半島,ロシア南東部,日本に分布する。
 中国では,北京,吉林省,遼寧省,黒竜江,山東省,河北省,山西省,河南省,湖北省,西蔵區,四川省,福建省などに,日本と同じ名義タイプ亜種 A.enthea enthea が分布している。
【近似種】 なし

・ミズイロオナガシジミ 折線灰蝶 (台湾産)   Antigius attilia obsoletus Takeuchi,1929   台湾亜種


写真数: 4枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産の名義タイプ亜種は,Antigius attilia attilia ,対馬亜種は,Antigius attilia yamanakashoji である。
 中型のシジミチョウである。習性は,日本産と同じである。
 この台湾亜種は,日本の対馬亜種に似ている。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜7月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の中・高標高(1200m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。 
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の西部・南部・東部・北部,朝鮮半島,ロシア南東部,日本の各地対馬に分布する。
 中国の甘粛省から東北部の黒竜江省,南西部の雲南省,東部の浙江省まで,各地に,日本と同じ名義タイプ亜種 A.attilia attilia が分布している。
【近似種】  ジンピンオナガシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の基部に斑紋がないことで区別することができる。

・ジンピンオナガシジミ 錦平折線灰蝶 (台湾産)   Antigius jinpingi Hsu,2009   台湾特産種

♂ 表
写真数: 2枚

♂ 裏
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 2005年に台湾の南部の大武山周辺で発見され,2009年に新種記載されたものである。
 中型のシジミチョウである。記録された個体数が少なく,生態等は不明な点が多い。
【雌  雄】 ♀は,後翅表面の亜外縁に薄い灰色の斑紋があるが,生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 5月〜6月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の南部の中標高(1100m〜1500m)の常緑広葉樹林で見られる。 
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ミズイロオナガシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の基部付近に黒点が3つ出現することで区別することができる。

・タイワンウラミスジシジミ 臺灣線灰蝶 (台湾産)   Wagimo insularis ,1957   台湾亜種


写真数: 25枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,個体数は少ない。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,若干,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 6月〜8月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1100m〜2800m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,碧緑がある中部貫公路一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の中部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,四川省の北部に,名義タイプ亜種 W.insularis insularis が分布している。
【近似種】 なし

・ヒメシロシジミ 瓏灰蝶 (台湾産)   Leucantigius atayalicus ,Murayama,1943


写真数: 6枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,陽だまりに好んで集まる習性がある。各種の花を訪れ,樹液にも集まる。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月〜6月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の低・中・高標高(500m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。 
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,河南省,浙江省,福建省,江西省,海南省,広東省に分布している。
【近似種】  シロシジミに似ているが,本種は,後翅亜外縁の半月状の褐色斑が大きいこと,後翅裏面の中央の線が分離すること,後翅裏面の後縁部の斑紋が広がることで区別することができる。

・シロシジミ 朗灰蝶 (台湾産)   Ravenna nivea nivea Nire,1920   名義タイプ亜種


写真数: 23枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,陽だまりに好んで集まる習性がある。各種の花を訪れる。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,翅表に青色斑が現れるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月下旬〜7月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(500m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。 
 桃園市上巴陵で撮影することができた。屏東縣霧台區,南投縣本部渓でも撮影されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ベトナム,中国の南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,浙江省,福建省,広西省,海南省,広東省に分布している。
【近似種】  ヒメシロシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の中央の線が連続すること,後翅裏面の後縁部の斑紋が集まることで区別することができる。

・ウラクロシジミ 珠灰蝶 (台湾産)   Iratsume orsedice suzukii Sonan,1940   台湾亜種


写真数: 61枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,各種の花を訪れる。♂は,朝8時頃から姿を見せ始め,日中は姿をあまり見せず,夕方になると再び姿を現すようになるが,朝ほど活発ではない。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,翅形が若干丸くなり,前翅翅表の外縁の黒帯が発達し,裏面の白斑も発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月〜8月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1400m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 花蓮市碧緑神木慈恩で撮影することができた。ちなみに,碧緑がある中部貫公路一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部,日本に分布している。
 中国では,西蔵區,四川省に分布している。
【近似種】 なし

・タイワンイチモンジシジミ 鋩灰蝶 (台湾産)   Euaspa milionia formosana Nomura,1931   台湾亜種


写真数: 37枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。森林に生息し,飛び方は緩やかである。各種の花を訪れる。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,若干,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜7月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜2800m)の常緑広葉樹林で見られる。
 花蓮市碧緑神木で見ることができた。ちなみに,碧緑がある中部貫公路一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,海南省に分布している。
【近似種】 なし

・フォルスターミドリシジミ 伏氏鋩灰蝶 (台湾産)   Euaspa forsteri (Esaki & Shirozu, 1943)   台湾亜種

♂ 表
写真数: 2枚

♂ 裏
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,日中は葉上で静止しているが,夕方になると活発に活動する習性がある。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,若干,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜7月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の中・高標高(1000m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。 
【分  布】  種としては,台湾以外では,ラオス北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區,雲南省,広西區,湖南省,広東省,福建省に分布している。
【近似種】 なし

・タイヤルミドリシジミ 泰雅鋩灰蝶 (台湾産)   Euaspa tayal (Esaki & ,1943)   台湾特産種

♂ 表
写真数: 2枚

♂ 裏
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,日中は葉上で静止しているが,夕方になると活発に活動する習性がある。裏面は,日本のヒサマツミドリシジミに似ている。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,若干,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜7月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の北部の中・高標高(500m〜1500m)の常緑広葉樹林で見られる。 
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  イチモンジミドリシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の白帯の外側に斑紋があるので区別することができる。

・アリサンオナガシジミ 阿里山鐵灰蝶 (台湾産)   Teratozephyrus arisanus arisanus (Wileman, 1909)    名義タイプ亜種


写真数: 78枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,各種の花を訪れる。パイナップルビールに黒砂糖を混ぜた液体に集まる習性がある。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,前翅翅表に黄褐色斑があり,裏面の黒褐色条が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  4月〜9月に,年1回発生している。
 花蓮市碧緑神木(標高2150m)では,6月中旬から,7月上旬まで見られた。
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜3000m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,碧緑がある中部貫公路は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島北部,中国の西部・南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區,雲南省,広西區,湖南省,広東省,福建省に分布している。
【近似種】 なし

・ニイタカオナガシジミ 臺灣鐵灰蝶 (台湾産)   Teratozephyrus yugaii Kano,1928   台湾特産種


写真数: 3枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,各種の花を訪れる。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,前翅翅表に黄褐色斑があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 6月〜10月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1400m〜3900m)の常緑広葉樹林で見られる。 
 ちなみに,碧緑がある中部貫公路一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ヌワオナガシジミに似ているが,前翅裏面の白条が後縁部まで発達しないことで区別することができる。

・ヌワオナガシジミ 高山鐵灰蝶 (台湾産)   Teratozephyrus nuwai elatus Hsu & Lu,2005   台湾亜種


写真数: 6枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 台湾では,2000年に発見された。その後,Hsu(2005)によって新種記載されたが,小岩屋(2007)は,台湾産の本種を中国大陸に分布する nuwai の亜種に降格する処理をとった。徐(2013)などは,台湾固有種とする見解を変えていないが,独立種であることを立証する具体的データを再提示していないことから小岩屋(2007)に従う。(宇野 彰,日本鱗翅学会誌 YADORIGA No.248 2016 より転記)
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,各種の花を訪れる。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,前翅翅表に黄褐色斑があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 7月〜12月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の高標高(2300m〜3300m)の常緑広葉樹林で見られる。 
 ちなみに,碧緑がある中部貫公路一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部・南部・東部に分布している。
 中国では,浙江省,福建省,広西省,海南省,広東省に分布している。
【近似種】  ニイタカオナガシジミに似ているが,前翅裏面の白条が後縁部まで発達することで区別することができる。

・タカサゴミドリシジミ 臺灣榿翠灰蝶 (台湾産)   Neozephyrus taiwanus (Wileman,1908)   台湾特産種


写真数: 78枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近の高い場所で生活し,♂は夕方,追飛行動をよく行う。7月20日,梅峰の標高2091mの場所で,褐色のシジミチョウが道路脇の低い木の梢を飛び回っていたので,急いで近寄ってみると,タカサゴミドリシジミの♂であった。早朝であったので,低い場所に降りていたと思われる。26日は,林道を1時間ほど下った場所で,やはり,低い場所から飛び出し,近くにあった背の高い草に止まった。早朝は,このような活動をすることを確かめることができた。
【雌  雄】 ♂は,前翅表面が輝緑色になり,前脚はが癒合しているため短く,♀は,前翅表面の黒褐色斑が幅広いので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜10月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(800m〜3300m)の常緑広葉樹林で見られる。
 南投縣仁愛郷梅峰花蓮市秀林郷碧緑神木花蓮市秀林郷碧緑慈恩で撮影することができた。ちなみに,梅峰,碧緑がある中部貫公路一帯,明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ニシカゼミドリシジミに似ているが,本種は,♂の表面外縁部の黒帯の幅が極端に広いこと,後翅裏面亜外縁の灰白色の斑紋の幅が広いことで区別することができる。
 

・エサキミドリシジミ 碧翠灰蝶 (台湾産)   Chrysozephyrus esakii (Sonan,1940)   台湾亜種


写真数: 82枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近の高い場所で生活し,♂は夕方,追飛行動をよく行う。
【雌  雄】 ♂は,前翅表面が輝緑色になり,前脚はが癒合しているため短くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 6月〜10月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜3300m)の常緑広葉樹林で見られる。 
 花蓮市碧緑神木では,多数の個体が発生していた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,浙江省,福建省,広西省,海南省,広東省に分布している。
【近似種】  ニシカゼミドリシジミに似ているが,本種は,♂の表面外縁部の黒帯の幅が狭いこと,裏面の白帯の内側が暗褐色になり,その周辺が灰褐色になることで区別することができる。
 

・ニシカゼミドリシジミ 西風翠灰蝶 (台湾産)   Chrysozephyrus nishikaze (Araki & Sibatani,1941)   台湾特産種


写真数: 8枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近の高い場所で生活し,♂は夕方,追飛行動をよく行う。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,前翅表面が輝緑色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月〜7月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の中・高標高(1000m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。 
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  エサキミドリシジミに似ているが,本種は,♂の表面外縁部の黒帯の幅がやや広いこと,裏面の白帯の内側が若干,暗褐色になるが,その周辺の褐色とあまり違いがないことで区別することができる。
 

・カノミドリシジミ 黄閃翠灰蝶 (台湾産)   Chrysozephyrus kabrua niitakanus (Kano,1928)   台湾亜種


写真数: 41枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近の高い場所で生活し,♂は夕方,追飛行動をよく行う。地面に降りて,吸水する習性もある。パイナップルビールに黒砂糖を入れた液を噴霧すると集まる習性もある。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,前翅表面が輝緑色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 6月〜10月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜3300m)の常緑広葉樹林で見られる。 
 ちなみに,碧緑がある中部貫公路一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,インドシナ半島北部,中国の南西部に分布する。
 中国では,雲南省,海南省に分布している。
【近似種】  エサキミドリシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の白線が直線的になること,白線の外側に幅広い白帯があるので白線がほとんど見えなくなること,後翅後角部の内側の暗褐色線が台形状になること,後翅後角部の大きな黄褐色斑の中間に三角形の小さな黄褐色斑があることで区別することができる。

・タイワンミドリシジミ 小翠灰蝶 (台湾産)   Chrysozephyrus disparatus pseudotaiwanus (Howarth,1957)   台湾亜種


写真数: 3枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近の高い場所で生活し,♂は夕方,追飛行動をよく行う。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,前翅表面が輝緑色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜10月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(600m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。 
 ちなみに,拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,インドシナ半島北部,中国の西部・南部・東部に分布する。
 中国では,雲南省,広西省,広東省,浙江省,福建省に,名義タイプ亜種 C.disparatus disparatus が分布している。
【近似種】  他のミドリシジミ類に似ているが,本種は,裏面の白帯がミドリシジミ類の中では最も細くなること,♀の前翅翅表には黄褐色斑が鮮明に現れ,その下の青色斑は,後縁部と平行になることで区別することができる。

・ララサンミドリシジミ 拉拉山翠灰蝶 (台湾産)   Chrysozephyrus rarasanus (Matsumura,1939)   台湾特産種


写真数: 5枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近の高い場所で生活し,♂は夕方,追飛行動をよく行う。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,前翅表面が輝緑色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜7月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の中・高標高(1000m〜2300m)の常緑広葉樹林で見られる。 
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ムシャミドリシジミに似ているが,本種は,裏面の白帯が太くなること,♂の後翅翅表の外縁の黒褐色斑の幅が広いことで区別することができる。

・ホリシャミドリシジミ 清金翠灰蝶 (台湾産)   Chrysozephyrus yuchingkinus Murayama & Shimonoya,1965   台湾特産種

♂ 表
写真数: 2枚

♂ 裏
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近で生活し,夕方に活発に活動する。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,若干翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜8月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の中部,北部の低・中・高標高(500m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ララサンミドリシジミに似ているが,本種は,雌雄とも表面は茶褐色で,斑紋がなく,裏面は,タイワンミドリシジミに似るが,後翅裏面の白帯が直線的で,後角部に1ヶ所小さなずれがあることで区別することができる。

・イチモンジミドリシジミ 單線翠灰蝶 (台湾産)   Chrysozephyrus splendidulus Murayama & Shimonoya,1965   台湾特産種


写真数: 15枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近で生活している。当初は,ヒサマツミドリシジミの台湾亜種とされていたが,現在では,独立種とされている。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,前翅表面に青色斑が現れ,裏面が濃い褐色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜8月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。 
 新竹縣尖石郷,北横公路で撮影された。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  タイヤルミドリシジミに似ているが,本種は,後翅裏面の白帯の外側に斑紋がないことで,区別することができる。

・ホウライミドリシジミ 白芒翠灰蝶 (台湾産)   Thermozephyrus lingi (Okano & Okura,1969)   台湾特産種


写真数: 17枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近で生活し,夕方,活発に活動する。日本産のキリシマミドリシジミ ataxus の台湾亜種lingi とされていたが,交尾器の形状の差異から,現在では,独立種となった。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,前翅表面に青色斑が現れ,裏面の茶褐色の斑紋が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜8月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の中・高標高(1000m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 なし

・ムシャミドリシジミ 霧社翠灰蝶 (台湾産)   Kawazoeozephyrus mushaellus (Matsumura,1938)   台湾亜種


写真数: 16枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 従来,属名はChrysozephyrus であったが,小岩屋(2007)によって,交尾器の違いによって新属Kawazoeozephyrus が創設された。
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近の高い場所で生活している。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,♀は,前翅表面に青色斑が現れるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月下旬〜8月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の低・中・高標高(600m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。 
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,雲南省,広西省,広東省,浙江省,福建省に,別亜種 K.mushaellus rileyi が分布している。
【近似種】  タイワンミドリシジミ,ララサンミドリシジミに似ているが,本種は,♂の表面の輝きが青みを帯びること,前翅外縁の黒帯の幅が狭いことで区別することができる。

・タイワンフジミドリシジミ  (台湾産)   Sibataniozephyrus kuafui Hsu & Lin,1994   台湾特産種


写真数: 2枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 1994年に記載された新種で,中国に分布する S. lijinae と酷似し,交尾器の一部が違っているのみだという(小岩屋,2007)。
 中型のシジミチョウである。森林に生息し,食樹付近で生活している。
【雌  雄】 ♂の前脚はが癒合しているため短く,前翅表面に青白色斑が現れ,裏面が濃い褐色になり,♀は,翅形が丸くなり,裏面の黒褐色斑が発達するるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜7月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,太平山森林遊楽区は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 なし



ミドリシジミ亜科2は,ここをクリックすると見ることができます

ヒメシジミ亜科1は,ここをクリックすると見ることができます

ヒメシジミ亜科2は,ここをクリックすると見ることができます。(容量の関係で,別ページにしてあります)




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