台湾の蝶 <シジミチョウ科- ミドリシジミ亜科2


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アシナガシジミ亜科・ウラギンシジミ亜科,ここをクリックすると見ることができます

ベニシジミ亜科・ミドリシジミ亜科1は,ここをクリックすると見ることができます

・ワイモンシジミ 尖灰蝶 (台湾産)   Amblopala avidiena y-fasciata (Sonan,1929)   台湾亜種


写真数: 5枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。食樹のネムノキの周辺で生活している。
【雌  雄】 標本では,♀は,翅表の藍色斑が発達するので,雌雄を区別することができるが,裏面だけの生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 2月〜5月に,年1回発生している。
【生息地】 台湾の低・中・高標高(500m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の西部・南部・東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,浙江省,福建省に分布している。
【近似種】 なし

・アサギシジミ 褐翅青灰蝶 (台湾産)   Tajuria caerulea Nire,1920   台湾特産種


写真数: 10枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。やや暗い林道横の樹林の葉上に止まってる個体を撮影することができた。驚くと葉の裏側に隠れる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 2月〜11月上旬に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(400m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 拉拉山の下巴陵(標高約656m)で見ることができた。ちなみに,拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ワタナベシジミと裏面が似ているが,本種は,裏面の中央の白線が鮮明であることで区別することができる。

・カレンコウシジミ 白腹青灰蝶 (台湾産)   Tajuria diaeus karenkonis Matsumura, 1929   台湾亜種


写真数: 10枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。非常に速く飛ぶ。樹木の花に吸蜜に来た個体を撮影することができた。
【雌  雄】 標本では,♀は,翅表の藍色斑が明るくなるので,雌雄を区別することができるが,裏面だけの生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(400m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の中部山岳にある松崗(標高1973m)で見ることができた。ちなみに,翠峰松崗一帯は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,インドネシアに分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區に,名義タイプ亜種 T.diaeus diaeus が分布している。
【近似種】 なし

・タイワンサザナミシジミ 漣紋青灰蝶 (台湾産)   Tajuria illurgis tattaka (Araki,1949)   台湾亜種


写真数: 24枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。非常に速く飛ぶ。早朝や日中は,ほとんど活動せず,♂は,夕方の3時半頃から活動を始め,4時半頃まで,活発に占有行動をする様子を観察することができた。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月下旬〜11月上旬に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(600m〜2800m)の常緑広葉樹林で見られる。
 南投縣梅峰,花蓮市秀林郷碧緑で撮影された。ちなみに,南投縣梅峰,碧緑がある中部貫公路は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の西部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區,福建省に分布している。西蔵區に分布しているものは,名義タイプ亜種 T.illurgis illurgis で,福建省に分布しているものは,台湾と同じ亜種である。
【近似種】 なし

・クロボシルリシジミ 鈿灰蝶 (台湾産)   Ancema ctesia cakravasti (Fruhstorfer, 1909)    台湾亜種


写真数: 6枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。非常に速く飛ぶ。獣糞,鳥糞などに飛来する習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜11月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(500m〜2200m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の中部山岳にある南山溪,花蓮市秀林郷碧緑,南投縣梅峰で撮影された。ちなみに,南山溪,花蓮市秀林郷碧緑,碧緑がある北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の西部・南部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,福建省に,名義タイプ亜種 A.ctesia ctesia が分布している。
【近似種】 なし

・フタオルリシジミ 蘭灰蝶 (台湾産)    Hypolycaena kina inari (Wileman, 1908)    台湾亜種


写真数: 37枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。小さな小川に近くに生える低木の葉上で占有行動をしていた。食草は,着生ランの花で,限られた場所でしか見つかっていない。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の北部と南部の低・中・高標高(200m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
 分布域が狭く,発生地も局部的なので,なかなか撮影出来ない種の一つである。新北市烏来区雲仙で見ることができたが,2015年の台風で雲仙一帯は壊滅的被害を受け,雲仙の奥にあった発生地は崩壊した。しかし,2016年には,別の場所で見つけることができた。ちなみに,雲仙は,昆虫採集は禁止されている。烏来区の桶後林道では,2023年7月10日には多産していた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區に,名義タイプ亜種 H.kina kina が分布している。
【近似種】  裏面の斑紋は,クヤニヤシジミに似ているが,本種は尾状突起が計4本あること,後翅裏面の前縁部にある斑紋が濃くなることで区別することができる。

・ヒイロシジミ 玳灰蝶 (台湾産)   Deudorix epijarbas menesicles (Moore, [1858])    台湾亜種


写真数: 46枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 日本産と同じ亜種である。中型のシジミチョウである。飛び方は非常に速く,なかなか止まらないが,木の花で吸蜜しているときは,なかなか飛ばない習性がある。
【雌  雄】 ♂は,翅表に赤色斑が現れ,♀は,翅表が黒褐色で,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2600m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の南部の墾丁国家公園社頂自然公園台東市知本渓台北市立動物園虫虫探索谷苗栗縣三義,高雄市田寮區,南投縣本部溪,陽明山新園街,台南市龍崎區,南投縣南山溪で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本の八重山諸島に分布し,台湾産,日本産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。
【近似種】  サンカクホウシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の亜外縁の褐色の斑紋が鮮明で幅広いこと,後翅裏面の亜外縁にある褐色の斑紋の前縁に近い2つの斑紋がずれることで区別することができる。

・サンカクホウシジミ 茶翅玳灰蝶 (台湾産)   Deudorix sankakuhonis Matsumura,1938   台湾亜種


写真数: 7枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 中型のシジミチョウである。飛び方は非常に速く,なかなか止まらない。各種の花を訪れる。
【雌  雄】 雌雄同色で,♀は若干翅形が丸くなるが,生態写真では,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 6月下旬〜9月に,年1〜2回発生している。
【生息地】  台湾の中部〜北部の中・高標高(1400m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。
 最近の研究(Huahg et al.(2016))では,広東省,海南省に分布するものは,sankakuhonis の 亜種 hainana としている。
【分  布】 種としては,台湾以外では,中国の西部・南部・東部に分布し,台湾産,日本産は分布の東限に当たる。
【近似種】  クラルシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の亜外縁の褐色の斑紋がより外縁部に近い位置にあることで区別することができる。

・ウラヒロオビシジミ 淡K玳灰蝶 (台湾産)   Deudorix rapaloides (Naritomi,1941)   台湾特産種


写真数: 7枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  中型のシジミチョウである。飛び方は非常に速く,なかなか止まらない。各種の花を訪れる。
 最近の研究(Huahg et al.(2016))では,属名をSeki et al. (2006)が分類した Virachola ではなく,従来の Deudorix に戻すべきとしており,このHPでは,その説に従った。
【雌  雄】 ♀は,翅表の茶褐色の地色が薄くなり,裏面も白化するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月下旬〜10月に,年数回発生している。
【生息地】 台湾の低・中・高標高(200m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  クラルシジミに似ているが,本種は,裏面の亜外縁の褐色の斑紋が幅広く,色が薄いこと,後翅裏面の後角部近くの斑紋が同じ長さの逆V字型にならないことで区別することができる。

・イワカワシジミ 濠D蝶 (台湾産)   Artipe eryx horiella (Matsumura,1929)   台湾亜種


写真数: 47枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,別亜種okinawana である。中型のシジミチョウである。非常に速く飛び,訪花している個体や食草のクチナシに止まっている個体を確認することができた。♂は日陰になっている広い空間がある場所で占有行動をすることが分かった。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯び,裏面の白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市林で見られる。
 台湾の南部の墾丁国家公園,台北市の剣南胡蝶歩道で見ることができた。嘉義縣草嶺,屏東縣春日郷大漢山,南投縣南山渓でも撮影された。ちなみに,墾丁国家公園,剣南胡蝶歩道は,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,ボルネオ島,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,江西省,広東省,海南省,浙江省,福建省に分布している。福建省に分布しているものは,台湾と同じ亜種で,それ以外は,名義タイプ亜種 A.eryx eryx である。
【近似種】 なし

・クヤニヤシジミ 閃灰蝶 (台湾産)    Sinthusa chandrana kuyaniana (Matsumura, 1919)    台湾亜種


写真数: 23枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。樹上を非常に速く飛び,なかなか撮影できる場所には降りてこなかった。人の気配に敏感で,止まってもすぐに飛び立ってしまった。羅東寒溪では,砂地や草が繁茂する河原に掛かる橋の袂の明るい草むらにいた。
【雌  雄】 ♂は,裏面の斑紋が明確に現れ,♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  2月下旬〜11月上旬に,年数回発生している。
 2016年5月24日に宜蘭粗坑溪で記録したが,個体がかなり破損しており,発生は,5月中旬に羽化したものと思われる。
 2017年7月13日に拉拉山上巴陵で記録したが,個体がかなり破損しており,発生は,6月下旬から7月上旬に羽化したものと思われる。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(200m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の中部の本部溪羅東寒溪宜蘭粗坑溪拉拉山上巴陵南投縣梅峰,高雄市桃源區籐枝,花蓮市碧緑慈恩で撮影することができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 S. chandrana grotei が分布している。
【近似種】  フタオルリシジミに似ているが,本種は,尾状突起が1対の計2本であることで区別することができる。

・ウスムラサキシジミ 菫彩燕灰蝶 (台湾産)   Rapala caerulea liliacea Nire, 1920   台湾亜種


写真数: 16枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。林道の横に密生しているマメ科の植物の新芽に産卵している♀を確認することができた。
【雌  雄】 標本では,♂は,後翅の基部に性標が現れるので,雌雄を区別することができるが,裏面だけの生態写真では,雌雄を区別することはできない。
【生  態】 4月〜10月上旬に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の中・高標高(1000m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 分布域が狭く,なかなか撮影出来ない種の一つである。台湾の中部の松崗(標高1973m)で産卵行動をする♀を撮影することができた。ちなみに,松崗は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部・南部・東部・北東部,朝鮮半島に分布している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,河北省,山東省,河南省,江蘇省,安徽省,湖北省,浙江省,江西省,湖南省,福建省,広東省,四川省,上海市に,名義タイプ亜種 R.caerulea caerulea が分布している。
【近似種】  クラルシジミに似ているが,本種は,裏面の筋状の斑紋がいずれも直線的になることで区別することができる。

・クラルシジミ 燕灰蝶 (台湾産)    Rapala varuna formosana Fruhstorfer, 1912   台湾亜種


写真数: 105枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。樹上を非常に速く飛び,撮影は難しかったが,訪花している場合は,なかなか飛ばない習性がある。
 止まると,体を左右に動かしながら,後翅をすり合わせるような行動をすることがあり,この習性は,ホリイコシジミのような別属の種でも見られる。


体を左右に動かしながら,後翅をすり合わせる行動
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面の中室の前縁側に性標が現れ,♀は,翅形が丸みを帯び,裏面の地色が明るくなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各所で見られた。ちなみに,拉拉山陽明山は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部に分布している。
  中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 R.varuna orseis が分布している。
【近似種】  ウラヒロオビシジミの♂に似ているが,本種は,後翅裏面の後角部近くの斑紋がほぼ同じ長さの逆V字型になることで区別することができる。

・ワタナベシジミ 霓彩燕灰蝶 (台湾産)   Rapala nissa hirayamana Matsumura, 1926   台湾亜種


写真数: 8枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。非常に速く飛ぶが,訪花している個体は,あまり飛ばない習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(200m〜3000m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の中部山岳にある松崗(標高2024m),上巴陵で確認された。屏東縣霧台郷,南部横貫公路でも撮影された。ちなみに,松崗拉拉山上巴陵は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,スマトラ島,中国に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,西蔵區,陳西省,河北省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 R.micans micans が分布している
【近似種】  タカサゴシジミに似ているが,本種は,裏面の中央の白線が不鮮明であることで区別することができる。

・タカサゴシジミ 高砂燕灰蝶 (台湾産)   Rapala takasagonis Matsumura,1929   台湾特産種


写真数: 57枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。非常に速く飛ぶ。♂は,葉上で占有行動をとる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯び,交尾器の先端の体毛が集まって尖っており,♂は,交尾器の先端の体毛が開いて筒状になっているので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜9月に,年1,2回発生している。
【生息地】  台湾の中部・北部の低・中・高標高(600m〜2800m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の中部山岳にある拉拉山森林遊楽区(標高1628m),南投縣恵孫林場拉拉山上巴陵花蓮市碧緑神木桃園市林班口で見られた。ちなみに,北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ワタナベシジミに似ているが,本種は,裏面の中央の白線が鮮明であることで区別することができる。

・タイワンカラスシジミ 臺灣灑灰蝶 (台湾産)    Fixsenia formosana (Matsumura,1910)


写真数: 21枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。ジャングルの樹上に見られ,なかなか撮影できる場所には降りてこなかった。拉拉山上巴陵,拉拉山下巴陵では,1ヶ所に数頭が集まっていた。
【雌  雄】 ♂は,前翅の中室に性標があり,♀は翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜7月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の南部の墾丁国家公園社頂自然公園南投縣恵孫林場南投縣南山溪拉拉山上巴陵拉拉山下巴陵新北市烏来で確認することができた。北部貫公路でも撮影された。ちなみに,碧緑がある北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の東部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,福建省に,台湾と同じ亜種が分布している。
【近似種】  カラスシジミ類はどれもよく似ているが,本種は,前後翅の裏面の亜外縁にある黒斑が発達するので区別することができる。

・ムシャカラスシジミ 秀灑灰蝶 (台湾産)   Fixsenia eximium mushanum (Matsumura,1929)   台湾亜種


写真数: 5枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。森林性が強く,各種の花を訪れ,吸水のために地上に降りてくることもある。
【雌  雄】 ♂は,前翅の中室に性標があり,♀は翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月〜8月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(500m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
 南投県仁愛郷屯原,屏東縣春日郷大漢山で撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部,南部,東部,北部,朝鮮半島に分布する。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,河北省,山東省,河南省,江蘇省,安徽省,湖北省,浙江省,江西省,湖南省,福建省,広東省,四川省に,名義タイプ亜種 F.eximium eximium が分布している。
【近似種】  他のカラスシジミ類に似ているが,本種は,後翅裏面の白条が細く,前縁に近い部分の白線が外側に曲がるので区別することができる。

・タナカカラスシジミ 田中灑灰蝶 (台湾産)   Fixsenia tanakai (,1943)   台湾特産種


写真数: 2枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。森林性が強く,各種の花を訪れ,吸水のために地上に降りてくることもある。インドシナ等に分布する F. mackwoodi と同種の可能性もある。
【雌  雄】 ♀は,裏面が明褐色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月〜6月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(400m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,碧緑がある北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
 中国には分布していない。
【近似種】  他のカラスシジミ類に似ているが,本種は,後翅裏面の白条がジグザグになり,亜外縁に赤色斑が発達するので区別することができる。

・エサキカラスシジミ 江崎灑灰蝶 (台湾産)   Fixsenia esakii (,1941)   台湾特産種


写真数: 37枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。森林性が強く,各種の花を訪れ,吸水のために地上に降りてくることもある。
【雌  雄】  ♂は,前翅翅表の中室に性標があり,♀は,裏面が明褐色になり,白帯も幅広くなるので,雌雄を区別することができる。
 後翅裏面の白帯が異常発達した個体も記録された。

♀  斑紋異常
2022.6.13  南部横貫公路
撮影: 林 本初 氏
【生  態】  6月〜7月に,年1回発生している。
 2023年6月28日に発生地を訪れたが,21日には,5頭の個体が見られたが,28日には発生は終わっていた。
 2024年6月19日に2♂♂を記録し,23日には3♀♀が記録された。発生する期間は比較的短期間である。
【生息地】 台湾の中西部と南東部の中・高標高(1000m〜2000m)の常緑広葉樹林で見られる。記録が非常に少ない種の一つである。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  他のカラスシジミ類に似ているが,本種は,後翅裏面の白条が後翅の中央部にあるので区別することができる。

・イノウエカラスシジミ 井上灑灰蝶 (台湾産)   Fixsenia inouei ,1959


写真数: 11枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。森林性が強いが,吸水のために地上に降りてくることもある。
【雌  雄】 ♂は,前翅の中室に性標があり,♀は翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 6月〜8月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(1500m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,碧緑がある明池国家森林遊楽区や拉拉山一体,南横公路は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 種としては,台湾以外の分布は不明。
【近似種】  他のカラスシジミ類に似ているが,本種は,後翅裏面の白条が細く,途切れながら若干曲がり,後角部分では,鋭角な逆くの字状になることで区別することができる。

・ウラジロカラスシジミ 南方灑灰蝶 (台湾産)   Fixsenia austrinum Murayama,1943   台湾亜種


写真数: 8枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。森林性が強く,各種の花を訪れるが,吸水のために地上に降りてくることもある。
【雌  雄】 ♂は,前翅の中室に性標があり,♀は翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜5月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(500m〜1800m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,碧緑がある北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の西部に分布している。
 中国では,西蔵區に分布している。
【近似種】 他のカラスシジミ類に似ているが,本種は,裏面が銀白色になるので区別することができる。

・ワタリカラスシジミ 渡氏烏灰蝶 (台湾産)   Fixsenia watarii Matsumura,1927   台湾特産種


写真数: 19枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。日当たりのよい森林を好み,各種の花を訪れるが,吸水のために地上に降りてくることもある。
【雌  雄】 ♂は,前翅の中室に性標があり,♀は翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月下旬〜8月上旬に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(400m〜2600m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,碧緑がある北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  他のカラスシジミ類に似ているが,本種は,後翅裏面の後角部の赤色斑が発達し,前翅裏面の亜外縁の黒斑列は発達しないことで区別することができる。

・ミツオシジミ 鑽灰蝶 (台湾産)   Horaga onyx moltrechti Matsumura, 1919


写真数: 23枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。樹上で生活しているようで,たまたま地上付近に降りてきた個体を撮影できたが,すぐに樹上へ帰っていった。台北市立動物園虫虫探索谷では,高い木の花の蜜を吸いに来ており,しばらくは,その木の周りを飛び回っていた。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  周年,年数回発生している。
 高温期型と低温期型があり,低温期型は前翅表面の白斑の発達がよい。

高温期型

低温期型
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市林で見られる。
 台湾の南東部の台東市知本渓台北市立動物園虫虫探索谷,高雄市田寮區,台南市新化區で確認することができた。ちなみに,台北市立動物園は,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド南部,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシアに分布している。
 中国では,浙江省,江西省,湖北省,福建省,広東省,広西區,雲南省,海南省に,台湾と同じ亜種が分布している。
【近似種】  ヒメミツオシジミに似ているが,本種は,前翅裏面の白斑がよく発達すること,後翅裏面の白斑の外側の薄い白斑がよく発達することで区別することができる。

・ヒメミツオシジミ 小鑽灰蝶 (台湾産)   Horaga albimacula triumphalis Murayama & Shibatani, 1943


写真数: 51枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。樹上で生活しているようで,たまたま地上付近に降りてきた個体を撮影できたが,すぐに樹上へ帰っていった。葉上をゆっくりと歩き回る習性がある。
【雌  雄】 ♀は,若干翅形が丸くなり,後翅裏面の白帯が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林,海岸林,都市林で見られる。
 台湾の南部の社頂自然公園苗栗縣三義南投縣本部溪,高雄市田寮區で確認することができた。ちなみに,社頂自然公園は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南部に分布している。
 中国では,広東省に,台湾と同じ亜種が分布している。
【近似種】  ミツオシジミに似ているが,本種は,翅形が丸くなることで区別することができる。本種の低温型は,後翅の亜外縁部に白斑が発達するが,前翅裏面の白斑が,若干,小さくなることで区別することができる。

・ララサンミツオシジミ 拉拉山鑽灰蝶 (台湾産)   Horaga rarasana Sonan,1936   台湾特産種


写真数: 8枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。飛び方は緩やかで,各種の花を訪れる。
【雌  雄】 標本では,♂は後翅表面に青藍色の斑紋が現れるので,雌雄を区別することができるが,生態写真では,裏面しか見えないことが多く,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 5月〜8月上旬に,年1回発生している。 
【生息地】  台湾の低・中・高標高(700m〜2200m)の常緑広葉樹林で見られる。
 ちなみに,碧緑がある北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 なし

・ギンスジミツオシジミ 三尾灰蝶 (台湾産)   Catapaecilma major moltrechti (Wileman, 1908)    台湾亜種


写真数: 46枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。樹上で生活しており,撮影は難しい。下巴陵の道路にかかる陸橋と同じ高さの木が横にあり,そこに飛来した個体を撮影できたが,止まったのは一瞬で,すぐに飛び立っていった。発生地が局部的である。
【雌  雄】 ♂は,前翅翅表に青藍色の斑紋が広がり,♀は,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1400m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の中部山岳の本部溪拉拉山の下巴陵,高雄市田寮區,花蓮市緑水歩道で確認することができた。高雄市田寮區,台南市新化區,蘭嶼でも撮影された。ちなみに,拉拉山一体は,法律で,昆虫採集は禁止されている。
 高雄市田寮區の発生地には,5回,撮影に行ったが,5回目にようやく1♀を撮影することができた。本種が集まる木があり,その周辺を釣竿や長い枝で丹念に触って,飛び出したら目で追って,止まるのを待つのであるが,本種はとても小さくて速く飛び,見失うjことも多かった。ヒメミツオシジミも一緒にいることが多く,同様に小さくて速く飛ぶので,止まるまで緊張の連続であった。一度止まってしまうと,なかなか飛び立たない習性があった。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド南部,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾と同じ亜種 が分布している。
【近似種】 なし

・タイワンフタオツバメ 虎灰蝶 (台湾産)   Spindasis lohita formosana (Moore, 1877)


写真数: 60枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のシジミチョウである。センダングサなどが密生している場所など,限られた場所で発生している。Spindasis の中では,最も大型である。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表が黒褐色で,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の北東部の新城溪台北市富陽南投縣南山溪,新北市南洞台北市剣南山桃園市上巴陵で確認された。東北部にある新北市南洞は,標高169mの丘陵地で,川沿いにある草地で見つけることができた。台北市剣南山では,8月下旬には,かなりの個体数を確認することができた。墾丁国家公園でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド南部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,広西區,広東省,江西省,海南省,福建省に分布している。江西省,福建省に分布しているものは,台湾と同じ亜種で,広西區に分布しているものは,別亜種 S.lohita himalayana である。
【近似種】  ヒメフタオツバメ,ミツボシフタオツバメに似ているが,本種は,前翅裏面の基部の黒斑紋の形状,前後翅裏面の黒条が良く発達するので区別することができる。

・ヒメフタオツバメ 蓬莱虎灰蝶 (台湾産)   Spindasis kuyaniana (Matsumura,1919)   台湾特産種


写真数: 11枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。川沿いのセンダングサが密生している場所など,限られた場所で発生しており,その場所では,数頭を確認することができた。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表が黒褐色で,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 2月下旬〜12月上旬に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(400m〜1500m)の常緑広葉樹林で見られ,東北部では,非常に少ない。
 台湾の中部山岳の南山渓で見ることができた。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  タイワンフタオツバメ,ミツボシフタオツバメに似ているが,本種は,前翅裏面の基部の黒斑紋の形状,後翅裏面の基部の黒条の中に黄色斑が大きく現れることで区別することができる。

・ミツボシフタオツバメ (台湾産) 三斑虎灰蝶   Spindasis syama lamuae Hsu & Liang,2020   台湾亜種


写真数: 61枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 台湾産の本種は,これまでは,S.syama の名義タイプ亜種とされていたが,Hsu & Liang (2020) の記載により新亜種S.syama lamuae となった。
中型のシジミチョウである。林道沿いや荒地などで,センダングサで吸蜜しているのはよく見られた。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青藍色が現れ,♀は,翅表が黒褐色で,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 南山渓高雄市直瀬溪陽明山横峯古道,谷関松鶴,南投縣恵孫林場屏東縣大漢山,高雄市田寮區,高雄市桃源區籐枝,新北市瑞芳區南雅南投縣本部渓で見ることができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島(ラオスタイ),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部に分布し,台湾産は分布の東限に当たる。
 中国では,広西區,海南省,広東省に布している。広西區に分布しているものは,別亜種 S.syama sepulveda で,海南省,広東省に分布しているものは,別亜種 S.syama hainana である。
【近似種】  ヒメフタオツバメ,タイワンフタオツバメに似ているが,本種は,前翅裏面の基部の黒斑紋の形状,後翅裏面の基部の斑紋が3つに分離するので区別することができる。

・サイトウフタオルリシジミ 熱帶蘭灰蝶 (台湾産)   Hypolycaena othona othona Hewitson, 1865

(裏面)
写真数: 1枚
(参考:マレーシア産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のシジミチョウである。迷蝶,偶産蝶である。近年は記録がない。
【雌  雄】 ♂は,翅表に青色の斑紋が発達し,♀は,茶褐色となるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月,10月に記録がある。
【生息地】 埔里,台北での記録がある。
【分  布】  種としては,ヒマラヤ,ビルマ,タイ,ベトナム,マレーシア,インドネシアに分布している。
 中国では,雲南省,広西區,広東省,海南省,福建省に分布している。
【近似種】 なし



ヒメシジミ亜科1は,ここをクリックすると見ることができます

ヒメシジミ亜科2は,ここをクリックすると見ることができます。(容量の関係で,別ページにしてあります)




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