| 【特 徴】 |
台湾産は日本産と同種N.pryeri で,日本産は,N.pryeri kitakamiensis(北上山地亜種),kiiensis(紀伊半島亜種),iwasei(東北・中部地方亜種),yodoei(隠岐島亜種),hamadai(近畿地方以西亜種) に細分されている。
台湾産の本種について,海外の研究者の多くは,台湾亜種N.pryeri jucundita としているが,福田・他ら(2008)は,台湾産は日本産と別種とし,N.jucundita を種に昇格させる論文を発表した。
その後,福田・他(2009)は,台湾東部に分布する個体群は,白色斑が発達すること等により,台湾東部亜種 N.jucundita sioulinensis を記載したが,Lang(2012)は,この亜種をN.pryeri jucundita のシノニムとしている。
北原・他(2020)は,台湾産と日本産の交配を行い,「台湾産ホシミスジは独立種レベルまで分化していると判断することも可能」との見解を出したが,他の研究者から問題点も指摘されており,直ちに独立種とみなす研究者は少ない。
中型のタテハチョウである。ゆっくりと飛び,すぐに止まる習性がある。とても少ない種の一つである。 |
| 【雌 雄】 | ♀は,若干,翅形が丸くなるが,生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。 |
| 【生 態】 |
周年,年数回発生している。
発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。5月上旬に見ることができた。 |
| 【生息地】 |
台湾の低・中・高標高(400m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
南投県の南山溪,桃園市の上巴陵,台湾南部の霧台郷で記録された。 |
| 【分 布】 |
種としては,中国,朝鮮半島,日本に分布している。
中国では,吉林省,遼寧省,山東省,河北省,山西省,河南省,湖北省,西蔵區,四川省,広西區,福建省,広東省,上海市などに分布している。四川省,陳西省に分布しているものは,別亜種 N.pryeri oberthueri で,それ以外は,名義タイプ亜種 N.pryeri pryeri である。 |
| 【近似種】 | なし |