台湾の蝶 <タテハチョウ科1- テングチョウ亜科〜カバタテハ亜科 


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テングチョウ  東方喙蝶 (台湾産)   Libythea lepita formosana Fruhstorfer, 1908    台湾亜種


写真数: 64枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,celtoides(日本本土亜種),amamiana(琉球亜種),formosana(台湾亜種) に分かれている。
 中型のタテハチョウである。活発に飛翔するが,すぐに止まる習性がある。
【雌  雄】 ♂は,翅頂部の突出部分の外縁との角度が約100度であるが,♀は,約90度になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台北市立動物園虫虫探索谷,中部山岳の本部溪南投縣南山渓,南部の高雄市宝来新北市烏来福山村南投縣合歓山の登山口(標高3132m),陽明山横峰古道新北市汐平路仁愛橋新北市五堵太平山鳩之澤新北市烏来区福山村新北市熊空台北市聖人瀑布拉拉山上巴陵,高雄市桃源區籐枝,花蓮市碧緑慈恩桃園市林班口で記録された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,パキスタン,アフガニスタン,インド南部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の西部・東部,日本本土南西諸島に分布している。
 中国では,吉林省,遼寧省,河北省,山東省,河南省,江蘇省,安徽省,湖北省,浙江省,江西省,湖南省,福建省,広東省,広西區,雲南省,四川省,西蔵區,上海市に,別亜種 L.lepita chinensis が分布している。
【近似種】 なし

・スジグロカバマダラ 虎斑蝶 (台湾産)   Danaus genutia genutia (Cramer, [1779])    名義タイプ亜種


写真数: 52枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。中型のマダラチョウ類である。各種の花を訪れる。花に止まっているときは,あまり飛び立たない。
【雌  雄】 ♂は,後翅の後角付近に性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 南部の墾丁国家公園社頂自然公園台北市立動物園虫虫探索谷新北市の水南洞台東縣蘭嶼南投縣南山渓南投縣本部溪苗栗縣三義台北市福州山台北市剣南山新北市瑞芳區南雅で見られた。新北市の水南洞は,7月中旬が最盛期に当たり,多数の個体が発生していた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし

・カバマダラ 金斑蝶 (台湾産)   Danaus chrysippus chrysippus (Linnaeus, 1758)    名義タイプ亜種


写真数: 45枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。中型のマダラチョウ類である。ふわりふわりと飛ぶので,個体を見つけるのは容易であるが,花以外には,なかなか止まらない。
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面中室付近の黒斑の中心部分が白い性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の草原,都市林,荒地,公園で見られる。
 局所的に発生し,あまり数は多くなかった。南投縣南山渓墾丁国家公園台東市知本渓南投縣眉渓高雄市茂林苗栗縣三義南投縣国民賓館,台南市龍崎區,南投縣本部渓で確認することができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(シンガポールラオスタイ),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北東部,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし

・ウスコモンマダラ 淡紋青斑蝶 (台湾産)   Tirumala limniace limniace (Cramer, [1775])     名義タイプ亜種


写真数: 57枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のマダラチョウ類である。マダラチョウ類の中では,少ない種の一つで,局所的に発生している。
【雌  雄】 ♂は,後翅の後角付近に性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島フィリピン,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】  コモンマダラに似ているが,後翅裏面の色が明るい褐色になること,後翅裏面中室の薄青色斑が太くなることで区別することができる。

・ウスコモンマダラ 淡紋青斑蝶 (台湾産)   Tirumala limniace orestilla (Fruhstorfer, 1910)     フィリピン亜種


写真数: 1枚
(参考:フィリピン産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 やや大型のマダラチョウ類である。迷蝶,偶産蝶である。
 台湾亜種に比べて,フィリピン亜種は青白斑が白化する。
【雌  雄】 ♂は,後翅の後角付近に性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 1910年に偶産し,71頭が記録されたが,その後は記録がない。
【生息地】 台湾の蘭嶼の北部一帯
【分  布】  種としては,台湾以外では,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島フィリピン,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 (台湾亜種を参照)

・コモンマダラ 小紋青斑蝶 (台湾産)   Tirumala septentrionis septentrionis (Butler, 1874)    名義タイプ亜種


写真数: 29枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のマダラチョウ類である。マダラチョウ類の中では,最も少ない種の一つである。前後翅表面の青色斑がよく目立つマダラチョウである。
【雌  雄】 ♂は,後翅の後角付近に性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台東市の知本渓中部山岳の眉渓本部溪梨山思源南投縣恵孫林場羅東寒溪太平山鳩之澤拉拉山上巴陵で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北東部,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】  ウスコモンマダラに似ているが,本種は,裏面全体がやや濃い褐色になること,後翅裏面中室の薄青色斑が細長くなることや裏面の斑紋が全体的に青みを帯びることで区別することができる。

・ミナミコモンマダラ 藍虎青斑蝶    Tirumala hamata orientalis (Semper, 1879)


写真数: 7枚


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 やや大型のマダラチョウ類である。迷蝶,偶産蝶である。緩やかに飛び,各種の花に集まる。ウスコモンマダラに酷似しているので,ウスコモンマダラとして記録されていることも少なくない。
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面後角付近に黒色の性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 2019.7.14 に記録することができた。
【生息地】 台東縣池上郷で撮影することができた。台湾の林 本初氏も2018年10月26日に社頂自然公園で記録されていた。
【分  布】 種としては,フィリピン,セレベス,ジャワ,チモール,アンボン,ニューギニア,ガダルカナル,オーストラリアに分布している。日本の鹿児島県以南や御蔵島でも記録がある。
【近似種】
 ウスコモンマダラに酷似するが,本種は,黄色線が楕円斑を2分するがウスコモンマダラは2分せず,接するだけであること,後翅中室の白青斑が発達すること,後翅裏面の前縁の白青斑が長くなることで,区別することができる。

・ヒメアサギマダラ 絹斑蝶 (台湾産)   Parantica aglea maghaba (Fruhstorfer, 1909)    台湾亜種


写真数: 46枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のマダラチョウ類である。台湾で見られるマダラチョウ類の中では最も小型で,飛翔も緩やかなチョウである。
【雌  雄】 ♂は,後翅の肛角付近に性標があり,♀は,後翅の肛角付近の青灰色斑が大きくなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2500m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の北部には発生地が多く,南部でも見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(ラオスタイ),インドネシア,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 P.aglea grammica で,それ以外は,別亜種 P.aglea phormis である。
【近似種】 なし

・タイワンアサギマダラ 斯氏絹斑蝶 (台湾産)   Parantica swinhoei swinhoei (Moore, 1883)    名義タイプ亜種,台湾亜種 


写真数: 60枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のマダラチョウ類である。飛翔力が強い。
【雌  雄】 ♂は,後翅の後角付近に性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 南部の墾丁国家公園社頂自然公園台東市知本溪,中部山岳の南山渓本部溪陽明山二子坪南投縣合歓山の登山口(標高3132m)太平山鳩之澤,,新北市烏来区福山村新北市烏来区桶後林道台北市聖人瀑布南投縣梅峰花蓮市碧緑慈恩で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】  アサギマダラに似ているが,本種は,前翅裏面翅頂のアサギ色の長い斑紋が細くなることで区別することができる。

・アサギマダラ 斯氏絹斑蝶 (台湾産)   Parantica sita niphonica (Moore, 1883)    日本亜種


写真数: 43枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のマダラチョウ類である。飛翔力が強く,季節によって渡りをすることで知られている。
【雌  雄】 ♂は,後翅の後角付近に性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の北部や中部でよく見られ,南部では最南端で見られたが,どの場所でも個体数は少ない。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,インドネシア,中国,日本に分布し,台湾産,日本産は分布の東限に当たる。
 中国では,吉林省,遼寧省,河北省,山東省,河南省,江蘇省,安徽省,湖北省,浙江省,江西省,湖南省,福建省,広東省,広西區,雲南省,四川省,西蔵區,上海市に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】  タイワンアサギマダラに似ているが,本種は,前翅裏面翅頂のアサギ色の長い斑紋が太くなることで区別することができる。

・リュウキュウアサギマダラ  (台湾産)   Ideopsis similis similis (Linnaeus, 1758)    名義タイプ亜種


写真数: 54枚


出現頻度
★★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のマダラチョウ類である。マダラチョウ類の中では,最も数多く見られる種の一つである。
【雌  雄】 ♀は,後翅の茶褐色斑が発達し,翅形が丸みを帯びるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布し,台湾産,日本産は分布の東限に当たる。
 中国では,雲南省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,湖北省,浙江省,海南省,福建省,上海市に分布している。
【近似種】 なし

・ルリマダラ 雙標紫斑蝶 (台湾産)   Euploea sylvester swinhoei Wallace & Moore,1866   台湾亜種


写真数: 37枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
  日本産は,別亜種laetifica である。やや大型のマダラチョウ類である。他のマダラチョウ類に混じって飛んでいることが多い。
【雌  雄】 ♂は,前翅の後縁付近に性標があり,♀は,前翅の後縁の翅形は直線的になり,後翅裏面の中室付近に小白点が7個ほど現れるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  周年,年数回発生している。
 5月下旬の墾丁国家公園では,数十頭がまとまって飛翔する様子が見られた。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 墾丁国家公園社頂自然公園高雄市宝来中部山岳の南投縣奥萬大(標高1250m)高雄市直瀬溪南投縣本部溪苗栗縣三義台北市剣南山などで見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド南部,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部に生息し,日本の南西諸島でも記録がある。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 E.sylvester nica が分布している。
【近似種】  マルバネルリマダラに似ているが,本種は,前翅表面の♂の性標が2列になること,前翅裏面の中室に3つの白斑があること,後翅裏面の亜外縁の白点列は1列になることで区別することができる。
  

・ツマムラサキマダラ 異紋紫斑蝶 (台湾産)   Euploea mulciber barsine Fruhstorfer, 1904    台湾亜種


写真数: 60枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のマダラチョウ類である。前翅表の青色は,非常に美しく輝くマダラチョウである。
【雌  雄】 ♀は,後翅裏面に白線が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(マレーシアシンガポールラオスタイ),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 E.mulciber mulciber が分布している。
【近似種】 他のマダラチョウ類に似ているが,本種は,本種は,翅形が細長いので区別することができる。

・マルバネルリマダラ 圓翅紫斑蝶 (台湾産)   Euploea eunice hobsoni (Butler, [1878])    台湾亜種 


写真数: 27枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。大型のマダラチョウである。ゆっくりと優雅に飛ぶ。
【雌  雄】 ♂は,前翅の後縁付近に性標があり,翅形は丸くなる。♀は,前翅の外縁の翅形は直線的になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,グァム日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,広西區,広東省,海南省に,台湾や日本と同じ亜種が分布している。
【近似種】  ルリマダラ,マサキルリマダラに似ているが,本種は,前翅表面の♂の性標が1列になること,後翅裏面の亜外縁の白点列は2列になり,後翅の大きさに比べて幅が狭いことることで区別することができる。
 

・マサキルリマダラ 小紫斑蝶 (ホリシャルリマダラ) (台湾産)   Euploea tulliolus koxinga Fruhstorfer, 1908   台湾亜種


写真数: 92枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種で,日本ではフィリピン亜種も記録されている。小型のマダラチョウ類である。発生地では,最も数多く見られる種の一つである。
【雌  雄】 ♂は,翅形は丸くなり,後翅裏面の白点はあまり発達せず,♀は,前翅の外縁の翅形は直線的で,後翅裏面の白点が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台湾の中部,南部などで見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本の南西諸島でも記録がある。
 中国では,広西區,広東省,海南省に,別亜種 E.tulliolus hainana が分布している。
【近似種】  マルバネルリマダラに似ているが,本種は,マダラチョウ類の中で最も小型であること,後翅裏面の亜外縁の2列の白点列の幅は,後翅の大きさに比べて幅が広いことで区別することができる。

・オオゴマダラ 大白斑蝶 (台湾産)   Idea leuconoe clara (Butler, 1867)   沖縄本島・台湾亜種


写真数: 66枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,clara(沖縄本島・台湾亜種),riukiuensis(八重山亜種) に分かれている。台湾の本種は,沖縄本島と同じ亜種になっている。
 とても大型のマダラチョウ類である。森林だけでなく,街中でもゆっくりと飛翔する姿が見られた。
【雌  雄】 ♀は,若干,黒斑が発達するが,顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。3月上旬には,社頂公園や台東縣蘭嶼では多数の個体が発生していた。
【生息地】  台湾の北部と南部の低標高(〜1000m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 台北市立動物園虫虫探索谷,南部の墾丁国家公園社頂自然公園,台東市の知本渓台東縣蘭嶼,新北市万里區,新北市瑞芳區南雅で見られた。南投縣の埔里の町の中を優雅に飛ぶ本種を見ることができたが,これは飼育個体と思われる。
【分  布】  種としては,台湾以外では,マレーシア,シンガポール,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,日本の奄美大島・沖縄本島八重山諸島に分布している。
 中国には分布していない。
【近似種】 なし

・オオゴマダラ 大白斑蝶 (緑島亜種) (台湾産)   Idea leuconoe kwashotoensis Sonan, 1928   台湾緑島亜種

♂ 表
写真数: 2枚

♂ 裏
出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  台湾本島の南東にある緑島のみに見られる亜種で,前後翅の黒斑が発達し黒化する。
 とても大型のマダラチョウ類である。習性は,本島のオオゴマダラと同じである。
【雌  雄】 ♀は,若干,黒斑が発達するが,顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】 台湾本島の南東にある緑島の低標高(〜280m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。 
【分  布】  種としては,台湾以外では,マレーシア,シンガポール,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,日本の奄美大島・沖縄本島八重山諸島に分布している。
 中国には分布していない。
【近似種】 台湾緑島亜種は,台湾本島のオオゴマダラと似ているが,黒色斑が発達する。

・オオムラサキマダラ 大紫斑蝶 (台湾産)    Euploea phaenareta juvia Fruhstorfer,1908   台湾亜種


写真数: 1枚
(参考:フィリピン産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 近年,絶滅し,とても大型のマダラチョウ類である。台湾産のルリマダラ属としては,最大の大きさであった。
【雌  雄】 ♂は,前翅の後縁付近に性標があり,翅形は丸くなる。♀は,前翅の外縁の翅形は直線的になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生していた。
【生息地】 台湾の南部で比較的数多く見られ,中北部では少なかった。1960年代以降の記録はない。
【分  布】  種としては,台湾以外では,フィリピンに分布している。
 中国には分布していない。
【近似種】 なし

・オオカバマダラ  帝王斑蝶    Danaus plexippus plexippus (Linnaeus, 1758)


写真数: 3枚
(参考:ハワイ産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 とても大型のマダラチョウ類である。迷蝶,偶産蝶である。1990年以降の記録はない。緩やかに飛び,飛翔力が高く,アメリカ大陸での大移動は有名である。
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面後角付近に黒色の性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜7月に記録がある。
【生息地】 台南市,高雄市,嘉義市,台北市,台中市で記録が出ている。
【分  布】  種としては,ビルマ,インドシナ,フィリピン,中国,マレーシア,ボルネオ,インドネシア,セレベス,スマトラ,ジャワ,ニューギニア,オーストラリア,ハワイ島日本の南西諸島に記録があるが,定着しているのは,ニューギニア,オーストラリアだけで,他は偶産蝶の可能性が高い。
 中国では,広東省で記録がある。
【近似種】 なし

・コウトウマダラ K虎斑蝶   Danaus melanippus edmondii (Lesson, 1837)


写真数: 1枚
(参考:フィリピン産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 中型のマダラチョウ類である。迷蝶である。
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面後角付近に黒色の性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 6月,7月,9月に記録がある。
【生息地】 蘭嶼,日月潭,埔里で記録が出ている。
【分  布】 種としては,インド東部,ビルマ,インドシナ,フィリピン,マレーシア,ボルネオ,インドネシア,セレベス,スマトラ,ジャワに分布しており,日本の南西諸島でも記録が出ている。
【近似種】 なし

・ルソンアサギマダラ 魯斯絹斑蝶    Parantica luzonensis luzonensis (C. Felder et R. Felder, 1863)


写真数: 1枚
(参考:フィリピン産))


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 中型のマダラチョウ類である。迷蝶,偶産蝶である。緩やかに飛び,各種の花に集まる。
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面後角付近に性標があるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 不明
【生息地】 詳細は不明
【分  布】 種としては,フィリピン,セレベス,ジャワ,チモール,ニューギニア,オーストラリアに分布している。日本の南西諸島でも記録がある。
【近似種】 なし

クロイワマダラ 斯温遜紫斑蝶    Euploea swainson swainson (Godart, [1824])


写真数: 1枚
(参考:フィリピン産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 中型のマダラチョウ類である。迷蝶,偶産蝶である。緩やかに飛び,各種の花に集まる。
【雌  雄】 ♂は,前翅に性標があり,後縁は丸く張り出し,♀は,前翅後縁が直線状になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 不明
【生息地】 詳細は不明
【分  布】 種としては,フィリピン,スールー諸島,セレベスに分布し,日本の南西諸島でも記録がある。
【近似種】 なし

ガランピマダラ 幻紫斑蝶    Euploea core godartii Lucas, 1853

♀ 表
写真数: 2枚
(参考:フィリピン産)

♀ 裏
出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 やや大型のマダラチョウ類である。迷蝶,偶産蝶である。緩やかに飛び,各種の花に集まる。
【雌  雄】 ♂は,前翅後縁は丸く張り出し,♀は,前翅後縁が直線状になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 年2〜3回,発生している。
【生息地】 澎湖諸島では,定着し始めている。
【分  布】  種としては,インド,スリランカ,ビルマ,インドシナ,中国,マレーシア,フィリピン,スマトラ,ジャワに分布しており,日本の南西諸島でもきろくされている。
 中国では,雲南省,広西區,広東省,海南省,(上海市)に分布している。
【近似種】 ルリマダラに似ているが,♂は前翅表面の翅頂付近が白化し,後翅表面の亜外縁には,楕円形の薄い白斑が直線的に並び,後翅裏面の中央には,5〜6個の白点があるので,区別することができる。

・シロオビマダラ  (台湾産)    Euploea camaralzeman cratis Butler, 1866


写真数: 9枚


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶である。日本産と同じ亜種である。やや大型のマダラチョウ類である。他のマダラチョウと飛び方は非常によく似ていて,ゆっくりと飛んでいた。数分間,吸蜜していたが,その後は,ジャングルの方向へ飛び去って行った。
【雌  雄】 ♂は,前翅の翅形がマルバネルリマダラ,マサキルリマダラのように丸みを帯び,♀は,前翅の後縁の翅形は直線的で,前後翅の白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 日本の沖縄でも迷蝶として記録がある。この台湾での記録は,日本鱗翅学会誌 『YADORIGA』(No.251,2016)へ報告した。
【生息地】 台東市の沖にある離島・蘭嶼の南西部にある草むらに飛来した。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシアに分布し,日本の南西諸島ても記録がある。
 中国には分布していない。
【近似種】 なし

クルークルリマダラ 默紫斑蝶   Euploea klugii erichsonii C. Felder et R. Felder, [1865]


写真数: 1枚
(参考:マレーシア産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶である。大型のマダラチョウ類である。緩やかに飛び,各種の花に集まる。 
【雌  雄】 ♂は,前翅に性標があり,後縁は丸く張り出し,♀は,前翅後縁が直線状になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 不明
【生息地】 詳細は不明
【分  布】  種としては,インド,タイ,マレーシア,ジャワ,ボルネオ,フィリピン,中国に分布している。日本の南西諸島でも記録がある。
 中国では,雲南省,海南省,(上海市)に分布している。
【近似種】 マルバネルリマダラに似ているが,本種は,前翅の翅形が尖るので,区別することができる。

・ホソチョウ 苧麻珍蝶 (台湾産)   Acraea issoria formosana (Fruhstorfer, 1912)    台湾亜種


写真数: 59枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のタテハチョウである。明るい樹林の周辺で数頭が集まって飛んでいた。
【雌  雄】 ♀は,裏面の色が♂よりも薄い黄褐色で,前後翅の黒斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  周年,年数回発生している。
 2013年,2014年は見つからず,2015年は宝来で見られ,2016年は,各地で見られた。年によって,発生数に変動が多いようである。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 高雄市宝来の河川敷,新北市烏来区福山村高雄市直瀬溪南投縣霧社南投縣本部溪南山溪高雄市田寮區,高雄市桃源區籐枝で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,インドネシア,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に分布している。雲南省に分布しているものは,別亜種 A.issoria sordice で,それ以外は,名義タイプ亜種 A.issoria issoria である。
【近似種】 なし

・ミドリヒョウモン  (台湾産)   Argynnis paphia formosicola Matsumura, 1926   台湾亜種


写真数: 56枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,別亜種tsushimana である。やや大型のタテハチョウである。各種の花を訪れ,獣糞にも集まる。
【雌  雄】 ♀は,前翅の黒色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月〜10月に,年1回発生している。
【生息地】
 台湾の低・中・高標高(500m〜3000m)の常緑広葉樹林,亜高山針葉樹林の周辺の草原で見られる。
 花蓮市碧緑神木慈恩,南横公路で見ることができた。ちなみに,碧緑がある北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヨーロッパ,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,インドネシア,オーストラリア東部,中国の南西部・南部,日本に分布している。
 中国では,北西部の新疆ウィグル自治区から東北部の黒竜江省,南西部の雲南省,東部の浙江省,上海市で,各地に分布し,いくつかの亜種に分かれている。
【近似種】 なし

・ツマグロヒョウモン  (台湾産)   Argyreus hyperbius hyperbius (Linnaeus, 1763)  名義タイプ亜種


写真数: 43枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。やや大型のタテハチョウである。各種の花を訪れ,♂は占有行動をする。
【雌  雄】 ♀は,前翅の翅頂付近の色が黒紫色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】
 台湾の低・中・高標高(〜3000m)の常緑広葉樹林の周辺の草原,都市林で見られる。
 台湾の北部には発生地が多く,中部山岳や離島でも見られた。台東縣蘭嶼では,南西部の草原ではよく見られたが,他の場所では,ほとんど見られなかった。
【分  布】  種としては,台湾以外では,アフガニスタン,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,インドネシア,オーストラリア東部,中国の南西部・南部,日本の本州以南(北海道でも散発的に記録あり)に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省,上海市に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし

・ウラベニヒョウモン  (ウラベニヒョウモンモドキ) (台湾産)   Phalanta phalantha phalantha (Drury, [1773])    名義タイプ亜種


写真数: 70枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。中型のタテハチョウである。墾丁小湾ではヤナギ類,高雄市宝来ではイイギリ科のトゲイヌツゲを食樹としており,十数頭の個体が集まっていた。♂は飛び回っていてなかなか止まらないが,♀は時々静止する習性がある。
【雌  雄】 ♀は,黒斑が発達し,後翅裏面の中央付近に褐色の帯が出現するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1000m)の海岸林,沼地,公園などで見られる。
 南部の墾丁国家公園墾丁小湾高雄市宝来,高雄市田寮區,高雄市左営區,南投縣本部渓,台東縣池上郷で見られた。発生地は点在して少ないが,発生地では多産することが多い。屏東縣台南市でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(シンガポールタイ),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,オーストラリア西部,中国の南西部・南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし

・パレスヒメヒョウモン  (台湾産)   Boloria pales yangi Hsu & Yen,1997   台湾亜種


写真数: 1枚
(参考:フランス産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 小型のタテハチョウである。台湾の中部の高原地帯にある草原に生息していたが,絶滅した。
【雌  雄】 ♀は,黒斑が発達し,後翅裏面の中央付近に褐色の帯が出現するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 5月に発生していた記録がある。
【生息地】 台湾の中部山岳地帯にある梨山での記録がある。
【分  布】  種としては,ヨーロッパ,ヒマラヤ,中央アジア,中国に分布している。
 中国では,新疆ウィグル自治區,西蔵區,四川省に分布している。
【近似種】 なし

・タイワンキマダラ  (台湾産)   Cupha erymanthis erymanthis (Drury, [1773])     名義タイプ亜種


写真数: 66枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。中型のタテハチョウである。個体数はかなりいるが,人の気配に敏感でなかなか止まらない。止まってもすぐに飛び立つ習性があり。
【雌  雄】 ♀は,若干,黒斑が発達するが,生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1200m)の常緑広葉樹林,海岸林,沼地,公園で見られる。
 南部の墾丁国家公園社頂自然公園,中部山岳の南投縣本部渓台北市立動物園虫虫探索谷南投縣恵孫林場苗栗縣三義台北市剣南山台北市聖人瀑布南投縣霧社台北市剣南山,台南市龍崎區で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(マレーシアシンガポールラオスタイ),ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし

・カバタテハ  (台湾産)   Ariadne ariadne pallidior (Fruhstorfer, 1899)


写真数: 36枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 中型のタテハチョウである。近年,個体数が減っている。日陰を好み,明るい場所を避けて飛ぶ習性がある。
【雌  雄】 ♂は,前翅裏面の後縁部に暗褐色の性標があるので,裏面が見えれば雌雄を区別することができるが,翅表は雌雄同形なので,翅表だけでは,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1300m)の常緑広葉樹林,海岸林,荒地,河川堤防で見られる。
 南投縣本部溪の渓流沿いの草むらで見られた。しかし,その後,のべ3日間に渡って調べたが,見つけることはできなかった。その後,南山渓の林道でも1度だけ,見ることができた。屏東縣台南市でも撮影された。
 2019年7月,台東縣の池上郷にある水路(1q程)では,午前中に8頭のカバタテハを確認することができた。しかし,午後になると全くいなくなり,周辺を探しても見つからなかった。1日の中でもかなり広い範囲を移動していることが分かった。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,江蘇省,浙江省,福建省,上海市に分布している。広東省,海南省に分布しているものは,別亜種 A.ariadne altenus で,それ以外は,名義タイプ亜種 A.ariadne ariadne である。
【近似種】 なし


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