【特 徴】 | やや大型のタテハチョウである。拉拉山上巴陵では,タイワンコムラサキは,午前中に日当たりのよい樹林の空間で♂が占有行動をし,本種は,午前中は,葉の裏側などで過ごす。午後になると行動が逆になり,本種の♂は,タイワンコムラサキと同じ場所で占有行動をし,両種が活動時間帯を変えていることを観察することができた。 |
【雌 雄】 | ♀は,黒褐色の地色になるので,雌雄を区別することができる。 |
【生 態】 | 6月〜9月に,年1回発生している。 |
【生息地】 |
台湾中央部の中・高標高(1000m〜2500m)の常緑広葉樹林に見られる。
発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。拉拉山上巴陵(標高1207m),南投縣松崗,花蓮市碧緑神木で見られた。南投縣清清草原でも撮影された。 |
【分 布】 |
種としては,台湾以外では,インド北部,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島に分布している。
中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 C.ulupi dubernardi が分布している。 |
【近似種】 |
タイワンコムラサキに似ているが,本種の♂は,翅頂の周辺に暗褐色斑が発達すること,♀は裏面が銀色になることで区別することができる。
 |