台湾の蝶 <タテハチョウ科3- タテハチョウ亜科〜クビワチョウ亜科 


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テングチョウ亜科〜カバタテハ亜科は,ここをクリックすると見ることができます

イチモンジチョウ亜科は,ここをクリックすると見ることができます

・タテハモドキ   (台湾産)   Junonia almana almana (Linnaeus, 1758)     名義タイプ亜種


写真数: 50枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長45〜52mm。敏感で人の気配を感じると直ぐに飛び立つ習性がある。
【雌  雄】 生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1600m)の海岸林,沼地・草原で見られるが,発生地は局所的である。
 台東市知本溪楽山,離島の蘭嶼高雄市宝来高雄市高中林道新北市五堵,台東縣達仁區,高雄市田寮區,新北市万里區,台南市龍崎區,新北市瑞芳區南雅で見られた。蘭嶼では,東北部の草原には,かなりの数の個体が発生していたが,その他の場所では見られなかった。
【分  布】  種としては,台湾以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(シンガポールラオス),フィリピン,インドネシア,中国の南西部・南部,日本の九州以南に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2016.3.5,台東市知本溪楽山,1ex.
2016.3.8,台東縣蘭嶼,2exs.
2016.3.9,台東縣蘭嶼,3exs.
2016.6.7,高雄市宝来,1ex.
2016.6.7,高雄市高中林道,1ex.
2016.6.25,新北市五堵,1ex.
2017.7.28,台東縣達仁區,1ex.
2017.7.29,高雄市田寮區,1ex.
2017.8.20,新北市万里區,1ex.
2017.8.27,台南市龍崎區,1ex.
2017.9.12,新北市瑞芳區南雅,2exs.
2018.7.12,新北市瑞芳區南雅,3exs.
2018.11.3,屏東縣社頂自然公園,1ex.
2019.7.14,台東縣池上郷,1ex.
2023.6.29,台東縣池上郷,6exs.
2023.7.1,台東縣池上郷,5exs.
2023.11.5,新竹市東区,1ex.,岡本英一

・ハイイロタテハモドキ  (台湾産)   Junonia atlites atlites (Linnaeus, 1763)    名義タイプ亜種


写真数: 8枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長50〜60mm。迷蝶として飛来したが,2010年から2014年までは偶産し,台湾南部の各所で見られた。しかし,最近は激減している。
【雌  雄】 ♀は,翅表の褐色斑が黒くなり,裏面も全体的に色が濃くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生しているが,秋から冬にかけて記録が多い。
【生息地】 台湾の低・中標高(〜500m)の草原,湿地の周辺などで見られるが,発生地は局所的である。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島(マレーシアラオスタイ),フィリピン,インドネシア,中国の南西部・南部・東部に分布し,日本の八重山諸島でも記録がある。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.11.22,屏東縣獅子郷内文,3♂♂,林 本初

・ジャノメタテハモドキ  (台湾産)   Junonia lemonias aenaria Fruhstorfer, 1912   台湾亜種


写真数: 59枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,別亜種lemonias である。開長45〜52mm。花によく集まる。
【雌  雄】 生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,荒地,草原,海岸林で見られる。
 南部の墾丁国家公園社頂自然公園,台東市の知本渓高雄市茂林拉拉山下巴陵高雄市直瀬溪陽明山の二子坪高雄市宝来南投縣本部渓,台東縣達仁區,屏東縣大漢山,南投縣観音瀑布,台北市碧湖歩道,台南市東山區,南投縣南山溪で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(ラオスタイ),中国の南西部・南部に分布し,日本の南西諸島でも記録がある。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,,江蘇省,浙江省,福建省に,名義タイプ亜種 J.lemonias lemonias が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2009.2.26,墾丁国家公園,2exs.荻野秀一
2009.2.28,墾丁国家公園,1ex.,荻野秀一
2013.4.3,墾丁国家公園,2exs.
2014.3.2,墾丁国家公園,3exs.
2014.3.3,墾丁国家公園,2exs.
2014.3.5,墾丁国家公園,3exs.
2014.3.6,墾丁国家公園,4exs.
2014.3.7,墾丁国家公園,2exs.
2014.5.28,社頂自然公園,4exs.
2014.5.30,社頂自然公園,2exs.
2014.5.31,社頂自然公園,3exs.
2015.6.17,台東市知本溪,1ex.
2015.6.18,台東市知本溪,1ex.
2015.6.21,高雄市茂林,1ex.
2015.7.8,拉拉山下巴陵,3exs.
2016.3.16,高雄市直瀬溪,2exs.
2016.3.30,社頂自然公園,1ex.,多田和夫
2016.4.21,陽明山二子坪,1ex.
2016.6.8,高雄市宝来,1ex.
2017.7.21,南投縣本部渓,1ex.
2017.7.23,南投縣本部渓,1ex.
2017.7.28,台東縣達仁區,1ex.
2017.7.28,屏東縣大漢山,1ex.
2017.8.16,南投縣観音瀑布,1ex.
2017.8.21,台北市碧湖歩道,1ex.
2017.8.25,台南市東山區,1ex.
2017.9.6,南投縣南山溪,1ex.
2017.12.29,社頂自然公園,1ex.,飯田晋一郎
2018.3.10,社頂自然公園,1ex.,大橋豊嗣
2018.11.3,屏東縣社頂自然公園,3exs.
2019.2.14,社頂自然公園,1ex.,荻野秀一
2019.2.15,社頂自然公園,1ex.,荻野秀一
2019.7.15,台東縣知本,1ex.
2019.7.22,屏東縣霧台郷,1ex.
2023.7.1,台東縣池上郷,1ex.
2023.8.22,屏東縣霧台郷,1ex.,林 本初

・アオタテハモドキ  (台湾産)   Junonia orithya orithya (Linnaeus, 1758)   名義タイプ亜種


写真数: 64枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長45〜50mm。乾燥した草原に見られ,♂は占有行動をする。日当たりのよい荒地や林道を好み,集団で生息していることが多い。センダングサの花によく集まる。
【雌  雄】  ♀は,前翅の前縁の褐色斑が発達するが,♂はあまり発達せず,♀は,後翅表面の中室の外側の眼状紋は,肛角付近の眼状紋より大きくなるが,♂は小さくなるので,雌雄を区別することができる。♀でも後翅表面の亜外縁に青色斑が出る個体があるが,♂に比べると青色斑の範囲は狭い。



【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,荒地,草原,海岸林で見られるが,発生地は局所的である。
 中部山岳の南投縣廬山温泉奥萬大梨山の新佳陽(標高2028m),新北市の南洞高雄市宝来拉拉山上巴陵新北市瑞芳區南雅南投縣仁愛郷ナールー湾桃園市林班口,台東縣池上郷,台北市剣南山で見られた。梨山新佳陽では,かなり広い荒地で多数の個体が占有行動をしていた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,日本に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2015.6.29,南投縣廬山温泉,1♂1♀
2015.7.1,南投縣奥萬大,2♂♂1♀
2015.7.4,梨山新佳陽,多数♂♂
2015.7.13,新北市水南洞,1♂
2015.7.14,新平市汐平路仁愛橋,1♂
2016.6.9,高雄市宝来,1♀
2016.6.19,拉拉山上巴陵,3♂♂2♀♀
2016.6.20,拉拉山上巴陵,2♂♂
2017.7.10,拉拉山上巴陵,1♀
2017.7.11,拉拉山上巴陵,2♂♂1♀
2017.7.12,拉拉山上巴陵,4♂♂2♀♀
2017.7.13,拉拉山上巴陵,6♂♂2♀♀
2017.7.20,南投縣国民賓館,3♂♂1♀
2017.9.12,新北市瑞芳區南雅,1♂1♀
2018.6.30,南投縣仁愛郷ナールー湾,1♂
2018.7.3,桃園市林班口,1♂1♀
2018.11.6,南投縣ナールー湾,1♂
2019.7.14,台東縣池上郷,2♂♂1♀
2019.7.19,台北市剣南山,1♀
2022.7.10,南横公路,1♀,林 本初
2023.5.29,新北市福山村,1♂,三河和夫
2023.6.29,台東縣池上郷,1♀


・クロタテハモドキ  (台湾産)   Junonia iphita iphita (Cramer, [1779])    名義タイプ亜種


写真数: 71枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長55〜60mm。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる。
【雌  雄】 生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(マレーシアラオスタイ),ボルネオ,インドネシア,中国の南西部・南部に分布し,日本の八重山諸島でも記録がある。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 J.iphita horsfiedi が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2009.2.26,墾丁国家公園,2exs.荻野秀一
2009.2.27,墾丁国家公園,1ex.荻野秀一
2013.4.8,南投縣南山渓,3exs.
2014.3.8,台東市知本,2exs.
2014.6.2,台東市知本渓,3exs.
2014.6.3,台東市知本渓,2exs.
2014.6.7,南投縣眉渓,1ex.
2014.6.9,南投縣本部渓,3exs.
2015.6.17,台東市知本渓,5exs.
2015.6.18,台東市知本渓,2exs.
2015.7.9,拉拉山下巴陵,1ex.
2015.7.11,台北動物園探索谷,1ex.
2015.7.12,陽明山二子坪,1ex.
2016.3.4,台北動物園探索谷,4exs.
2016.3.5,台北動物園探索谷,2exs.,多田和夫
2016.5.5,南投縣南山渓,3exs.
2016.6.25,新平市汐平路仁愛橋,1ex.
2017.3.30,新北市熊空,1ex.
2017.4.1,台北動物園探索谷,5ex.
2017.4.4,台北市聖人瀑布,2ex.
2017.4.5,陽明山大屯自然公園,1ex.
2017.7.11,拉拉山上巴陵,3exs.
2017.7.14,拉拉山上巴陵,2exs.
2017.10.10,台北動物園探索谷,3exs.,清水俊英
2017.7.22,南投縣南山渓,3exs.
2017.12.29,社頂自然公園,1ex.,飯田晋一郎
2018.4.26,台北市立動物園探索谷,5ex.
2018.10.19,南投縣南山渓,1ex.,大橋豊嗣
2018.10.21,南投縣本部渓,1ex.,大橋豊嗣
2018.11.5,南投縣本部渓,3ex.
2018.11.8,台北市立動物園探索谷,3ex.
2019.4.4,新北市烏来福山村,2exs.,大橋豊嗣
2019.4.7,南投縣本部溪,2ex.,大橋豊嗣
2019.7.19,陽明山大屯自然公園,1ex.
2019.7.22,屏東縣霧台郷,1ex.
2023.4.3,南投県本部渓,1ex.,岡本英一
2023.4.29,南投縣南山渓,1ex.,岡本英一
2023.5.28,新北市烏来区,1ex.,三河和夫
2023.7.6,南投県本部渓,2exs.
2023.7.8,南投県南山渓,2exs.
2023.9.29,新北市五重渓,1ex.,岡本英一
2023.10.8,南投縣本部渓,1ex.,岡本英一
2023.10.15,台中市八仙山,1ex.,岡本英一
2023.11.23,新北市五重渓,1ex.,岡本英一

・イワサキタテハモドキ     Junonia hedonia ida (Cramer, [1775])


写真数: 1枚
(参考:日本産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。
【雌  雄】 ♀は,翅表が丸くなり,地色が薄くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 不明
【生息地】 文献では,恒春半島での記録がある。
【分  布】 種としては,フィリピン,パラオ,マレー半島南部,ジャワ,セレベス,ボルネオ,ハルマヘラ,ニューギニア,オーストラリア北部に分布している。
【近似種】 クロタテハモドキに似るが,本種は,後翅表面の亜外縁の円形の斑紋が大きくなり,翅形が丸くなるので,区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
暖  地



































記録
(参考)2015.9.22,沖縄県石垣島,1ex.,足立幸子

・キオビコノハ  (台湾産)   Yoma sabina podium Tsukada, 1985


写真数: 21枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長55〜70mm。あまり数多い種ではない。
【雌  雄】 ♀は,後翅裏面がほぼ一様な赤褐色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の南部の低・中標高(〜1300m)の常緑広葉樹林,海岸林で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。南部の墾丁国家公園台東市知本溪楽山社頂自然公園高雄市直瀬溪高雄市宝来で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南部に分布し,日本の南西諸島でも記録がある。
 中国では,広西區,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2013.4.4,墾丁国家公園,1♂
2014.3.7,墾丁国家公園,1♂
2016.3.5,台東市知本溪楽山,1♂
2016.3.30,社頂自然公園,1♂,多田和夫
2016.6.6,高雄市直瀬溪,1ex.
2016.6.8,高雄市宝来,1ex.
2015.9.16,台南市新化區,1♀,林 本初
2018.11.3,屏東縣社頂自然公園,1♂
2023.7.17,台南市,2♂♂,林 本初
2023.7.19,台南市,2♂♂1♀,林 本初
2023.10.12,台南市新化區,1♂,林 本初

・コノハチョウ 枯葉蝶 (台湾産)   Kallima inachus formosana Fruhstorfer, 1912    台湾亜種


写真数: 63枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 日本産は,日本亜種eucerca である。開長55〜75mm。すぐに止まる習性があるが,高い場所に止まることが多かった。渓谷沿いの林道などによく見られ,占有行動をする。
【雌  雄】 ♀は,前翅の翅頂が大きく突出するが,個体変異もあり,生態写真では見分けがつきにくく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】  周年,年数回発生している。
 陽明山の二子坪では,6月下旬,7月中旬が発生の最盛期に当たっており,多数の個体が発生していた。
【生息地】  台湾の南部の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 K.inachus alicia で,それ以外は,別亜種 K.inachus chinensis である。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2009.2.26,墾丁国家公園,1ex.,荻野秀一2013.4.10,台北動物園探索谷,2exs.2014.3.4,墾丁国家公園,2exs.
2014.3.8,台東市知本溪,3exs.2014.3.13,南投縣南山溪,3exs.2014.6.3,台東市知本渓,2exs.
2015.7.1,南投縣奥萬大,3exs.2015.7.8,拉拉山下巴陵,2exs.2015.7.12,陽明山二子坪,多数exs.
2016.4.1,南投縣埔里,1ex.,多田和夫2016.5.26,太平山鳩之澤,1ex.2016.6.6,高雄市直瀬溪,1ex.
2016.6.8,高雄市宝来,1ex.2016.6.27,陽明山二子坪,多数exs.2016.6.29,台北市福州山,3exs.
2017.3.30,新北市熊空,1ex.2017.7.14,拉拉山上巴陵,3exs.2017.7.18,谷関松鶴,2exs.
2017.8.25,台南市東山區,1ex.2018.10.30,南投縣南山渓,1ex.,安中弘行2019.1.3,屏東県霧台郷,1ex.,田島 茂
2018.11.8,台北市立動物園探索谷,3exs.2019.7.19,陽明山大屯自然公園,1ex.2019.7.22,屏東縣霧台郷,1ex.
2023.3.24,南部横貫公路,1♂1♀,林 本初2023.4.30,南投縣本部渓,1ex.,岡本英一2023.5.30,新北市桶後林道,1ex.,三河和夫

・アカタテハ  (台湾産)   Vanessa indica indica (Herbst, 1794)    名義タイプ亜種


写真数: 57枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長52〜60mm。敏感で人の気配を感じると直ぐに飛び立つ。
【雌  雄】 生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3000m)の常緑広葉樹林,海岸林,荒地,都市林で見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド南部,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部・東部・北部,日本に分布している。
 中国の北西部の新疆ウィグル自治区から東北部の黒竜江省,南西部の雲南省,東部の浙江省まで,各地に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.3.4,墾丁国家公園,1ex.
2014.3.6,墾丁国家公園,1ex.
2014.3.18,陽明山,1ex.
2015.6.16,台東市知本渓,2exs.
2015.6.17,台東市知本渓,1ex.
2015.6.28,南投縣本部溪,1ex.
2015.7.4,梨山晉元橋,1ex.
2016.3.12,台東市知本渓楽山,1ex.
2016.5.19,太平山鳩之澤,1ex.
2016.5.20,羅東新城溪,1ex.
2016.5.23,太平山鳩之澤,1ex.
2016.6.19,拉拉山上巴陵,1ex.
2017.3.28,新北市烏来区福山村,1ex.
2017.4.5,陽明山二子坪,1ex.
2017.7.11,拉拉山上巴陵,2exs.
2017.7.12,拉拉山上巴陵,1ex.
2017.7.13,拉拉山上巴陵,1ex.
2017.8.17,南投縣本部溪,3exs.
2017.8.29,高雄市桃源區籐枝,1ex.
2017.9.3,合歓山東峰歩道,1ex.
2017.9.4,南投縣本部溪,1ex.
2017.10.9,陽明山横峯古道,1ex.,清水俊英
2018.6.25,花蓮市碧緑神木,3exs.
2018.7.1,南投縣仁愛郷ナールー湾,1ex.
2018.7.4,桃園市上巴陵,1ex.
2018.7.9,花蓮市碧緑神木,1ex.
2018.11.3,屏東縣社頂自然公園,2exs.
2019.7.10,花蓮市碧緑,1ex.
2019.7.11,花蓮市碧緑,1ex.
2019.7.15,台東縣知本,1♀
2023.10.22,新北市福山村,1ex.,岡本英一

・ヒメアカタテハ  (台湾産)   Vanessa cardui (Linnaeus, 1758)


写真数: 29枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長45〜55mm。敏感で人の気配を感じると直ぐに飛び立つ。
【雌  雄】 生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3500m)の常緑広葉樹林,海岸林,荒地,都市林で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。北部の新北市の水南洞新北市烏来区福山村新北市瑞芳區南雅南投縣ナールー湾で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヨーロッパ(イタリアクロアチア),インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア,中国の南西部・南部,日本に分布している。
 中国の北西部の新疆ウィグル自治区から東北部の黒竜江省,南西部の雲南省,東部の浙江省まで,各地に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2015.7.13,新北市水南洞,1ex.2017.3.28,新北市烏来区福山村,1ex.2017.9.12,新北市瑞芳區南雅,1ex.
2018.11.6,南投縣ナールー湾,1ex.2023.7.7,南投県ナールー湾,1ex.

・シータテハ  (台湾産)   Polygonia c-album asakurai Nakahara,1920   台湾亜種


写真数: 93枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 日本産は,別亜種hamigera である。開長40〜45mm。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。梨山晉元橋では,山から水が流れ出て道に広がっている場所に,多数の個体が吸水に訪れていた。
【雌  雄】 生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(300m〜3500m)の森林,草原など見られる。
 中部山岳の松崗(標高2024m),梨山和平梨山晉元橋(標高1858m),南投縣合歓山拉拉山上巴陵本部渓花蓮市碧緑で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヨーロッパ(フランスイタリア),インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本に分布している。
 中国の北西部の新疆ウィグル自治区から東北部の黒竜江省,南西部の雲南省,東部の浙江省まで,各地に,別亜種 P.c-album extensa が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.6.8,南投縣松崗,2exs.
2014.6.9,南投縣松崗,1ex.
2015.6.29,南投縣松崗,5exs.
2015.6.30,南投縣翠峰,1ex.
2015.7.3,梨山和平,1ex.
2015.7.4,梨山晉元橋,多数exs.
2015.7.6,梨山晉元橋,多数exs.
2016.5.8,南投縣合歓山,1ex.
2016.6.19,拉拉山上巴陵,1ex.
2017.7.25,南投縣松崗,1ex.
2017.7.26,南投縣松崗,2exs.
2018.4.25,南投縣本部渓,1ex.
2018.6.25,花蓮市碧緑神木,5exs.
2018.6.26,花蓮市碧緑神木,4exs.
2018.6.27,花蓮市碧緑神木,5exs.
2018.7.7,花蓮市碧緑神木,4exs.
2018.7.8,花蓮市碧緑神木,3exs.
2018.7.9,花蓮市碧緑神木,2exs.
2019.7.9,花蓮市碧緑神木,3exs.
2019.7.10,花蓮市碧緑神木,4exs.
2019.7.11,花蓮市碧緑神木,3exs.
2019.7.17,花蓮市碧緑,3exs.
2022.7.10,南横公路,,1ex.,林 本初
2023.6.7,南投縣ナールー湾,1ex.,岡本英一
2023.6.7,南投縣翠峰,1ex.,岡本英一
2023.6.28,花蓮市碧緑神木,1ex.2023.7.5,宜蘭県思源,1ex.
2023.7.7,南投県翠峰,1ex.2023.7.7,南投県梅峰,1ex.

・ルリタテハ  (台湾産)   Kaniska canace drilon (Fruhstorfer, 1908)    台湾亜種


写真数: 56枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 台湾産は,drilon(台湾亜種)日本産は,nojaponicum(日本本土亜種),ishima(琉球亜種) に分かれており,最近は,台湾亜種も迷蝶として,記録されている。
 開長50〜60mm。♂は占有行動をし,獣糞や樹液に飛来する。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなり,青色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林,草原などで見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本(本土南西諸島)に分布している。
中国では,西蔵區,陳西省,山東省,河北省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に分布している。海南省に分布しているものは,別亜種 K.canace charonia で,それ以外は,名義タイプ亜種 K.canace canace である。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2009.2.27,墾丁国家公園,2exs.,荻野秀一
2013.4.4,墾丁国家公園,1ex.
2014.3.17,台北動物園探索谷,2exs.
2014.3.19,新北市烏来渓,1ex.
2014.6.9,南投縣本部渓,1ex.
2014.6.10,南投縣本部渓,1ex.
2014.6.11,南投縣本部渓,1ex.
2015.6.16,台東市知本溪,1ex.
2015.6.28,南投縣本部渓,3exs.
2015.6.30,南投縣本部渓,1ex.
2015.7.11,台北動物園探索谷,1ex.
2015.7.13,陽明山横峯古道,1ex.
2016.3.4,台北動物園探索谷,1ex.
2016.3.5,台東市知本溪楽山,1ex.
2016.3.22,新北市烏来区福山村,1ex.
2016.4.26,台北動物園探索谷,1ex.
2016.5.4,南投縣本部渓,2exs.
2016.5.7,南投縣本部渓,1ex.
2016.5.20,羅東新城溪,1ex.
2016.5.22,羅東寒溪,1ex.
2016.6.6,高雄市直瀬溪,1ex.
2016.6.8,高雄市宝来,1ex.
2016.6.10,南投縣本部渓,1ex.
2016.6.15,苗栗縣三義,1ex.
2016.6.16,苗栗縣三義,1ex.
2016.6.21,拉拉山上巴陵,1ex.
2017.3.28,新北市烏来区福山村,5exs.
2017.7.10,拉拉山上巴陵,2ex.
2017.7.11,拉拉山上巴陵,1ex.
2017.9.4,南投縣本部渓,1ex.
2017.9.6,南投縣南山溪,1ex.
2018.7.2,桃園市上巴陵,1ex.
2018.7.9,花蓮市碧緑神木,1ex.
2018.11.5,南投縣本部渓,2exs.
2019.7.16,花蓮市緑水歩道,1ex.
2023.7.6,南投県本部渓,2♀♀
2023.7.10,新北市桶後林道,1♂
2023.9.13,屏東縣大漢山,1♀,林 本初
2023.10.8,南投縣本部渓,1♂,岡本英一

・キタテハ  (台湾産)    Polygonia c-aureum lunulata Esaki & Nakahara, 1923


写真数: 52枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 台湾産の亜種は,lunulata,日本産は,名義タイプ亜種のc-aureum とされてきたが,両亜種に大差はなく,亜種名について再検討されるようである。
 開長45〜60mm。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる。
【雌  雄】 生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1600m)の常緑広葉樹林,草原,都市林など見られる。
 中部山岳の南投縣南山渓陽明山の二子坪太平山鳩之澤苗栗縣三義新北市五堵台北市剣南山南投縣本部溪,高雄市桃源區籐枝で見られた。特に,6月中旬には苗栗縣三義で,6月下旬には陽明山二子坪で,多数の個体が発生していた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島東北部,中国,モンゴル,朝鮮半島,日本に分布している。
 中国では,陳西省,山東省,河北省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 P.c-aureum c-aureum が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2014.6.7,南投縣南山渓,2exs.2015.7.12,陽明山二子坪,2exs.2016.5.18,太平山鳩之澤,5exs.
2016.6.15,苗栗縣三義,多数exs.2016.6.16,苗栗縣三義,多数exs.2016.6.27,陽明山二子坪,多数exs.
2017.7.25,南投縣本部溪,1ex.2017.8.29,高雄市桃源區籐枝,1ex.2017.9.6,南投縣南山渓,3exs.
2019.4.21,苗栗縣三義,1ex.,安中弘行
2019.7.14,台東縣池上郷,3exs.

・ヒオドシチョウ  (台湾産)   Nymphalis xanthomelas formosana (Matsumura,1925)   台湾亜種


写真数: 33枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,別亜種japonica である。開長50〜60mm。飛び方は速いが,すぐに止まる習性がある。花蓮市碧緑神木では,パイナップルビールに黒砂糖を混ぜた液体に集まってきた。
【雌  雄】 生態写真では顕著な違いはなく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 年1回,2月〜7月に発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜3000m)の森林,草原,道端などで見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。新北市烏来区福山村,花蓮市碧緑慈恩,花蓮市碧緑神木で見られた。拉拉山上巴陵,清境農場でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国,ロシア,朝鮮半島,日本に分布している。
 中国の北西部の新疆ウィグル自治区から東北部の黒竜江省,南西部の雲南省,東部の浙江省まで,各地に,別亜種 N.xanthomelas fervescens が分布している。
【近似種】 シータテハに似るが,本種は,前後翅の外縁に黒褐色斑が良く発達するので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2016.3.22,新北市烏来区福山村,1ex.
2016.5.6,拉拉山巴陵,1ex.,林 本初
2017.6.9,南投縣清境農場,1ex.,林 本初
2018.5.2,拉拉山上巴陵,多数exs.,高崎 明
2018.6.25,花蓮市碧緑慈恩,1ex.
2018.6.26,花蓮市碧緑神木,2exs.
2018.6.27,花蓮市碧緑神木,1ex.

・タイワンキミスジ  (台湾産)   Symbrenthia formosaus Fruhstorfer,1908    台湾特産種   


写真数: 76枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 2013年,Lin & Su によって新種として記載されたが,学名については,異論が多く,特に命名者は,Lin & Su ではなく,亜種名を記載した Fruhstorfer であるべきである(宇野彰,日本鱗翅学会誌YADORIGA aD246)に従う。
 開長40〜45mm。キミスジと混生していることが多い。♂は,占有性が強い。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなり,黄色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林,海岸林に見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。台東市の知本渓では,周年,タイワンキミスジ,キミスジ,ヒメキミスジの3種が同じ場所で生息していて,棲み分けもしていない。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  キミスジ,ヒメキミスジに似ているが,本種は,前翅中室の黄条斑が分離することで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.3.8,台東市知本溪,2♂♂
2014.3.14,南投縣南山渓,1♀
2014.3.15,南投縣南山渓,1♀
2014.6.7,南投縣眉渓,1♂
2014.6.9,南投縣本部渓,1♂
2015.6.16,台東市知本溪,4♂♂1♀
2015.6.17,台東市知本溪,3♂♂
2015.6.18,台東市知本溪,2♂♂
2015.6.28,南投縣本部渓,1♀
2015.7.1,南投縣奥萬大,1♀
2015.7.2,南投縣本部渓,3♂♂2♀
2015.7.4,梨山晉元橋,1♀
2015.7.6,梨山晉元橋,1♂
2015.7.9,拉拉山下巴陵,1♂1♀
2016.3.5,台北動物園探索谷,1♂,多田和夫
2016.3.18,南投縣本部渓,1♂1♀
2016.4.2,南投縣南山溪,1♂,多田和夫
2016.5.1,高雄市桃源,1♀
2016.5.5,南投縣南山渓,1♂1♀
2016.5.17,太平山鳩之澤,3♂♂
2016.5.26,太平山鳩之澤,1♂
2016.6.19,拉拉山上巴陵,1♂
2017.3.28,新北市烏来区福山村,1♂
2017.7.10,拉拉山上巴陵,2♂♂1♀
2017.7.11,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.12,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.16,谷関八仙山,1♂1♀
2017.7.28,屏東縣大漢山,1♂
2017.8.16,南投縣梅峰,1♂
2017.12.30,屏東縣霧台郷,1♂,飯田晋一郎
2018.6.25,花蓮市碧緑慈恩,1♂
2018.6.30,南投縣仁愛郷本部渓,1♀
2018.11.5,南投縣本部渓,2♂♂1♀
2018.11.6,南投縣ナールー湾,1♂
2019.5.1,南投縣本部溪,1♂,高月陽生
2019.7.9,花蓮市碧緑,1♀
2019.7.13,台東縣下馬林道,1♀
2019.7.16,花蓮市新白楊,1♀
2023.3.1,南部横貫公路,1♀,林 本初
2023.6.6,南投縣本部渓,1♂1♀,岡本英一
2023.7.6,南投県本部渓,2♂♂1♀
2023.10.8,南投縣本部渓,1♂,岡本英一
2023.10.15,台中市八仙山,1♀,岡本英一

・キミスジ  (台湾産)   Symbrenthia lilaea formosanus Fruhstorfer,1908    台湾亜種


写真数: 56枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長45〜50mm。飛び方は速いが,すぐに葉上や地上に止まる習性がある。♂は,占有性が強い。
【雌  雄】 ♂は,後翅表面の外縁部の黄条が後角から中央までで途切れるが,♀は,後角部から前縁部までつながること。♀は,翅形が丸くなり,黄斑の色が薄くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1200m)の常緑広葉樹林,海岸林に見られる。最近は,高標高の場所でも見られるようになってきている。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,中国の南西部・南部,日本の八重山諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 S.lilaea lucina が分布している。
【近似種】  タイワンキミスジ,ヒメキミスジに似ているが,本種は,前翅中室の黄条斑が連続することで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2013.4.3,墾丁国家公園,2♂♂
2013.4.4,墾丁国家公園,1♀
2014.3.2,墾丁国家公園,2♂♂
2014.3.5,墾丁国家公園,1♂
2014.3.6,墾丁国家公園,1♂
2014.5.28,社頂自然公園,3♂♂
2014.5.29,墾丁国家公園,2♂♂
2014.5.31,社頂自然公園,2♂♂1♀
2014.6.2,台東市知本渓,2♂♂
2014.6.4,台東市知本渓,2♂♂
2015.6.16,台東市知本渓,4♂♂2♀♀
2015.6.18,台東市知本渓,2♂♂
2015.7.8,拉拉山下巴陵,1♀
2015.7.11,台北動物園探索谷,1♂
2015.7.14,新北市汐平路仁愛橋,1♂
2016.4.1,南投縣南山渓,1♀,多田和夫
2016.4.17,新北市烏来区福山村,1♀
2016.4.30,高雄市直瀬溪,2♂♂
2016.5.17,太平山鳩之澤,1♂1♀
2016.5.20,羅東新城溪,3♂♂1♀
2016.6.17,苗栗縣三義,1♂
2016.6.22,拉拉山上巴陵,1♂
2017.4.2,基隆市七堵,1♂1♀
2018.7.3,桃園市林班口,1♀
2019.7.15,台東縣知本,1♂
2019.7.20,台北市北投,1♂
2022.6.18,新竹市,1♂,岡本英一
2023.6.30,南横公路,1♂2023.7.2,花蓮市景美,3♂♂2023.7.8,南投県南山渓,1♀

・ヒメキミスジ  (台湾産)   Symbrenthia brabira scatinia Fruhstorfer, 1908   台湾亜種


写真数: 44枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】  本種の学名には,種名を hypselis とする論文もあるが,ここでは,brabira としておく。
 開長35〜45mm。タイワンキミスジ・キミスジよりも局所的に分布しており,両種は棲み分けているように思われた。タイワンキミスジ・キミスジは,止まると直ぐに翅を開く習性があるが,本種は,なかなか翅を開く行動をしなかった。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなり,黄色斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  周年,年数回発生している。
 発生数は,タイワンキミスジ・キミスジよりも少ない。5月下旬,羅東新城溪では,1か所で7頭を確認することができた。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2000m)の常緑広葉樹林に見られる。
 中部山岳の南山渓本部溪羅東新城溪新北市烏来区福山村新北市烏来区桶後林道台北市聖人瀑布拉拉山上巴陵,谷関八仙山,南投縣観音瀑布,桃園市林班口で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,ボルネオ島,インドネシア,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 S.brabira brabira が分布している。
【近似種】  タイワンキミスジ,キミスジに似ているが,本種は,裏面に小さな斑紋が分散することで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.3.14,南投縣南山渓,1♂
2014.6.9,南投縣本部渓,4♂♂1♀
2014.6.10,南投縣本部渓,3♂♂
2014.6.11,南投縣本部渓,2♂♂2♀♀
2015.6.16,台東市知本渓,1♀
2015.6.28,南投縣本部渓,1♂
2016.5.4,南投縣本部渓,2♂♂
2016.5.7,南投縣本部渓,2♂♂
2016.5.20,羅東新城溪,5♂♂2♀♀
2016.4.17,新北市烏来区福山村,1♂
2017.3.29,新北市烏来区桶後林道,4♂♂
2017.4.2,基隆市七堵,1♂
2017.4.4,台北市聖人瀑布,2♂♂
2017.7.11,拉拉山上巴陵,1♀
2017.7.16,谷関八仙山,1♂
2017.7.21,南投縣本部渓,1♂
2017.8.16,南投縣観音瀑布,1♂
2017.9.6,南投縣南山渓,1♀
2018.7.3,桃園市林班口,1♂
2018.10.29,南投縣本部渓,1♂,安中弘行
2023.7.6,南投県本部渓,2♂♂1♀
2023.7.8,南投県南山渓,1♂
2023.7.10,新北市桶後林道,1♂
2023.10.22,新北市福山村,1♀,岡本英一

・メスアカムラサキ  (台湾産)   Hypolimnas misippus misippus (Linnaeus,1764)    名義タイプ亜種


写真数: 25枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 日本産と同じ亜種である。開長65〜75mm。最近は,個体数が非常に少なくなってきている。各種の花を訪れ,腐った果実や獣糞にも集まる。
【雌  雄】 ♀は,翅が赤黄色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1000m)の常緑広葉樹林,海岸林に見られる。
 南投縣南山溪の樹林に入る林道の手前にあるセンダングサの草原(標高920m)で見つけることができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部。東部,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,台湾や日本と同じ名義タイプ亜種が分布している。
【近似種】  リュウキュウムラサキに似ているが,本種の♂は,後翅裏面の白帯が発達することで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.5.1,高雄市田寮區,1♀,林 本初
2017.4.25,台南市308高地,2♂♂,林 本初
2017.7.22,南投縣南山溪,1♂
2018.1.1,屏東縣台南市,1♂,飯田晋一郎
2018.1.1,屏東縣台南市,1♂,高崎 明
2019.2.15,墾丁国家公園,1♂,荻野秀一
2019.7.14,台東縣池上郷,2♂♂
2022.7.16,台南市,1♂1♀,林 本初
2023.11.5,新竹市東区,1♂,岡本英一

・リュウキュウムラサキ  (台湾産)   Hypolimnas bolina kezia (Butler, 1878)    台湾亜種


写真数: 103枚


出現頻度
★★★★
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長70〜80mm。♂は占有行動をするので,撮影はしやすかった。翅表の斑紋は,変異が大きく,下記のような亜種が存在し,亜種間での交雑も起こっている。
   台湾亜種 H.bolina kezia (Butler, [1878])  ※ ♀の前翅表面の白斑はあまり発達しない
   大陸亜種 H.bolina jacintha (Drury, [1773])  ※ ♀の後翅表面の白斑や白帯は発達する
   名義タイプ亜種, ジャワ亜種 H.bolina bolina (Linnaeus, 1758)  ※ ♀の前翅表面に赤斑が出現する
   フィリピン亜種 H.bolina philippensis (Butler, 1874)  ※ ♀の前翅表面の白斑は,よく発達する
   ミクロネシア亜種 H.bolina rarik (Eschscholtz, 1821) ※ ♀の前翅表面に赤斑が発達し,外縁には黄赤色の斑紋が広がる
● リュウキュウムラサキの5亜種の分布図  ※ クリックすると拡大図があります

(引用) 福田晴夫・二町一成 「リュウキュウムラサキの諸問題」  Spec.Bu1L Lep .Soc.Jap.,(6): 35.68,1988.「蝶類学の最近の進歩」 より
【雌  雄】 ♂は,前翅裏面の中室外側と後翅裏面の中央に白帯が現れ,後翅表面中央に青藍色の斑紋があり,♀は,様々なタイプの斑紋があるが,後翅表面中央に青藍色の斑紋が出ることはないので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林に見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部,離島など各地で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(シンガポールラオスタイベトナム),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ミクロネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 H.bolina jacintha が分布している。
【近似種】  ヤエヤマムラサキ,メスアカムラサキに似ているが,本種は,より大型で,後翅裏面の白斑があまり発達しないこと,ヤエヤマムラサキのように,後翅の翅形が直線的にならないことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2009.2.27,墾丁国家公園,1♂,荻野秀一
2013.4.2,墾丁国家公園,4♂♂
2013.4.4,墾丁国家公園,2♂♂1♀
2014.3.4,墾丁国家公園,3♂♂2♀♀
2014.3.7,墾丁国家公園,4♂♂2♀♀
2014.3.8,台東市知本溪,2♂♂
2014.3.17,台北動物園探索谷,1♂
2014.5.30,社頂自然公園,3♂♂
2014.6.2,台東市知本渓,4♂♂
2014.6.3,台東市知本渓,3♂♂2♀♀
2014.6.9,南投縣本部渓,3♂♂
2015.6.17,台東市知本渓,2♂♂
2015.7.2,南投縣南山渓,2♂♂
2015.7.13,陽明山横峯古道,1♀
2016.3.5,台東市知本渓,1♂
2016.3.7,台東縣蘭嶼,3♂♂
2016.3.8,台東縣蘭嶼,1♀
2016.3.16,高雄市直瀬溪,2♂♂1♀
2016.3.30,社頂自然公園,1♂,多田和夫
2016.4.1,南投縣本部渓,1♀,多田和夫
2016.4.22,新北市烏来区福山村,1♀
2016.4.30,高雄市直瀬溪,2♂♂
2016.5.20,羅東新城溪,3♂♂
2016.5.23,南投縣南山渓,1♂1♀,多田和夫
2016.5.24,宜蘭粗坑溪,1♀
2016.6.6,高雄市直瀬溪,1♂
2016.6.25,新北市五堵,1♀
2017.3.30,新北市熊空,1♂1♀
2017.4.4,台北市聖人瀑布,1♂
2017.7.29,高雄市田寮區,1♀
2017.8.15,南投縣廬山温泉,1♀,てふ太郎
2017.8.23,台北市剣南山,1♂
2017.9.6,南投縣南山渓,1♂
2017.10.9,陽明山湖底道,1♂,清水俊英
2017.10.10,台北動物園探索谷,1♀,清水俊英
2018.1.1,屏東縣台南市,1♂,飯田晋一郎
2018.10.21,南投縣本部渓,1♂,大橋豊嗣
2018.11.3,屏東縣社頂自然公園,3♂♂
2019.2.18,社頂自然公園,1♀,荻野秀一
2019.4.6,南投縣本部溪,1♂,大橋豊嗣 
2019.4.7,南投縣本部溪,1♂,大橋豊嗣
2019.7.19,陽明山大屯自然公園,1♂
2019.7.20,台北市北投,1♂
2019.7.22,屏東縣霧台郷,1♀
2019.7.23,高雄市半屏山,2♂♂
2020.3.7,台北市猫空,1♂,池田千亜妃
2022.7.2,苗栗県三義郷,2♂♂。岡本 英一
2023.3.11,台北市内湖區,1ex.,岡本英一
2023.4.3,南投県本部渓,1♂,岡本英一
2023.6.29,台東縣池上郷,2♂♂1♀
2023.7.1,台東縣池上郷,3♂♂2♀♀
2023.7.4,宜蘭県頭城鎮,2♂♂
2023.7.19,台南市,1♂,林 本初
2023.10.8,南投縣南山渓,1ex.,岡本英一
2023.7.8  南投県 南山渓
2024.1.8,台南市新化區,1♂,林 本初

・リュウキュウムラサキ  (台湾産)   Hypolimnas bolina jacintha (Drury, [1773])     大陸亜種


写真数: 1枚
(参考:タイ産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。開長70〜80mm。♀は,後翅表面の白帯が発達する。
【雌  雄】 ♂は,前翅裏面の中室外側と後翅裏面の中央に白帯が現れ,後翅表面中央に青藍色の斑紋があり,♀は,後翅表面中央に青藍色の斑紋が出ることはないので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 夏から秋にかけて記録がある。
【生息地】 各地で記録があるが,非常に少ない。
【分  布】  種としては,台湾以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(シンガポールラオスタイベトナム),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ミクロネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 H.bolina jacintha が分布している。
【近似種】 (リュウキュウムラサキの台湾亜種の欄を参照)
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
(参考) 2019.3.14,タイ シアム,1♀,三河和夫

・リュウキュウムラサキ  (台湾産)   Hypolimnas bolina bolina (Linnaeus, 1758)     名義タイプ亜種, ジャワ亜種


写真数: 1枚
(参考:日本産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。開長70〜80mm。♀は,前翅表面に赤斑が発達する。
【雌  雄】 ♂は,前翅裏面の中室外側と後翅裏面の中央に白帯が現れ,後翅表面中央に青藍色の斑紋があり,♀は,後翅表面中央に青藍色の斑紋が出ることはないので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 夏から秋にかけて記録がある。
【生息地】 各地で記録があるが,非常に少ない。
【分  布】  種としては,台湾以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(シンガポールラオスタイベトナム),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ミクロネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 H.bolina jacintha が分布している。
【近似種】 (リュウキュウムラサキの台湾亜種の欄を参照)
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
(参考) 2016.10.15,高知県高知市五台山,1♀,高月陽生

・リュウキュウムラサキ  (台湾産)   Hypolimnas bolina philippensis (Butler, 1874)     フィリピン亜種


写真数: 1枚
(参考:フィリピン産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。開長70〜80mm。♀は,前翅表面に赤斑が発達する。
【雌  雄】 ♂は,前翅裏面の中室外側と後翅裏面の中央に白帯が現れ,後翅表面中央に青藍色の斑紋があり,♀は,後翅表面中央に青藍色の斑紋が出ることはないので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 夏から秋にかけて記録がある。
【生息地】 各地で記録があるが,非常に少ない。
【分  布】  種としては,台湾以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(シンガポールラオスタイベトナム),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ミクロネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 H.bolina jacintha が分布している。
【近似種】 (リュウキュウムラサキの台湾亜種の欄を参照)
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
(参考) 2018.3.8,フィリピン パラワン島,1♀,三河和夫

・リュウキュウムラサキ  (台湾産)    Hypolimnas bolina rarik (Eschscholtz, 1821)    ミクロネシア亜種


写真数: 3枚
(参考:グァム島産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 迷蝶,偶産蝶である。開長70〜80mm。♀は,前翅表面に赤斑が発達する。
【雌  雄】 ♂は,前翅裏面の中室外側と後翅裏面の中央に白帯が現れ,後翅表面中央に青藍色の斑紋があり,♀は,後翅表面中央に青藍色の斑紋が出ることはないので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 夏から秋にかけて記録がある。
【生息地】 各地で記録があるが,非常に少ない。
【分  布】  種としては,台湾以外では,パキスタン,インド,ヒマラヤ,インドシナ半島(シンガポールラオスタイベトナム),フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,ミクロネシア,ニューギニア,オーストラリア北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本の南西諸島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 H.bolina jacintha が分布している。
【近似種】 (リュウキュウムラサキの台湾亜種の欄を参照)
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
(参考) 2009.10.18,高知県高知市,1♀,安中弘行

・ヤエヤマムラサキ  (台湾産)   Hypolimnas anomala anomala (Wallace, 1869)     名義タイプ亜種


写真数: 8枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産と同じ亜種である。開長55〜75mm。各種の花を訪れ,腐った果実や獣糞にも集まる。
【雌  雄】 ♀は,後翅表面中央に青藍色の斑紋が出るので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低標高(〜500m)の海岸林に見られる。
 台湾本島では,土着しておらず,偶産的に発生している。土着しているのは,本島の南東部にある緑島のみで,蘭嶼でも偶産的に発生するだけである。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島,フィリピン,ボルネオ島,インドネシア,日本の南西諸島に分布している。
 中国には分布していない。
【近似種】 リュウキュウムラサキに似ているが,本種は,後翅の翅形が直線的になることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2017.9.10,台東縣蘭嶼,2♂♂,林 本初

・ヒョウマダラ  (台湾産)   Timelaea albescens formosana Fruhstorfer, 1908   台湾亜種


写真数: 84枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長50〜62mm。ゆっくりと飛び,すぐに止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなり,後翅の白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,海岸林に見られる。
 墾丁国家公園社頂自然公園知本渓南山渓本部渓廬山温泉拉拉山下巴陵台北市立動物園虫虫探索谷高雄市直瀬溪高雄市桃源苗栗縣三義台北市福州山拉拉山上巴陵谷関八仙山,南投縣恵孫林場で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部・中部・南部・東部に分布している。
 中国では,陳西省,山東省,河北省,遼寧省,河南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,福建省に,名義タイプ亜種 T.albescens albescens が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2009.2.26,墾丁国家公園,3♂♂,荻野秀一
2013.4.3,墾丁国家公園,1♀
2013.4.4,墾丁国家公園,1♀
2014.3.2,墾丁国家公園,1♀
2014.5.28,社頂自然公園,2♀♀
2014.5.31,社頂自然公園,1♂
2014.6.3,台東市知本渓,1♂
2014.6.7,南投縣南山渓,1ex
2014.6.10,南投縣本部渓,1♀
2015.6.29,南投縣廬山温泉,1♀
2015.7.2,南投縣本部渓,1♀
2015.7.8,拉拉山下巴陵,1♂
2016.3.1,墾丁国家公園,1♀,多田和夫
2016.4.16,台北動物園探索谷,1♀
2016.4.30,高雄市直瀬溪,1♂
2016.5.1,高雄市桃源,1♀
2016.5.7,南投縣本部渓,1♀
2016.6.15,苗栗縣三義,1♀
2016.6.20,拉拉山下巴陵,1♂
2016.6.26,台北市福州山,1♀
2017.7.10,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.11,拉拉山上巴陵,2♂♂
2017.7.12,拉拉山上巴陵,1♂2♀♀
2017.7.14,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.16,谷関八仙山,2♀♀
2017.7.18,谷関松鶴,1♂
2017.7.22,南投縣南山渓,1♂
2017.7.24,南投縣恵孫林場,1♀
2018.7.2,桃園市上巴陵,1♂1♀
2018.7.4,桃園市上巴陵,1♂
2019.7.15,台東縣知本,2♂♂1♀
2019.7.16,花蓮市緑水歩道,1♂
2019.7.22,屏東縣霧台郷,1♂1♀
2022.6.18,新竹市,1♀,岡本英一
2023.5.28,新北市烏来区,1♀,三河和夫
2023.7.2,花蓮市景美,2♀♀
2023.7.4,宜蘭県頭城鎮,1♀
2023.9.13,屏東縣大漢山,1♂,林 本初
2023.10.15,台中市八仙山,1♀,岡本英一

・タイワンコムラサキ  (台湾産)   Chitoria chrysolora (Fruhstorfer,1908)   台湾特産種


写真数: 86枚


出現頻度
★★★☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長55〜65mm。午前中に♂が占有行動をする様子を各所で見ることができた。
 ♀には,白帯型と黄帯型があるが,黄帯型の個体数は非常に少ない。

白帯型

黄帯型
【雌  雄】 ♀は,黒褐色の地色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2500m)の常緑広葉樹林に見られる。
 台湾の北部,中部山岳,南部など各地で見られた。南投縣本部溪拉拉山上巴陵では,多産する。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】  ホウライコムラサキに似ているが,本種は,♂は,前翅翅頂近くに暗褐色斑が発達しないこと,♀では後翅裏面の中央にある褐色帯が,ホウライコムラサキでは直線的になることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.3.4,墾丁国家公園,1♀
2014.5.29,墾丁国家公園,1♂
2014.5.31,墾丁国家公園,1♂
2014.6.9,南投縣本部渓,1♂1♀
2014.6.10,南投縣本部渓,2♂♂
2014.6.11,南投縣本部渓,1♂
2015.6.28,南投縣本部渓,2♂♂
2015.7.1,南投縣奥萬大,1♂1♀
2015.7.2,南投縣本部渓,1♀
2015.7.9,拉拉山下巴陵,1♂
2016.3.30,墾丁国家公園,1♀,多田和夫
2016.4.26,台北動物園探索谷,2♂♂
2016.5.7,南投縣本部渓,4♂♂
2016.6.6,高雄市直瀬溪,1♂
2016.6.7,高雄市高中林道,1♂
2016.6.10,南投縣本部渓,8♂♂1♀
2016.6.19,拉拉山上巴陵,6♂♂
2016.6.22,拉拉山上巴陵,2♂♂1♀
2016.6.29,台北市福州山,2♂♂
2017.7.11,拉拉山上巴陵,5♂♂
2017.7.12,拉拉山上巴陵,6♂♂
2017.7.13,拉拉山上巴陵,5♂♂
2017.7.14,拉拉山上巴陵,3♂♂1♀
2017.7.16,谷関八仙山,1♂
2017.7.18,谷関松鶴,1♀
2017.7.24,南投縣恵孫林場,1♀
2018.7.2,桃園市上巴陵,1♂
2018.7.4,桃園市上巴陵,2♂♂
2018.7.5,桃園市下巴陵,1♂
2018.10.21,南投縣本部渓,3♀♀,大橋豊嗣
2018.10.22,南投縣本部渓,1♀,大橋豊嗣
2019.7.15,台東縣知本,2♂♂1♀
2019.7.20,台北市北投,1♂1♀
2023.9.13,屏東縣大漢山,1♂1♀,林 本初

・ホウライコムラサキ  (台湾産)   Chitoria ulupi arakii (Naritomi, 1959)    台湾亜種


写真数: 34枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長50〜60mm。拉拉山上巴陵では,タイワンコムラサキは,午前中に日当たりのよい樹林の空間で♂が占有行動をし,本種は,午前中は,葉の裏側などで過ごす。午後になると行動が逆になり,本種の♂は,タイワンコムラサキと同じ場所で占有行動をし,両種が活動時間帯を変えていることを観察することができた。
【雌  雄】 ♀は,黒褐色の地色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 6月〜9月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾中央部の中・高標高(1000m〜2500m)の常緑広葉樹林に見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。拉拉山上巴陵(標高1207m),南投縣松崗花蓮市碧緑神木で見られた。南投縣清清草原でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島に分布している。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,別亜種 C.ulupi dubernardi が分布している。
【近似種】  タイワンコムラサキに似ているが,本種の♂は,翅頂の周辺に暗褐色斑が発達すること,♀は裏面が銀色になることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2016.6.22,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.3,南投縣清清草原,1♂,山崎 泰
2017.7.12,拉拉山上巴陵,4♂♂1♀
2017.7.13,拉拉山上巴陵,6♂♂
2017.7.14,拉拉山上巴陵,2♂♂
2017.7.25,南投縣松崗,1♀
2018.6.26,花蓮市碧緑神木,1♂
2018.7.2,桃園市上巴陵,1♂

・タイリクコムラサキ  (台湾産)      Apatura ilia here Felder, 1862    中国中部亜種


写真数: 1枚
(参考:中国産)


出現頻度
☆☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 迷蝶である。2023年8月4日前後に台風6号が台湾の北東部の海上で停滞し,台湾に北西風が吹き,この風によって,中国大陸から飛来した可能性がある。中国には,5亜種がある。褐色型と黒色型がある。
【雌  雄】 ♀は,より大型になり,翅形がやや丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 不明
【生息地】 迷蝶で, 屏東県涼山で撮影された。
【分  布】  種としては,ヨーロッパ, コーカサス地方,ウラル地方南部,カザフスタン北西部,中国,朝鮮半島に分布する。
 中国では,黒竜江省,遼寧省,吉林省,河北省,甘粛省,青海省,山西省,陳西省,新疆ウイグル自治区,山東省,河南省,浙江省,江蘇省,福建省,四川省,雲南省に分布している。
【近似種】 日本産のコムラサキに似ているが,後翅表面の亜外縁に黒斑列があるので区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2023.8.屏東県涼山,1♂(褐色型)

・アサクラコムラサキ  (台湾産)   Helcyra plesseni Fruhstorfer,1913   台湾特産種


写真数: 18枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長50〜56mm。日当たりのよい樹林の空間を好み,樹液,腐敗した果実,獣糞などに集まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなり,白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月〜12月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾中央部の低・中標高(300m〜1700m)の常緑広葉樹林に見られる。
 食草がコバノチョウセンエノキで,この食草の分布が限られるので,発生地が局所的になっており,撮影が難しい種の一つである。南投縣の本部溪で撮影することができた。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.6.3,屏東縣春日郷大漢山,2♀♀,林 本初
2015.9.11,屏東縣春日郷大漢山,3♂♂1♀,林 本初
2015.9.13,屏東縣春日郷大漢山,1♂,林 本初
2016.5.26,屏東縣春日郷大漢山,1♂,林 本初
2017.7.23,南投縣本部溪,1♂
2023.9.13,屏東縣大漢山,3♂♂1♀,林 本初

・シロタテハ  (台湾産)   Helcyra superba takamukui Matsumura, 1919    台湾亜種


写真数: 19枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長60〜68mm。飛び方は速く,驚くと葉の裏に止まる習性がある。獣糞に飛来していた。
【雌  雄】 ♀は,大型になり,翅形がやや丸くなり,黒斑がよく発達するが,生態写真では見分けがつきにくく,雌雄を区別することは難しい。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(100m〜1500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。中部山岳の南山渓南投縣本部渓で撮影することができた。2023年には,台湾南部の大漢山で大発生した。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部・南部に分布している。
 中国では,陳西省,河南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,福建省に,名義タイプ亜種 H.superba superba が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2016.4.2,南投縣南山渓,1ex.,多田和夫
2016.6.10,南投縣本部渓,3exs.
2017.9.4,南投縣本部渓,2exs.
2023.9.13,屏東縣大漢山,13♂♂2♀♀,林 本初

・キゴマダラ  (台湾産)   Sephisa chandra androdamas Fruhstorfer, 1908   台湾亜種


写真数: 48枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長65〜72mm。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。獣糞に飛来していた。
【雌  雄】 ♀は,青藍色の地色になるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月下旬〜12月上旬に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(200m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。中部山岳の本部渓と台東市の知本渓南投縣南山渓拉拉山下巴陵で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島北部,マレーシアに分布している。
 中国では,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,海南省,広東省,福建省,浙江省に分布している。浙江省に分布しているものは,別亜種 S.chandra zhejiangana で,それ以外は,名義タイプ亜種 S.chandra chandra である。
【近似種】 ダイミョウキゴマダラに似ているが,本種は,前翅表面に白斑が現れること,後翅裏面に白斑が現れないことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.6.3,台東市知本渓,1♂
2014.6.9,南投縣本部渓,2♂♂
2014.6.11,南投縣本部渓,2♂♂
2016.5.5,南投縣南山渓,1♀
2016.5.24,南投縣彩蝶瀑布,1♂,岩瀬彰孝
2016.6.10,南投縣本部渓,1♂
2016.6.20,拉拉山下巴陵,1♀2017.7.23,南投縣本部渓,1♀
2018.10.21,南投縣本部渓,1♂,大橋豊嗣
2018.10.29,南投縣本部渓,1♂,安中弘行
2018.11.5,南投縣本部渓,2♂♂1♀
2019.4.22,南投縣本部溪,1♂,安中弘行
2023.4.30,南投縣本部渓,1♂,岡本英一



・ダイミョウキゴマダラ  (台湾産)   Sephisa daimio Matsumura,1910   台湾特産種


写真数: 55枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長57〜67mm。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。
【雌  雄】 ♀は,前翅に白斑が発達するので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 4月下旬〜9月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(500m〜2500m)の常緑広葉樹林に見られる。
 発生地が局部的で,撮影が難しい種の一つである。中部山岳の梨山晉元橋(標高1858m)拉拉山森林遊楽区(1628m),拉拉山上巴陵,谷関松鶴,花蓮市碧緑神木桃園市林班口花蓮市碧緑慈恩で見られた。
【分  布】 台湾以外には分布せず,台湾の特産種である。
【近似種】 キゴマダラに似ているが,本種は,前翅表面に白斑がないこと,後翅裏面に白斑が現れるで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2015.7.4,梨山晉元橋,1♂2016.6.22,拉拉山森林遊楽区,1♂2017.7.13,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.18,谷関松鶴,1♂2018.6.27,花蓮市碧緑神木,1♂2018.7.3,桃園市林班口,1♂
2018.7.10,花蓮市碧緑慈恩,1♂1♀2019.7.16,花蓮市碧緑,1♂2019.7.17,花蓮市碧緑,1♂

・オオムラサキ  (台湾産)   Sasakia charonda formosana ,1963   台湾亜種


写真数: 31枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産は,別亜種charonda である。 開長90〜100mm。大型のタテハチョウで,日本産とは別亜種になっている。現在では,採集は禁止され,保護されている。
【雌  雄】 ♂は,翅表が青藍色に輝くので,雌雄を区別することができる。
【生  態】  5月〜8月に,年1回発生している。
 拉拉山の上巴陵での最盛期は,6月中旬であった。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(400m〜2000m)の常緑広葉樹林に見られる。
 分布域が狭く,なかなか撮影出来ない種の一つである。拉拉山の下巴陵(標高656m),上巴陵(標高1207m)で見られた。ちなみに,北部貫公路の明池国家森林遊楽区や拉拉山一体は,昆虫採集は禁止されている。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インドシナ半島東北部,中国の南西部・南部,朝鮮半島,日本に分布している。
 中国では,陳西省,山西省,河南省,雲南省,江蘇省,浙江省に,別亜種 S.charonda coreana が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2015.5.21,北部横貫公路,1♂,林 本初
2015.5.28,北部貫公路,2♂♂1♀,林 本初
2015.7.9,拉拉山下巴陵,1♀
2016.6.19,拉拉山上巴陵,6♂♂
2016.6.20,拉拉山上巴陵,3♂♂
2016.6.21,拉拉山上巴陵,3♂♂
2016.6.22,拉拉山上巴陵,3♂♂
2016.6.23,拉拉山上巴陵,1♂
2017.7.10,拉拉山上巴陵,3♂♂1♀
2017.7.12,拉拉山上巴陵,5♂♂
2017.7.13,拉拉山上巴陵,3♂♂
2017.7.14,拉拉山上巴陵,4♂♂

・アカボシゴマダラ  (台湾産)   Hestina assimilis formosana (Moore,1895)   台湾亜種


写真数: 49枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 日本産には,assimilis(大陸亜種),shirakii(奄美亜種) がある。開長70〜80mm。飛び方はかなり速いが,すぐに止まる習性がある。飛んでいるときは,コモンマダラ,ウスコモンマダラによく似ている。
【雌  雄】 ♀は,翅形が丸くなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(〜2000m)の常緑広葉樹林,都市林に見られる。
 中部山岳の本部渓南投縣廬山温泉高雄市直瀬溪南投縣南山渓南投縣本部渓苗栗縣三義拉拉山下巴陵新北市烏来台北市剣南山拉拉山上巴陵,谷関八仙山で見られた。社頂自然公園でも撮影された。
【分  布】  種としては,台湾以外では,中国の南西部・南部・東部・北部,朝鮮半島,日本の奄美大島に分布し,近年,関東・中部地方にも生息している。
 中国では,黒竜江省,吉林省,遼寧省,陳西省,甘粛省,山東省,河北省,河南省,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2014.6.10,南投縣本部渓,1♂2015.6.29,南投縣廬山温泉,1♂2016.4.30,高雄市直瀬溪,1♀
2016.5.5,南投縣南山渓,1♀2016.6.10,南投縣本部渓,1♂2016.6.15,苗栗縣三義,1♀
2016.6.20,拉拉山下巴陵,1♂2016.6.24,新北市烏来,1♀2016.6.26,台北市剣南山,1♀
2017.7.10,拉拉山上巴陵,1♀2017.7.12,拉拉山上巴陵,2♂♂2017.7.13,拉拉山上巴陵,2♂♂
2017.7.16,谷関八仙山,1♂2017.7.23,南投縣本部渓,1♂2017.8.17,南投縣本部渓,1♀
2018.11.5,南投縣本部渓,1♂2018.11.8,台北市剣南蝶園,1♂
2019.2.17,社頂自然公園,1♂,荻野秀一
2019.7.19,台北市剣南山,1♀


・フタオチョウ  (台湾産)   Polyura eudamippus formosana (Rothschild, 1899)    台湾亜種


写真数: 56枚


出現頻度
☆☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 日本産は,沖縄亜種weismanni である。開長70〜92mm。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。獣糞や腐果に飛来する。
【雌  雄】 ♀は,後翅の2本の尾状突起が♂のように平行にならず大きく開くので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜10月に,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜1500m)の常緑広葉樹林に見られる。
 陽明山の二子坪新北市烏来区福山村南投縣本部溪新北市烏来新北市汐平路仁愛橋,谷関松鶴,南投縣南山溪で撮影することができた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島,中国の南西部・南部,日本の沖縄本島・奄美大島に分布している。
 日本産は,別亜種 P. eudamippus weismanni (Fritze, 1894) である。
 中国では,西蔵區,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,いくつかの亜種が分布している。
【近似種】  ヒメフタオチョウに似ているが,本種は,前翅裏面前縁部と後翅裏面外縁に明瞭な黒斑が現れることで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2015.7.12,陽明山二子坪,1♂2016.4.23,新北市烏来区福山村,1♂2016.5.4,南投縣本部溪,1♂
2016.6.24,新北市烏来,1♂2016.6.25,新北市汐平路仁愛橋,1♂2017.7.18,谷関松鶴,1♂
2017.7.21,南投縣本部溪,1♂2017.7.22,南投縣南山溪,1♂2017.7.23,南投縣本部溪,1♂
2017.9.6,南投縣南山溪,1♂
2019.4.4,新北市烏来福山村,1♂,大橋豊嗣
2019.4.22,南投縣本部溪,1♂,安中弘行
2023.4.30,南投縣本部渓,1♀,岡本英一
2023.9.13,屏東縣大漢山,1♂,林 本初

・ヒメフタオチョウ   (台湾産)   Polyura narcaea meghaduta (Fruhstorfer, 1908)   台湾亜種


写真数: 41枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】 日本産(迷蝶)は,亜種未決定である。開長62〜75mm。飛び方は速いが,すぐに地上に止まる習性がある。湧き水のある場所や獣糞に飛来していた。
【雌  雄】 ♂は,2本の尾状突起が平行になり,♀は,尾状突起が八の字のように広がるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 周年,年数回発生している。
【生息地】  台湾の低・中標高(〜2000m)の常緑広葉樹林に見られる。
 中部山岳の本部渓南投縣南山渓高雄市直瀬溪苗栗縣三義拉拉山下巴陵陽明山横峰古道で見られた。高雄市六亀区直瀬溪では,かなり数の個体が発生していた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,インドシナ半島東北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,日本の各地・八重山諸島でも記録された。
 中国では,陳西省,山西省,河南省,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,海南省,福建省に,名義タイプ亜種 P.narcaea narcaea が分布している。
【近似種】  フタオチョウに似ているが,本種は,前翅裏面前縁部に黒斑がなく,後翅裏面外縁では小さいことで区別することができる。
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録
2014.6.9,南投縣本部渓,1♂
2014.6.10,南投縣本部渓,4♂♂
2014.6.11,南投縣本部渓,3♂♂
2015.6.28,南投縣本部渓,2♂♂1♀
2016.4.1,南投縣南山渓,1♂, 多田和夫
2016.4.2,南投縣南山渓,1♂, 多田和夫
2016.6.6,高雄市直瀬溪,5♂♂
2016.6.10,南投縣本部渓,2♂♂
2016.6.16,苗栗縣三義,1♂
2016.6.21,拉拉山下巴陵,2♂♂
2016.6.27,陽明山横峰古道,1♂
2017.8.17,南投縣本部渓,2♂♂
2017.9.6,南投縣南山渓,1♂
2024.3.17,南投縣南山渓,1♂,林 本初

・クビワチョウ  (台湾産)   Calinaga buddha formosana Fruhstorfer, 1908    台湾亜種


写真数: 41枚


出現頻度
★★☆☆☆
分布域 と 記録地点
【特  徴】
 開長75〜80mm。♂は,樹間の広い空間を占有行動をしながら,ゆっくりと飛び回る習性がある。岩から出る水や獣糞に集まる様子が観察できた。
【雌  雄】 ♂は,後翅裏面の中室の外側にある灰白色の斑紋が大きくなるので,雌雄を区別することができる。
【生  態】 3月〜6月に,年1回発生している。
【生息地】  台湾の低・中・高標高(200m〜2500m)の常緑広葉樹林で見られる。
 中部山岳の松崗(標高約1973m),南山溪本部渓新北市烏来区福山村で見られた。
【分  布】  種としては,台湾以外では,インド北部,ヒマラヤ,インドシナ半島北部,中国の南西部・南部・東部に分布し,日本の横須賀市でも記録がある。
 中国では,西蔵區,雲南省,四川省,貴州省,広西區,湖南省,広東省,福建省に,いくつかの亜種に分かれている。
【近似種】 なし
成虫期
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月




































記録2014.6.8,南投縣松崗,3♂♂2014.6.10,南投縣本部渓,2♂♂2016.4.19,新北市烏来区福山村,1♀
2016.4.23,新北市烏来区福山村,2♂♂1♀2016.5.7,南投縣本部渓,1♂1♀2018.4.24,南投縣南山渓,1♂
2018.4.25,南投縣本部渓,1♂
2019.4.3,新北市烏来福山村,1♀,大橋豊嗣
2019.4.6,南投縣本部溪,2♂♂,大橋豊嗣
2019.4.7,南投縣本部溪,1♂,大橋豊嗣
2019.4.22,南投縣本部溪,1♀,安中弘行



ジャノメチョウ亜科1は,ここをクリックすると見ることができます

ジャノメチョウ亜科2は,ここをクリックすると見ることができます。(容量の関係で,別ページにしてあります)




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